住宅ローン金利はこれからどうなる?不安を抱える人が増えている理由
住宅ローンを検討している方、または既に借入中の方の中には、「金利はこれからどうなるのか」「返済額が増えてしまわないか」と不安を感じる方が少なくありません。
この記事では、住宅金融支援機構や日本銀行の公式情報、金融機関の最新レポートを元に、2025年以降の金利動向、変動金利と固定金利の選び方、借り換えのタイミング、経済情勢との関係を解説します。
金利の仕組みを理解し、将来の返済計画を立てられるようになります。
この記事のポイント
- 日銀が2025年12月に政策金利を0.75%に引き上げ、30年ぶりの水準に(2026年4月に変動金利が0.25%上昇する可能性)
- 約8割が変動金利を選択、金利上昇リスクに備えた繰り上げ返済・借り換え検討が重要
- 借り換えの最適なタイミングは固定金利特約期間終了時、変動金利の返済額見直し時、転職前、健康状態が良好なとき
- 2024-2025年の住宅ローン控除は子育て世帯・若者夫婦世帯への優遇が強化
(1) 30年ぶりの金利上昇局面に突入
日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、2024年7月、2025年1月、2025年12月と追加利上げを実施しました。2025年12月18-19日には政策金利を0.75%に引き上げ、1995年以来30年ぶりの水準となりました。
(2) 変動金利を選んだ8割の人が直面する現実
住宅金融支援機構の調査によると、新たに住宅ローンを借りる人のうち約8割が変動金利型を選んでいます。変動金利は半年ごとに金利が見直されるため、金利上昇局面では返済額が増加するリスクがあります。
(3) この記事で解決できる3つの不安
この記事では、「住宅ローン金利は今後どうなるか」「変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきか」「借り換えのタイミングはいつがいいか」の3つの不安を解決します。
住宅ローンの基礎知識:変動金利と固定金利の違い
(1) 変動金利の仕組み:5年ルールと125%ルール
変動金利は、半年ごとに金利が見直される金利タイプです。ただし、以下の2つのルールがあります。
- 5年ルール: 返済額は5年に1度しか見直されない
- 125%ルール: 返済額は前回の1.25倍までに制限される
これにより、急激な返済額の増加は抑えられますが、金利が上昇しても返済額が据え置かれると、元金返済が進まず利息負担が増える可能性があります。
(2) 固定金利の仕組み:全期間固定と期間選択型
固定金利は、一定期間または全期間、金利が変わらない金利タイプです。
- 全期間固定金利: 借入から完済まで金利が変わらない
- 期間選択型固定金利: 3年・5年・10年など一定期間のみ固定金利
固定金利は返済計画が立てやすい一方、変動金利より金利が高めに設定されています。
(3) 政策金利と長期金利の関係
- 政策金利: 日本銀行が金融政策の誘導目標とする金利(変動金利のベース)
- 長期金利: 10年国債利回り等の長期の金利(固定金利のベース)
政策金利が上昇すると変動金利も上昇し、長期金利が上昇すると固定金利も上昇します。
(4) 現在の金利水準と相場感
2025年12月時点の政策金利は0.75%です。変動金利の基準金利は金融機関により異なりますが、政策金利の影響を受けて上昇傾向にあります。
2025年以降の金利動向:日銀の政策と今後の見通し
(1) 日銀が2025年12月に政策金利を0.75%に引き上げ
日本銀行は2025年12月18-19日の金融政策決定会合で、政策金利を0.50%から0.75%に引き上げました。これは1995年以来30年ぶりの水準です。
(2) 2026年4月に変動金利が0.25%上昇する可能性
金融機関のレポートによると、2026年4月に変動金利の基準金利が0.25%上昇する可能性があります。これは政策金利の引き上げを反映したものです。
(3) 2026年7月返済分から影響を受ける見込み
変動金利は半年ごとに見直されるため、2026年4月に金利が上昇すると、2026年7月返済分から影響を受ける見込みです。ただし、5年ルールにより返済額は2031年まで据え置かれる可能性があります。
(4) 政策金利は2026年12月までに約1.1%まで上昇する予測
ESPフォーキャスト調査(民間エコノミストによる経済予測)によると、政策金利は2026年12月までに約1.1%まで上昇する可能性があります。ただし、金利予測には不確実性があります。
(5) 金利が1%上がると返済額はどれくらい変わるか
4,500万円を借入した場合、金利が1%上昇すると月約1万4,000円の返済額増加となります。ただし、5年ルールと125%ルールにより、急激な返済額の増加は抑えられます。
変動金利vs固定金利:あなたに合った選び方
(1) 借入額・借入期間別の選択基準
| 借入額 | 借入期間 | 推奨金利タイプ |
|---|---|---|
| 3,000万円未満 | 20年未満 | 変動金利 |
| 3,000-5,000万円 | 20-35年 | 変動・固定どちらも検討 |
| 5,000万円以上 | 35年 | 固定金利も検討 |
借入額が大きく、借入期間が長いほど、金利上昇リスクが大きくなるため、固定金利の検討が推奨されます。
(2) 家計の余裕とリスク許容度による判断
家計に余裕があり、繰り上げ返済ができる方は、変動金利でリスクを抑えられます。一方、返済額を固定したい方は、固定金利が安心です。
(3) 金利上昇に備えた繰り上げ返済の活用法
金利上昇に備えて繰り上げ返済をうまく活用し、住宅ローン残高(元金)を減らすことで、金利上昇による利息への影響を小さくできます。
(4) 複数シナリオで考える返済計画
金利が上昇した場合、据え置かれた場合、下落した場合の3つのシナリオで返済計画を立てることで、将来の不確実性に備えられます。
借り換えのタイミングと判断基準:損しないための実務知識
(1) 借り換えを検討すべき4つのタイミング
借り換えを検討すべきタイミングは以下の通りです。
- 固定金利特約期間終了時: 特約期間終了後は金利が上昇するため、借り換えで金利を下げられる可能性がある
- 変動金利の返済額見直し時: 5年ごとの返済額見直しのタイミング
- 転職前: 転職後は審査が厳しくなる可能性があるため、転職前に借り換えを検討
- 健康状態が良好なとき: 団体信用生命保険への加入が必要なため
(2) 借り換えのメリットが出やすい3つの条件
借り換えのメリットが出やすい条件は以下の通りです。
- ローン残高1,000万円以上
- 残り返済期間10年以上
- 金利差1%以上
これらの条件を満たす場合、借り換えによる総返済額の削減効果が大きくなります。
(3) 諸費用を含めた総返済額の比較方法
借り換えには諸費用(手数料・保証料等)がかかるため、諸費用を含めた総返済額で比較する必要があります。金融機関のシミュレーションツールを活用しましょう。
(4) 金融機関のシミュレーションツールの活用法
主要な金融機関の公式サイトには、借り換えシミュレーションツールが用意されています。諸費用を含めた総返済額を比較し、メリットがあるかを確認できます。
(5) 住宅ローン控除の2024-2025年の変更点
2024年の税制改正で、省エネ基準を満たさない新築住宅は住宅ローン控除の対象外になりました。一方で、子育て世帯(19歳未満の子のいる世帯)・若者夫婦世帯(夫婦どちらかが40歳未満)への優遇が強化され、従前の控除水準が維持されています。床面積要件の緩和措置(40㎡以上)も2025年度末まで延長されています。
まとめ:金利上昇時代に備えた住宅ローン戦略
住宅ローン金利は、日銀の金融政策により30年ぶりの上昇局面に突入しています。2026年4月に変動金利が0.25%上昇する可能性があり、2026年7月返済分から影響を受ける見込みです。
変動金利と固定金利の選択は、借入額・借入期間・家計の余裕によって異なります。金利上昇に備えて繰り上げ返済を活用し、複数シナリオで返済計画を立てることが重要です。
借り換えの最適なタイミングは、固定金利特約期間終了時、変動金利の返済額見直し時、転職前、健康状態が良好なときです。諸費用を含めた総返済額で比較し、メリットがあるかを慎重に判断しましょう。
金利予測には不確実性があるため、ファイナンシャルプランナー等の専門家に相談しながら、適切な住宅ローン戦略を立てることを推奨します。


