不動産売却を成功させる完全ガイド!流れ・費用・高く売るコツ

公開日: 2025/10/27

不動産売却とは?基本的な流れを理解しよう

不動産を売却したいけれど、「どうすれば高く売れるのか」「どれくらいの費用がかかるのか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、不動産売却の流れ、高く売るためのコツ、費用・税金を、国土交通省国税庁の公式情報を元に解説します。

初めて不動産を売却する方でも、成功のポイントを押さえて、納得のいく売却を実現できます。

この記事のポイント

  • 不動産売却の流れは査定→媒介契約→売却活動→売買契約→決済・引渡しの7ステップ
  • 高く売るコツは適正価格の設定、売り出しタイミング、内覧対策
  • 媒介契約は3種類(一般・専任・専属専任)があり、物件特性に応じて選ぶ
  • 仲介手数料は売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税が上限
  • 譲渡所得税は所有期間により税率が大きく異なる(5年以下39.63%、5年超20.315%)

不動産売却の流れ(7ステップ)

不動産売却は、以下の7つのステップで進みます。

査定と媒介契約

まず、不動産会社に査定を依頼します。査定では、類似物件の取引事例、立地、築年数、物件の状態等から売却価格の目安を算出します。複数社に査定を依頼し、査定根拠を確認することが重要です。査定期間は1-2週間程度です。

査定後、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には3種類あります(詳細は後述)。

売却活動と内覧対応

媒介契約後、不動産会社が広告掲載、内覧対応等の売却活動を行います。売却活動の期間は1-5ヶ月程度です。

内覧時は、整理整頓、照明、換気、におい対策を心がけることで、内覧者の印象を良くできます。

売買契約の締結

買主が見つかったら、売買契約を締結します。契約時には手付金(売却価格の10%程度)を受領し、契約書に署名・押印します。

決済・引渡し

売買契約から1.5-2ヶ月後、決済・引渡しを行います。残金を受領し、鍵を引渡し、所有権移転登記を行います。

媒介契約の種類と選び方

媒介契約は、売主と不動産会社の間で結ぶ売却仲介の契約です。3種類の契約にはそれぞれメリット・デメリットがあります。

一般媒介契約

複数の不動産会社と同時に契約できるため、競争が促進され、早期売却の可能性が高まります。ただし、不動産会社の積極性が低くなる場合があります。

メリット:

  • 複数社が競って売却活動を行う
  • 幅広いネットワークで買主を探せる

デメリット:

  • 手厚いサポートは期待薄
  • レインズ登録義務なし
  • 報告義務なし

向いている物件: 人気エリアの物件、築浅の物件

専任媒介契約

1社のみと契約し、レインズ登録義務があります。不動産会社の手厚いサポートが期待できます。

メリット:

  • 手厚いサポートが期待できる
  • レインズ登録義務あり(7日以内)
  • 2週間に1回以上の報告義務

デメリット:

  • 1社のみとの契約
  • 不動産会社の実力に依存

向いている物件: 売りにくい物件、じっくり売却したい場合

専属専任媒介契約

1社のみと契約し、自己発見取引も不可です。最も手厚いサポートが期待できますが、自由度は最も低くなります。

メリット:

  • 最も手厚いサポートが期待できる
  • レインズ登録義務あり(5日以内)
  • 1週間に1回以上の報告義務

デメリット:

  • 自己発見取引も不可
  • 最も自由度が低い

向いている物件: 売却が難しい物件、確実に売却したい場合

(出典: 国土交通省

読者の物件特性(人気エリアなら一般、売りにくい物件なら専任等)に応じて選ぶことが重要です。

高く売るためのコツ

不動産を高く売るには、以下の3つのポイントを押さえましょう。

適正価格の設定方法

売り出し価格の設定は、売却成功の鍵を握ります。

推奨戦略:

  1. 不動産業界では、相場より1-2割高めで売り出す戦略が一般的です
  2. 反応を見ながら段階的に値下げ
  3. 査定根拠を確認し、類似物件の取引事例と比較

査定額が最も高い不動産会社を選ぶのではなく、査定根拠が妥当な会社を選ぶことが重要です。

売り出しタイミング

不動産の売却には繁忙期があります。

繁忙期:

  • 2-3月: 転勤・入学シーズンで需要が高まります(不動産業界の統計によると)
  • 9-10月: 転勤の多い時期

税制上のタイミング:

  • 所有期間が5年を超えると、譲渡所得税の税率が39.63% → 20.315%に大幅に下がる

タイミングを見極めることで、より有利な条件で売却できる可能性があります。

内覧対策

内覧時の印象が売却価格に大きく影響します。以下の対策が効果的です。

  • 整理整頓: 余計な物を片付け、広く見せる
  • 照明: 全ての照明をつけ、明るく見せる
  • 換気: 内覧前に十分に換気し、においを取り除く
  • におい対策: ペット臭、タバコ臭、カビ臭は特に注意
  • ハウスクリーニング: 水回りを中心にプロに依頼(物件の規模や地域により異なりますが、一般的には費用3-10万円程度)
  • ホームステージング: 家具・小物で演出し、魅力的に見せる

過剰な投資は不要ですが、適度な準備で内覧者の印象を良くすることが重要です。

仲介手数料と諸費用

不動産売却にかかる主要な費用を解説します。

仲介手数料の計算方法

仲介手数料は、不動産会社に支払う成功報酬です。2025年10月時点の法定上限は以下の通りです(売却価格400万円超の場合)。

仲介手数料の上限 = 売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税

: 3000万円で売却した場合
3000万円 × 3% + 6万円 = 96万円
96万円 × 1.1(消費税) = 105.6万円

仲介手数料は成約時のみ発生します。査定や売却活動に対して費用は発生しません。

(出典: 国土交通省

その他の費用

仲介手数料以外にも、以下の費用がかかります。

費用項目 内容 目安額
登記費用 抵当権抹消登記 1-2万円
印紙税 売買契約書に貼付 1-3万円
測量費用 土地の境界確定 50-100万円(必要な場合のみ)
ハウスクリーニング費用 水回り等の清掃 3-10万円

総額の目安は売却価格の5-7%程度です。

信頼できる不動産会社の選び方

信頼できる不動産会社を選ぶには、以下のポイントを確認しましょう。

査定根拠の説明

類似物件の取引事例、立地・築年数・状態の評価等を具体的に説明できるかを確認します。「この価格なら売れます」という言葉だけでなく、根拠を明確に示せる会社を選びましょう。

販売実績

エリア内での成約件数、平均販売期間を確認します。実績が豊富な会社は、市場の動向を把握しており、適切なアドバイスが期待できます。

対応の丁寧さ

質問への回答、連絡の迅速さを確認します。売却活動中も密に連絡を取る必要があるため、対応の丁寧さは重要な判断基準です。

複数社の査定を比較し、最高額だけでなく根拠の妥当性を重視することが重要です。

まとめ:まずは複数社の査定から始めよう

不動産売却を成功させるには、流れ・費用・高く売るコツを事前に理解することが重要です。売却期間は3-6ヶ月、費用は売却価格の5-7%程度が目安です。

高く売るには、適正価格の設定、売り出しタイミング、内覧対策が鍵です。信頼できる不動産会社を選び、適切な媒介契約を結ぶことで、売却成功の可能性を高められます。

まずは複数社に査定依頼し、査定根拠を確認することから始めてください。

よくある質問

Q1売却にかかる税金はどのくらいですか?

A1譲渡所得税が発生します(売却益に課税)。所有期間5年以下は短期譲渡所得(税率39.63%)、5年超は長期譲渡所得(税率20.315%)です。マイホーム売却時は3000万円特別控除があり、利益が3000万円以下なら非課税になります。適用要件(住まなくなってから3年以内の売却等)を確認しましょう。詳細は国税庁の公式サイトをご確認ください。

Q2売却期間はどのくらいかかりますか?

A2一般的に査定から引渡しまで3-6ヶ月です。内訳は、査定1-2週間、売却活動1-5ヶ月、契約から引渡し1.5-2ヶ月です。ただし、物件の立地・価格・市況により大きく変動します。人気エリアの物件は早く売れる傾向にありますが、売りにくい物件は6ヶ月以上かかる場合もあります。

Q3値引き交渉にはどう対応すべきですか?

A3事前に値引き幅の上限を決めておくことが重要です。一般的には売り出し価格の5-10%程度が値引き交渉の範囲です。即決条件(この価格なら即契約等)を提示し、交渉の余地を残しつつも安易な値下げは避けましょう。不動産会社と相談しながら対応することで、売主の利益を守りつつ成約率を高められます。

Q4住みながら売却することはできますか?

A4可能です。ただし内覧対応が必要なため、整理整頓・清掃を日常的に心がけることが重要です。空き家の方が内覧者の印象が良い場合もありますが、引越し費用とのバランスを考慮する必要があります。住みながら売却する場合は、内覧スケジュールを柔軟に調整できるよう、不動産会社と密に連絡を取りましょう。