住宅ローン金利の最新動向
住宅購入を検討する際、「変動金利と固定金利、どちらを選べばいいのか」「今後の金利はどうなるのか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、住宅ローン金利の基礎知識、主要銀行(メガバンク・地方銀行・ネット銀行)の金利比較、政策金利の影響、返済シミュレーションを、住宅金融支援機構等の公式情報を元に解説します。
自分に合った金利タイプと銀行を選び、総返済額を抑えるための実践的な知識を得られます。
この記事のポイント
- 2025年11月時点で住宅ローン金利は変動・固定とも緩やかな上昇傾向
- 変動金利は短期プライムレート(短プラ)に連動、固定金利は長期金利(10年国債利回り)に連動
- 約70%が変動金利、約20%が固定期間選択型、約10%が全期間固定を選択
- 京葉銀行は保証料0円、がん診断特約団信無料などの特典あり
- 実質金利(手数料・保証料込み)で複数の金融機関を比較することが重要
2025年11月時点で、住宅ローン金利は変動・固定とも緩やかな上昇傾向にあります。
2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除し、その後の追加利上げにより政策金利が約0.5%まで上昇しました。2025年4月には変動金利が0.15%~0.35%上昇し、今後も賃金・物価上昇に伴う追加利上げの可能性があります。
固定金利は2021年秋以降上昇傾向で、2025年10月には10年国債利回りが約17年ぶりの高水準に達しています。
住宅ローン金利の基礎知識
(1) 変動金利の仕組み(短プラ連動)
変動金利は、短期プライムレート(短プラ)に連動して変動する金利タイプです。
短プラは銀行が信用力の高い企業に融資する際の金利(期間1年以内)で、日本銀行の政策金利の影響を受けます。
仕組み 政策金利が上昇 → 短プラが上昇 → 変動金利が上昇 → 返済額が増加
(2) 固定金利の仕組み(長期金利連動)
固定金利は、一定期間または全期間、金利が固定されるタイプです。
長期金利(10年国債利回り)に連動しており、経済環境や市場の見通しにより変動します。
仕組み 10年国債利回りが上昇 → 固定金利が上昇 → 借入時の金利が高くなる
(3) 固定期間選択型と全期間固定型
固定期間選択型 当初2年、3年、5年、10年などの期間は金利固定、期間終了後は変動金利または再度固定金利を選択。
全期間固定型(フラット35等) 借入から完済まで金利が固定。フラット35は代表的な全期間固定金利住宅ローン。
(4) 約70%が変動金利を選択
住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローンの約70%は変動金利、約20%は固定期間選択型、約10%が全期間固定を選択しています。
変動金利は固定金利より低金利であるため、多くの借り手が選択していますが、将来の金利上昇リスクがある点に注意が必要です。
主要銀行の住宅ローン金利比較
(1) メガバンクの金利水準
メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行等)は、全国展開で安定性が高い一方、金利水準は中程度の場合が多いです。
(2) 地方銀行の金利水準(京葉銀行等)
京葉銀行の住宅ローンは、以下の特典があります。
主な特典
- 保証料0円
- がん診断特約団信が無料
- Web・ATM経由の一部繰上返済手数料0円
変動金利型と固定金利型(2年、3年、5年、10年、15年、20年)を提供しており、事務手数料は22万円(税込、申込1件あたり)です。
地方銀行は地域に密着したサービスを提供しており、京葉銀行のような特典が充実している場合があります。
(3) ネット銀行の金利水準
ネット銀行(住信SBIネット銀行、auじぶん銀行等)は、店舗運営コストが低いため、変動金利0.3%台、固定金利でも1%台の低金利商品が存在します。
(4) 実質金利(手数料・保証料込み)で比較
住宅ローンを選ぶ際は、表面金利だけでなく、手数料・保証料を含めた実質金利で比較することが重要です。
比較のポイント
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 金利 | 変動金利・固定金利の水準 |
| 事務手数料 | 定額型(例:22万円)、定率型(例:借入額の2.2%) |
| 保証料 | 0円 or 借入額の数% |
| 団信 | 無料付帯、がん診断特約の有無 |
| 繰上返済手数料 | Web・ATM経由で0円等 |
京葉銀行は保証料0円、がん診断特約団信無料のため、実質金利が抑えられる可能性があります。
政策金利と住宅ローン金利の関係
(1) 2024年3月のマイナス金利解除
2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除し、政策金利が0%から引き上げられました。
その後の追加利上げにより、政策金利は約0.5%まで上昇しています。
(2) 2025年4月の変動金利上昇
2025年4月には、変動金利が0.15%~0.35%上昇しました。
変動金利は短期プライムレート(短プラ)経由で政策金利の影響を受けるため、政策金利の上昇が直接影響しています。
(3) 今後の金利動向と見通し
2025年11月時点で、住宅ローン金利は変動・固定とも緩やかな上昇傾向にあります。
今後の見通し
- 日銀の政策金利は賃金・物価上昇に伴い、今後も追加利上げの可能性
- 変動金利は政策金利上昇に連動して上昇の可能性
- 固定金利は長期金利(10年国債利回り)の動向に影響される
金利は執筆時点(2025年11月)の情報であり、経済環境により変動する可能性があります。最新情報は各銀行の公式サイトでご確認ください。
住宅ローン金利の選び方と返済シミュレーション
(1) 変動金利のメリット・デメリット
メリット
- 固定金利より低金利
- 金利が下がれば返済額も減少
デメリット
- 金利上昇リスクあり(返済額が増加する可能性)
- 将来の返済額が不確定
(2) 固定金利のメリット・デメリット
メリット
- 返済額が完済まで固定され、計画的な返済が可能
- 金利上昇リスクなし
デメリット
- 変動金利より高金利
- 金利が下がっても返済額は変わらない
(3) 返済額シミュレーション
借入額3,000万円、返済期間35年の場合
| 金利タイプ | 金利 | 月々返済額(概算) | 総返済額(概算) |
|---|---|---|---|
| 変動金利 | 0.5% | 約78,000円 | 約3,280万円 |
| 変動金利 | 1.0% | 約85,000円 | 約3,560万円 |
| 固定金利(35年) | 1.5% | 約92,000円 | 約3,860万円 |
| 固定金利(35年) | 2.0% | 約100,000円 | 約4,170万円 |
※概算値であり、実際の返済額は金融機関・審査結果により異なります。
変動金利は低金利ですが、金利が1.0%上昇すると月々の返済額が約7,000円、総返済額が約280万円増加します。
(4) 金利タイプ変更のタイミング
金融機関により異なりますが、変動金利から固定金利への切替は可能な場合が多いです。ただし、手数料がかかることもあります。
検討すべきタイミング
- 金利上昇が予想される場合
- 返済額を固定して計画的に返済したい場合
- 収入が安定し、固定金利の高い返済額にも対応できる場合
詳細は各金融機関にご確認ください。
まとめ:状況別の金利タイプの選び方
住宅ローン金利は、変動金利は短期プライムレート(短プラ)に連動、固定金利は長期金利(10年国債利回り)に連動します。
2025年11月時点で変動・固定とも緩やかな上昇傾向にあり、今後も日銀の政策金利上昇に伴い上昇の可能性があります。
京葉銀行は保証料0円、がん診断特約団信無料などの特典があり、実質金利で比較する際の選択肢の一つです。
状況別の金利タイプの選び方
| 状況 | 推奨金利タイプ | 理由 |
|---|---|---|
| 低金利重視、金利上昇リスクを許容できる | 変動金利 | 約70%が選択、低金利で総返済額を抑えられる |
| 返済額固定で計画的に返済したい | 固定金利(全期間固定) | 金利上昇リスクなし、フラット35等 |
| 当初数年は返済額を抑えたい | 固定期間選択型 | 当初固定期間は低金利、期間終了後に変動・固定を選択 |
金利タイプの選択は個別の状況(収入、返済期間、リスク許容度等)により異なります。ファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザー等の専門家への相談を推奨します。
最新の金利・条件は京葉銀行公式サイト等の各金融機関公式サイトでご確認ください。
