住宅ローンで家電家具は購入できる?諸費用ローンの活用法

公開日: 2025/11/11

住宅ローンで家電家具は購入できる?結論と基本知識

初めて住宅購入を検討する際、「引っ越し後の家電家具購入費用を住宅ローンに含められるのか」と疑問に思う方は少なくありません。

結論から言えば、住宅ローン本体には家電家具を含めることはできません。ただし、一部の金融機関では「諸費用ローン」を活用することで、家電家具の購入費用を融資対象とできる場合があります。

この記事では、住宅ローンの資金使途、諸費用ローンの活用方法、利用時のリスクと注意点を、金融庁や住宅金融支援機構の公式情報を元に解説します。

この記事のポイント

  • 住宅ローンの資金使途は「住宅の取得・建築・改修」に限定され、家電家具は含められない
  • 一部の民間銀行では諸費用ローンで家電家具を含められるが、フラット35は不可
  • 諸費用ローンは金利が高く(2-3%程度)、総返済額が増えるリスクがある
  • ビルトイン家電(食洗機・IHコンロ等)は住宅の一部として認められる場合がある
  • 家電家具を不正申告すると、住宅ローン控除で税務上の問題が発生する可能性がある

住宅ローンの資金使途と家電家具が含められない理由

住宅ローンの資金使途は、法律により「住宅の取得・建築・改修」に限定されています。これは、住宅ローンが担保(不動産)を前提とした低金利融資であり、家電家具のような動産は担保価値がないためです。

住宅ローンの資金使途は「住宅の取得・建築・改修」に限定

住宅金融支援機構法により、フラット35等の公的住宅ローンは「住宅の取得・建築・改修」のみに使用できます。民間銀行の住宅ローンも、基本的に同様の資金使途制限があり、家電家具は対象外です。

ビルトイン家電は例外的に認められるケース

ただし、食洗機・IHコンロ等のビルトイン家電(住宅に直接取り付ける組み込み型の家電)は、住宅の一部として認められ、住宅ローン対象になる場合があります。一方、冷蔵庫・洗濯機等の独立した家電は対象外です。

諸費用ローンで家電家具を購入する方法

住宅ローン本体には含められない家電家具ですが、一部の金融機関では「諸費用ローン」を活用することで購入費用を融資対象とできます。

諸費用ローンとは何か

諸費用ローンは、住宅購入に伴う諸費用(登記費用・仲介手数料等)を融資する商品です。一部の民間銀行では、諸費用に家電家具購入費用も含められる場合があります。

家電家具を含められる金融機関と条件

諸費用ローンで家電家具を含められる条件は、金融機関により異なります。一般的な条件は以下の通りです。

  • 融資額: 物件価格の10%程度まで
  • 金利: 2-3%程度(住宅ローン本体より高い)
  • 審査: 総借入額が増えるため、返済負担率が上がり審査が厳しくなる

フラット35と民間銀行の違い

項目 フラット35 民間銀行
家電家具の融資 不可 一部金融機関で可能
諸費用ローン 対象外 対応する金融機関あり
金利 1%台 諸費用ローンは2-3%程度

フラット35は住宅金融支援機構法により資金使途が厳格に制限されており、家電家具を組み込むことはできません。民間銀行の一部商品では対応可能ですが、金融機関ごとに条件が異なるため、事前確認が必要です。

諸費用ローンを利用する際の注意点とリスク

諸費用ローンで家電家具を購入する場合、以下の注意点とリスクを理解してください。

金利が高く総返済額が増える

諸費用ローンの金利は住宅ローン本体より高く(2-3%程度)、総返済額が増えます。例えば、100万円を金利2.5%で30年返済すると、総返済額は約140万円となり、40万円の利息負担が発生します。

返済負担率が上がり審査が厳しくなる

諸費用ローンで借入額が増えると、返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)が上がり、審査が厳しくなります。一般的に、返済負担率は30-35%以内が目安ですが、これを超えると審査に通りにくくなります。

住宅ローン控除の対象外になる可能性

家電家具分は住宅ローン控除(年末残高の0.7%)の対象外となる可能性があります。住宅ローン控除は「住宅の取得」に使用した借入のみが対象であり、家電家具は対象外です。

家電家具購入の予算計画と代替手段

諸費用ローンを利用する前に、予算計画と代替手段を検討しましょう。

引っ越し後の家電家具の一般的な予算目安

引っ越し後の家電家具購入に必要な予算は、一般的な目安として以下の通りです(実際の費用は購入する製品により異なります)。

  • 家電: 冷蔵庫、洗濯機、エアコン、照明器具等で30-50万円程度
  • 家具: ソファ、ダイニングテーブル、ベッド等で20-50万円程度
  • 合計: 50-100万円程度

諸費用ローン以外の資金調達方法

諸費用ローン以外にも、以下の資金調達方法があります。

  • 貯蓄: 最も金利負担がない方法
  • 家電量販店の分割払い: 無金利キャンペーンを活用できる場合がある
  • フリーローン: 諸費用ローンより金利が高い場合があるが、審査が比較的柔軟

総合的に判断し、自分に合った方法を選択してください。

まとめ:住宅ローンで家電家具を賄う際の判断基準

住宅ローン本体には家電家具を含められませんが、諸費用ローンで対応可能な場合があります。ただし、金利差・審査への影響・総返済額を総合的に判断する必要があります。

諸費用ローンの利用を検討する際は、複数の金融機関に事前確認し、返済計画を十分に検討してください。

無理のない資金計画で、新しい生活をスタートしましょう。

よくある質問

Q1フラット35では家電家具を諸費用ローンに含められますか?

A1フラット35は住宅金融支援機構法により資金使途が「住宅の取得・建築・改修」に限定されており、家電家具は含められません。民間銀行の一部商品では可能な場合があります。

Q2ビルトイン家電と独立した家電の違いは何ですか?

A2ビルトイン家電(食洗機・IHコンロ等)は住宅に直接取り付ける組み込み型で、住宅の一部として住宅ローン対象になる場合があります。冷蔵庫・洗濯機等の独立した家電は対象外です。

Q3家電家具を住宅購入費用として不正申告するとどうなりますか?

A3見積書・契約書を細かくチェックされるため、ごまかしは通用しません。不正が発覚すると住宅ローン控除の適用で税務上の問題になる可能性があり、金融機関との信頼関係も損なわれます。

Q4諸費用ローンを利用すると審査に通りにくくなりますか?

A4総借入額が増えると返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)が上がり、審査が厳しくなります。物件価格以上の金額を借りる「オーバーローン」に該当するため、事前に返済計画を十分に検討する必要があります。