中古住宅の購入・売却諸費用完全ガイド|内訳と節約のコツ

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/30

PR

まどりLABO|間取り作成の無料見積もり依頼

中古住宅の購入・売却前に知っておくべき諸費用の基本

中古住宅の購入や売却を検討していませんか。物件価格だけでなく、諸費用を含めた総額を把握しておくことが資金計画の成功につながります。

この記事では、中古住宅の購入時と売却時にかかる諸費用の内訳、節約ポイント、税制優遇措置について解説します。国土交通省三井のリハウスの税金の手引きを参考に、2025年時点の最新情報をお伝えします。

この記事のポイント

  • 中古住宅購入時の諸費用は物件価格の6〜9%(3,000万円の物件で180〜270万円)
  • 主な内訳は仲介手数料、税金、登記費用、住宅ローン関連費用
  • 中古住宅売却時の諸費用は売却価格の4〜6%
  • 登録免許税は2027年3月31日まで0.3%に軽減(通常2.0%)
  • 住宅ローン控除は2025年末までの入居で10年間、年末残高の0.7%が控除される

中古住宅購入時の諸費用内訳(物件価格の6〜9%)

中古住宅購入時の諸費用は、物件価格の6〜9%が相場です。具体的な内訳を見ていきましょう。

(1) 仲介手数料の計算方法(物件価格×3%+6万円+消費税)

仲介手数料は、不動産会社に支払う報酬です。宅地建物取引業法により上限が定められています。

物件価格 仲介手数料の上限
200万円以下 物件価格×5%+消費税
200万円超〜400万円以下 物件価格×4%+2万円+消費税
400万円超 物件価格×3%+6万円+消費税

計算例(3,000万円の物件):

  • 3,000万円×3%+6万円=96万円
  • 96万円×1.1(消費税)=105.6万円

仲介手数料は上限であり、値引き交渉が可能な場合もあります。ただし、値引きにより不動産会社のサービス品質が低下する可能性もあるため、慎重に判断してください。

(2) 登録免許税(2027年3月末まで0.3%に軽減)

登録免許税は、不動産の所有権移転登記時に課される国税です。

アットホームによると、2027年3月31日まで中古住宅は0.3%に軽減されています(通常2.0%)。

軽減措置の適用要件:

  • 床面積50㎡以上
  • 1982年以降の建築(新耐震基準適合)、またはそれ以前の場合は耐震診断済み
  • 自己居住用

計算例(固定資産税評価額1,500万円の場合):

  • 1,500万円×0.3%=4.5万円

軽減措置を適用しない場合は1,500万円×2.0%=30万円となり、大きな差が生じます。

(3) 不動産取得税(取得後4〜6ヶ月後に納税)

不動産取得税は、土地・建物を取得した際に課される地方税です。三井のリハウスによると、2027年3月31日まで住宅は3%に軽減されています(通常4%)。

重要な注意点: 納税通知は取得後4〜6ヶ月後に届くため、購入時に支払うわけではありません。資金計画に含めておく必要があります。

軽減措置:

  • 中古住宅(1982年以降の建築)は、築年数に応じて一定額を控除
  • 土地は評価額の1/2に軽減

軽減措置の詳細は都道府県により異なるため、購入前に確認することを推奨します。

(4) 住宅ローン関連費用(融資手数料・保証料・印紙税)

住宅ローンを利用する場合、以下の費用がかかります。

費用項目 金額目安
融資手数料 借入額×2%程度(金融機関により異なる)
保証料 借入額×2%程度、または年0.2%の金利上乗せ
印紙税 契約金額により異なる(1,000万円超〜5,000万円以下は2万円)
登録免許税(抵当権設定) 借入額×0.4%(2027年3月31日まで0.1%に軽減)

融資手数料と保証料は、金融機関により金額や支払方法が異なります。複数の金融機関で見積もりを取り、比較検討することを推奨します。

(5) 火災保険料・固定資産税精算金

その他の諸費用として、以下があります。

  • 火災保険料: 木造戸建て(10年一括)で10〜20万円程度
  • 固定資産税精算金: 引渡し日以降の固定資産税を日割りで売主に支払う
  • 司法書士報酬: 登記手続きの代行費用(5〜15万円程度)

火災保険は、住宅ローンを利用する場合は加入が義務付けられることが一般的です。

中古住宅売却時の諸費用内訳(売却価格の4〜6%)

中古住宅を売却する際にも、諸費用がかかります。HOME4Uによると、売却価格の4〜6%が相場です。

(1) 仲介手数料

売却時にも仲介手数料が発生します。計算方法は購入時と同じです。

計算例(3,000万円で売却):

  • 3,000万円×3%+6万円=96万円
  • 96万円×1.1(消費税)=105.6万円

(2) 譲渡所得税と3,000万円特別控除

譲渡所得税は、不動産売却時の利益にかかる税金(所得税・住民税)です。

計算方法: 譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)

税率:

  • 所有期間5年以下(短期譲渡所得): 39.63%(所得税30.63%+住民税9%)
  • 所有期間5年超(長期譲渡所得): 20.315%(所得税15.315%+住民税5%)

3,000万円特別控除: マイホーム(居住用財産)を売却した場合、譲渡所得から3,000万円を控除できます。この控除により、多くのケースで譲渡所得税は非課税となります。

控除の適用要件:

  • 自己居住用の住宅であること
  • 売却相手が配偶者や親族でないこと
  • 前年・前々年に同じ控除を受けていないこと

(3) 抵当権抹消費用

住宅ローンが残っている場合、売却時に抵当権を抹消する必要があります。

  • 登録免許税: 不動産1個につき1,000円
  • 司法書士報酬: 1〜3万円程度

(4) 印紙税・測量費・引っ越し費用

その他の費用として、以下があります。

  • 印紙税: 売買契約書に貼る収入印紙代(3,000万円の契約で1万円)
  • 測量費: 土地の境界が不明確な場合(50〜100万円程度)
  • 引っ越し費用: 10〜30万円程度

PR

まどりLABO|間取り作成の無料見積もり依頼

購入・売却それぞれの節約ポイント

諸費用を抑えるための節約ポイントを解説します。

(1) 諸費用ローンの活用と注意点

諸費用は原則として住宅ローンに含まれず、現金で用意する必要があります。ただし、一部の金融機関では「諸費用ローン」を取り扱っています。

諸費用ローンの注意点:

  • 金利が住宅ローンより高め(年1〜3%程度)
  • 借入可能額が限られる
  • 審査が厳しい場合がある

現金で用意できる場合は、金利負担を避けるために現金払いを推奨します。

(2) 仲介手数料の交渉余地

仲介手数料は法律で定められた上限であり、値引き交渉が可能な場合もあります。

交渉のポイント:

  • 複数の不動産会社に相談し、条件を比較
  • 売却と購入を同じ不動産会社に依頼する場合は交渉余地あり
  • 値引きによりサービス品質が低下しないか確認

無理な値引き交渉は、不動産会社との信頼関係を損ねる可能性があるため、慎重に判断してください。

(3) 軽減措置の適用要件確認

税金の軽減措置は、要件を満たす場合のみ適用されます。以下の点を確認してください。

  • 登録免許税: 1982年以降の建築(新耐震基準適合)
  • 不動産取得税: 床面積50㎡以上
  • 住宅ローン控除: 2025年末までの入居、所得2,000万円以下

軽減措置の適用により、数十万円の節税が可能です。購入前に不動産会社や税理士に確認することを推奨します。

税制優遇措置と確定申告

中古住宅購入時には、税制優遇措置を活用できます。

(1) 住宅ローン控除の適用要件(2025年末入居期限)

住宅ローン控除は、住宅ローンの年末残高の0.7%を所得税・住民税から控除できる制度です。

国土交通省によると、2025年末までの入居で10年間適用されます。

適用要件:

  • 新耐震基準に適合(1982年以降の建築、またはそれ以前は耐震診断済み)
  • 床面積50㎡以上
  • 合計所得金額2,000万円以下
  • 住宅ローンの返済期間10年以上
  • 引渡しまたは工事完了から6ヶ月以内に入居

控除額:

  • 控除期間: 10年間
  • 控除率: 年末残高の0.7%
  • 借入限度額: 2,000万円(中古住宅)
  • 最大控除額: 140万円(10年間合計)

(2) 新耐震基準(1982年以降建築)の確認方法

住宅ローン控除や登録免許税の軽減措置を受けるには、新耐震基準への適合が必要です。

確認方法:

  • 建築確認済証で建築年月日を確認(1982年1月1日以降なら適合)
  • それ以前の建築の場合は、耐震診断を受けて耐震基準適合証明書を取得

耐震診断の費用は10〜30万円程度です。適合しない場合は耐震改修工事が必要となる可能性があります。

(3) 確定申告の手続き

住宅ローン控除を受けるには、初年度に確定申告が必要です。2年目以降は年末調整で手続きできます。

必要書類:

  • 確定申告書
  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 住宅ローンの年末残高証明書
  • 登記事項証明書
  • 売買契約書のコピー

確定申告の期限は、入居した年の翌年2月16日〜3月15日です。期限を過ぎると控除を受けられない可能性があるため、注意してください。

まとめ:諸費用シミュレーションと資金計画

中古住宅の購入・売却時には、物件価格以外に諸費用がかかります。資金計画を立てる際は、諸費用を含めた総額を把握することが重要です。

購入時の諸費用シミュレーション(3,000万円の物件):

項目 金額目安
仲介手数料 105.6万円
登録免許税(所有権移転) 4.5万円
登録免許税(抵当権設定) 3万円
不動産取得税 40万円(後日納税)
融資手数料・保証料 60万円
印紙税 2万円
火災保険料 15万円
司法書士報酬 10万円
合計 約240万円

このシミュレーションは物件価格の8%に相当し、相場の6〜9%の範囲内です。

売却時の諸費用シミュレーション(3,000万円で売却):

項目 金額目安
仲介手数料 105.6万円
印紙税 1万円
抵当権抹消費用 2万円
譲渡所得税 3,000万円控除で非課税の場合が多い
合計 約109万円

売却益が出た場合は譲渡所得税が加算されますが、3,000万円特別控除により多くのケースで非課税となります。

資金計画のポイント:

  • 諸費用は物件価格の6〜9%(購入時)、4〜6%(売却時)を見込む
  • 不動産取得税は取得後4〜6ヶ月後に納税通知が来るため、資金に余裕を持つ
  • 軽減措置の適用要件を確認し、節税を活用する
  • 住宅ローン控除は2025年末までの入居が期限

中古住宅の購入や売却を検討する際は、不動産会社や税理士に相談し、正確な諸費用を把握したうえで資金計画を立てることを推奨します。

PR

まどりLABO|間取り作成の無料見積もり依頼

よくある質問

Q1中古住宅購入の諸費用はいくらかかる?

A1物件価格の6〜9%が目安です。3,000万円の物件で180〜270万円が相場となります。主な内訳は仲介手数料(物件価格×3%+6万円+消費税)、税金(登録免許税、不動産取得税、印紙税)、登記費用(司法書士報酬5〜15万円)、住宅ローン関連費用(融資手数料・保証料)です。諸費用は原則として住宅ローンに含まれず、現金で用意する必要があります。

Q2諸費用は住宅ローンに含められる?

A2原則として含まれず、現金での用意が必要です。ただし一部の金融機関で「諸費用ローン」を取り扱っており、借入可能な場合があります。諸費用ローンは住宅ローンより金利が高め(年1〜3%程度)で、審査が厳しい傾向があります。現金で用意できる場合は、金利負担を避けるために現金払いを推奨します。

Q3中古住宅売却時の諸費用はいくらかかる?

A3売却価格の4〜6%が目安です。主な内訳は仲介手数料(売却価格×3%+6万円+消費税)、譲渡所得税(売却益が出た場合のみ課税、3,000万円特別控除あり)、抵当権抹消費用(登録免許税1,000円+司法書士報酬1〜3万円)です。多くのケースでは3,000万円特別控除により譲渡所得税は非課税となります。

関連記事