マンション購入時の地震リスクをどう見極める?耐震性能と備えのポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2026/1/10

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マンション購入時に地震リスクを考えるべき理由

マンション購入は人生で最も大きな買い物の一つですが、地震大国日本では耐震性能やリスク対策を見極めることが不可欠です。

この記事では、マンション購入時に確認すべき耐震基準(旧耐震・新耐震・2000年基準)、耐震・制震・免震構造の違い、購入前のチェックポイント(築年数、ハザードマップ、地震保険)を、国土交通省の耐震基準解説や住宅性能表示制度を元に解説します。

初めてマンションを購入される方でも、地震リスクを正しく理解し、安心して購入判断ができるようになります。

この記事のポイント

  • 1981年6月1日以降の新耐震基準のマンションは、震度6強~7の地震でも倒壊しないレベルの耐震性を確保している
  • 旧耐震基準(1981年5月以前)のマンションは震度6以上の地震で倒壊リスクが高い
  • 免震構造・制振構造のマンションは、耐震構造より地震時の揺れを大幅に軽減できる
  • マンションが地震で倒壊してもローンは免除されず、完済まで返済義務が残る
  • 地震保険への加入が推奨され、保険金は建物5,000万円・家財1,000万円が上限(分譲マンションの専有部分の付帯率は74.9%)

耐震基準の基礎知識(旧耐震・新耐震・2000年基準)

(1) 1981年6月1日の新耐震基準の意味

1981年6月1日は、日本の建築基準法における耐震基準の大きな転換点です。

この日以降に建築確認を受けた建物は「新耐震基準」に適合しており、震度6強~7の地震でも倒壊しないレベルの耐震性が求められます。

新耐震基準は、1978年の宮城県沖地震を受けて制定された、より厳しい耐震基準です。

(2) 新耐震基準と旧耐震基準の違い

旧耐震基準と新耐震基準の主な違いは以下の通りです。

項目 旧耐震基準(1981年5月以前) 新耐震基準(1981年6月以降)
対象地震 震度5程度 震度6強~7
求められる性能 震度5で建物が倒壊しない 震度6強~7で建物が倒壊しない、震度5程度で損傷しない
耐震性 低い 高い
税制優遇 適用外(一部例外あり) 住宅ローン控除等の対象

(出典: LIFULL HOME'S

新耐震基準は、より強い地震に耐えることを前提とした基準です。

(3) 耐震等級(1-3)の見方

耐震等級は、住宅性能表示制度による耐震性の等級です。

耐震等級 耐震性能
等級1 建築基準法レベル(震度6強~7で倒壊しない)
等級2 等級1の1.25倍の耐震性
等級3 等級1の1.5倍の耐震性

耐震等級は、住宅性能評価書で確認できます。

新築マンションの場合、設計段階で住宅性能評価を取得していることが多いです。

(4) 新耐震基準の確認方法

新耐震基準かどうかは、建築確認の受理日で判定します。

確認方法:

  • 建築確認申請の受理日:1981年6月1日以降であれば新耐震基準
  • 完成年月日:1982年以降の建物は概ね新耐震基準(例外あり)
  • 不動産登記簿謄本:建物の新築年月日を確認

購入前に、不動産会社に建築確認の受理日を確認することを推奨します。

耐震・制震・免震構造の違いと選び方

(1) 耐震構造の特徴

耐震構造は、建物の強度を高めて地震の揺れに耐える構造です。

特徴:

  • 柱・梁・壁を強固にして揺れに耐える
  • 最も一般的な構造
  • コストが低い
  • 地震時の揺れは大きい

耐震構造は、建築基準法で求められる最低限の耐震性を確保する構造です。

(2) 制震構造の特徴

制震構造は、建物内にダンパー等の制震装置を設置し、地震の揺れを吸収・抑制する構造です。

特徴:

  • ダンパーで揺れを吸収
  • 耐震構造より揺れが小さい
  • コストは耐震構造と免震構造の中間
  • 高層マンションで多く採用

制震構造は、耐震構造に制震装置を追加した構造で、地震時の揺れを軽減します。

(3) 免震構造の特徴

免震構造は、建物と地盤の間に免震装置を設置し、地震の揺れが建物に伝わりにくくする構造です。

特徴:

  • 建物と地盤を切り離して揺れを軽減
  • 地震時の揺れが最も小さい
  • コストが最も高い
  • メンテナンス費用がかかる

免震構造は、地震時の揺れを70-80%軽減できるとされています。

(4) 構造別のコストとメリット・デメリット

各構造のコストとメリット・デメリットを比較します。

構造 コスト 揺れの軽減 メリット デメリット
耐震 なし コストが低い 揺れが大きい、家具転倒リスク大
制震 中程度 揺れを軽減、コストは中程度 耐震より高コスト
免震 大幅軽減 揺れが最小、家具転倒リスク小 コストが高い、メンテナンス必要

(出典: SUUMO

高層階に住む場合は、制震構造・免震構造のマンションを選ぶことで、地震時の揺れを大幅に軽減できます。

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マンション購入前にチェックすべき地震リスク

(1) 築年数(建築確認の受理日)

築年数は、耐震性を判断する最も重要な指標です。

チェックポイント:

  • 1981年6月1日以降:新耐震基準で震度6強~7に耐える
  • 1981年5月31日以前:旧耐震基準で震度6以上の地震で倒壊リスク大
  • 2000年6月1日以降:2000年基準で接合部の仕様が強化

旧耐震基準のマンションを購入する場合は、耐震診断・耐震改修の有無を必ず確認しましょう。

(2) 地盤・液状化リスク(ハザードマップ確認)

地盤・液状化リスクは、マンションの耐震性と同様に重要です。

確認方法:

  • 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」:地盤・液状化リスク・津波リスクを確認
  • 各自治体のハザードマップ:詳細な地盤情報を確認
  • 地盤調査報告書:新築マンションの場合、不動産会社に依頼

埋立地・軟弱地盤は液状化リスクが高く、地震時に建物が傾く原因となります。

購入前にハザードマップで地盤リスクを確認することを強く推奨します。

(3) 高層階の長周期地震動リスク

高層階は、長周期地震動により揺れが大きくなるリスクがあります。

長周期地震動とは: 高層ビルが大きく長時間揺れる地震の揺れで、高層階ほど揺れが大きくなります。

リスク:

  • 高層階は低層階より震度が1-2レベル高く感じられる
  • 家具転倒リスクが大きい
  • 揺れが長時間続く

高層階に住む場合は、家具固定(L字金具、突っ張り棒等)が重要です。

(4) 耐震診断・耐震改修の有無

旧耐震基準のマンションを購入する場合は、耐震診断・耐震改修の有無を確認しましょう。

確認方法:

  • 管理組合議事録:耐震診断・耐震改修の実施状況を確認
  • 不動産会社への問い合わせ:耐震診断の結果を確認
  • 自治体の補助金制度:耐震改修費用の補助金が利用可能な場合あり

耐震診断で「倒壊のおそれがある」と判定された場合は、耐震改修が推奨されます。

地震保険の必要性と補償内容

(1) マンションでも地震保険は必要か

マンションでも地震保険への加入が推奨されます。

理由:

  • 高層階は家具転倒リスクが大きい
  • マンションが倒壊してもローンは免除されない
  • 専有部分の修繕費用は自己負担

分譲マンションの専有部分の地震保険付帯率は74.9%(2021年)で、年々上昇傾向にあります。

(出典: HOME4U

(2) 補償額の上限(建物5,000万円・家財1,000万円)

地震保険の補償額には上限があります。

補償額:

  • 建物:最大5,000万円
  • 家財:最大1,000万円
  • 補償額は火災保険の30-50%

地震保険は火災保険とセットで加入することが原則です。

例: 火災保険2,000万円の場合

地震保険:600万円~1,000万円(火災保険の30-50%)

(3) 地震でマンションが倒壊した場合のローン

マンションが地震で倒壊してもローンは免除されず、完済まで返済義務が残ります。

理由:

  • 住宅ローンは「無担保債務」ではないため、物件がなくなってもローンは残る
  • 政府の被災者生活再建支援金は最大300万円だが、住宅再建には不十分

(出典: リビンマッチ

地震保険に加入しておくことで、万が一の際の経済的負担を軽減できます。

(4) 専有部分の地震保険付帯率

分譲マンションの専有部分の地震保険付帯率は74.9%(2021年)です。

付帯率の推移:

  • 2011年:約60%
  • 2016年:約70%
  • 2021年:74.9%

東日本大震災以降、地震保険への意識が高まり、付帯率が上昇しています。

マンション購入時には、地震保険への加入を検討しましょう。

まとめ:地震に強いマンションを選ぶポイント

マンション購入時の地震リスク対策は、耐震基準の確認、構造の選択、地盤リスクの確認、地震保険への加入が重要です。

1981年6月1日以降の新耐震基準のマンションを選ぶことで、震度6強~7の地震でも倒壊しないレベルの耐震性を確保できます。

免震構造・制振構造のマンションは、耐震構造より地震時の揺れを大幅に軽減できるため、高層階に住む場合は検討する価値があります。

購入前にハザードマップで地盤・液状化リスクを確認し、地震保険に加入することで、万が一の際の経済的負担を軽減できます。

リスクゼロはあり得ませんが、適切な対策でリスクを大幅に軽減できます。専門家(建築士、不動産鑑定士)に相談しながら、安心して購入できるマンションを選びましょう。

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よくある質問

Q1新耐震基準のマンションなら地震で倒壊しないのか?

A1新耐震基準(1981年6月1日以降)のマンションは、震度6強~7の地震でも倒壊しないレベルの耐震性を要求されています。ただし、絶対安全ではなく、熊本地震で一部損壊の事例もあります。耐震等級や構造(耐震・制震・免震)も確認し、総合的に判断することを推奨します。

Q2耐震等級とは何か?どう確認するのか?

A2耐震等級は住宅性能表示制度による耐震性の等級(1-3)です。等級1は建築基準法レベル(震度6強~7で倒壊しない)、等級3は等級1の1.5倍の耐震性を持ちます。住宅性能評価書で確認できます。新築マンションの場合、設計段階で住宅性能評価を取得していることが多いため、不動産会社に確認しましょう。

Q3地震保険はマンションでも必要なのか?

A3マンションでも地震保険への加入が推奨されます。高層階は家具転倒リスクが大きく、専有部分の地震保険付帯率は74.9%(2021年)です。マンションが倒壊してもローンは免除されないため、万が一の際の経済的負担を軽減するために地震保険への加入を検討しましょう。補償額は建物5,000万円・家財1,000万円が上限です。

Q4旧耐震基準のマンションは購入を避けるべきか?

A41981年5月以前の旧耐震基準のマンションは、震度6以上の地震で倒壊リスクが高いとされています。購入を検討する場合は、耐震診断・耐震改修の有無を必ず確認し、リスクを理解した上で判断すべきです。管理組合議事録で耐震診断の実施状況を確認し、必要に応じて専門家(建築士)に相談することを推奨します。

Q5ハザードマップはどこで確認できるのか?

A5国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」や各自治体のホームページで確認できます。地盤・液状化リスク・津波リスクを事前にチェックすることが重要です。埋立地・軟弱地盤は液状化リスクが高く、地震時に建物が傾く原因となるため、購入前に必ず確認しましょう。

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