土地購入の手付金を徹底解説:相場・返金ルール・注意点

公開日: 2025/11/11

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土地購入の手付金を徹底解説:相場・返金ルール・注意点

土地を購入する際、売買契約時に「手付金」を支払う必要があります。手付金の金額や返金ルールを正しく理解していないと、契約解除時にトラブルが発生する可能性があります。

この記事では、土地売買における手付金の相場、手付解除のルール、注意点を、民法や宅地建物取引業法の規定を元に解説します。

初めて土地を購入する方でも、手付金の仕組みを正しく理解し、安心して契約を進められるようになります。

この記事のポイント

  • 土地売買の手付金は売買代金の5-10%が一般的な相場(法律上は20%まで可能)
  • 手付金には解約手付・証約手付・違約手付の3つの性質があり、一般的には「解約手付」と推定される
  • 手付解除のルール:買主は手付金を放棄、売主は手付金の倍額を返還することで契約を解除できる
  • 手付解除は「相手方が契約の履行に着手するまで」が期限
  • 宅建業者が売主の場合、手付金が売買代金の20%を超える場合や一定額以上の場合は保全措置が必要

土地売買の手付金とは:契約成立の証拠と解除時の担保

手付金は、不動産売買契約時に買主が売主に支払う金銭です。三井住友トラスト不動産の解説によると、手付金は契約が成立したことを証明し、解約時の担保としての役割を持ちます。

手付金は売買代金の一部として充当されるため、決済時には売買代金から手付金を差し引いた残金を支払います。

手付金の法的性質:解約手付・証約手付・違約手付

手付金には以下の3つの性質があります。

手付の種類 内容
解約手付 買主が手付金を放棄、または売主が手付金の倍額を返還することで契約を解除できる
証約手付 契約が成立したことを証明する手付金
違約手付 契約違反があった場合の損害賠償の予定または違約罰としての手付金

民法557条により、特約がない限り、手付金は「解約手付」と推定されます。つまり、契約書に特別な記載がない場合、手付金は解約手付として扱われます。

手付金の相場:売買代金の5-10%が一般的

みずほ銀行によると、土地売買の手付金は売買代金の5-10%が一般的な相場です。

手付金の相場例

  • 売買代金2,000万円の場合: 手付金100-200万円
  • 売買代金3,000万円の場合: 手付金150-300万円
  • 売買代金5,000万円の場合: 手付金250-500万円

ただし、宅地建物取引業法により、宅建業者が売主の場合は手付金の上限が売買代金の20%と定められています。

手付解除のルール:買主は手付放棄、売主は倍返し

手付解除は、民法557条に基づき、一定の期限内であれば、買主または売主が契約を解除できる仕組みです。

買主からの手付解除:手付金を放棄して解除

買主が契約を解除したい場合、支払った手付金を放棄することで解除できます。手付金は返金されず、売主のものとなります。

  • 売買代金: 3,000万円
  • 手付金: 300万円(10%)
  • 買主が解除: 手付金300万円を放棄

売主からの手付解除:手付金の倍額を返還して解除

売主が契約を解除したい場合、受け取った手付金の倍額を買主に返還することで解除できます。これを「手付倍返し」といいます。

  • 売買代金: 3,000万円
  • 手付金: 300万円(10%)
  • 売主が解除: 手付金300万円 × 2 = 600万円を買主に返還

手付解除の期限:相手方が履行に着手するまで

手付解除ができる期限は、「相手方が契約の履行に着手するまで」です。三井住友トラスト不動産によると、履行の着手とは、契約内容の実現に向けた客観的な行為を開始したことを指します。

履行の着手の具体例

  • 買主側: 売買代金の支払い準備(金融機関との住宅ローン契約締結等)
  • 売主側: 所有権移転登記の準備、物件の引渡準備

相手方が履行に着手した後は、手付解除はできず、債務不履行による解除または損害賠償請求となります。

宅建業者が売主の場合の保全措置

宅地建物取引業法により、宅建業者が売主の場合は、買主保護のために以下の規制があります。

手付金の上限:売買代金の20%まで

宅建業者が売主の場合、手付金の上限は売買代金の20%までと定められています。これを超える手付金を受け取ることはできません。

保全措置の義務

アットホームの説明によると、以下の条件に該当する場合、宅建業者は手付金等の保全措置を講じる必要があります。

保全措置が必要となるケース

  • 未完成物件: 手付金が売買代金の5%または1,000万円を超える場合
  • 完成物件: 手付金が売買代金の10%または1,000万円を超える場合

保全措置とは、銀行保証や保険等により、万が一宅建業者が倒産した場合でも、買主が手付金を返還してもらえる仕組みです。

土地購入の手付金で注意すべきポイント

手付金を支払う際には、以下のポイントに注意が必要です。

契約書で手付金の性質を確認する

売買契約書には、手付金の性質(解約手付・証約手付・違約手付)が明記されているか確認しましょう。特約により、手付解除が制限されている場合があります。

確認すべき項目

  • 手付金の金額と性質
  • 手付解除の期限(履行の着手の定義)
  • 特約の有無(手付解除を制限する条項がないか)

手付金の支払い時期と方法

手付金は、売買契約締結時に現金または銀行振込で支払うのが一般的です。領収書を必ず受け取り、保管してください。

住宅ローン特約との関係

住宅ローン特約(融資特約)が付いている場合、住宅ローンの審査が通らなかったときは、手付金が全額返金されます。この場合、手付解除ではなく、契約が白紙に戻る仕組みです。

住宅ローンを利用する場合は、必ず住宅ローン特約を契約書に盛り込むことをおすすめします。

解約時の手付金の扱い

手付解除により契約を解除した場合、以下の点に注意が必要です。

  • 買主からの解除: 手付金は返金されず、売主のものとなる
  • 売主からの解除: 手付金の倍額が返金される
  • 双方の合意による解除: 手付金の扱いは当事者間の合意による

解除理由が債務不履行(契約違反)の場合は、手付解除ではなく、損害賠償請求が可能となります。

よくある質問

土地購入の手付金に関して、多くの方が抱く疑問に回答します。

まとめ:手付金のルールを理解して安心の土地購入を

土地購入の手付金は、売買代金の5-10%が一般的な相場で、法律上は20%までが上限です(宅建業者が売主の場合)。

手付金には解約手付・証約手付・違約手付の3つの性質があり、特約がない限り「解約手付」と推定されます。手付解除のルールは、買主が手付金を放棄、売主が手付金の倍額を返還することで契約を解除できるというものです。

手付解除の期限は「相手方が契約の履行に着手するまで」であり、それ以降は解除できません。契約書で手付金の性質や特約を必ず確認し、不明点があれば宅建士や弁護士に相談することをおすすめします。

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よくある質問

Q1手付金は必ず返金されますか?

A1手付金が返金されるかは、解除の理由と方法により異なります。買主から手付解除した場合、手付金は返金されず売主のものとなります。売主から手付解除した場合、手付金の倍額が返金されます。住宅ローン特約により契約が白紙に戻った場合は、手付金は全額返金されます。契約書で手付金の性質と解除条件を必ず確認してください。

Q2手付金の相場はどれくらいですか?

A2土地売買の手付金は、売買代金の5-10%が一般的な相場です。例えば、売買代金が3,000万円の場合、手付金は150-300万円程度となります。ただし、宅地建物取引業法により、宅建業者が売主の場合は手付金の上限が売買代金の20%までと定められています。具体的な金額は、売主・買主の合意により決定されます。

Q3手付解除の期限はいつまでですか?

A3手付解除ができる期限は、「相手方が契約の履行に着手するまで」です。履行の着手とは、契約内容の実現に向けた客観的な行為を開始したことを指します。例えば、買主が住宅ローン契約を締結したり、売主が所有権移転登記の準備を始めたりした場合、履行の着手と見なされます。それ以降は手付解除ができず、債務不履行による解除または損害賠償請求となります。

Q4住宅ローンが通らなかった場合、手付金は返金されますか?

A4住宅ローン特約(融資特約)が契約書に記載されている場合、住宅ローンの審査が通らなかったときは契約が白紙に戻り、手付金は全額返金されます。この場合、手付解除ではなく、契約自体が無効となるため、買主に不利益はありません。住宅ローンを利用する場合は、必ず住宅ローン特約を契約書に盛り込むことをおすすめします。

Q5宅建業者が売主の場合、保全措置とは何ですか?

A5保全措置とは、宅建業者が倒産した場合でも、買主が支払った手付金を返還してもらえる仕組みです。未完成物件で手付金が売買代金の5%または1,000万円を超える場合、完成物件で10%または1,000万円を超える場合に義務付けられます。保全措置には、銀行保証、保険、指定保管機関への預託等があります。宅建業者は保全措置を講じたことを証明する書類を買主に交付する必要があります。