住宅ローンの返済予定表とは?見方と活用方法を徹底解説

公開日: 2025/11/1

住宅ローンの返済予定表とは何か

住宅ローンを借りた際、金融機関から交付される返済予定表。「どう見ればいいのか分からない」「保管しておく必要があるのか」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、返済予定表の見方、活用方法、入手方法を、金融機関の公式情報や住宅金融支援機構のガイドラインを元に解説します。

返済予定表を正しく理解することで、繰上返済や借り換えの判断、確定申告の準備がスムーズに進められるようになります。

この記事のポイント

  • 返済予定表は住宅ローンの返済スケジュール全体を記載した重要書類
  • 返済日・返済額・元金と利息の内訳・ローン残高が記載されている
  • 繰上返済・借り換え判断、確定申告での活用が可能
  • 変動金利型ローンは金利確定期間(通常6ヶ月)のみ記載される
  • 紛失時は金融機関窓口やネットバンキングで再発行可能

返済予定表に記載されている項目

返済予定表には、住宅ローンの返済に関する重要な情報が記載されています。主な項目は以下の通りです。

項目 内容
返済回数 第1回〜最終回までの通し番号
返済日 毎月の引き落とし日
返済額 毎月の返済総額(元金+利息)
元金 返済額のうち元金部分
利息 返済額のうち利息部分
ローン残高 各回返済後の残元金

(出典: SBI新生銀行

元金と利息の内訳を理解する

元利均等返済の場合、毎月の返済額は一定ですが、元金と利息の内訳は毎月変化します。

  • 初期: 利息が多く、元金の返済が進みにくい
  • 返済が進むにつれて: 元金の割合が増え、利息が減少

この仕組みを理解することで、「繰上返済はいつするのが効果的か」「どれくらい利息を払っているのか」が明確になります。

ローン残高の確認

各回返済後のローン残高が記載されています。残高を確認することで、以下の判断に役立ちます。

  • 繰上返済の効果試算
  • 借り換え時の残債確認
  • 返済完了時期の把握

元利均等返済と元金均等返済の違い

返済予定表の見方は、返済方式により異なります。

元利均等返済の特徴

  • 毎月の返済額が一定(元金+利息の合計額が固定)
  • 初期は利息が多く、元金返済が進みにくい
  • 家計管理がしやすい
  • 総利息額は元金均等返済より多い

多くの金融機関がデフォルトとして採用している返済方式です。

元金均等返済の特徴

  • 毎月の元金返済額が一定
  • 返済が進むにつれて利息が減り、返済額も減少
  • 初期の返済負担が大きい
  • 総利息額は元利均等返済より少ない

選択制の場合が多く、収入に余裕がある方向けの返済方式です。

返済予定表の活用方法

返済予定表は保管するだけでなく、以下のように活用できます。

繰上返済の効果試算

繰上返済には以下の2種類があります。

  • 期間短縮型: 元金を前倒しで返済し、返済期間を短縮。総利息額を大きく減らせる
  • 返済額軽減型: 元金を前倒しで返済し、毎月の返済額を減らす。返済期間は変わらない

返済予定表で現在の残高・残期間を確認し、繰上返済の効果を試算することができます。

注意: 繰上返済後に新しい返済予定表が自動送付されない金融機関もあります。繰上返済時に金融機関に確認し、必要に応じて再発行を依頼しましょう。

借り換え判断の材料

現在のローン残高・残期間と、他行の金利を比較することで、借り換えメリットを判断できます。

価格.comによると、借り換えで総返済額が減るかどうかは、以下の要素で決まります。

  • 現在の金利と借り換え後の金利差
  • ローン残高
  • 残期間
  • 借り換え費用(手数料、登録免許税等)

返済予定表で正確な残高・残期間を把握することが、借り換え判断の第一歩です。

確定申告(住宅ローン控除)での活用

住宅ローン控除を申請する際、「残高証明書」が必要です。返済予定表とは別の書類ですので、混同しないよう注意してください。

  • 返済予定表: 返済スケジュール全体を記載
  • 残高証明書: 年末残高を証明する書類(確定申告で必要)

住宅金融支援機構の公式サイトで残高証明書の発行手続きを確認できます。

返済完了時期の確認

最終返済日を確認することで、定年前完済などの計画を立てられます。ライフプランに合わせた返済計画の見直しに活用しましょう。

返済予定表の入手方法と再発行手続き

返済予定表は、融資実行時または契約後1〜2週間以内に交付されます。

契約時の交付と保管

  • 郵送: 自宅に郵送される(紙の返済予定表)
  • ネットバンキング: 電子データでダウンロード可能

銀行法・金融商品取引法により、金融機関は返済予定表の交付が義務付けられています。

紛失時の再発行手続き

紛失した場合、以下の方法で再発行できます。

  • 金融機関窓口: 直接申請
  • ネットバンキング: 自分で出力(無料の場合が多い)
  • 電話: コールセンターに依頼

再発行手数料は金融機関により異なります(無料〜数百円)。

住宅金融支援機構(フラット35)の場合、公式サイトで残高照会・返済予定表出力が可能です。

デジタル化の最新動向

2025年以降、一部金融機関が紙の返済予定表を廃止し、完全Web化しています。

例えば、楽天銀行は2025年4月から紙の返済予定表の送付を終了し、Web閲覧に移行しました。

金融機関により対応が異なるため、自身の借入先の方針を確認しておきましょう。

変動金利型ローンの注意点

変動金利型ローンの場合、返済予定表は金利確定期間(通常6ヶ月)のみ記載されます。

半年ごとの金利見直し

市場金利に連動して適用金利が変動するため、返済予定表も半年ごとに更新されます。長期的な返済計画は立てづらい点に注意が必要です。

最新の返済予定表を確認

金利変動により返済額が変わる可能性があるため、半年ごとに最新の返済予定表を確認することをおすすめします。

まとめ

返済予定表は、住宅ローンの返済スケジュール全体を把握できる重要書類です。返済日・返済額・元金と利息の内訳・ローン残高が記載されており、繰上返済・借り換え判断、確定申告での活用が可能です。

変動金利型ローンの場合は6ヶ月ごとに最新の返済予定表を確認し、金利変動による返済額の変化を把握することが重要です。

紛失した場合は金融機関に再発行を依頼し、電子化が進む中でネットバンキングでの確認方法も習得しておきましょう。返済予定表を活用して、賢く返済計画を立ててください。

よくある質問

Q1返済予定表と残高証明書の違いは?

A1返済予定表は返済スケジュール全体を記載した書類、残高証明書は年末残高を証明する書類です。確定申告で住宅ローン控除を申請する際は残高証明書が必要で、返済予定表では代用できません。残高証明書は金融機関から毎年10〜11月頃に送付されます。

Q2変動金利型ローンの返済予定表は全期間分が記載されますか?

A2いいえ、金利確定期間(通常6ヶ月)のみ記載されます。半年ごとに金利見直しがあり、返済予定表も更新されます。長期的な返済計画は立てづらい点に注意が必要です。最新の返済予定表を半年ごとに確認することをおすすめします。

Q3繰上返済後に新しい返済予定表はもらえますか?

A3金融機関により対応が異なります。自動送付される場合もありますが、自分で照会・再発行手続きが必要な場合もあります。繰上返済時に金融機関に確認しておくことを推奨します。ネットバンキングで自分で出力できる場合は、手数料無料のことが多いです。

Q4返済予定表の再発行に手数料はかかりますか?

A4金融機関により異なります。無料の場合もあれば数百円かかる場合もあります。ネットバンキングで自分で出力できる場合は無料のことが多いです。窓口や郵送で再発行を依頼する場合は手数料がかかることがあるため、事前に確認しましょう。

Q5返済予定表はどのように保管すればいいですか?

A5紙の返済予定表は紛失しないよう、契約書類と一緒に保管することをおすすめします。ネットバンキングで電子データとしてダウンロードできる場合は、PDFで保存しておくと便利です。繰上返済や借り換えを検討する際にすぐ参照できるよう、整理しておきましょう。