金利が安い住宅ローンを選ぶ前に知っておくべきこと
住宅ローンを検討する際、「できるだけ金利が低いローンを選びたい」と考えるのは当然です。しかし、金利の低さだけで選ぶと、事務手数料や保証料が高く、総返済額が増える場合があることをご存知でしょうか。
この記事では、2025年10月時点の金利が安い住宅ローンランキング、金利以外のチェックポイント(事務手数料・保証料・団信等)、選び方のコツを、各金融機関の公式情報を元に解説します。
金利だけでなく、総返済額で比較して、自分に最適な住宅ローンを選べるようになります。
この記事のポイント
- 金利の低さだけでなく、総返済額(金利+事務手数料+保証料)で比較することが重要
- 2025年10月時点で変動金利は0.3-0.6%程度、固定金利(10年)は1.0-1.5%程度が相場
- 事務手数料は定額型(3-11万円)と定率型(借入額の2.2%)があり、借入額により有利な方が異なる
- 金利以外のチェックポイントとして、団信の保障内容、繰上返済手数料、審査基準を確認する
変動金利の低金利ランキング【2025年10月最新】
2025年10月時点の変動金利で金利が安い住宅ローンをランキング形式で紹介します。金利は審査結果により変動するため、目安としてご覧ください。
| 順位 | 金融機関 | 変動金利 | 事務手数料 | 保証料 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | PayPay銀行 | 0.270% | 借入額の2.2% | 無料 |
| 2位 | auじぶん銀行 | 0.319% | 借入額の2.2% | 無料 |
| 3位 | SBI新生銀行 | 0.290% | 定額型5.5-16.5万円 | 無料 |
| 4位 | 住信SBIネット銀行 | 0.298% | 借入額の2.2% | 無料 |
| 5位 | みずほ銀行 | 0.375% | 借入額の2.2%または3.3万円 | 無料または金利+0.2% |
(出典: 各金融機関公式サイト、2025年10月時点)
注意: 金利は審査結果・金利優遇の適用条件により変動します。最新情報は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
変動金利の特徴とリスク
変動金利は固定金利より低いですが、将来金利が上昇するリスクがあります。半年ごとに金利が見直され、市場金利の上昇に応じて返済額が増加する可能性があります。
返済余力がある、繰上返済予定がある方に適しています。
固定金利の低金利ランキング【2025年10月最新】
2025年10月時点の固定金利(10年固定・全期間固定)で金利が安い住宅ローンをランキング形式で紹介します。
10年固定金利ランキング
| 順位 | 金融機関 | 10年固定金利 | 事務手数料 | 保証料 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | PayPay銀行 | 0.975% | 借入額の2.2% | 無料 |
| 2位 | auじぶん銀行 | 1.165% | 借入額の2.2% | 無料 |
| 3位 | 住信SBIネット銀行 | 1.143% | 借入額の2.2% | 無料 |
| 4位 | SBI新生銀行 | 1.100% | 定額型5.5-16.5万円 | 無料 |
| 5位 | みずほ銀行 | 1.450% | 借入額の2.2%または3.3万円 | 無料または金利+0.2% |
(出典: 各金融機関公式サイト、2025年10月時点)
全期間固定金利(フラット35)
フラット35は、住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利の住宅ローンです。2025年10月の金利は1.5-2.0%程度です(出典: 住宅金融支援機構公式サイト、2025年10月時点)。
フラット35のメリット:
- 全期間固定金利で金利上昇リスクなし
- 自営業・非正規雇用でも比較的通りやすい
- 保証料不要
フラット35のデメリット:
- 変動金利・10年固定より金利が高い
- 事務手数料は借入額の2.2%が一般的
金利以外のチェックポイント5つ
金利の低さだけで住宅ローンを選ぶと、総返済額が増える場合があります。以下の5つのポイントを確認してください。
①事務手数料と保証料の有無
事務手数料は定額型(3-11万円)と定率型(借入額の2.2%)があります。
比較例(借入額3,000万円):
- 定額型5.5万円: 総額5.5万円
- 定率型2.2%: 3,000万円 × 2.2% = 66万円
借入額が少ない場合は定率型が有利、借入額が多い場合は定額型が有利です。
保証料は、一括前払い型(借入額の2%程度)と金利上乗せ型(金利+0.2%)があります。ネット銀行は保証料無料の場合が多いです。
②団信(団体信用生命保険)の保障内容
団信は、借入者が死亡・高度障害時にローン残高がゼロになる保険です。基本的な団信は金利に含まれますが、ガン保障・3大疾病保障等の特約は金利上乗せ(+0.1-0.3%)または別途保険料が必要です。
団信の種類:
- 基本団信: 死亡・高度障害時に保障(金利に含まれる)
- ガン保障: ガンと診断された時点で保障(金利+0.1-0.2%)
- 3大疾病保障: ガン・脳卒中・心筋梗塞で保障(金利+0.2-0.3%)
自分の健康状態・家族構成に応じて、必要な保障を選択してください。
③繰上返済手数料
繰上返済(通常の返済とは別に、まとまった金額を返済)の手数料は、金融機関により異なります。
- ネット銀行: 繰上返済手数料無料(インターネットバンキング利用時)
- メガバンク: 繰上返済手数料5,000-30,000円(窓口利用時)
繰上返済を予定している場合は、手数料無料の金融機関を選ぶことをおすすめします。
④審査基準とスピード
金融機関により審査基準が異なります。以下の傾向があります。
- ネット銀行: 審査が厳しい傾向、正社員・高年収が有利
- フラット35: 自営業・非正規雇用でも比較的通りやすい
- メガバンク: 取引実績(給与振込・預金残高)が有利に働く
審査スピードは案件により異なりますが、一般的な目安としてネット銀行は1-2週間、メガバンクは2-4週間程度です。
⑤サポート体制と利便性
住宅ローンは長期間の付き合いになるため、サポート体制も重要です。
- ネット銀行: 窓口なし、電話・チャットのみ。手続きは全てオンラインで完結
- メガバンク: 全国に窓口あり、対面相談可能。書類提出等は窓口で手続き
自分のライフスタイルに合ったサポート体制を選んでください。
金利が安い住宅ローンの選び方3つのコツ
金利が安い住宅ローンを選ぶコツを3つ紹介します。
①金利タイプの選択(変動・固定・固定期間選択)
金利タイプは自分の状況に応じて選択してください。
変動金利が向いている人:
- 返済余力がある(収入が安定、貯蓄に余裕)
- 繰上返済予定がある
- 金利上昇リスクを理解し、対応できる
固定金利が向いている人:
- 返済余力が限られる(収入が不安定、貯蓄が少ない)
- 安定性を重視する
- 金利上昇リスクを避けたい
②総返済額で比較する
金利の低さだけでなく、総返済額(金利+事務手数料+保証料)で比較してください。
比較例(借入額3,000万円、35年返済、シミュレーション結果):
| 金融機関 | 変動金利 | 事務手数料 | 総返済額(概算) |
|---|---|---|---|
| A銀行 | 0.3% | 66万円(2.2%) | 約3,300万円 |
| B銀行 | 0.4% | 11万円(定額型) | 約3,280万円 |
この例では、金利が0.1%高いB銀行の方が、総返済額は安くなります(詳細は各金融機関のシミュレーターでご確認ください)。
③複数社の仮審査を活用する
自分の年収・職業・借入希望額で、どの金融機関が最も有利な条件を提示するか、複数社の仮審査を活用して確認してください。
仮審査は信用情報に影響しない(本審査のみ記録される)ため、複数社に同時に申し込むことが可能です。3-5社に仮審査を依頼し、最も有利な条件を提示した金融機関を選ぶことをおすすめします。
まとめ:金利が安い住宅ローンを総合的に比較しよう
金利が安い住宅ローンを選ぶ際は、金利の低さだけでなく、総返済額(金利+事務手数料+保証料)で比較することが重要です。2025年10月時点で、変動金利は0.3-0.6%程度、固定金利(10年)は1.0-1.5%程度が相場です。
金利以外のチェックポイントとして、①事務手数料と保証料の有無、②団信の保障内容、③繰上返済手数料、④審査基準とスピード、⑤サポート体制を確認してください。
次のアクションとして、①複数社の仮審査を活用して自分に最も有利な条件を確認、②総返済額で比較して金融機関を選択、③金利タイプ(変動・固定)を自分の状況に応じて決定することをおすすめします。信頼できる金融機関やFPに相談しながら、最適な住宅ローンを選びましょう。
