住宅ローン返済予定表とは
住宅ローンを契約している方の中には、「返済予定表の見方がわからない」「元利均等と元金均等の違いを理解したい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、住宅ローン返済予定表(償還予定表)の見方、記載項目の意味、返済方式の違い、活用法を解説します。住宅金融支援機構や各金融機関の公式情報を参照し、返済計画の見直しに役立つ情報をお伝えします。
この記事のポイント
- 返済予定表は月々の返済額、元金・利息の内訳、残高を記載した重要書類
- 元利均等返済は毎月一定額、元金均等返済は利息負担が少ない特徴がある
- 住宅ローン控除の年末調整・確定申告で返済予定表が必要
- 紛失時は電話やネットバンキングで無料再発行が可能
返済予定表の記載項目と見方
返済回数・返済年月日・約定返済額
返済予定表には、各月の返済回数、返済年月日、約定返済額(毎月支払う金額)が記載されています。約定返済額は元金と利息の合計で、返済方式によって毎月一定か変動するかが決まります。
元金・利息の内訳と残高
返済予定表で最も重要なのが、元金と利息の内訳です。返済初期は利息の割合が高く、返済が進むにつれて元金の割合が増えていきます。残高欄では、各時点でのローン残高を確認できます。
| 返済回数 | 返済額 | 元金 | 利息 | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 1回目 | 10万円 | 6万円 | 4万円 | 2,994万円 |
| 60回目 | 10万円 | 7万円 | 3万円 | 2,580万円 |
| 120回目 | 10万円 | 8万円 | 2万円 | 2,100万円 |
固定金利と変動金利の記載の違い
固定金利の場合は全期間分の返済予定表が発行されますが、変動金利の場合は金利見直し日までの期間のみ発行されます。変動金利は半年ごとに金利が見直されるため、その都度新しい返済予定表が届きます。
元利均等返済と元金均等返済の違い
元利均等返済の特徴(毎月の返済額一定)
元利均等返済は、毎月の返済額(元金+利息)を一定にする方式です。返済計画が立てやすいメリットがある一方、総支払利息は元金均等返済より多くなります。住宅ローン利用者の多くが元利均等返済を選択しています。
元金均等返済の特徴(毎月の元金一定)
元金均等返済は、毎月返済する元金を一定にする方式です。当初の返済額は高くなりますが、返済が進むにつれて返済額が減少します。総支払利息は元利均等返済より少なくなるメリットがあります。
具体的なシミュレーション比較(3,000万円・金利1.5%・35年)
| 項目 | 元利均等返済 | 元金均等返済 |
|---|---|---|
| 初回返済額 | 約9.2万円 | 約10.9万円 |
| 最終返済額 | 約9.2万円 | 約7.2万円 |
| 総返済額 | 約3,860万円 | 約3,790万円 |
| 総利息 | 約860万円 | 約790万円 |
元金均等返済は総利息が約70万円少なくなりますが、当初の返済額が高いため、収入や生活設計に合わせて選択することをおすすめします。
返済予定表が必要となる場面と活用法
住宅ローン控除の確定申告・年末調整
国土交通省の情報によると、住宅ローン控除は年末残高の0.7%を最長13年間控除できる制度です。初年度は確定申告、2年目以降は年末調整で手続きを行います。返済予定表の年末残高欄が申告に必要となります。
借り換え検討時の残高・金利確認
住宅ローンの借り換えを検討する際は、返済予定表で現在の残高、金利、残り期間を確認します。これらの情報をもとに、借り換え後のシミュレーションを行い、メリットがあるかを判断します。
繰上返済のシミュレーション(期間短縮型・返済額軽減型)
繰上返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」があります。期間短縮型は返済期間を短くし、返済額軽減型は毎月の返済額を減らします。返済予定表の残高を確認し、どちらが自分に合っているかをシミュレーションしましょう。
返済予定表の入手・再発行方法
金融機関からの郵送・ネットバンキング確認
返済予定表は新規借入後約1週間で金融機関から郵送されます。多くの銀行ではインターネットバンキングでPDFダウンロードも可能で、即座に確認できます。
紛失時の再発行手続き(電話・窓口・ネット)
返済予定表を紛失した場合は、以下の方法で再発行できます。
- 電話: 多くの金融機関で無料再発行が可能(一部は手数料220円)
- 窓口: 1〜2営業日で再発行
- ネットバンキング: PDFで即時ダウンロード可能
すでに返済済みの期間は再発行された予定表に記載されないため、必要な場合は別途依頼が必要です。
まとめ:返済計画見直しのポイント
住宅ローン返済予定表は、返済状況を把握し、繰上返済や借り換えを検討する際の重要な書類です。元利均等返済と元金均等返済の違いを理解し、ライフプランに合わせた返済方式を選択してください。
住宅ローン控除の申告では年末残高が必要となるため、返済予定表は大切に保管しましょう。紛失した場合でも、電話やネットバンキングで再発行が可能です。
返済計画の見直しや繰上返済のタイミングについては、ファイナンシャルプランナーや金融機関の担当者に相談することをおすすめします。


