共有名義の登記費用|計算方法・持分割合・注意点を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2026/1/10

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共有名義の登記費用とは?なぜ重要なのか

夫婦や親子で不動産を購入する際、「共有名義にすると登記費用は高くなるのか」「どのくらいの費用がかかるのか」と不安に感じる方は少なくありません。登記費用は不動産購入時の初期費用の一部であり、事前に正確な金額を把握しておくことが重要です。

この記事では、共有名義の登記費用の計算方法、持分割合の決め方、メリット・デメリット、注意点を、法務局や国税庁の公式情報を元に解説します。

登記費用の内訳を理解し、無駄なコストを抑えられるようになります。

この記事のポイント

  • 共有名義の登記費用は単独名義と変わらない(申請は1件で済むため)
  • 登記費用は登録免許税と司法書士報酬の2つで構成され、合計10万円〜90万円程度
  • 登録免許税の税率は登記の種類により異なる(相続0.4%、売買2%、贈与2%)
  • 司法書士報酬は5万円〜10万円程度が一般的(事務所により異なる)
  • 持分割合は出資割合に応じて決めるのが原則(贈与税回避のため)

共有名義登記の基礎知識(定義・持分割合・登録免許税)

(1) 共有名義とは何か

共有名義とは、1つの不動産を複数人で所有する形態です。各人の持分割合を登記簿に記載し、所有権を明確にします。

:

  • 夫婦で不動産を購入し、夫1/2、妻1/2の持分割合で登記
  • 親子で不動産を相続し、母1/2、子1/2の持分割合で登記

共有名義は、夫婦共働きで住宅ローンを組む場合や、相続で不動産を複数人で引き継ぐ場合によく用いられます。

(2) 持分割合の決め方(出資割合に応じる)

持分割合は、出資割合に応じて決めるのが原則です。出資割合と異なる持分割合にすると、贈与税の対象となる可能性があります。

:

  • 夫が3,000万円、妻が2,000万円出資した場合、持分割合は夫3/5、妻2/5にする
  • 夫が全額出資(5,000万円)したにも関わらず、夫1/2、妻1/2で登記すると、妻に2,500万円の贈与とみなされ、贈与税が課される

贈与税の税率:

  • 2,500万円の贈与の場合、贈与税は約850万円(一般税率)
  • 持分割合を出資割合に合わせることで、贈与税を回避できる

(3) 登録免許税の税率(相続0.4%、売買2%、贈与2%)

登録免許税は、不動産登記の際に法務局に納める税金です。税率は登記の種類により異なります。

登記の種類 税率 軽減措置
相続 0.4% なし
売買(所有権移転) 2.0% 新築住宅は0.15%(2027年3月31日まで)
贈与 2.0% なし
抵当権設定 0.4% 新築住宅は0.1%(2027年3月31日まで)

(参考: 国税庁「登録免許税の税額表」)

軽減措置の要件(新築住宅の場合):

  • 床面積50㎡以上
  • 取得後1年以内に登記
  • 個人の居住用

登記費用の計算方法と費用相場

(1) 登録免許税の計算方法(固定資産税評価額×税率)

登録免許税は、固定資産税評価額×税率で計算します。

計算式:

登録免許税 = 固定資産税評価額 × 税率

具体例(新築マンションを売買で取得):

  • 固定資産税評価額: 3,000万円
  • 税率: 0.15%(軽減措置適用)
  • 登録免許税: 3,000万円 × 0.15% = 4.5万円

具体例(中古マンションを売買で取得、軽減措置なし):

  • 固定資産税評価額: 2,000万円
  • 税率: 2.0%
  • 登録免許税: 2,000万円 × 2.0% = 40万円

具体例(不動産を相続):

  • 固定資産税評価額: 5,000万円
  • 税率: 0.4%
  • 登録免許税: 5,000万円 × 0.4% = 20万円

固定資産税評価額は、市区町村が決定する不動産の評価額で、固定資産税納税通知書に記載されています。

(2) 司法書士報酬の相場(5万円〜10万円程度)

登記手続きは自分で行うこともできますが、書類の不備や手続きミスのリスクがあるため、司法書士に依頼するのが一般的です。

司法書士報酬の相場:

登記の種類 報酬相場
所有権移転登記(売買) 5万円〜10万円
所有権移転登記(相続) 7万円〜12万円
抵当権設定登記 3万円〜5万円

司法書士報酬は事務所により異なるため、複数の事務所に見積もりを依頼することを推奨します。

(3) 共有名義と単独名義の費用差(1件で済むため同額)

共有名義の登記費用は、単独名義と変わりません。登記申請は1件で済むため、共有者の人数が増えても費用は同額です。

:

  • 単独名義(夫のみ): 登録免許税4.5万円 + 司法書士報酬8万円 = 12.5万円
  • 共有名義(夫1/2、妻1/2): 登録免許税4.5万円 + 司法書士報酬8万円 = 12.5万円

共有名義にしても費用が増えるわけではないため、安心して共有名義を選択できます。

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共有名義のメリット・デメリット

(1) メリット:住宅ローン控除の重複適用、出資割合の明確化

共有名義には以下のメリットがあります。

1. 住宅ローン控除の重複適用

  • 夫婦それぞれが住宅ローンを組む場合、両者が住宅ローン控除を受けられる
  • 年末残高の0.7%(最大13年間)を所得税・住民税から控除
  • 夫3,000万円、妻2,000万円のローンの場合、控除額は最大455万円(夫273万円+妻182万円)

2. 出資割合の明確化

  • 夫婦それぞれの出資額が登記簿に記録されるため、離婚時の財産分与が明確
  • 相続時にも、被相続人の持分のみが相続対象となり、遺産分割がスムーズ

3. 相続人間の公平さが保たれる

  • 複数の相続人で不動産を相続する場合、共有名義にすることで相続人間の公平さが保たれる

(2) デメリット:売却時の全員同意が必要、相続時のトラブルリスク

共有名義には以下のデメリットがあります。

1. 売却時に共有者全員の同意が必要

  • 不動産を売却する際、共有者全員の同意が必要
  • 1人でも反対すれば売却できない
  • 離婚時に一方が売却を希望しても、他方が反対すれば売却できない

2. 相続時のトラブルリスク

  • 共有者が亡くなると、その持分が相続人に引き継がれる
  • 共有者が増えると意思疎通が難しくなり、売却・管理の合意形成が困難になる
  • 例: 夫が亡くなり、妻1/2、子1/4、子1/4の共有名義になる

3. 離婚時の連帯保証人からの外れ方(実質外れられないリスク)

  • 夫婦で住宅ローンを組む場合、一方が連帯保証人になることが多い
  • 離婚時に連帯保証人から外れることは原則できない
  • 相手が返済しない場合、自分が返済する必要がある

4. 共有者が増えると意思疎通が困難

  • 相続が繰り返されると、共有者が数人〜数十人になることがある
  • 売却・管理の合意形成が極めて困難になる

共有名義登記の注意点とトラブル回避

(1) 2024年4月からの相続登記義務化(3年以内に登記、違反は過料10万円以下)

2024年4月1日から、相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記が必要です。

義務化の内容:

  • 相続を知った日から3年以内に登記が必要
  • 正当な理由なく放置すると、10万円以下の過料の対象
  • 2024年4月1日以前に発生した相続も対象(3年の猶予期間あり)

罰則:

  • 過料10万円以下(行政罰)

相続が発生したら、速やかに登記手続きを行うことを推奨します。

(2) 持分割合は出資割合に応じる(贈与税回避のため)

持分割合は、出資割合に応じて決めるのが原則です。出資割合と異なる持分割合にすると、贈与税の対象となる可能性があります。

贈与税の計算例:

  • 夫が全額5,000万円出資、夫1/2、妻1/2で登記
  • 妻への贈与額: 5,000万円 × 1/2 = 2,500万円
  • 贈与税: 約850万円(一般税率、基礎控除110万円適用後)

このような贈与税を回避するため、持分割合は出資割合に応じて設定してください。

(3) 離婚時の連帯保証人からの外れ方(実質外れられないリスク)

夫婦で住宅ローンを組む場合、一方が連帯保証人になることが多くあります。離婚時に連帯保証人から外れることは、原則できません

理由:

  • 金融機関は、返済能力のある保証人を確保したい
  • 離婚しても、ローン契約上の連帯保証人の地位は継続

対策:

  • 離婚時に不動産を売却し、ローンを完済する
  • 借り換えにより、連帯保証人なしのローンに切り替える
  • 相手に十分な返済能力がある場合、金融機関と交渉する

離婚を検討する際は、住宅ローンの連帯保証人からの外れ方を事前に確認することを推奨します。

(4) 共有者が増えると意思疎通が困難(将来的なトラブル)

共有名義の不動産は、相続が繰り返されると共有者が増えていきます。共有者が増えると、売却・管理の合意形成が困難になります。

:

  • 初代: 夫婦2人(夫1/2、妻1/2)
  • 2代目: 母1/2、子1/4、子1/4(夫が死亡し、母と子2人が相続)
  • 3代目: 母1/2、子1/4、孫1/8、孫1/8(子が死亡し、孫2人が相続)

共有者が増えると、以下の問題が発生します。

  • 売却に全員の同意が必要で、合意形成が困難
  • 管理費用の負担割合を巡ってトラブル
  • 連絡が取れない共有者が出てくる

対策:

  • 相続時に共有名義を避け、単独名義にする(代償分割、換価分割等)
  • 共有物分割請求(裁判所を通じて共有状態を解消)
  • 共有持分の売却(自分の持分のみを売却)

共有名義は初期の段階では便利ですが、長期的にはトラブルの原因になることがあるため、将来的な対策を検討することを推奨します。

まとめ:共有名義登記で失敗しないポイント

共有名義の登記費用は、単独名義と変わらず、登録免許税と司法書士報酬を合わせて10万円〜90万円程度です。登録免許税は固定資産税評価額×税率で計算し、税率は登記の種類により異なります(相続0.4%、売買2%、贈与2%)。

持分割合は出資割合に応じて決めるのが原則で、出資割合と異なる持分割合にすると贈与税の対象となる可能性があります。共有名義のメリットは住宅ローン控除の重複適用、デメリットは売却時に全員の同意が必要、相続時のトラブルリスクです。

2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記が必要です。正当な理由なく放置すると10万円以下の過料の対象となります。

共有名義は初期の段階では便利ですが、長期的にはトラブルの原因になることがあるため、将来的な対策を検討してください。登記手続きは専門的な知識が必要であり、不安な場合は司法書士等の専門家への相談を推奨します。

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よくある質問

Q1共有名義の登記費用はいくらかかるのか?

A1登録免許税と司法書士報酬を合わせて10万円〜90万円程度です。登録免許税は固定資産税評価額×税率で計算し、税率は登記の種類により異なります(相続0.4%、売買2%、贈与2%)。司法書士報酬は5万円〜10万円程度が一般的です。共有名義でも単独名義でも費用は変わりません(申請は1件で済むため)。

Q2共有名義と単独名義で登記費用は変わるのか?

A2変わりません。共有名義でも1件の登記申請で済むため、単独名義と同額となります。例えば、夫婦で共有名義にしても、登録免許税・司法書士報酬は単独名義と同じです。共有者の人数が増えても、費用は同額のままです。

Q3持分割合はどのように決めるのか?

A3出資割合に応じて決めるのが原則です。例えば、夫が3,000万円、妻が2,000万円出資した場合、持分割合は夫3/5、妻2/5にします。出資割合と異なる持分割合にすると、贈与税の対象となる可能性があります。夫が全額出資したにも関わらず、夫1/2、妻1/2で登記すると、妻に贈与税が課される場合があります。

Q4共有名義のメリット・デメリットは何か?

A4メリットは、住宅ローン控除の重複適用(夫婦それぞれが控除を受けられる)、出資割合の明確化(離婚時の財産分与がスムーズ)です。デメリットは、売却時に共有者全員の同意が必要(1人でも反対すれば売却できない)、相続時のトラブルリスク(共有者が増えると意思疎通が困難)があります。長期的にはトラブルの原因になることがあるため、将来的な対策を検討することを推奨します。

Q52024年からの相続登記義務化とは何か?

A52024年4月1日から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記が必要です。正当な理由なく放置すると、10万円以下の過料の対象となります。2024年4月1日以前に発生した相続も対象で、3年の猶予期間があります。相続が発生したら、速やかに登記手続きを行うことを推奨します。

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