住宅ローン金利一覧とは
住宅購入を検討する際、「住宅ローンの金利はどこが安いのか」「変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきか」と悩む方は少なくありません。
この記事では、2025年11月時点の住宅ローン金利一覧と、金利タイプ・金融機関の選び方を、比較サイトや公的機関の情報を元に解説します。
自分の家計状況に合った住宅ローンを選べるようになります。
この記事のポイント
- 2025年11月の変動金利は0.3~0.7%台、フラット35は2.050%予想で上昇傾向
- 変動金利は低金利だが金利上昇リスクあり、固定金利は高金利だが返済計画が立てやすい
- 家計に余裕があり短期借入なら変動、長期借入・安心感重視なら固定が向いている
- 日銀の追加利上げにより今後も変動・固定ともに緩やかな上昇傾向
- 金利だけでなく諸費用・団信・審査基準も含めた総合比較が重要
2025年11月の住宅ローン金利一覧と最新動向
2025年11月時点の住宅ローン金利相場と最新動向を見ていきます。
変動金利の相場(0.3~0.7%台)
価格.comによると、2025年11月時点の変動金利は0.3~0.7%台が中心です。
ダイヤモンド不動産研究所によると、132行の金融機関の変動金利中央値は0.713%です。
最低金利を提供する金融機関は、SBI新生銀行など一部のネット銀行ですが、審査基準や諸費用も含めた総合比較が重要です。
固定10年の相場
固定10年の金利は金融機関により対応が分かれています。
ダイヤモンド不動産研究所によると、固定10年の中央値は2.17%です。
スゴい住宅ローン探しによると、固定10年の最低金利はauじぶん銀行など一部の金融機関が提供していますが、金利は時期により変動するため、最新情報は比較サイトまたは各金融機関で確認してください。
フラット35の最新金利(2.050%予想)
フラット35(住宅金融支援機構と民間金融機関が提携した全期間固定金利型住宅ローン、最長35年)は、2025年12月に2.050%(前月比+0.15%)と予想されています。
借入期間21-35年・頭金10%以上で金利優遇があり、全期間固定金利のため返済計画が立てやすいことが特徴です。
フラット35の金利は、10年国債利回り(国が発行する10年満期の国債の利回り、固定金利の基準指標、2025年11月時点で1.67%)に連動して変動します。
日銀の政策金利と今後の見通し
価格.comによると、日本銀行は2025年11月現在、政策金利(日本銀行が金融政策の基準とする金利、住宅ローンの変動金利に影響)を0.5%程度に据え置いています。
モゲチェックによると、日銀は以下の利上げを実施しており、今後も緩やかな上昇傾向が見込まれます。
| 時期 | 政策金利 | 主な動き |
|---|---|---|
| 2024年3月 | マイナス金利解除 | 17年ぶりの解除 |
| 2024年7月 | 0.25% | 追加利上げ |
| 2025年1月 | 0.5% | 追加利上げ |
| 2025年11月 | 0.5%程度 | 据え置き |
今後も追加利上げの可能性があり、変動金利は上昇リスクがあります。
住宅ローン金利の3つのタイプと特徴
住宅ローン金利には3つの主要なタイプがあります。
変動金利型(半年に一度見直し)
変動金利は、市場金利に応じて半年に一度見直される金利タイプです。
全国銀行協会によると、変動金利は固定金利より低金利ですが、金利上昇リスクがあります。
特徴:
- 半年ごとに金利が見直される
- 返済額は5年ごとに見直し(急激な返済額上昇を抑える仕組み)
- 金利上昇時には返済額が増加する可能性
固定金利期間選択型(3年・5年・10年等)
固定金利期間選択型は、3年・5年・10年など一定期間の金利を固定するタイプです。
固定期間終了後は、再度変動金利か固定金利を選択できます。固定期間中は金利変動の影響を受けませんが、固定期間終了時の金利水準により返済額が変わる可能性があります。
全期間固定金利型(フラット35等)
全期間固定金利型は、借入から完済まで金利が変わらないタイプです。
フラット35が代表例で、返済計画が立てやすく、金利上昇リスクがない安心感が特徴です。
フラット35の特徴:
- 最長35年の全期間固定金利
- 借入期間21-35年・頭金10%以上で金利優遇
- 審査基準が比較的緩やか(自営業者・契約社員も利用可能)
- 保証料不要、繰上返済手数料無料
それぞれのメリット・デメリット
3つの金利タイプのメリット・デメリットを比較します。
| 金利タイプ | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 変動金利 | 低金利、毎月返済額が少ない | 金利上昇リスク、返済計画が立てにくい |
| 固定期間選択型 | 一定期間は金利固定で安心 | 固定期間終了後の金利が不透明 |
| 全期間固定 | 返済計画が立てやすい、金利上昇リスクなし | 変動金利より高金利、毎月返済額が多い |
変動金利vs固定金利:どちらを選ぶべきか
変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきか、家計状況別に解説します。
変動金利が向いている人(家計に余裕・自己資金多い・短期借入)
全国銀行協会によると、以下の条件に当てはまる人は変動金利が向いています。
- 家計に余裕がある:金利上昇時に返済額が増えても対応できる
- 自己資金が多い:頭金を多く入れて借入額を抑えられる
- 借入額が少ない:総返済額が少ないため、金利上昇の影響が小さい
- 借入期間が短い:10-15年程度の短期で完済予定
- 繰上返済を計画的に行える:金利上昇前に元本を減らせる
変動金利を選ぶ場合、金利上昇リスクに備えて余裕資金を確保しておくことが重要です。
固定金利が向いている人(長期借入・家計余裕少ない・安心感重視)
全国銀行協会によると、以下の条件に当てはまる人は固定金利が向いています。
- 長期借入(30-35年):返済期間が長く、金利上昇の影響を受けやすい
- 家計に余裕が少ない:金利上昇による返済額増加に対応しにくい
- 安心感を重視:返済計画を明確にしたい
- 金利上昇リスクを避けたい:将来の金利変動を気にせず生活したい
- 教育費など将来の大きな出費が予定されている:家計の見通しを立てやすくしたい
固定金利は変動金利より毎月返済額が高くなりますが、返済計画の安心感が得られます。
金利上昇リスクと返済シミュレーション
変動金利を選ぶ場合、金利上昇リスクを考慮した返済シミュレーションが重要です。
シミュレーション例(借入額3,000万円、返済期間35年):
| 金利 | 毎月返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|
| 0.5%(変動金利) | 約77,875円 | 約3,270万円 |
| 1.0%(金利上昇) | 約84,685円 | 約3,556万円 |
| 1.5%(さらに上昇) | 約91,855円 | 約3,858万円 |
| 2.0%(固定金利) | 約99,378円 | 約4,173万円 |
金利が0.5%上昇すると、毎月返済額は約7,000円、総返済額は約286万円増加します。
各金融機関や比較サイトで返済シミュレーションツールを提供しているため、金利上昇時の家計影響を確認してください。
2024-2025年の日銀利上げと金利上昇の影響
ダイヤモンド不動産研究所によると、2024年3月に日銀がマイナス金利政策を17年ぶりに解除し、2024年7月に0.25%、2025年1月に0.5%へ追加利上げを実施しました。
2024年10月から多くの金融機関の住宅ローン金利が約0.15%上昇しており、今後も緩やかな上昇傾向が続く見通しです。
変動金利を選ぶ場合、今後の追加利上げの可能性を踏まえ、金利上昇に備えた資金計画を立てることが重要です。
金融機関タイプ別の金利比較と特性
金融機関タイプ別の特性と選び方のポイントを解説します。
メガバンク(安心感・店舗数多い)
メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行等)は、全国に店舗があり、対面相談ができる安心感が特徴です。
特徴:
- 店舗数が多く対面相談可能
- ブランド力と信頼性
- 金利は中程度(ネット銀行より高め、地銀より低め)
- 審査基準は標準的
対面でしっかり相談したい方や、大手銀行の安心感を重視する方に向いています。
地方銀行(地域密着・柔軟な審査)
地方銀行は、地域密着型のサービスと柔軟な審査が特徴です。
特徴:
- 地域の不動産事情に精通
- 地元企業の従業員に優遇金利を提供する場合がある
- 審査基準が柔軟な傾向
- 金利は金融機関により差がある
地域に根ざした不動産取引や、地元企業勤務で優遇金利が適用される場合に向いています。
ネット銀行(低金利・手続きオンライン完結)
ネット銀行(auじぶん銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行等)は、低金利と手続きのオンライン完結が特徴です。
特徴:
- 変動金利が最低水準
- 手続きがオンラインで完結
- 店舗がなく対面相談は限定的
- 審査基準はやや厳しい傾向(安定収入・勤続年数重視)
金利を最優先し、オンライン手続きに抵抗がない方に向いています。
フラット35(全期間固定・審査基準緩やか)
フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携した全期間固定金利型住宅ローンです。
特徴:
- 全期間固定金利で返済計画が立てやすい
- 審査基準が比較的緩やか(自営業者・契約社員も利用可能)
- 保証料不要、繰上返済手数料無料
- 金利は2025年12月で2.050%予想
長期借入で返済計画の安心感を重視する方や、自営業者・契約社員の方に向いています。
金利比較サイトの活用方法
複数の金融機関を比較するには、以下の比較サイトが便利です。
- 価格.com:2025年11月最新の金利推移と動向を掲載
- モゲチェック:今後の利上げ見通しと専門家視点の解説
- スゴい住宅ローン探し(リクルート運営):最低金利の金融機関と最新動向
- 住宅金融普及協会:77金融機関の金利情報を毎月更新(公的機関)
比較サイトで複数社を比較し、気になる金融機関の公式サイトで詳細を確認してください。
住宅ローン選びで金利以外に確認すべきポイント
金利だけでなく、以下のポイントも確認することが重要です。
諸費用(事務手数料・保証料・繰上返済手数料)
住宅ローンには金利以外に以下の諸費用がかかります。
| 項目 | 内容 | 目安額 |
|---|---|---|
| 事務手数料 | 借入時の手数料 | 定額3-5万円 or 借入額の2.2% |
| 保証料 | 保証会社への手数料 | 借入額の2%前後(一括払い or 金利上乗せ) |
| 繰上返済手数料 | 繰上返済時の手数料 | 0円~3万円(金融機関により異なる) |
| 団信保険料 | 団体信用生命保険料 | 金利に含まれる場合が多い |
金利が低くても諸費用が高い場合があるため、総返済額で比較してください。
団体信用生命保険(団信)の内容
**団体信用生命保険(団信)**は、借入者が死亡・高度障害になった場合に住宅ローン残高がゼロになる保険です。
多くの金融機関で団信保険料は金利に含まれていますが、以下の点を確認してください。
- 一般団信:死亡・高度障害のみ保障
- がん団信:がんと診断されたら残高ゼロ(金利+0.1-0.3%)
- 3大疾病団信:がん・脳卒中・急性心筋梗塞(金利+0.2-0.3%)
- 全疾病団信:すべての病気・ケガで就業不能時に保障(金利上乗せなしの場合あり)
家族構成や健康リスクに応じて、適切な団信を選んでください。
審査基準と借入可能額
金融機関により審査基準が異なります。
主な審査項目:
- 年収(安定収入の有無)
- 勤続年数(最低1年以上が一般的)
- 年齢(借入時・完済時の年齢制限)
- 他のローン残高(返済負担率の計算)
- 健康状態(団信加入可否)
審査基準はネット銀行がやや厳しく、フラット35が比較的緩やかな傾向があります。
返済方法(元利均等・元金均等)
返済方法には以下の2種類があります。
| 返済方法 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 元利均等返済 | 毎月の返済額が一定 | 返済計画を立てやすい、一般的 |
| 元金均等返済 | 元金を均等に返済、利息は残高に応じて減少 | 初期の返済額は多いが総返済額が少ない、余裕資金がある人向け |
多くの人が元利均等返済を選びますが、余裕資金がある場合は元金均等返済で総返済額を抑えることも検討してください。
専門家(FP・銀行担当者)への相談
住宅ローンの選択は個々の家計状況により最適解が異なるため、以下の専門家への相談を推奨します。
- ファイナンシャルプランナー(FP):家計全体を踏まえた住宅ローン選び
- 銀行担当者:各金融機関の商品詳細・審査基準の相談
- 住宅ローンアドバイザー:複数金融機関の比較と選び方のアドバイス
無料相談会を開催している金融機関や住宅メーカーもあるため、積極的に活用してください。
まとめ:自分に合った住宅ローンの選び方
2025年11月時点で、変動金利は0.3~0.7%台、フラット35は2.050%予想と上昇傾向にあります。変動金利は低金利ですが金利上昇リスクがあり、固定金利は高金利ですが返済計画が立てやすいことが特徴です。
家計に余裕があり短期借入なら変動金利、長期借入・安心感重視なら固定金利が向いています。日銀の追加利上げにより今後も緩やかな上昇傾向が続く見通しのため、金利上昇リスクを考慮した返済シミュレーションが重要です。
金利だけでなく諸費用・団信・審査基準も含めた総合比較を行い、価格.com・モゲチェック等の比較サイトで複数社を比較してください。最終的には、ファイナンシャルプランナーや銀行担当者に相談し、自分の家計状況に合った住宅ローンを選びましょう。
最新情報は各金融機関の公式サイトまたは比較サイトでご確認ください。
