不動産契約に必要なもの完全リスト:売買・賃貸別

公開日: 2025/11/6

不動産契約に必要なものとは:売買・賃貸で異なる準備書類

不動産契約を初めて行う際、「何を準備すればいいのか」「当日に書類が足りなかったらどうしよう」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、売買契約と賃貸契約それぞれで必要な書類・持ち物をチェックリスト形式で整理し、契約当日の流れも解説します。国土交通省法務省の公式情報を元に、正確な準備方法をお伝えします。

初めて不動産契約をする方でも、この記事を読めば「これだけ準備すればOK」という安心感を得られます。

この記事のポイント

  • 売買契約と賃貸契約では必要書類が大きく異なる
  • 売買は実印・印鑑証明・登記関連書類が必須、賃貸は収入証明・保証人書類が中心
  • 契約当日に書類不備があると契約延期や物件を逃すリスクがある
  • 住民票・印鑑証明の有効期限(発行後3ヶ月以内)に注意が必要
  • 不動産会社への事前確認で当日の慌ただしさを回避できる

売買契約に必要なもの:買主側の準備リスト

売買契約で買主が準備すべき書類は、本人確認書類・印鑑・住民票・手付金が基本です。

本人確認書類と印鑑

買主は本人確認書類として運転免許証・パスポート・マイナンバーカード等の顔写真付き身分証明書を用意します。実印も必須で、認印との混同に注意が必要です。売買契約では実印が求められますが、賃貸契約では認印でも可の場合があります。

法務省によると、登記申請には実印と印鑑証明書がセットで必要です。

住民票と印鑑証明書

住民票と印鑑証明書は発行後3ヶ月以内のものを用意します。有効期限を過ぎると再取得が必要になり、契約が遅延するリスクがあります。

登記用の住民票は家族全員分が必要な場合もあるため、不動産会社への事前確認が重要です。印鑑証明書は市区町村で発行され、実印が本人のものであることを証明します。

手付金の準備

手付金は物件価格の5-10%程度で、現金または振込で準備します。不動産流通推進センターによると、手付金は契約の証拠・違約金の担保の役割があります。

不動産会社により現金・振込の指定が異なるため、事前に支払い方法を確認してください。多額の現金を持ち歩く場合は安全面にも注意が必要です。

売買契約に必要なもの:売主側の準備リスト

売主が準備すべき書類は、登記済証(権利証)・印鑑証明書・固定資産税納税通知書が中心です。

登記済証(権利証)または登記識別情報

登記済証(権利証)または登記識別情報は、不動産の所有権を証明する最重要書類です。紛失時は司法書士の本人確認手続きで代替可能ですが、追加費用と時間がかかります。

法務省の登記申請書様式では、登記済証の添付が必須とされています。

印鑑証明書と実印

売主も買主と同様に、実印と印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)を用意します。印鑑証明書は登記申請時に法務局へ提出するため、有効期限の管理が重要です。

固定資産税納税通知書

固定資産税納税通知書は、固定資産税の精算に使用します。売買時には引き渡し日を基準に、売主・買主間で固定資産税を日割り計算して精算するのが一般的です。

ローン残債がある場合は金融機関との事前調整も必要で、抵当権抹消書類の準備が求められます。

賃貸契約に必要なもの:入居者の準備リスト

賃貸契約で入居者が準備すべき書類は、本人確認書類・収入証明・保証人書類・初期費用が中心です。

本人確認書類と収入証明

入居者は本人確認書類(運転免許証・健康保険証・パスポート等)と住民票を用意します。収入証明として源泉徴収票・確定申告書・給与明細(直近2-3ヶ月分)等が必要です。

SUUMOによると、学生・新卒・無職等の属性により必要書類が異なる場合があります。学生は学生証・合格通知書、新卒は内定通知書が収入証明の代わりになります。

連帯保証人の書類または保証会社の審査書類

連帯保証人を立てる場合は、保証人の印鑑証明・収入証明も必要です。法務省によると、2020年4月の民法改正により、連帯保証人には極度額の設定が必須となりました。

保証会社を利用する場合は審査書類が必要で、審査に数日かかる場合もあるため早めの申し込みが重要です。保証会社利用には保証料(家賃の0.5-1ヶ月分程度)がかかります。

初期費用の準備

初期費用は敷金・礼金・前家賃・仲介手数料を合わせて家賃の4-6ヶ月分程度です。振込または現金で準備し、不動産会社に支払い方法を事前確認してください。

仲介手数料は国土交通省の規定により、家賃の1ヶ月分+消費税が上限です。

契約当日の流れと注意点

契約当日は、重要事項説明→契約書署名→手付金授受の順で進みます。

重要事項説明の受け方

まず宅地建物取引士が重要事項説明書を交付・説明します。不動産流通推進センターによると、重要事項説明では物件状況・契約条件・法的制限等が記載されます。

特約条項・解約条件を重点的に確認し、不明点は必ず質問してください。重要事項説明を十分理解せずに署名すると、後でトラブルになる可能性があります。

契約書署名と手付金授受

重要事項説明の内容確認後、契約書に署名・捺印します。実印と認印を混同すると登記申請時に問題が生じる可能性があるため、売買契約では実印を使用してください。

契約書署名後、手付金を授受します。契約書の控えは必ず受け取り、保管してください。

よくあるトラブル事例

不動産適正取引推進機構の紛争事例データベースでは、契約時の書類不備や確認漏れによるトラブルが多数報告されています。

契約当日に書類不備が発覚すると契約が延期され、物件を逃すリスクがあります。特に売買契約は売主・買主双方のスケジュール調整が必要なため、書類不備は大きな影響を及ぼします。

まとめ:契約前に不動産会社へ確認すべきこと

不動産契約に必要なものは、売買と賃貸で大きく異なります。売買は実印・印鑑証明・登記関連書類が必須、賃貸は収入証明・保証人書類が中心です。

書類の有効期限(住民票・印鑑証明は発行後3ヶ月以内)、手付金の支払い方法(現金・振込)、連帯保証人の要否、契約当日の所要時間等を事前に不動産会社に確認してください。

チェックリストを作成し、契約1週間前には書類を揃えておくことで、当日の慌ただしさを回避できます。信頼できる不動産会社と相談しながら、スムーズな契約を進めましょう。

よくある質問

Q1住民票と印鑑証明書の有効期限はいつまでですか?

A1不動産会社や法務局の運用では発行後3ヶ月以内が一般的です。有効期限を過ぎると再取得が必要になり契約が遅延するため、契約日から逆算して取得してください。売買契約では登記申請時に法務局へ提出するため、有効期限の管理が特に重要です。

Q2実印と認印はどう使い分けますか?

A2売買契約では実印が必須で、印鑑証明書とセットで使用します。賃貸契約では認印でも可の場合が多いですが、連帯保証人は実印が必要なケースもあります。不動産会社への事前確認が重要です。実印と認印を混同すると登記申請時に問題が生じる可能性があるため、注意してください。

Q3契約当日に書類が足りないとどうなりますか?

A3契約が延期され、最悪の場合は物件を逃すリスクがあります。特に売買契約は売主・買主双方のスケジュール調整が必要なため、書類不備は大きな影響を及ぼします。契約1週間前にはチェックリストを作成し、書類を揃えておくことをおすすめします。

Q4連帯保証人の書類が揃わない場合はどうすればいいですか?

A4保証会社を利用する選択肢があります。ただし保証会社利用には審査があり、保証料(家賃の0.5-1ヶ月分程度)が必要です。審査に数日かかる場合もあるため早めの申し込みが重要です。2020年の民法改正により、連帯保証人には極度額の設定が必須となっています。