古家付き土地とは?メリット・デメリットと購入の注意点
「古家付き土地」という物件を見かけたとき、「そのまま住めるのか」「解体費用はどうなるのか」と疑問に感じる方は少なくありません。
この記事では、古家付き土地の定義、メリット・デメリット、購入時の注意点、解体費用と更地との比較を国土交通省の公式情報を元に解説します。
古家付き土地は、建物の資産価値がほぼゼロで土地のみの価格で購入できる物件ですが、解体費用や再建築不可のリスクなど注意点も多いため、慎重な検討が必要です。
この記事のポイント
- 古家付き土地は建物の資産価値がほぼゼロで、土地のみの価格で購入できる物件
- メリット: 更地より安く購入可能、固定資産税の軽減、住宅ローン利用可能
- デメリット: 解体費用が必要(100-300万円程度)、再建築不可のリスク、契約不適合責任
- 購入前に再建築可否・インフラ整備状況・境界確定の有無を必ず確認
- 解体費用を含めて更地と比較し、総額で判断することが重要
古家付き土地とは?定義と特徴
古家付き土地とは、建物の資産価値がほぼゼロで、土地のみの価格で販売される物件です。法律上の明確な定義はありませんが、一般的には築30年以上の建物が残っている土地を指します。
古家付き土地の特徴
- 建物の資産価値がほぼゼロ(価格は土地のみ)
- 更地より安く購入できる場合がある
- 解体費用は買主負担が一般的
- 固定資産税の軽減措置が適用される(建物が残っている間)
更地との違い
更地は建物が存在しない土地で、すぐに建築可能です。古家付き土地は建物が残っているため、解体費用が必要ですが、固定資産税の軽減措置が適用されます。
メリット:更地より安く購入できる可能性
メリット1: 購入価格が安い
古家付き土地は、更地より安く購入できる場合があります。売主が解体費用を負担しない分、土地価格を下げて販売するケースが多いためです。
メリット2: 固定資産税の軽減措置
建物が残っている間は、固定資産税の軽減措置(住宅用地の特例)が適用されます。土地の固定資産税が最大1/6に軽減されるため、更地で保有するより税負担が少なくなります。
メリット3: 住宅ローンが利用可能
古家付き土地は「土地+建物」として住宅ローンが利用できる場合があります。更地の場合、土地のみのローンは金利が高くなる傾向があるため、古家付き土地の方が有利なケースもあります。
デメリット:解体費用と再建築不可のリスク
デメリット1: 解体費用が必要(100-300万円程度)
古家を解体して新築する場合、解体費用が必要です。解体費用は建物の構造・規模により異なりますが、木造30坪で100-150万円、鉄骨造で150-300万円程度が目安です。
解体費用を含めて更地と比較し、総額で判断することが重要です。
デメリット2: 再建築不可のリスク
古家付き土地の中には、再建築不可の物件があります。再建築不可とは、現在の建築基準法に適合しないため、解体後に新たな建物を建てられない土地です。
再建築不可の例:
- 接道義務を満たしていない(道路に2m以上接していない)
- 市街化調整区域内で建築許可が下りない
購入前に、不動産会社に再建築可否を必ず確認してください。
デメリット3: 契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)
古家付き土地は、建物の状態が不明確なため、契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)のリスクがあります。購入後に建物の欠陥が見つかっても、売主が責任を負わない特約が付いている場合が多いため、契約書をよく確認してください。
購入時の注意点:必ず確認すべき3つのポイント
注意点1: 再建築可否の確認
再建築可否を必ず確認してください。市区町村の建築指導課や不動産会社に問い合わせ、建築基準法に適合しているかを確認します。
注意点2: インフラ整備状況の確認
上下水道・ガス・電気等のインフラ整備状況を確認してください。インフラが未整備の場合、引込工事費用(数十万円~数百万円)が必要になります。
注意点3: 境界確定の有無
境界が確定しているかを確認してください。境界未確定の場合、測量費用(30-100万円程度)が必要になります。また、隣地所有者とのトラブルを避けるため、境界確定は必須です。
解体費用と更地との比較
解体費用の目安
| 建物の構造 | 坪単価 | 30坪の場合 | 
|---|---|---|
| 木造 | 3-5万円/坪 | 90-150万円 | 
| 鉄骨造 | 5-7万円/坪 | 150-210万円 | 
| RC造 | 7-10万円/坪 | 210-300万円 | 
解体費用に加えて、アスベスト除去費用(数十万円~数百万円)が必要な場合もあります。
更地との総額比較
古家付き土地の総額 = 土地価格 + 解体費用
更地の総額 = 土地価格
総額で比較し、古家付き土地の方が安い場合に購入を検討してください。
リフォームして住む選択肢
古家をリフォームして住む選択肢もあります。リフォーム費用は建物の状態により異なりますが、フルリフォームで500-1,000万円程度が目安です。
リフォームのメリット
- 新築より安く住宅を取得できる
- 既存の建物を活かせる
- 工事期間が短い(新築より早く入居可能)
リフォームのデメリット
- 耐震性・断熱性が新築より劣る場合がある
- リフォーム費用が高額になる可能性がある
- 建物の寿命が短い
リフォームを検討する場合は、建物の状態を専門家(建築士・ホームインスペクター)に診断してもらうことを推奨します。
まとめ:総額で判断し、再建築可否を確認
古家付き土地は、建物の資産価値がほぼゼロで土地のみの価格で購入できる物件です。メリット(更地より安く購入可能、固定資産税の軽減、住宅ローン利用可能)とデメリット(解体費用が必要、再建築不可のリスク、契約不適合責任)を理解し、慎重に検討しましょう。
購入前に、再建築可否・インフラ整備状況・境界確定の有無を必ず確認してください。解体費用を含めて更地と比較し、総額で判断することが重要です。
リフォームして住む選択肢もありますが、建物の状態を専門家に診断してもらうことを推奨します。信頼できる不動産会社や専門家に相談しながら、ご自身に合った選択をしてください。
