新築住宅の固定資産税、2年目はいくらかかる?知っておくべき基本
新築住宅を購入して1年目の固定資産税が思ったより安く済み、安心していたら、「2年目以降はいくらになるのか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、新築住宅の固定資産税2年目の税額、軽減措置の仕組み、物件タイプ別のシミュレーション、軽減措置終了後の対策を解説します。税額の変化を理解することで、将来の資金計画に役立てられます。
この記事のポイント
- 新築2年目の固定資産税は軽減措置期間内のため、建物部分は引き続き半額(1/2)で済む
- 軽減措置は戸建て3年、マンション5年、長期優良住宅は+2年延長される
- 4年目(マンションは6年目)から軽減措置が終了し、建物の税額が約2倍になる
- 評価額3,000万円の戸建てで、2年目の固定資産税は約10.5万円(土地5.6万円+建物4.9万円)
- 軽減措置終了後は、経年減価で評価額が下がるため、実際の税額は2倍よりやや少なくなる
新築住宅の固定資産税軽減措置とは?適用期間と減額割合
(1) 新築特例の概要(建物税額1/2減額)
新築住宅の固定資産税には、建物部分の税額を1/2に減額する「新築特例」があります。この軽減措置により、新築1年目から一定期間は税額が半額になります。
国土交通省によると、この軽減措置は2026年3月31日まで延長されています。
(2) 戸建ては3年、マンションは5年の適用期間
軽減措置の適用期間は、物件タイプによって異なります。
| 物件タイプ | 軽減期間 | 軽減措置終了後 |
|---|---|---|
| 一般戸建て | 新築後3年間 | 4年目から税額約2倍 |
| マンション(3階建以上) | 新築後5年間 | 6年目から税額約2倍 |
| 長期優良住宅(戸建て) | 新築後5年間 | 6年目から税額約2倍 |
| 長期優良住宅(マンション) | 新築後7年間 | 8年目から税額約2倍 |
2年目は軽減措置期間内のため、建物の固定資産税は引き続き半額です。
(3) 長期優良住宅の場合は+2年延長
長期優良住宅の認定を受けた住宅は、軽減期間が+2年延長されます。戸建ては5年間、マンションは7年間の軽減措置が適用されます。
長期優良住宅とは、耐久性・耐震性・省エネ性等の基準を満たし認定を受けた住宅のことです。
(4) 軽減措置の適用要件(床面積50㎡以上280㎡以下)
新築特例の適用要件は以下の通りです。
- 床面積: 50㎡以上280㎡以下(一戸建て以外の貸家住宅は40㎡以上280㎡以下)
- 居住部分の床面積割合: 全体の1/2以上が居住用
これらの要件を満たさない場合、軽減措置は適用されません。
2年目の固定資産税の計算方法とシミュレーション
(1) 固定資産税の基本計算式(評価額×1.4%)
固定資産税の基本計算式は以下の通りです。
固定資産税 = 固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)
固定資産税評価額は、市区町村が3年ごとに評価し直す価格で、土地は時価の約70%、建物は建築費の約50~60%が目安です。
(2) 土地の計算(住宅用地特例1/6適用)
住宅用地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税評価額が軽減されます。
| 区分 | 軽減率 |
|---|---|
| 小規模住宅用地(200㎡以下) | 評価額の1/6 |
| 一般住宅用地(200㎡超) | 評価額の1/3 |
この特例は新築・中古を問わず、住宅が建っている限り継続して適用されます。
(3) 建物の計算(軽減措置1/2適用)
新築住宅の建物部分は、軽減措置により税額が1/2に減額されます。
計算式:
建物の固定資産税 = 建物評価額 × 1.4% × 1/2(軽減措置)
2年目は軽減措置期間内のため、この計算式が適用されます。
(4) 評価額別の税額シミュレーション(3,000万円・4,000万円・5,000万円)
評価額別の2年目の固定資産税をシミュレーションします。
ケース1:評価額3,000万円の戸建て(土地1,500万円、建物1,500万円、土地面積150㎡)
土地の固定資産税:
1,500万円 × 1/6(特例) × 1.4% = 3.5万円(35,000円)
建物の固定資産税:
1,500万円 × 1.4% × 1/2(軽減措置) = 10.5万円(105,000円)
合計:3.5万円 + 10.5万円 = 約14万円
ケース2:評価額4,000万円の戸建て(土地2,000万円、建物2,000万円、土地面積180㎡)
土地の固定資産税:
2,000万円 × 1/6(特例) × 1.4% = 4.7万円(約47,000円)
建物の固定資産税:
2,000万円 × 1.4% × 1/2(軽減措置) = 14万円(140,000円)
合計:4.7万円 + 14万円 = 約18.7万円
ケース3:評価額5,000万円のマンション(土地持分1,000万円、建物4,000万円)
土地の固定資産税:
1,000万円 × 1/6(特例) × 1.4% = 2.3万円(約23,000円)
建物の固定資産税:
4,000万円 × 1.4% × 1/2(軽減措置) = 28万円(280,000円)
合計:2.3万円 + 28万円 = 約30.3万円
物件タイプ別の税額比較:戸建て・マンション・長期優良住宅
(1) 一般戸建ての税額推移(1-5年目)
評価額3,000万円(土地1,500万円、建物1,500万円)の一般戸建ての税額推移です。
| 年次 | 建物評価額 | 建物の税額 | 土地の税額 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 1年目 | 1,500万円 | 10.5万円(軽減) | 3.5万円 | 14万円 |
| 2年目 | 1,500万円 | 10.5万円(軽減) | 3.5万円 | 14万円 |
| 3年目 | 1,500万円 | 10.5万円(軽減) | 3.5万円 | 14万円 |
| 4年目 | 1,425万円 | 20万円(軽減終了) | 3.5万円 | 23.5万円 |
| 5年目 | 1,350万円 | 18.9万円 | 3.5万円 | 22.4万円 |
※建物評価額は経年減価で毎年約5%減少すると仮定
(2) マンションの税額推移(1-7年目)
評価額5,000万円(土地持分1,000万円、建物4,000万円)のマンションの税額推移です。
| 年次 | 建物評価額 | 建物の税額 | 土地の税額 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 1年目 | 4,000万円 | 28万円(軽減) | 2.3万円 | 30.3万円 |
| 2年目 | 4,000万円 | 28万円(軽減) | 2.3万円 | 30.3万円 |
| 3年目 | 4,000万円 | 28万円(軽減) | 2.3万円 | 30.3万円 |
| 4年目 | 3,900万円 | 54.6万円(軽減) | 2.3万円 | 56.9万円 |
| 5年目 | 3,800万円 | 53.2万円(軽減) | 2.3万円 | 55.5万円 |
| 6年目 | 3,700万円 | 51.8万円(軽減終了) | 2.3万円 | 103.8万円 |
| 7年目 | 3,600万円 | 50.4万円 | 2.3万円 | 52.7万円 |
※マンションの建物評価額は経年減価で毎年約2.5%減少すると仮定 ※6年目は軽減措置終了により税額が約2倍に増加
(3) 長期優良住宅の税額推移(軽減期間延長の効果)
長期優良住宅(戸建て)の場合、軽減期間が5年間に延長されます。
| 年次 | 建物評価額 | 建物の税額 | 土地の税額 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 1年目 | 1,500万円 | 10.5万円(軽減) | 3.5万円 | 14万円 |
| 2年目 | 1,500万円 | 10.5万円(軽減) | 3.5万円 | 14万円 |
| 3年目 | 1,500万円 | 10.5万円(軽減) | 3.5万円 | 14万円 |
| 4年目 | 1,425万円 | 10万円(軽減) | 3.5万円 | 13.5万円 |
| 5年目 | 1,350万円 | 9.5万円(軽減) | 3.5万円 | 13万円 |
| 6年目 | 1,280万円 | 17.9万円(軽減終了) | 3.5万円 | 21.4万円 |
軽減期間延長により、4~5年目の税負担が軽減されるメリットがあります。
軽減措置終了後(4年目以降)の税額変化と対策
(1) 4年目から税額が約2倍になる仕組み
一般戸建ての場合、3年間の軽減措置が終了する4年目から、建物の固定資産税が約2倍になります。
軽減措置期間中(1~3年目):
建物評価額 × 1.4% × 1/2 = 税額
軽減措置終了後(4年目以降):
建物評価額 × 1.4% = 税額(軽減なし)
これにより、建物部分の税額が約2倍になります。
(2) 経年減価による評価額減少の影響
建物の固定資産税評価額は、経年劣化により毎年減少します。東京都主税局によると、木造住宅は毎年約5~7%、鉄筋コンクリート造は約2~3%ずつ評価額が下がります。
そのため、軽減措置終了後も、評価額の減少により税額の増加は「約2倍」よりやや少なくなる場合が多いです。
(3) 評価替え(3年ごと)の影響
固定資産税評価額は3年ごとに見直されます(評価替え)。次回の評価替えは2027年です。
評価替えにより、地価が上昇している地域では土地の評価額が上がり、固定資産税も上昇する可能性があります。
(4) 資金計画に組み込むべきポイント
新築住宅を購入する際は、以下のポイントを資金計画に組み込んでください。
- 4年目(マンションは6年目)から税額が約2倍になることを想定
- 年間の住居費として、固定資産税を別途積み立てておく
- 評価替えによる税額変動も考慮
HOMESのシミュレーションによると、2,000万円~4,000万円の家で年間約15万円の固定資産税がかかります。軽減措置終了後は年間20~25万円程度を見込んでおくと安心です。
まとめ:固定資産税の年次変化を理解して将来の資金計画を立てる
新築住宅の固定資産税2年目は、軽減措置期間内のため、建物部分は引き続き半額(1/2)で済みます。戸建ては3年間、マンションは5年間、長期優良住宅は+2年延長され、軽減措置が適用されます。
4年目(マンションは6年目)から軽減措置が終了し、建物の税額が約2倍になります。ただし建物の評価額は経年減価で毎年減少するため、実際の税額は2倍よりやや少なくなることが多いです。
評価額3,000万円の戸建てで、2年目の固定資産税は約14万円(土地3.5万円+建物10.5万円)です。軽減措置終了後は年間20~25万円程度を見込み、資金計画に組み込んでおくことをおすすめします。


