不動産投資で成功する確率は?失敗率とリスクを正しく理解する

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/19

不動産投資の成功率とは?統計データと定義

不動産投資を検討する際、「成功率はどれくらいなのか」「失敗するリスクは高いのか」と不安を感じる方は少なくありません。

この記事では、不動産投資の成功率・失敗率の実態、主な失敗原因、成功するための条件、リスクと対策、初心者向けのポイントを、統計データや業界調査を元に解説します。

不動産投資を検討している方が、リスクを正しく理解し、成功率を高めるための判断材料を得られるようになります。

この記事のポイント

  • 不動産投資の成功率に公式な統計データは存在しないが、目的別に異なる(副収入50〜60%、節税80%、不動産収入のみ10%未満)
  • 健美家の調査では約40%の不動産投資家が失敗を経験しており、失敗原因1位は空室、2位は修繕費、3位は高値購入
  • 成功のカギは「自分で学ぶこと」であり、失敗する人の共通点は「自分で学ぼうとしていない」こと
  • 不動産投資の最大のリスクは空室リスクで、立地選びが最重要
  • 初心者は不動産小口化商品やREITから始めることで、少額からリスクを抑えて投資できる

(1) 成功率に関する公式な統計データの有無

不動産投資の成功率に関する公式な統計データは存在しません。これは、成功・失敗の定義が個人の投資目的により大きく異なるためです。

例えば、以下のような目的があります。

  • 副収入を得る: 毎月数万円の家賃収入を得ることが目的
  • 節税対策: 減価償却費を活用して所得税を軽減することが目的
  • 不動産収入のみで生活: 不動産投資だけで生計を立てることが目的

それぞれの目的で「成功」の基準が異なるため、一律に成功率を算出することは困難です。

(出典: 東急リバブル - 不動産投資の成功率はどれくらい?

(2) 目的別の成功率(副収入50〜60%、節税80%、不動産収入のみ10%未満)

不動産投資の成功率は、投資の目的により大きく異なります。

投資目的 推定成功率 内容
副収入を得る 50〜60% 毎月数万円の家賃収入を得ることが目的。比較的達成しやすい
節税・保険対策 80%程度 減価償却費を活用して所得税を軽減。専門家のサポートがあれば高確率で達成
不動産収入のみで生活 10%未満 不動産投資だけで生計を立てる。ハードルが非常に高い

(出典: 東急リバブル - 不動産投資の成功率はどれくらい?

(3) 国税庁の統計データから見る成功事例

国税庁のデータによると、不動産所得を申告している人のうち、30%以上が年間500万円以上の所得を得ています。

これは、不動産投資で一定の成功を収めている人が少なくないことを示しています。ただし、不動産所得がマイナス(赤字)の人も含まれるため、全員が成功しているわけではありません。

不動産投資の失敗率と主な失敗原因

(1) 健美家の調査:失敗率40%の実態

健美家の調査によると、約40%の不動産投資家が「失敗を経験した」と回答しています。

この失敗率は、不動産投資が決して「簡単に儲かる」投資ではないことを示しています。失敗のリスクを正しく理解し、対策を講じることが重要です。

(出典: プロパリージャーナル - 不動産投資の失敗率は4割!

(2) 失敗原因1位:空室リスク(36%)

不動産投資の失敗原因1位は「空室が埋まらない」で、約36%の投資家がこの問題に直面しています。

空室リスクとは: 入居者が退去後、新しい入居者が見つからず、家賃収入が途絶えるリスクです。ローン返済が困難になり、キャッシュフローがマイナスになる可能性があります。

対策:

  • 立地選びが最重要: 長期的な賃貸需要のあるエリア(駅近、大学・企業の近く等)を選ぶ
  • 適正な家賃設定: 周辺相場を調査し、競争力のある家賃を設定
  • 管理会社の選定: 空室対策に強い管理会社を選ぶ

(3) 失敗原因2位:想定外の修繕費(31%)

失敗原因2位は「想定外の修繕・維持費」で、約31%の投資家がこの問題に直面しています。

修繕リスクとは: 建物の老朽化により、外壁塗装、防水工事、設備交換等の修繕費が発生するリスクです。事前に修繕費を見積もっていなかった場合、利回りが大幅に悪化する可能性があります。

対策:

  • 修繕費のリサーチ: 購入前に建物の状態を確認し、将来の修繕費を見積もる
  • 修繕積立金の確保: 毎月一定額を修繕費として積み立てる
  • 築年数の浅い物件を選ぶ: 築年数が浅い物件は修繕費が少ない傾向がある

(4) 失敗原因3位:高値購入(30%)

失敗原因3位は「相場より高値で購入」で、約30%の投資家がこの問題に直面しています。

高値購入のリスク: 不動産を相場より高値で購入すると、売却時にキャピタルゲインが得られず、損失が発生するリスクがあります。また、利回りが低くなり、キャッシュフローが悪化する可能性があります。

対策:

  • 複数の物件を比較: 周辺の類似物件の価格を調査し、適正価格を見極める
  • 不動産鑑定士の意見を聞く: 客観的な評価を得る
  • 焦らずに判断: 不動産業者の営業トークに流されず、冷静に判断する

(出典: プロパリージャーナル - 不動産投資の失敗率は4割!

(5) 失敗の共通点:自分で学ぼうとしていない

失敗する人の共通点は、「自分で学ぼうとしていない」ことです。

不動産業者の提案を鵜呑みにし、自分で物件の収益性や立地条件を徹底的にリサーチしなかった結果、失敗するケースが多いです。

成功する人は、書籍、セミナー、オンライン講座等で不動産投資の知識を習得し、自分で判断できる力を身につけています。

(出典: 武蔵コーポレーション - 不動産投資に失敗し悲惨な末路を迎えた5人の事例と教訓

不動産投資で成功するための条件

(1) 成功事例:中古ワンルームマンション投資

成功事例として、中古ワンルームマンションを人気地区で安く購入し、安定した家賃収入を得たケースが多いです。

成功事例の詳細:

  • 物件: 東京都内の中古ワンルームマンション(築15年、恵比寿エリア)
  • 購入価格: 2,000万円
  • 家賃収入: 月10万円
  • ローン返済・管理費等: 月4万円
  • キャッシュフロー: 月6万円の黒字

この事例では、立地選び(恵比寿の人気エリア)と適正価格での購入が成功の鍵となっています。

(出典: 武蔵コーポレーション - 不動産投資に失敗し悲惨な末路を迎えた5人の事例と教訓

(2) 立地選びの重要性

不動産投資で最も重要なのは「立地選び」です。

良い立地の条件:

条件 内容
駅近 駅徒歩10分以内。通勤・通学の利便性が高い
賃貸需要が高い 大学、企業、病院等が近く、長期的な賃貸需要が見込める
周辺環境が良い スーパー、コンビニ、公園等の生活施設が充実
治安が良い 犯罪率が低く、安心して住めるエリア

立地が良ければ、空室リスクを大幅に抑えることができます。

(3) 収益シミュレーションと資金計画

不動産投資を始める前に、収益シミュレーションと資金計画を徹底的に行うことが不可欠です。

収益シミュレーションの項目:

  • 家賃収入(年間)
  • ローン返済額(年間)
  • 管理費・修繕積立金(年間)
  • 固定資産税(年間)
  • 修繕費の見積もり(年間)
  • 空室率の想定(年間)

(2,000万円の中古ワンルームマンション):

項目 金額(年間)
家賃収入 120万円
ローン返済 -48万円
管理費・修繕積立金 -12万円
固定資産税 -6万円
修繕費(積立) -6万円
空室損失(10%想定) -12万円
キャッシュフロー 36万円(黒字)

このように、収支を詳細にシミュレーションすることで、投資の採算性を事前に判断できます。

(出典: ベルテックス - 不動産投資のリスク徹底対策!

不動産投資のリスクと対策

(1) 空室リスクとその対策

空室リスクは不動産投資最大のリスクです。入居者が退去後、新しい入居者が見つからず、家賃収入が途絶えるリスクです。

対策:

  • 立地選び(長期的な賃貸需要のあるエリア)
  • 適正な家賃設定(周辺相場に合わせる)
  • 管理会社の選定(空室対策に強い会社)
  • リフォーム・リノベーション(魅力的な物件にする)

(2) 修繕リスクとその対策

建物の老朽化により、外壁塗装、防水工事、設備交換等の修繕費が発生するリスクです。

対策:

  • 修繕費のリサーチ(購入前に建物の状態を確認)
  • 修繕積立金の確保(毎月一定額を積み立てる)
  • 築年数の浅い物件を選ぶ(修繕費が少ない)

(3) 金利上昇リスクとその対策

2024年9月に日銀が金利引き上げを実施し、ローン金利の上昇など具体的な動きが出ています。2025年は金利上昇傾向にあり、ローン金利の上昇で返済負担が増える可能性があります。

対策:

  • 固定金利ローンの検討(金利上昇リスクを回避)
  • 余裕を持った返済計画(金利上昇を見込んで計画)
  • 繰り上げ返済の活用(元本を早期に減らす)

(出典: JLL - 2025年の日本不動産投資市場動向の展望

(4) 自然災害リスクとその対策

地震、台風、水害等の自然災害により、建物が損傷するリスクです。

対策:

  • 火災保険・地震保険の加入(災害時の損害をカバー)
  • ハザードマップの確認(洪水、土砂災害のリスクを事前に把握)
  • 耐震性の高い物件を選ぶ(新耐震基準を満たす物件)

(出典: ベルテックス - 不動産投資のリスク徹底対策!

初心者が不動産投資で成功するためのポイント

(1) 不動産小口化商品やREITから始める

初心者は、不動産小口化商品やREIT(不動産投資信託)から始めることをお勧めします。

不動産小口化商品: 不動産を小口に分割して販売する商品。数万円〜数十万円から投資でき、少額からリスクを抑えて投資できます。

REIT(リート): 複数の不動産に分散投資できる金融商品。証券取引所で売買でき、流動性が高いです。

メリット:

  • 少額から始められる(リスクを抑えられる)
  • 管理会社がすべて対応(手間がかからない)
  • 分散投資でリスク軽減(複数の不動産に投資)

(出典: ベルテックス - 不動産投資のリスク徹底対策!

(2) 徹底的なリサーチと自己学習

成功のカギは「自分で学ぶこと」です。書籍、セミナー、オンライン講座等で不動産投資の知識を習得し、自分で判断できる力を身につけましょう。

学ぶべき内容:

  • 不動産投資の基礎知識(利回り、キャッシュフロー、キャピタルゲイン等)
  • 物件選びの基準(立地、築年数、価格等)
  • ローンの組み方(固定金利、変動金利等)
  • 税金の知識(不動産取得税、固定資産税、所得税等)
  • 法律の知識(宅地建物取引業法、借地借家法等)

(3) 専門家への相談

不動産投資は個別の状況(資金、リスク許容度、目的等)により適切な投資方法が異なります。専門家(不動産投資アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、税理士等)への相談を推奨します。

専門家は、あなたの状況に合わせた投資プランを提案し、リスクを最小限に抑えるアドバイスをしてくれます。

まとめ:不動産投資の成功率を高めるために

不動産投資の成功率は、投資の目的により大きく異なります。副収入目的なら50〜60%、節税目的なら80%、不動産収入のみで生活するなら10%未満とされています。

健美家の調査では約40%の不動産投資家が失敗を経験しており、失敗原因1位は空室、2位は修繕費、3位は高値購入です。成功のカギは「自分で学ぶこと」であり、失敗する人の共通点は「自分で学ぼうとしていない」ことです。

不動産投資の最大のリスクは空室リスクで、立地選びが最重要です。初心者は不動産小口化商品やREITから始めることで、少額からリスクを抑えて投資できます。

不動産投資を検討している方は、リスクを正しく理解し、徹底的なリサーチと自己学習を行い、専門家への相談を通じて、成功率を高めましょう。

よくある質問

Q1不動産投資の成功率は実際どれくらいですか?

A1不動産投資の成功率に公式な統計データは存在しませんが、投資の目的により大きく異なります。副収入を得る目的なら50〜60%、節税・保険対策目的なら80%程度、不動産収入のみで生活する目的なら10%未満とされています。国税庁のデータでは、不動産所得を申告している人のうち、30%以上が年間500万円以上の所得を得ています。ただし、成功・失敗の定義は個人の目的により異なる点にご注意ください。

Q2不動産投資で失敗する人の共通点は何ですか?

A2健美家の調査によると、約40%の不動産投資家が失敗を経験しています。失敗原因1位は「空室が埋まらない」(約36%)、2位は「想定外の修繕・維持費」(約31%)、3位は「相場より高値で購入」(約30%)です。失敗する人の共通点は「自分で学ぼうとしていない」ことで、不動産業者の提案を鵜呑みにし、自分で物件の収益性や立地条件を徹底的にリサーチしなかった結果、失敗するケースが多いです。

Q3不動産投資のリスクとその対策は何ですか?

A3不動産投資最大のリスクは空室リスクです。入居者が退去後、新しい入居者が見つからず、家賃収入が途絶えるリスクがあります。対策として、立地選び(長期的な賃貸需要のあるエリア)が最重要です。その他、修繕リスク(建物の老朽化による修繕費)、金利上昇リスク(ローン金利の上昇)、自然災害リスク(地震、台風、水害)があります。収益シミュレーションと緊急時資金の準備が不可欠です。

Q4初心者が不動産投資で成功するためには何をすべきですか?

A4初心者は、不動産小口化商品やREIT(不動産投資信託)から始めることをお勧めします。少額(数万円〜)から投資でき、リスクを抑えて投資できます。成功のカギは「自分で学ぶこと」です。書籍、セミナー、オンライン講座等で不動産投資の知識を習得し、自分で判断できる力を身につけましょう。不動産業者の提案を鵜呑みにせず、専門家(ファイナンシャルプランナー、税理士等)への相談を推奨します。

Q52025年の不動産投資市場の見通しは?

A52025年上半期の国内不動産投資額は前年同期比22%増の3兆1,932億円を記録しました。2024年9月に日銀が金利引き上げを実施し、ローン金利の上昇など具体的な動きが出ています。ただし、依然として金利が低水準であることに変わりはなく、投資機会は引き続き存在します。オフィス投資や海外投資家の参入増加が期待されており、2025年は不動産価格が高止まりしているため、スピーディーな意思決定が求められます。

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Room Match編集部

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