戸建新築の費用相場と予算計画の立て方

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/25

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戸建新築の費用相場と予算計画が重要な理由

戸建住宅の新築を検討する際、「総額でいくらかかるのか」「予算内に収まるのか」と不安に感じる方は少なくありません。

この記事では、戸建新築の費用内訳、地域別の相場、諸費用・税金、住宅ローン控除まで、国土交通省国税庁住宅金融支援機構の公式情報を元に解説します。

初めて不動産を購入する方でも、現実的な資金計画を立てられるようになります。

この記事のポイント

  • 新築戸建ての費用は物件価格だけでなく、諸費用(物件価格の5~10%)・税金・維持費が必要
  • 建売住宅と注文住宅では費用・期間・自由度が大きく異なり、状況に応じて選択が必要
  • 2024年は住宅価格が前年比+11.5%上昇し、2025年も価格高騰が続く見込み
  • 住宅ローン控除など税制優遇を活用することで、税負担を抑えられる可能性がある
  • 契約前に15項目以上のチェックポイントを確認し、専門家への相談を推奨

(1) 2024年の住宅市場動向(価格高騰と着工戸数減少)

2024年の住宅市場は大きな転換点を迎えています。国土交通省の統計によると、2024年の新設住宅着工戸数は79万2,098戸と、リーマンショック以来15年ぶりに80万戸を下回りました。

特に分譲戸建は12万1,191戸(前年比-11.7%、2年連続減少)と大幅に減少し、持ち家着工戸数も21万8,124戸(前年比-2.8%)となっています。

一方で、新築一戸建ての成約価格は2024年下半期で前年比+11.5%上昇しており、地価上昇・建築材料費高騰・人件費アップが要因とされています。2025年は着工戸数が78万戸程度にさらに減少すると予測されており、価格高騰傾向が続く見込みです。

(2) 予算オーバーを防ぐための総費用把握の重要性

新築戸建て購入で最も多い失敗は、物件価格だけに注目して諸費用・税金・維持費を見落とすことです。

例えば3,000万円の物件を購入する場合、以下の費用が追加で必要になります。

  • 諸費用: 150~300万円(物件価格の5~10%)
  • 取得時の税金: 不動産取得税、印紙税など
  • 引越し費用・家具家電購入費: 50~100万円程度
  • 年間維持費: 固定資産税、火災保険、修繕積立など

総費用は3,150~3,300万円程度となり、物件価格だけで予算を組むと150~300万円の予算オーバーになる可能性があります。

戸建新築の基礎知識(建売住宅と注文住宅の違い)

新築一戸建ては「建売住宅(分譲戸建)」と「注文住宅(持ち家)」の2種類があり、それぞれ費用・期間・自由度が大きく異なります。

(1) 建売住宅(分譲戸建)の特徴

建売住宅は、土地と建物がセットで販売される新築一戸建てです。

メリット:

  • すぐに入居可能(完成済みまたは建築中、3~6ヶ月程度で入居)
  • 物件価格が明確で資金計画が立てやすい
  • 実物を確認してから購入できる(完成済みの場合)
  • 注文住宅より価格が抑えられる傾向

デメリット:

  • 間取り・設備の変更が困難
  • 完成前契約では実物確認ができない
  • 設計の自由度が低い

(2) 注文住宅(持ち家)の特徴

注文住宅は、土地を取得した上で、設計から始めて自由に建築する新築一戸建てです。

メリット:

  • 間取り・設備を自由に選べる
  • 建築過程を確認できる
  • ライフスタイルに合わせた設計が可能

デメリット:

  • 完成まで9~18ヶ月程度かかる
  • 建築費用が高くなる傾向
  • 設計・打ち合わせに時間がかかる
  • 予算オーバーのリスクが高い

(3) それぞれのメリット・デメリット

項目 建売住宅 注文住宅
費用 抑えられる傾向 高くなる傾向
期間 3~6ヶ月程度 9~18ヶ月程度
自由度 低い 高い
入居タイミング 早い 遅い
リスク 実物確認不可(完成前) 予算オーバー

状況に応じて、どちらを選ぶかを判断する必要があります。

新築戸建ての費用内訳と相場(2024-2025年版)

新築戸建ての費用は、物件価格だけでなく、建物本体工事費・付帯工事費・土地代・諸費用に分かれます。

(1) 物件価格の相場(地域別・タイプ別)

国土交通省の不動産取引価格情報によると、2024-2025年の新築戸建て価格相場は以下の通りです(全国平均)。

  • 建売住宅: 2,500~4,000万円程度(土地・建物込み)
  • 注文住宅: 3,000~5,000万円程度(建物のみ、土地は別途)

地域別では、首都圏(東京都・神奈川県等)は4,000~6,000万円、地方都市は2,000~3,500万円と大きく差があります。

(2) 建物本体工事費の内訳

注文住宅の建物本体工事費は、以下の項目で構成されます。

  • 基礎工事: 150~250万円
  • 構造躯体: 800~1,200万円
  • 外装工事: 300~500万円
  • 内装工事: 400~700万円
  • 設備工事(キッチン・浴室等): 300~600万円

合計1,950~3,250万円程度が建物本体工事費の目安です。

(3) 付帯工事費・土地代の目安

建物本体工事費以外に、以下の費用が必要です。

付帯工事費:

  • 外構工事(駐車場・庭等): 100~300万円
  • 地盤改良工事: 50~150万円(必要な場合)
  • 引込工事(水道・電気・ガス): 50~100万円

土地代:

  • 首都圏: 2,000~4,000万円
  • 地方都市: 500~2,000万円

土地代は地域により大きく異なるため、事前に相場を確認する必要があります。

(4) 2024年の価格トレンドと2025年の見通し

2024年は新築住宅価格が前年比+11.5%上昇し、価格高騰が続きました。2025年も以下の理由から、価格高騰傾向が続く見込みです。

  • 建築材料費の高騰(木材・鉄骨等)
  • 人件費の上昇(職人不足)
  • 地価の上昇(特に首都圏)
  • 着工戸数の減少(供給減による価格上昇)

購入を検討している場合は、早めの情報収集と資金計画が重要です。

諸費用・税金の詳細と住宅ローン控除

新築戸建て購入時には、物件価格以外に諸費用・税金が必要です。

(1) 諸費用の内訳(仲介手数料・登記費用・ローン諸費用等)

諸費用は物件価格の5~10%程度が目安です。3,000万円の物件の場合、150~300万円程度になります。

項目 内容 目安額
仲介手数料 物件価格の3%+6万円+消費税(上限) 100~150万円
登記費用 所有権移転・抵当権設定の登記 20~40万円
住宅ローン諸費用 融資手数料、保証料、団信保険料 50~100万円
火災保険 10年一括払い 20~40万円
引越し費用 家具家電購入費含む 50~100万円

諸費用は基本的に住宅ローンに含められないため、自己資金で用意する必要があります。

(2) 取得時の税金(不動産取得税・印紙税・消費税等)

新築戸建て取得時には、以下の税金がかかります。

  • 不動産取得税: 固定資産税評価額の3%(軽減措置あり)
  • 印紙税: 売買契約書・ローン契約書に貼付(1~3万円程度)
  • 消費税: 建物価格の10%(土地は非課税)
  • 登録免許税: 所有権移転・抵当権設定の登記時(0.1~0.4%)

軽減措置を活用することで、税負担を抑えられる場合があります。

(3) 住宅ローン控除の適用要件と控除額

国税庁によると、住宅ローン控除は以下の要件を満たすと適用されます(2025年時点)。

適用要件:

  • 床面積50㎡以上(合計所得1,000万円以下の場合は40㎡以上)
  • 10年以上の住宅ローンを利用
  • 引渡しから6ヶ月以内に入居
  • 合計所得が2,000万円以下

控除額:

  • 新築住宅: 年末ローン残高の0.7%を13年間控除(上限あり)
  • 認定住宅(長期優良住宅等): 控除額が拡大

初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で控除を受けられます。

(4) フラット35など住宅ローンの選び方

住宅金融支援機構のフラット35は、長期固定金利の住宅ローンで、金利変動リスクがありません。

フラット35のメリット:

  • 金利が固定されるため、将来の返済額が確定
  • 保証料・繰上返済手数料が不要
  • 自営業者・契約社員でも審査に通りやすい

フラット35のデメリット:

  • 変動金利より金利が高い
  • 物件の技術基準を満たす必要がある

金利タイプ(固定 vs 変動)、融資手数料、団信保険料などを比較し、自分に合った住宅ローンを選ぶことが重要です。

新築戸建て購入時の注意点とリスク管理

新築戸建て購入では、契約前・建築中・完成後それぞれで注意すべきポイントがあります。

(1) 契約前のチェックポイント15選

マイナビニュースによると、新築戸建て購入時には以下15項目の確認が推奨されています。

  1. 物件価格が予算内に収まるか
  2. 諸費用・税金を含めた総費用を把握しているか
  3. 住宅ローンの事前審査に通過しているか
  4. 物件の立地・周辺環境を確認したか
  5. 日当たり・風通しは良好か
  6. 隣地との境界が明確か
  7. 建築確認が取得されているか
  8. 住宅性能評価書が発行されているか
  9. アフターサービス・保証内容を確認したか
  10. 建築会社・ハウスメーカーの実績を調べたか
  11. 契約内容(違約金・解除条件等)を理解しているか
  12. 引渡し時期が希望に合うか
  13. 住宅ローン控除の要件を満たすか
  14. 火災保険・地震保険の加入を検討したか
  15. 専門家(宅建士・税理士等)への相談を済ませたか

これらを契約前に必ず確認し、不明点は業者に質問することが重要です。

(2) 建築中の注意点(工期遅延・施工不良)

注文住宅の場合、建築中に以下のトラブルが発生する可能性があります。

  • 工期遅延: 天候不良、職人不足、資材調達遅延
  • 施工不良: 基礎のひび割れ、壁の傾き、雨漏り
  • 追加費用発生: 設計変更、地盤改良工事の追加

定期的に現場を訪問し、工務店・ハウスメーカーと密にコミュニケーションを取ることで、トラブルを早期に発見・解決できます。

(3) 完成後の内覧チェックポイント

さくら事務所によると、完成後の内覧では以下をチェックする必要があります。

  • 床の傾き、壁のひび割れ
  • ドア・窓の開閉がスムーズか
  • 設備(キッチン・浴室等)の動作確認
  • 日当たり・風通しの再確認
  • 周辺環境(騒音・交通量等)

問題があれば、引渡し前に修正を依頼することが重要です。

(4) よくある失敗事例と対策

新築戸建て購入でよくある失敗は以下の通りです。

失敗事例1: 諸費用を見落とし予算オーバー → 対策: 総費用を事前に計算し、諸費用分の自己資金を用意

失敗事例2: 完成前契約で実物確認できず後悔 → 対策: 完成済み物件を選ぶか、モデルハウスで仕様を確認

失敗事例3: 周辺環境を十分に確認せず騒音問題 → 対策: 昼・夜・平日・休日に複数回現地を訪問

失敗事例4: 住宅ローン控除の要件を満たさず税負担増 → 対策: 契約前に税理士に相談し、要件を確認

これらの失敗を避けるため、契約前に専門家への相談を強く推奨します。

まとめ:現実的な予算計画の立て方

新築戸建ての費用は、物件価格だけでなく、諸費用・税金・維持費を含めた総費用で考える必要があります。建売住宅と注文住宅ではそれぞれメリット・デメリットがあり、状況に応じて選択することが重要です。

2024-2025年は住宅価格の高騰が続いており、早めの情報収集と資金計画が求められます。住宅ローン控除など税制優遇を活用することで、税負担を抑えられる可能性があります。

(1) 総費用の計算方法(物件価格+諸費用+維持費)

総費用は以下の式で計算できます。

総費用 = 物件価格 + 諸費用(物件価格の5~10%) + 取得時の税金 + 引越し費用

例:3,000万円の物件の場合

  • 物件価格: 3,000万円
  • 諸費用: 150~300万円
  • 税金: 50~100万円
  • 引越し費用: 50~100万円
  • 総費用: 3,250~3,500万円

(2) 状況別の選び方(建売 vs 注文住宅)

  • 予算を抑えたい、早く入居したい: 建売住宅
  • 間取り・設備にこだわりたい: 注文住宅
  • 実物を確認してから決めたい: 完成済み建売住宅

自分の優先順位を明確にし、状況に応じて選ぶことが重要です。

(3) 専門家への相談のタイミング

以下のタイミングで専門家(宅建士、税理士、ファイナンシャルプランナー等)への相談を推奨します。

  • 資金計画を立てる段階(購入前)
  • 住宅ローンを選ぶ段階(審査前)
  • 契約内容を確認する段階(契約前)
  • 税制優遇の適用を確認する段階(確定申告前)

信頼できる専門家に相談しながら、無理のない資金計画を立てましょう。

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よくある質問

Q1新築戸建ての総費用はいくらかかる?

A1新築戸建ての総費用は、物件価格に加えて諸費用(物件価格の5~10%)、取得時の税金、引越し費用・家具家電購入費が必要です。例えば3,000万円の物件の場合、諸費用150~300万円、税金50~100万円、引越し費用50~100万円で、総費用は3,250~3,500万円程度が目安となります。諸費用は基本的に住宅ローンに含められないため、自己資金で用意する必要があります。

Q2建売住宅と注文住宅はどう違う?

A2建売住宅は土地と建物がセットで販売され、完成済みまたは建築中の物件をそのまま購入します。すぐに入居可能(3~6ヶ月程度)で、価格が抑えられる傾向がありますが、間取り・設備の変更は困難です。一方、注文住宅は設計から始めて自由に建築でき、間取り・設備を自由に選べますが、完成まで9~18ヶ月程度かかり、建築費用が高くなる傾向があります。状況に応じて選択することが重要です。

Q3住宅ローン控除を受けるための要件は?

A32025年時点の住宅ローン控除の主な要件は、床面積50㎡以上(合計所得1,000万円以下の場合は40㎡以上)、10年以上の住宅ローンを利用、引渡しから6ヶ月以内に入居、合計所得が2,000万円以下です。控除額は新築住宅の場合、年末ローン残高の0.7%を13年間控除できます(上限あり)。初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で控除を受けられます。詳細は国税庁の公式サイトでご確認ください。

Q4新築戸建て購入時の主な注意点は?

A4新築戸建て購入時には15項目以上のチェックポイントがあります。主な注意点は、総費用(物件価格+諸費用+税金)の把握、周辺環境の確認(昼・夜・平日・休日に複数回訪問)、建築確認・住宅性能評価書の取得確認、契約内容(違約金・解除条件)の理解、住宅ローン控除の要件確認です。完成前契約では実物確認ができない、設計変更が困難などのリスクもあるため、契約前に宅建士・税理士などの専門家への相談を強く推奨します。

Q52024-2025年の住宅市場の動向は?

A52024年の新設住宅着工戸数は79万2,098戸と、リーマンショック以来15年ぶりに80万戸を下回りました。特に分譲戸建は前年比-11.7%と大幅に減少しています。一方で、新築一戸建ての成約価格は2024年下半期で前年比+11.5%上昇しており、地価上昇・建築材料費高騰・人件費アップが要因です。2025年は着工戸数が78万戸程度にさらに減少すると予測されており、価格高騰傾向が続く見込みです。購入を検討している場合は、早めの情報収集と資金計画が重要です。

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Room Match編集部

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