ワンルームマンション投資の始め方|利回り・リスク・成功のポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/26

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ワンルームマンション投資が注目される理由

ワンルームマンション投資は、比較的少額で始められる不動産投資として注目されています。「安定した家賃収入を得たい」「将来の年金代わりにしたい」と考える方は少なくありません。

この記事では、ワンルームマンション投資の基礎知識、利回りの計算方法、メリット・デメリット、失敗事例と成功のポイントを解説します。専門家への相談を前提に、投資判断の参考にしてください。

この記事のポイント

  • 新築の表面利回りは2~5%、中古は3~7%が相場(2024-2025年時点)
  • 少額で始められるが、空室リスクが最大の課題(収入源が1つのため影響大)
  • 二重返済(ローン+空室損失)が長期化すると自己破産リスクもある
  • 都心部の賃貸需要が高いエリアを選び、実質利回り3.5%以上を目安にする
  • 複数物件での分散投資、悪徳業者の見分け方が成功の鍵

ワンルームマンション投資の基礎知識

ワンルームマンション投資の仕組みと、利回りの種類、新築・中古の違いを理解しましょう。

(1) ワンルームマンション投資とは

ワンルームマンション投資は、単身者向けのマンション(1R~1K)を購入し、賃貸することで家賃収入を得る不動産投資です。

主な収入源:

  • 家賃収入(毎月の賃料)
  • 売却益(将来の売却時の差額)

主な費用:

  • ローン返済(元金+金利)
  • 管理費・修繕積立金(マンション管理組合に支払う)
  • 固定資産税・都市計画税(年1回)
  • その他諸費用(火災保険、管理委託料等)

ワンルームマンション投資は、他の不動産投資(一棟マンション、戸建て等)に比べて少額で始められるため、初心者でも取り組みやすいとされています。

(2) 表面利回りと実質利回りの違い

利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。物件選びでは実質利回りを重視しましょう。

表面利回り:

表面利回り = 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100

管理費・修繕費等の経費を含まない簡易的な利回りです。物件広告で使われる数値ですが、実際の収益性は低くなります。

実質利回り:

実質利回り = (年間家賃収入 - 諸経費)÷(物件価格 + 購入時諸費用)× 100

より正確な収益性を示します。物件選びではこちらを基準にしましょう。

:

  • 物件価格:2,000万円
  • 年間家賃収入:100万円
  • 諸経費(管理費等):20万円
  • 購入時諸費用:100万円
表面利回り = 100万円 ÷ 2,000万円 × 100 = 5.0%
実質利回り = (100万円 - 20万円) ÷ (2,000万円 + 100万円) × 100 = 3.8%

実質利回り3.5%前後が適切な目安とされます(2024-2025年時点)。

(3) 新築と中古の特徴

新築と中古にはそれぞれメリット・デメリットがあります。

項目 新築 中古
物件価格 高い(新築プレミアム) 安い
表面利回り 2~5%(首都圏3.5~4%) 3~7%
入居率 高い 築年数により低下
修繕費 当面不要 築年数により増加
向いている人 初心者、安定志向 経験者、利回り重視

新築のリスク: 新築プレミアムが高すぎると、購入価格を回収しきれない可能性があります。入居後は中古扱いとなり、価値が下落します。

中古のリスク: 築年数が古いほど修繕費が増加し、入居率が低下する傾向があります。購入前に大規模修繕計画を確認しましょう。

利回りと収支シミュレーション

具体的な収支例を見ながら、利回り相場と費用内訳を把握しましょう。

(1) 利回り相場(新築・中古別)

2024-2025年時点の利回り相場は以下の通りです。

新築:

  • 表面利回り:2~5%
  • 首都圏:3.5~4%前後
  • 地方都市:4~5%

中古:

  • 表面利回り:3~7%
  • 築年数により異なる(築浅:3~4%、築古:5~7%)

2024年の市況:

  • マンション価格は前年比22.1%上昇、利回りは0.16%低下
  • 首都圏投資用ワンルームマンションの新規供給は前年比50.4%減の728戸(2024年上半期)
  • 契約率は63.5%に低下

東京23区の物件価格は歴史的高水準にあり、利回りは低下傾向です。投資判断は慎重に行いましょう。

(2) 収支構造の具体例

物件例(新築ワンルーム、東京23区):

  • 物件価格:2,500万円
  • 家賃:月8万円(年96万円)
  • 頭金:250万円(10%)
  • ローン:2,250万円(金利2.0%、35年)

年間収支:

項目 金額
家賃収入 +96万円
ローン返済 -90万円
管理費・修繕積立金 -15万円
固定資産税・都市計画税 -8万円
その他(火災保険等) -3万円
年間収支 -20万円

このケースでは年間20万円の赤字ですが、ローン返済の一部は元金返済(資産形成)であり、完済後は家賃収入がプラスになります。

注意: 空室が発生すると家賃収入ゼロでもローン返済・管理費は継続します。二重返済(ローン+自己負担)が長期化すると自己破産リスクもあります。

(3) 諸費用・税金の内訳

ワンルームマンション投資には以下の諸費用・税金がかかります。

購入時:

  • 仲介手数料:物件価格の3%+6万円+消費税
  • 登記費用:5~10万円
  • 火災保険:10~20万円(10年一括)
  • 不動産取得税:固定資産税評価額の3~4%

運用中:

  • 管理費・修繕積立金:月1~2万円
  • 固定資産税・都市計画税:年5~10万円
  • 管理委託料:家賃の5%程度

売却時:

  • 仲介手数料:売却価格の3%+6万円+消費税
  • 譲渡所得税:利益(譲渡所得)に対して課税(所有期間5年以下:39.63%、5年超:20.315%)

詳細は税理士への相談を推奨します。

メリット・デメリットとリスク対策

ワンルームマンション投資のメリットとリスクを理解し、適切な対策を講じましょう。

(1) ワンルームマンション投資の3つのメリット

メリット1:少額で始められる

一棟マンション(数億円)や戸建て(数千万円)に比べて、ワンルームマンションは1,000~3,000万円程度で購入できます。頭金10~20%程度で始められるため、初心者でも取り組みやすいです。

メリット2:管理が簡単

管理会社に委託すれば、入居者対応(契約、トラブル対応、退去手続き等)の負担が軽減され、本業と並行運用が可能です。

メリット3:節税・年金・保険効果

  • 節税効果:減価償却費、管理費、ローン金利等を経費計上できる(ただし1室では効果は小さい)
  • 年金効果:完済後は家賃収入が年金代わりになる
  • 保険効果:団体信用生命保険(団信)でローン完済、遺族に資産が残る

(2) 空室リスクと二重返済の対策

空室リスクはワンルームマンション投資の最大の課題です。収入源が1つしかないため、空室時は家賃収入ゼロでもローン返済・管理費は継続します。

二重返済のリスク: 空室時にローン返済と空室損失を自己資金で負担すること。長期化すると破産リスクがあります。

実例: 単身世帯は平均3年3ヶ月で退去するため、ワンルームは回転率が高く、空室期間が発生しやすい傾向があります。

対策:

  • 都心部の賃貸需要が高いエリアを選ぶ:駅徒歩10分以内、主要路線沿線等
  • 複数物件で分散投資:2室以上所有で空室リスクを分散(1室空室でも他室の家賃収入でカバー)
  • 家賃保証・サブリースの活用:家賃保証会社が空室時も家賃を保証(ただし手数料が発生)
  • 余裕資金の確保:半年~1年分のローン返済額を自己資金で確保

(3) その他のリスク(家賃下落・物件価値下落等)

ワンルームマンション投資には空室リスク以外にも以下のリスクがあります。

リスク 内容 対策
家賃下落リスク 築年数経過で家賃が下がる 駅近・人気エリアを選ぶ
物件価値下落リスク 築年数経過で売却価格が下がる 新築プレミアムを避ける
金利上昇リスク 金利が上がるとローン返済額増加 固定金利を選ぶ
修繕費リスク 築年数経過で修繕費が増加 大規模修繕計画を確認
災害リスク 地震・火災等で物件が損壊 火災保険・地震保険に加入

2025年時点、日銀の金融政策正常化により長期金利が上昇傾向にあります。金利上昇リスクにも注意が必要です。

失敗事例と成功のポイント

実際の失敗事例から学び、成功のポイントを押さえましょう。

(1) よくある失敗パターン

失敗例1:新築物件の高額購入後、空室が続いて赤字

新築プレミアムが高すぎる物件を購入し、入居後は中古扱いとなり価値が下落。空室が続いて赤字が拡大し、売却しても購入価格を回収できない。

教訓: 新築プレミアムは妥当な範囲か確認する。周辺の中古物件相場と比較し、過剰な価格設定は避ける。

失敗例2:二重返済が長期化して自己破産

空室が続き、ローン返済と空室損失を自己資金で負担。数年間の二重返済で自己資金が底をつき、自己破産に至る。

教訓: 余裕資金を確保し、空室リスクに備える。複数物件での分散投資も検討する。

失敗例3:悪徳業者による偽装入居者

購入前に「入居者確定」と説明されたが、実は業者が用意した偽装入居者。購入後すぐに退去し、長期空室になる。

教訓: 入居者情報を確認し、不自然な点があれば契約を見送る。複数の業者に相談し、比較検討する。

(2) 物件選びの重要ポイント

成功するための物件選びのポイントは以下の通りです。

立地:

  • 駅徒歩10分以内(できれば5分以内)
  • 主要路線沿線(通勤・通学に便利)
  • 周辺に大学・企業・商業施設がある

物件:

  • 賃貸需要が高いエリア(都心部、主要都市)
  • 実質利回り3.5%以上
  • 大規模修繕計画が明確(中古の場合)

業者:

  • 宅地建物取引業の免許を持つ正規業者
  • 過去の実績・口コミを確認
  • 複数社に相談し、比較検討

賃貸需要の低いエリア(地方の過疎地域等)での物件購入は失敗リスクが高いです。

(3) 悪徳業者の見分け方

悪徳業者を避けるため、以下の点に注意しましょう。

警戒すべきサイン:

  • 「必ず儲かる」「絶対安全」等の断定表現
  • 過度な営業電話・訪問
  • 契約を急かす(「今日中に決めないと」等)
  • 物件情報の開示を渋る
  • 空室予定の隠蔽、大規模修繕計画の未開示

対策:

  • 複数の業者に相談し、比較検討する
  • 契約前に宅地建物取引士から重要事項説明を受ける
  • 不明点は必ず質問し、納得するまで契約しない
  • 契約書を熟読し、不利な条項がないか確認する

不動産投資アドバイザーやファイナンシャルプランナー等の専門家に相談することも有効です。

まとめ:状況別の投資判断

ワンルームマンション投資は、少額で始められる一方、空室リスクが最大の課題です。二重返済が長期化すると自己破産リスクもあるため、慎重な判断が必要です。

状況別の投資判断:

ワンルームマンション投資が向いている人:

  • 不動産投資初心者(少額で始めたい)
  • 本業がある(管理会社に委託できる)
  • 長期的な資産形成を目指す
  • 都心部の賃貸需要が高いエリアを選べる

ワンルームマンション投資が向いていない人:

  • 短期的な利益を求める
  • 余裕資金がない(空室リスクに備えられない)
  • リスク許容度が低い
  • 賃貸需要の低いエリアしか選べない

成功のポイント:

  • 都心部の賃貸需要が高いエリアを選ぶ(駅徒歩10分以内、主要路線沿線)
  • 実質利回り3.5%以上を目安にする
  • 複数物件で分散投資する(2室以上)
  • 余裕資金を確保する(半年~1年分のローン返済額)
  • 悪徳業者を避ける(複数社に相談、比較検討)

ワンルームマンション投資は高リスクであることを理解し、個別の投資判断は専門家(不動産投資アドバイザー、税理士、ファイナンシャルプランナー等)への相談を推奨します。

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よくある質問

Q1ワンルームマンション投資の利回り相場はどのくらい?

A1新築は表面利回り2~5%(首都圏3.5~4%前後)、中古は3~7%が相場です(2024-2025年時点)。実質利回り3.5%前後が適切な目安とされます。実質利回りは諸経費(管理費・修繕費等)を含むため、表面利回りよりも低くなります。物件選びでは実質利回りを重視しましょう。2024年はマンション価格が前年比22.1%上昇し、利回りは低下傾向にあります。

Q2新築と中古、どちらを選ぶべき?

A2新築は入居率が高く管理が楽ですが、価格が高く(新築プレミアム)、表面利回りは2~5%程度です。中古は利回りが高い(3~7%)ですが、修繕費リスクがあります。初心者は入居率が安定している新築、経験者は利回り重視で中古が向く傾向があります。どちらを選ぶ場合も、都心部の賃貸需要が高いエリアを選ぶことが重要です。

Q3空室が出たらどうなる?

A3家賃収入ゼロでもローン返済・管理費は継続します。二重返済(ローン返済+空室損失の自己負担)が長期化すると自己破産リスクもあります。単身世帯は平均3年3ヶ月で退去するため、ワンルームは回転率が高く、空室期間が発生しやすい傾向があります。対策として、都心部の賃貸需要が高いエリアを選ぶ、複数物件で分散投資する、余裕資金を確保する等が有効です。

Q4どのくらいの自己資金が必要?

A4物件価格の10~20%程度が目安です。例えば2,000万円の物件なら200~400万円。諸費用(物件価格の5~10%、仲介手数料・登記費用・火災保険等)も考慮が必要です。フルローン(頭金ゼロ)も可能ですが、ローン返済額が増え、空室リスクが高まります。さらに空室時の二重返済に備えて、半年~1年分のローン返済額を余裕資金として確保することを推奨します。

Q5失敗しないためのポイントは?

A5都心部の賃貸需要が高いエリアを選ぶ(駅徒歩10分以内、主要路線沿線)、実質利回り3.5%以上を目安にする、複数物件で分散投資する(2室以上)、悪徳業者を避ける(複数社に相談、比較検討)等が重要です。新築プレミアムが高すぎる物件や、賃貸需要の低いエリアの物件は避けましょう。専門家(不動産投資アドバイザー、税理士等)への相談も推奨します。

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Room Match編集部

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