住宅ローン本審査は早くて何日?期間と審査が長引く原因を解説

公開日: 2025/11/11

住宅ローン本審査は早くて何日?期間の目安を理解する

住宅ローンの本審査を控えた方にとって、「いつ結果が出るのか」は非常に重要な問題です。物件の決済日が迫っている場合、審査期間を正確に把握しておかないと、契約に間に合わない可能性もあります。

本審査の期間は通常1〜3週間、最短で3〜5営業日程度です。この記事では、住宅金融支援機構や金融機関の公式データを元に、本審査の期間の目安、審査が長引く原因、早めるための対策を詳しく解説します。

初めて住宅ローンを利用する方でも、審査期間を正確に理解し、余裕を持ったスケジュールを組めるようになります。

この記事のポイント

  • 本審査の期間は通常1〜3週間、最短で3〜5営業日程度
  • 金融機関の種類(メガバンク・地方銀行・ネット銀行)により審査期間が異なる
  • 書類不備・物件評価の遅れ・繁忙期・信用情報の追加確認が長引く主な原因
  • 書類を事前に完璧に準備し、申告内容の正確性を確保することで審査をスムーズに進められる
  • 決済日から逆算し、最低でも1ヶ月前には本審査を開始することが安全

本審査と事前審査の違い

本審査と事前審査は、どちらも住宅ローンの融資可否を判断する審査ですが、その目的と所要期間が大きく異なります。

審査種別 期間 目的 確認内容
事前審査 最短即日〜3営業日程度 融資可能性の簡易判断 年収・勤務先・借入希望額等の基本情報
本審査 1〜3週間(最短3〜5営業日) 正式な融資可否の決定 物件の担保評価・団信の健康審査・正式書類確認

事前審査は簡易的な判断のため、通過しても本審審査で否決されるケースがあります。本審査では物件の担保価値や団信(団体信用生命保険)の健康審査も行われるため、より厳密な審査となります。

金融機関による審査期間の違い

金融機関の種類により、本審査の期間は大きく異なります。

メガバンク:1〜3週間(三井住友銀行の例)

三井住友銀行の公式FAQによると、WEB申込専用住宅ローンの場合、事前審査1週間〜10日、本審査から借入まで約1ヵ月という期間が明示されています。メガバンクは物件評価・団信審査を慎重に行うため、1〜3週間かかるのが一般的です。

地方銀行:1〜2週間

地方銀行は地域密着型で柔軟な対応が可能ですが、審査期間は1〜2週間程度です。地域の不動産事情に詳しく、物件評価が比較的スムーズに進む傾向があります。

ネット銀行:最短3〜5営業日

ネット銀行はオンライン完結型の審査フローを採用しており、最短3〜5営業日で本審査が完了する場合があります。ただし、書類不備や繁忙期により大幅に延びる可能性もあるため、余裕を持ったスケジュールが必要です。

本審査が長引く5つの原因と対策

本審査が予定より長引く原因は、大きく5つに分類されます。

①書類不備・有効期限切れ

書類に不備があると再提出が必要となり、審査期間が1〜2週間延長されます。特に以下の書類は注意が必要です。

  • 源泉徴収票(直近1〜3年分)
  • 住民票(有効期限3ヶ月、取得タイミングに注意)
  • 印鑑証明(有効期限3ヶ月)
  • 物件関連書類(売買契約書、重要事項説明書等)

対策: 必要書類をリストアップし、有効期限を確認して一括取得。書類を早く取得しすぎると有効期限(通常3ヶ月)を超過し、再取得が必要になるため、本審査申込みの直前(1〜2週間前)に取得するのが理想的です。

②物件の担保評価に時間がかかる

金融機関は融資対象物件の担保価値を鑑定します。築古物件や特殊な物件(旗竿地、不整形地、再建築不可等)は評価に時間がかかり、審査が遅れる原因となります。

対策: 物件の特性を事前に不動産会社に確認し、評価に時間がかかる可能性がある場合は、金融機関に早めに相談しておくことが重要です。

③信用情報の追加確認が必要

金融庁の住宅ローン実態調査によると、金融機関は信用情報(延滞・多重債務の記録)を厳密に確認します。信用情報に問題がある場合、追加確認が入り審査が長引く、または否決される可能性があります。

対策: 審査前にクレジットカードの延滞がないか確認し、消費者金融等の借入は事前に完済しておくことが推奨されます。

④繁忙期(1〜3月)の混雑

1〜3月は転勤・新生活シーズンで住宅ローンの繁忙期です。金融機関が混雑し、通常より1週間程度審査期間が延びる傾向があります。

対策: 繁忙期を避けるか、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。

⑤自営業者・転職直後の収入確認

自営業者や転職直後の方は、収入の安定性確認に時間がかかります。給与所得者と異なり、確定申告書(直近2〜3年分)や決算書の提出が必要となり、審査が長引く傾向があります。

対策: 必要書類を事前に準備し、収入の安定性を証明できる資料(顧問契約書、継続取引先のリスト等)を追加で用意しておくと審査がスムーズに進む場合があります。

本審査を早めるための実践的な方法

審査をスムーズに進めるための具体的な方法を3つ紹介します。

書類を事前に完璧に準備する

三井住友銀行の公式サイトでは、本審査に必要な書類を網羅的にリスト化しています。以下の書類を事前に準備しておくことで、審査をスムーズに進められます。

  • 源泉徴収票(直近1〜3年分)
  • 住民票(発行後3ヶ月以内)
  • 印鑑証明(発行後3ヶ月以内)
  • 物件関連書類(売買契約書、重要事項説明書、登記簿謄本等)
  • 自営業者の場合: 確定申告書(直近2〜3年分)、決算書

申告内容の正確性を確保する

年収・勤務先・借入状況を正確に申告することが重要です。虚偽申告は審査否決の原因となるだけでなく、融資実行後に発覚した場合は一括返済を求められる可能性もあります。

審査中の信用状況変化を避ける

審査中は転職・クレジットカード新規作成・消費者金融からの借入等を避けることが推奨されます。信用状況の変化は審査のやり直しや否決の原因となるため、融資実行(決済完了)まで現状を維持することが重要です。

本審査の流れと各ステップの所要期間

本審査は以下の流れで進みます。各ステップの所要期間を把握しておくことで、全体のスケジュールを正確に見積もることができます。

ステップ 内容 所要期間
①必要書類提出 金融機関へ正式書類を提出 1〜2日
②物件の担保評価 不動産鑑定・立地・築年数等の評価 3〜7日
③団信の健康審査 団体信用生命保険の加入審査 3〜5日
④信用情報照会・審査 年収・勤務先・借入状況の確認 3〜7日
⑤審査結果通知 承認または否決の通知 1〜2日

合計で1〜3週間が標準的な期間です。ただし、書類不備・物件評価の遅れ・繁忙期等により大幅に延びる可能性があるため、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。

まとめ:逆算スケジュールで余裕を持った申込みを

住宅ローンの本審査は最短3〜5営業日、通常1〜3週間かかります。金融機関の種類(メガバンク・地方銀行・ネット銀行)により期間が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

審査が長引く主な原因は、書類不備・物件評価の遅れ・繁忙期・信用情報の追加確認です。書類を事前に完璧に準備し、申告内容の正確性を確保することで、審査をスムーズに進められます。

決済日から逆算し、最低でも1ヶ月前には本審査を開始することが安全です。余裕を持ったスケジュールを組み、信頼できる不動産会社や金融機関に相談しながら進めましょう。

よくある質問

Q1本審査と事前審査の期間の違いは?

A1事前審査は最短即日〜3営業日程度で、基本情報(年収・勤務先・借入希望額)で融資可能性を判断します。本審査は1〜3週間かけて物件の担保評価・団信審査・正式書類確認を行います。事前審査通過後に本審査へ進みますが、事前審査通過後に本審査で否決されるケースもあるため、事前審査の結果だけでは安心できません。

Q2本審査中に転職しても大丈夫ですか?

A2審査中の転職は避けるべきです。転職は信用状況の大きな変化とみなされ、審査がやり直しになるか否決される可能性があります。融資実行(決済完了)まで転職は控えることが推奨されます。どうしても転職が必要な場合は、金融機関に事前に相談し、影響を確認してください。

Q3書類の有効期限はいつから起算されますか?

A3書類取得日から通常3ヶ月が有効期限です。早く取得しすぎると審査時に期限切れになり、再取得が必要となります。本審査申込みの直前(1〜2週間前)に取得するのが理想的です。ただし、平日昼間しか取得できない公的書類(住民票、印鑑証明等)もあるため、取得スケジュールを事前に確認しておきましょう。

Q4繁忙期はいつで、どれくらい審査が延びますか?

A41〜3月が住宅ローンの繁忙期(転勤・新生活シーズン)です。金融機関が混雑し、通常より1週間程度審査期間が延びる傾向があります。繁忙期を避けるか、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。特に3月決済を予定している場合は、2月中旬までに本審査を開始することを推奨します。

Q5本審査が長引くと審査に落ちる可能性が高い?

A5必ずしもそうではありません。書類不備・物件評価の遅れ・繁忙期等の事務的な理由で延びる場合も多いです。ただし、信用情報の追加確認が長引く場合は審査が厳しい可能性があるため、金融機関に状況を確認することを推奨します。長引く理由を具体的に聞くことで、対策を講じることができる場合もあります。