賃貸とマンション購入、どちらがお得?比較の5つの視点
住まい選びを検討している方の中には、「賃貸と購入のどちらが経済的に有利か」「ライフスタイルに合っているか」分からず、大きな決断を前に迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、賃貸とマンション購入の生涯コスト比較、ライフプラン別シミュレーション、メリット・デメリット、資産性・リスク、向いている人・向いていない人を解説します。自分に最適な選択肢を判断できます。
この記事のポイント
- 生涯コストで比較すると、50年間で賃貸約1億円、購入約7,500万円となり、購入の方が約1,500万円お得になるケースがある
- 購入の最大のメリットは「資産になる」点で、住宅ローン完済後は老後の住居費負担が大幅に軽減される
- 賃貸の最大のメリットは「ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる」点で、転勤・転職・家族構成の変化に合わせて住み替えやすい
- どちらが得かはライフプラン次第で、同一地域に長期居住する場合は購入が有利、短期居住なら賃貸が有利
- 購入は簡単に引越しができず転勤・転職時に負担、賃貸は高齢になると入居審査が厳しくなる
(1) 生涯コスト(総支払額)
賃貸とマンション購入を比較する際、最も重要な視点の1つが生涯コスト(総支払額)です。
明和地所グループによると、50年間で賃貸約1億円、購入約8,450万円となり、購入が約1,570万円お得になる試算例があります。
ただし生涯コストは物件価格・家賃・金利・居住期間等の前提条件により大きく変動するため、個別のシミュレーションが必要です。
(2) 資産性(売却・相続)
購入の場合、不動産が資産になります。将来の売却や相続が可能です。
一方、賃貸は家賃を一生払い続けても資産にはなりません。
(3) 流動性(住み替えの自由度)
賃貸は住み替えの自由度が高く、転勤・転職・家族構成の変化に柔軟に対応できます。
購入は簡単に引越しができず、売却や賃貸に出すには手間とコストがかかります。
(4) 老後の住居費負担
購入の場合、住宅ローン完済後は固定資産税・修繕積立金・管理費のみとなり、月々の負担が大幅に軽減されます。
賃貸は一生家賃を払い続ける必要があり、年金生活では家賃負担が家計を圧迫するリスクがあります。
(5) ライフスタイルとの適合性
「どちらが得か」は、ライフスタイル・価値観によって異なります。
- 転勤・転職が多い: 賃貸が適している
- 同一地域に長期居住: 購入が適している
- 資産を残したい: 購入が適している
- 身軽に暮らしたい: 賃貸が適している
生涯コストで徹底比較:50年間でいくらかかる?
(1) 賃貸の生涯コスト(家賃+更新料+引越し費用)
賃貸の生涯コストは、家賃、更新料、引越し費用の合計です。
試算条件:
- 家賃:月10万円
- 更新料:2年ごとに家賃1ヶ月分
- 引越し費用:10年ごとに30万円
50年間の総額:
家賃:10万円 × 12ヶ月 × 50年 = 6,000万円
更新料:10万円 × 25回 = 250万円
引越し費用:30万円 × 5回 = 150万円
合計:6,400万円
SUUMOの試算では、50年間で約7,000万円となっています。
(2) 購入の生涯コスト(物件価格+ローン利息+固定資産税+修繕費)
購入の生涯コストは、物件価格、ローン利息、固定資産税、修繕積立金、管理費、リフォーム費用の合計です。
試算条件:
- 物件価格:3,500万円
- 住宅ローン:金利1.3%、35年返済
- 固定資産税:年15万円(50年間)
- 修繕積立金・管理費:月2.5万円(50年間)
- リフォーム費用:500万円(30年目)
50年間の総額:
物件価格(頭金込み):3,500万円
ローン利息:約850万円
固定資産税:15万円 × 50年 = 750万円
修繕積立金・管理費:2.5万円 × 12ヶ月 × 50年 = 1,500万円
リフォーム費用:500万円
合計:7,100万円
明和地所グループの試算では、50年間で約8,450万円となっています。
(3) 具体的な試算例(賃貸約1億円、購入約7,500万円)
別の試算例として、家賃15万円の賃貸と5,000万円のマンション購入を比較します。
賃貸:
家賃:15万円 × 12ヶ月 × 50年 = 9,000万円
更新料・引越し費用:約400万円
合計:9,400万円
購入:
物件価格(頭金込み):5,000万円
ローン利息:約1,200万円
固定資産税・修繕積立金・管理費・リフォーム費用:約2,500万円
合計:8,700万円
差額:約700万円(購入がお得)
(4) 試算の前提条件と変動要因
生涯コストの試算は、以下の前提条件により大きく変動します。
変動要因:
- 物件価格・家賃: 立地により大きく異なる
- 住宅ローン金利: 金利が上昇すると購入コストが増える
- 居住期間: 短期居住なら賃貸が有利、長期居住なら購入が有利
- 家賃上昇率: 家賃が上昇すると賃貸コストが増える
- 売却価格: 購入後に売却する場合、売却価格により実質コストが変わる
どちらが得かは個別のシミュレーションが必要です。
ライフプラン別シミュレーション:独身・DINKS・ファミリー・シニアの各ケース
(1) 独身の場合(住み替えの自由度重視)
独身の場合、転勤・転職の可能性が高く、住み替えの自由度を重視するため、賃貸が適しているケースが多いです。
メリット:
- 転勤・転職に柔軟に対応できる
- 初期費用が少なく、気軽に引越しできる
- ライフスタイルの変化に合わせて住まいを選べる
デメリット:
- 家賃を一生払い続ける
- 老後の住居費負担が重い
- 資産にならない
(2) DINKSの場合(資産形成重視)
DINKS(共働き子なし夫婦)の場合、収入が安定しており資産形成を重視するため、購入が適しているケースが多いです。
メリット:
- 資産を形成できる
- 住宅ローン控除で税優遇を受けられる
- 老後の住居費負担が軽減される
デメリット:
- 初期費用が大きい
- 簡単に引越しできない
- 将来子どもができた場合、間取りが合わなくなる可能性
(3) ファミリーの場合(子育て環境重視)
ファミリーの場合、子育て環境を重視し、長期居住を前提とするため、購入が適しているケースが多いです。
メリット:
- 子育てに適した環境を選べる
- 住宅ローン完済後は老後の住居費負担が軽減される
- 資産を子どもに相続できる
デメリット:
- 転勤・転職時に負担が大きい
- 子どもの独立後、間取りが広すぎる可能性
- 初期費用が大きい
(4) シニアの場合(老後の安心重視)
シニアの場合、老後の住居費負担を軽減し安心を重視するため、持ち家(既に購入済み)または購入が適しています。
メリット(持ち家):
- 住宅ローン完済後は固定資産税・修繕積立金のみで負担が軽い
- 年金生活でも安心
- 資産を相続できる
デメリット(賃貸):
- 高齢になると入居審査が厳しくなる
- 収入がない場合、契約を断られる可能性
- 家賃を一生払い続ける必要がある
広告
メリット・デメリット徹底比較(賃貸vs購入)
(1) 賃貸のメリット(柔軟性、初期費用少、維持費不要)
メリット:
- 住み替えの自由度が高い: 転勤・転職・家族構成の変化に柔軟に対応
- 初期費用が少ない: 敷金・礼金・仲介手数料のみ(物件価格の数%)
- 維持費不要: 固定資産税・修繕積立金・管理費が不要
- 設備の故障は大家負担: 給湯器・エアコン等の故障は大家が修理
(2) 賃貸のデメリット(資産にならない、老後の審査問題、家賃を一生払う)
デメリット:
- 資産にならない: 家賃を払い続けても自分の資産にならない
- 老後の入居審査が厳しい: 高齢・収入なしだと契約を断られる可能性
- 家賃を一生払う: 年金生活で家賃負担が家計を圧迫
- リフォーム自由度が低い: 大家の許可が必要
(3) 購入のメリット(資産になる、ローン完済後の負担減、住宅ローン控除)
メリット:
- 資産になる: 不動産が自分の資産、売却・相続が可能
- ローン完済後の負担減: 固定資産税・修繕積立金のみで月々の負担が大幅に軽減
- 住宅ローン控除: 年末ローン残高の一定割合を所得税・住民税から控除(2025年現在も継続)
- リフォーム自由: 専有部分は自由にリフォーム可能(管理規約の範囲内)
三菱UFJ銀行によると、住宅ローン金利・返済シミュレーション・税制優遇を含めた総合的な比較が重要です。
(4) 購入のデメリット(初期費用大、流動性低、維持費発生)
デメリット:
- 初期費用が大きい: 頭金・諸費用で物件価格の20~30%
- 流動性が低い: 簡単に引越しできず、売却には時間とコストがかかる
- 維持費発生: 固定資産税・修繕積立金・管理費が継続的に発生
- 災害リスク: 地震・火災等で資産価値が下がる可能性
資産性・リスク・老後の住居費を長期視点で考える
(1) 購入の資産価値(売却・賃貸収入の可能性)
購入したマンションは、将来の売却や賃貸に出すことで収益を得られる可能性があります。
資産価値が維持されやすい物件:
- 駅近: 徒歩5分以内
- 人気エリア: 都心・人口増加地域
- 適切に管理: 管理組合が機能、修繕計画が実施されている
(2) 購入のリスク(価格下落、流動性、災害リスク)
購入には以下のリスクがあります。
- 価格下落: 経済情勢・地域の衰退により資産価値が下がる
- 流動性の低さ: 売却に時間がかかり、希望価格で売れない可能性
- 災害リスク: 地震・火災等で建物が損壊
- 転勤・転職時の負担: 住宅ローンが残っている状態での売却は損失が大きい
(3) 賃貸の老後リスク(入居審査、家賃負担、収入減)
賃貸には老後の以下のリスクがあります。
- 入居審査が厳しい: 高齢・収入なし・保証人なしだと契約を断られる
- 家賃負担: 年金生活で家賃負担が家計を圧迫
- 収入減: 退職後は家賃を払い続けるのが困難になる可能性
久喜すまいの相談窓口によると、2025年の市場状況(金利動向、都市部価格上昇傾向)を踏まえた比較分析が重要です。
(4) ローン完済後の住居費負担の違い
購入と賃貸では、ローン完済後(または退職後)の住居費負担が大きく異なります。
| 項目 | 購入(ローン完済後) | 賃貸 |
|---|---|---|
| 月々の負担 | 固定資産税・修繕積立金・管理費のみ(月3~5万円程度) | 家賃(月10~15万円) |
| 年間負担 | 約40~60万円 | 約120~180万円 |
購入の場合、ローン完済後は月々の負担が大幅に軽減され、年金生活でも安心です。
まとめ:自分に合った選択をするための判断基準
賃貸とマンション購入を比較すると、生涯コストでは購入の方が約1,500万円お得になるケースがありますが、どちらが得かはライフプラン次第です。
購入の最大のメリットは「資産になる」点で、住宅ローン完済後は老後の住居費負担が大幅に軽減されます。賃貸の最大のメリットは「ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる」点で、転勤・転職・家族構成の変化に合わせて住み替えやすいです。
同一地域に長期居住する場合は購入が有利、短期居住なら賃貸が有利です。購入は簡単に引越しができず転勤・転職時に負担となり、賃貸は高齢になると入居審査が厳しくなります。
自分のライフスタイル・価値観・将来計画を考慮し、最適な選択をしてください。迷う場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)や宅建士への相談を検討してください。
