住宅ローン本審査は最短何日?期間の目安を解説
住宅購入を進めている方にとって、「本審査はどのくらいかかるのか」という疑問は切実です。事前審査は通過したものの、本審査にかかる期間が分からず、引き渡し日までに間に合うか不安を感じる方は少なくありません。
結論から言えば、本審査の期間は一般的に申込から1-2週間、ネット銀行や都市銀行では最短3-5営業日のケースもあります。ただし、金融機関や申込者の状況により大きく異なり、最短3日~最長4週間以上かかる場合もあります。
本記事では、住宅金融支援機構や各金融機関の公式情報を元に、本審査期間の目安、金融機関別の違い、審査が長引く理由、早める方法を解説します。
この記事のポイント
- 本審査は一般的に1-2週間、最短3-5営業日だが金融機関により異なる
- 事前審査(3日-1週間)と本審査は別物で、本審査では団信健康診断・担保評価・雇用確認・書類精査が行われる
- 審査が長引く理由は繁忙期・書類不備・高額借入・保証会社審査等
- 本審査承認後も金銭消費貸借契約・融資実行までに1-2週間かかる
- 申込から融資実行まで全体で1-1.5ヶ月かかるため、余裕を持ったスケジュールが重要
金融機関別の本審査期間の違い
本審査の期間は、金融機関の種類により大きく異なります。
ネット銀行:最短3-10営業日
ネット銀行は手続きがオンラインで完結するため、比較的迅速です。
| 金融機関 | 本審査期間 |
|---|---|
| PayPay銀行 | 3-10営業日 |
| 住信SBIネット銀行 | 1-2週間 |
| auじぶん銀行 | 1-2週間 |
| ソニー銀行 | 1-2週間 |
(出典: 各金融機関公式サイト、2025年10月時点)
ネット銀行の中でもPayPay銀行は最短3営業日と特に早いですが、これはあくまで最短ケースであり、書類不備や追加確認が必要な場合は延びる可能性があります。
メガバンク・地方銀行:1-2週間
メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行等)や地方銀行は、1-2週間が一般的です(各金融機関公式サイトより)。対面での手続きが必要な場合もあり、ネット銀行より時間がかかる傾向にあります。
ただし、支店での相談や追加書類の提出がスムーズに進めば、1週間程度で完了するケースもあります。
フラット35:2-3週間程度
フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関の二段階審査が行われるため、他の住宅ローンより時間がかかります。
- 第一段階:民間金融機関の審査(1週間程度)
- 第二段階:住宅金融支援機構の審査(1-2週間程度)
- 合計:2-3週間程度
フラット35は雇用形態を問わず審査対象となり、派遣社員や自営業者も利用しやすい反面、審査期間が長くなる点に注意が必要です。
繁忙期(2-4月、9-10月)の影響:
住宅購入の繁忙期は、通常より2-3週間長引くことがあります。進学・就職・転勤シーズンの2-4月、転職・異動シーズンの9-10月は、金融機関の審査件数が増加し、処理に時間がかかります。
繁忙期を避けて申し込むことで審査期間を短縮できる可能性がありますが、物件購入のタイミングを優先することが重要です。
事前審査と本審査の違い:なぜ本審査は時間がかかるのか
事前審査と本審査は、審査内容と期間が大きく異なります。
事前審査は3日-1週間の簡易審査
事前審査(仮審査)は、申込者の申告情報(年収・勤務先・借入希望額等)をもとに、融資可能性を判断する簡易的な審査です。正式な書類(源泉徴収票・住民票等)は不要で、3日-1週間程度で結果が出ます。
本審査で確認される4つの項目
本審査では、以下の4つの項目を詳細に確認します。
1. 団信の健康診断
団体信用生命保険(団信)への加入審査として、健康状態を詳細に確認します。過去の病歴や現在の健康状態を告知し、保険会社が審査します。健康上の問題がある場合、審査に時間がかかったり、団信に加入できない可能性があります。
2. 物件の担保評価
不動産鑑定士等の専門家が物件を評価し、融資額に見合う担保価値があるか確認します。物件の立地・築年数・状態等を総合的に判断し、評価額が低い場合は融資額が減額される可能性があります。
3. 雇用状況の再確認
勤務先への在籍確認、収入証明(源泉徴収票・課税証明書等)の精査を行います。事前審査では申告情報のみでしたが、本審査では正式な書類で裏付けを取ります。
4. 提出書類の精査
源泉徴収票・住民票・印鑑証明書・物件の登記簿謄本等、正式な書類を一つ一つ精査します。書類に不備があると、追加提出を求められ、審査が延びる原因となります。
これらの項目を確認するため、事前審査より時間がかかります。事前審査通過=本審査も必ず通るわけではない点に注意が必要です。
本審査が長引く5つの理由
審査が長引く具体的な理由を5つに分類して説明します。
1. 繁忙期(2-4月、9-10月)の影響
前述の通り、繁忙期は審査件数が増加し、通常より2-3週間長引くことがあります。金融機関の審査担当者のキャパシティに限りがあるため、処理が遅れる傾向にあります。
2. 書類不備・追加書類の要求
提出書類に不備があると、追加書類の提出を求められ、1週間以上遅延することがあります。よくある不備は以下の通りです。
- 源泉徴収票の年度が古い
- 住民票の有効期限(発行から3ヶ月以内)が切れている
- 印鑑証明書の印鑑と契約書の印鑑が一致しない
- 物件の登記簿謄本の情報が売買契約書と異なる
3. 高額借入・保証会社の二重審査
高額借入(例: 5,000万円以上)の場合、金融機関の審査に加えて、保証会社の審査も行われることがあります。二重審査により、通常より1-2週間長くかかる可能性があります。
4. 物件の担保評価が低い
物件の担保評価が借入希望額に対して低い場合、追加の審査や交渉が必要になります。築年数が古い、立地が悪い、市場価格より高い等の理由で評価が低くなると、審査が延びる原因となります。
5. 転職・収入変動がある
事前審査後に転職や収入変動があると、雇用状況の再確認が必要になり、審査が延びます。最悪の場合、審査がやり直しになる可能性もあります。
重要: 審査が長引くことは「審査に落ちる兆候」ではなく、通常の審査プロセスです。不安な場合は金融機関に状況を確認しましょう。
本審査を早めるための3つの方法
審査を早めるための正当な方法を3つ提示します。
1. 書類を事前準備し不備をなくす
必要書類を事前に準備し、不備をなくすことが最も重要です。金融機関のチェックリストを活用し、以下を確認してください。
必要書類の例:
- 本人確認書類(運転免許証・パスポート等)
- 収入証明書(源泉徴収票・課税証明書等、最新年度)
- 住民票・印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
- 物件の売買契約書・登記簿謄本
- 他の借入の返済予定表(カードローン・自動車ローン等)
書類の有効期限(住民票・印鑑証明書は発行から3ヶ月以内)を確認し、期限切れの書類を提出しないよう注意してください。
2. 金融機関への迅速な対応
金融機関からの連絡や追加書類要求には、迅速に対応してください。連絡が遅れると、その分審査も遅れます。
- 電話・メールには当日中に返答する
- 追加書類は3日以内に提出する
- 不明点があれば金融機関に確認する
3. 審査中のNG行為を避ける(転職・新たな借入)
審査中に以下の行為を行うと、審査がやり直しになる可能性があります。
NG行為:
- 転職する(雇用状況が変わる)
- 新たな借入をする(カードローン・自動車ローン等)
- クレジットカードを大量に作る(信用情報に影響)
- 高額な買い物をする(返済能力が疑われる)
事前審査通過後から融資実行まで、雇用状況や借入状況を変えないことが重要です。
本審査承認後の流れ:融資実行までの期間
本審査承認=融資実行ではありません。承認後も以下のステップがあります。
金銭消費貸借契約(金消契約)の締結
本審査承認後、融資実行日の1週間-1ヶ月前頃に、金融機関で金銭消費貸借契約(金消契約)を締結します。これは、融資条件(借入額・金利・返済期間等)を正式に定める契約です。
金消契約時に必要なもの:
- 本人確認書類
- 印鑑(実印)
- 印鑑証明書
- 収入印紙(借入額により異なる)
契約書に署名・捺印し、正式に借入が確定します。
融資実行日の決定と物件引き渡し
金消契約から3日-1週間程度後に、融資実行日が決定します。融資実行日は、金融機関から実際に資金が振り込まれる日で、物件の引き渡し日と同日が一般的です。
融資実行日に、金融機関から売主の口座に代金が振り込まれ、同時に物件の所有権が買主に移転します。
全体のスケジュール:
| ステップ | 期間 |
|---|---|
| 事前審査 | 3日-1週間 |
| 本審査 | 1-2週間(最短3日~最長4週間以上) |
| 金消契約 | 本審査承認後1週間-1ヶ月 |
| 融資実行 | 金消契約後3日-1週間 |
| 合計 | 申込から1-1.5ヶ月 |
※金融機関や申込者の状況により期間は異なります
本審査承認後も1-2週間かかるため、引き渡し日までに間に合うよう、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
まとめ:住宅ローン本審査のスケジュール管理
住宅ローン本審査の期間は、一般的に1-2週間、最短3-5営業日ですが、金融機関や状況により大きく異なります。事前審査(3日-1週間)と本審査は別物で、本審査では団信健康診断・担保評価・雇用確認・書類精査が行われるため時間がかかります。
重要なポイント:
- 本審査は1-2週間、最短3日~最長4週間以上
- 本審査承認後も金消契約・融資実行までに1-2週間
- 申込から融資実行まで全体で1-1.5ヶ月
- 繁忙期は2-3週間長引く可能性
- 書類不備・審査中の転職・新たな借入を避ける
次のアクションとして、以下をおすすめします:
- 金融機関に審査期間を事前確認する
- 必要書類を早めに準備し、不備をなくす
- 引き渡し日から逆算して、余裕を持ったスケジュールを組む
余裕を持ったスケジュールを組み、引き渡し日に間に合わないトラブルを防ぎましょう。審査が長引いても焦らず、金融機関と密に連絡を取りながら進めることが成功の鍵です。
