住宅ローンの仕組みを図解で解説|借入から返済までの流れを徹底理解

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/17

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住宅ローンとは|基本的な仕組みを理解する

マイホーム購入を検討している方にとって、「住宅ローンの仕組みはどうなっているのか」「審査では何を見られるのか」「金利タイプはどう選べばいいのか」といった疑問は避けて通れません。

この記事では、住宅ローンの基本的な仕組み、審査の流れ、金利タイプの違い、返済方法の比較、住宅ローン控除を、住宅金融支援機構国土交通省の公式情報を元に解説します。

住宅ローンの全体像を体系的に理解し、自分に合ったローン選びができるようになります。

この記事のポイント

  • 住宅ローンは購入した物件を担保として金融機関から融資を受け、元金と利息を分割で返済する仕組み
  • 審査は事前審査(3-4日)と本審査(1-4週間)の2段階で行われ、年齢・健康状態・年収・勤続年数・担保価値を確認
  • 金利タイプは変動金利(当初金利が低い、上昇リスクあり)と固定金利(安定、当初金利が高い)があり、個人の状況に応じて選択
  • 返済方法は元利均等返済(毎月の返済額が一定)と元金均等返済(総利息額が少ない)の2種類
  • 2024年以降、住宅ローン控除は省エネ基準適合が原則必須化され、年末残高の0.7%を最大13年間控除

住宅ローンとは|基本的な仕組みを理解する

住宅ローンは、自宅(戸建て・マンション)を購入する際に利用できるローンです。

(1) 住宅ローンの基本構造

日本経済新聞によると、住宅ローンの基本的な仕組みは以下の通りです。

  1. 融資:金融機関から借入
  2. 担保:購入した物件を担保として提供
  3. 返済:元金と利息を分割で返済(最長35年)
  4. 抵当権設定:金融機関が物件に抵当権を設定(返済不能時に売却して回収)

イメージ図:

購入者 → 物件購入(担保提供)
  ↑          ↓
融資    抵当権設定
  ↑          ↓
金融機関 ← 返済(元金+利息)

(2) 借入額と返済の関係

日本経済新聞によると、2023年の購入者のローン借入総額は平均5,235万円で、2005年以降で最も高額です。

返済額の計算例:

借入額 金利 返済期間 総返済額 総利息額
3,000万円 2.0% 35年 約4,174万円 約1,174万円
3,000万円 1.0% 35年 約3,557万円 約557万円

(出典: 日本経済新聞

金利1%の差で総利息額が約600万円も変わるため、金利タイプの選択は非常に重要です。

住宅ローン審査の流れと期間

三井住友銀行によると、住宅ローン審査は事前審査と本審査の2段階で行われます。

(1) 事前審査(仮審査)の内容と期間

審査内容:

  • 年齢(借入時・完済時)
  • 年収・勤続年数
  • 健康状態
  • 物件の担保価値(簡易査定)

審査期間:

  • 3-4日程度

必要書類:

  • 本人確認書類(免許証・マイナンバーカード等)
  • 収入証明書(源泉徴収票、確定申告書等)
  • 物件情報(販売図面、見積書等)

(2) 本審査の内容と審査基準

審査内容:

  • 事前審査の内容を詳細に確認
  • 物件の担保価値(正式な不動産鑑定)
  • 団体信用生命保険(団信)の加入審査

審査期間:

  • 1-4週間程度

審査基準:

  • 返済負担率:年収に対する年間返済額の割合(一般的に25-35%以内)
  • 完済時年齢:80歳未満が一般的
  • 勤続年数:1年以上が目安(金融機関により異なる)

(出典: 三井住友銀行 - 住宅ローン審査の流れ

注意点:

  • 審査には1-4週間かかるため、物件購入のスケジュールに余裕を持って申し込むことを推奨
  • 申込内容に虚偽があると審査に通らない、または契約解除の可能性

金利タイプの種類と選び方

住宅ローンの金利タイプは、大きく分けて変動金利型・固定金利型・固定金利期間選択型の3種類です。

(1) 変動金利型のメリット・デメリット

三井住友銀行によると、変動金利型は半年ごとに金利が見直されるタイプです。

メリット:

  • 当初金利が固定金利より低い(0.3-0.5%程度の差)
  • 金利が下がれば返済額も減少

デメリット:

  • 金利上昇局面では返済額が増加するリスク
  • 2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除し、金利は上昇傾向

適している人:

  • 金利上昇リスクを許容できる
  • 短期間で返済予定(繰上返済を積極的に行う)
  • 収入が安定している、または今後増加が見込まれる

(2) 固定金利型(全期間・期間選択)のメリット・デメリット

全期間固定金利型(フラット35等):

メリット:

  • 借入時点で金利が確定し、完済まで変動しない
  • 返済計画が立てやすく、金利上昇リスクがない

デメリット:

  • 当初金利が変動金利より高い(1.5-2.0%程度)
  • 金利が下がっても返済額は変わらない

固定金利期間選択型(3年、5年、10年等):

メリット:

  • 一定期間は金利が固定され、返済額が安定
  • 期間終了後に変動金利または固定金利を選択できる

デメリット:

  • 固定期間終了後の金利が不透明
  • 全期間固定より当初金利が高い場合もある

(出典: 三井住友銀行 - 金利の種類・選び方りそなグループ

適している人:

  • 返済計画を確定させたい
  • 金利上昇リスクを避けたい
  • 収入の変動が少ない、または安定を重視

重要: 金利タイプの選択は個人の収入・ライフプラン・リスク許容度により異なります。ファイナンシャルプランナー等の専門家に相談することを推奨します。

返済方法の比較|元利均等と元金均等

フラット35によると、返済方法は元利均等返済と元金均等返済の2種類です。

(1) 元利均等返済の特徴

仕組み:

  • 毎月の返済額(元金+利息)が一定
  • 当初は利息の割合が多く、元金の減少が遅い
項目 内容
毎月の返済額 一定
総利息額 元金均等より多い
メリット 家計管理がしやすい、当初の返済額が低い
デメリット 総利息額が多い、元金の減少が遅い

適している人:

  • 家計管理をシンプルにしたい
  • 当初の返済負担を抑えたい

(2) 元金均等返済の特徴

仕組み:

  • 毎月の元金返済額が一定
  • 利息は残高に応じて減少するため、返済額は徐々に減少
項目 内容
毎月の返済額 徐々に減少
総利息額 元利均等より少ない
メリット 総利息額が少ない、元金の減少が早い
デメリット 当初の返済額が高い

適している人:

  • 当初の返済負担に余裕がある
  • 総利息額を抑えたい

(3) 繰上返済の効果

繰上返済とは: ローンの元金を予定より早く返済すること。総利息額を大幅に削減できます。

2種類の繰上返済:

  • 期間短縮型:返済期間を短縮(総利息削減効果が大きい)
  • 返済額軽減型:毎月の返済額を減少(家計負担を軽減)

(出典: フラット35 - 元利均等返済と元金均等返済とは?全国銀行協会

住宅ローン控除と諸費用

(1) 住宅ローン控除の仕組みと2024年改正

国土交通省によると、住宅ローン控除は年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除する制度です。

2024年の主な変更点:

  • 省エネ基準適合が原則必須化(新築住宅)
  • 子育て世帯・若者夫婦世帯への優遇措置拡充
  • 借入限度額の引き下げ(一般住宅は3,000万円→0円)

借入限度額(2024年入居):

住宅の種類 借入限度額 控除率 控除期間
認定住宅(長期優良住宅等) 5,000万円 0.7% 13年間
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 0.7% 13年間
省エネ基準適合住宅 4,000万円 0.7% 13年間
一般住宅(新築) 0円 - -
中古住宅 3,000万円 0.7% 10年間

(出典: 国土交通省 - 住宅ローン減税

適用条件:

  • 合計所得金額が2,000万円以下
  • 床面積50㎡以上(一部条件で40㎡以上)
  • 借入期間10年以上
  • 省エネ基準を満たす住宅(2024年以降の新築住宅)

(2) ローン諸費用の内訳

住宅ローン借入時には、以下の諸費用が発生します。

項目 金額目安 内容
融資事務手数料 借入額の2%程度 金融機関への手数料
保証料 借入額の2%程度 保証会社への手数料(不要な金融機関も)
印紙税 2-6万円 契約書に貼付
登記費用 10-30万円 所有権移転登記、抵当権設定登記
団体信用生命保険料 金利に含まれる場合が多い 死亡・高度障害時にローン残高が0に

(出典: 三井住友銀行

注意点:

  • 諸費用は借入額の5-10%程度が目安
  • 諸費用ローンを利用すると金利が高くなる場合がある

まとめ:住宅ローンを組む前に知っておくべきこと

住宅ローンは購入した物件を担保として金融機関から融資を受け、元金と利息を分割で返済する仕組みです。審査は事前審査(3-4日)と本審査(1-4週間)の2段階で行われ、年齢・健康状態・年収・勤続年数・担保価値を確認します。

金利タイプは変動金利(当初金利が低い、上昇リスクあり)と固定金利(安定、当初金利が高い)があり、個人の収入・ライフプラン・リスク許容度に応じて選択してください。返済方法は元利均等返済(毎月の返済額が一定)と元金均等返済(総利息額が少ない)の2種類です。

2024年以降、住宅ローン控除は省エネ基準適合が原則必須化され、年末残高の0.7%を最大13年間控除できます。住宅ローンは人生最大級の借入のため、複数の金融機関で条件を比較し、ファイナンシャルプランナー等の専門家に相談することを推奨します。

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よくある質問

Q1住宅ローン審査で見られるポイントは何ですか?

A1年齢(借入時・完済時)、健康状態、年収、勤続年数、物件の担保価値が主な審査項目です。返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)は一般的に25-35%以内が目安で、完済時年齢は80歳未満、勤続年数は1年以上が一般的です。事前審査は3~4日、本審査は1~4週間が目安のため、物件購入のスケジュールに余裕を持って申し込むことを推奨します。審査基準は金融機関により異なるため、複数の金融機関に相談してください。

Q2変動金利と固定金利はどちらを選ぶべきですか?

A2変動金利は当初金利が低い(固定金利より0.3-0.5%程度低い)一方、金利上昇リスクがあります。固定金利は金利が完済まで変動せず返済計画が立てやすい一方、当初金利が高めです。金利タイプの選択は個人の収入・ライフプラン・リスク許容度により異なります。短期間で返済予定なら変動金利、返済計画を確定させたいなら固定金利が向いている場合が多いですが、ファイナンシャルプランナー等の専門家に相談することを推奨します。

Q3元利均等返済と元金均等返済の違いは?

A3元利均等返済は毎月の返済額(元金+利息)が一定で、家計管理がしやすく当初の返済額が低い一方、総利息額が多くなります。元金均等返済は毎月の元金返済額が一定で総利息額が少ない一方、当初の返済額が高くなります。家計管理をシンプルにしたい、当初の返済負担を抑えたい場合は元利均等返済、当初の返済負担に余裕があり総利息額を抑えたい場合は元金均等返済が適しています。

Q4住宅ローン控除は2024年から何が変わりましたか?

A42024年以降、新築住宅は省エネ基準適合が原則必須化され、一般住宅(省エネ基準を満たさない住宅)は住宅ローン控除が適用されません。年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除できます。認定住宅は借入限度額5,000万円、ZEH水準省エネ住宅は4,500万円、省エネ基準適合住宅は4,000万円です。子育て世帯・若者夫婦世帯には優遇措置が拡充されています。適用条件は合計所得2,000万円以下、床面積50㎡以上、借入期間10年以上です。

Q5繰上返済のメリットは何ですか?

A5繰上返済はローンの元金を予定より早く返済することで、総利息額を大幅に削減できます。期間短縮型と返済額軽減型の2種類があり、期間短縮型は返済期間を短縮し総利息削減効果が大きく、返済額軽減型は毎月の返済額を減少し家計負担を軽減します。繰上返済により元金が直接減少するため、特に早期に行うほど効果が大きくなります。ただし、繰上返済手数料が発生する金融機関もあるため、事前に確認してください。

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Room Match編集部

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