住宅ローンは何年まで組める?年齢制限・返済期間の選び方・注意点を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/19

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住宅ローンの年齢制限と返済期間の基礎知識

住宅ローンを検討する際、「自分の年齢で何年まで組めるのか」「定年後も返済が残ると不安」と悩む方は少なくありません。特に40代以降の購入者にとって、完済時年齢や定年退職後の返済負担は重要な関心事です。

この記事では、住宅ローンの年齢制限、返済期間の上限、最適な選び方、年代別の注意点を、公的データとともに解説します。自分の年齢とライフプランに合った返済計画を立てるための参考にしてください。

この記事のポイント

  • 申込年齢は一般的に満18歳以上70歳未満、完済時年齢は75-80歳が上限
  • 一般的な最長返済期間は35年だが、2025年7月から50年ローンも登場
  • 最も選ばれている返済期間は30年超-35年未満(44%)
  • 平均完済年齢は約73歳だが、理想は定年を迎える65歳までに完済
  • 長期ローンは月額負担が軽いが総利息が増える、短期ローンは逆のトレードオフ

(1) 年齢制限と返済期間の関係

住宅ローンには、申込年齢完済時年齢の2つの年齢制限があります。

申込年齢:

  • 住宅ローンに申し込める年齢
  • 一般的に満18歳以上70歳未満

完済時年齢:

  • 住宅ローンを完済する時点での年齢
  • 一般的に75-80歳を上限に設定

例えば、完済時年齢の上限が80歳の金融機関で35年ローンを組む場合、申込時年齢は45歳(80-35=45)までとなります。年齢制限と返済期間は密接に関係しているため、自分の年齢で何年まで組めるかを事前に確認することが重要です。

(2) 平均的な借入年齢と完済年齢

住宅金融支援機構によると、住宅ローンを組んだ平均年齢は42.8歳(2022年度フラット35利用者調査)です。

ファミリーライフサービスによると、平均完済年齢は約73歳とされています。

平均データ:

項目 平均値
平均借入年齢 42.8歳
平均借入年数 約31年
平均返済期間 約28年
平均完済年齢 約73歳

平均完済年齢が73歳ということは、多くの人が定年退職後も住宅ローンの返済を続けていることになります。定年前に完済することが理想とされていますが、実際には定年後も返済が残るケースが多いのが現状です。

住宅ローンは何歳まで借りられる?年齢制限の詳細

(1) 申込年齢の上限:一般的に満18歳以上70歳未満

申込年齢は、一般的に満18歳以上70歳未満です。SUUMOによると、多くの金融機関がこの基準を採用しています。

申込年齢の例:

金融機関 申込年齢
メガバンク 満18歳以上70歳未満
ネット銀行 満20歳以上65-70歳未満
フラット35 満18歳以上70歳未満

定年(65歳)後でも申込可能ですが、完済時年齢の制限により、借入期間は10-15年程度に制限されます。

(2) 完済時年齢の上限:一般的に75-80歳

完済時年齢の上限は、一般的に75-80歳です。フラット35公式サイトによると、フラット35の完済時年齢は80歳とされています。

完済時年齢の例:

金融機関 完済時年齢
フラット35 80歳
メガバンク 75-80歳
ネット銀行 75-80歳

完済時年齢が80歳の場合、45歳で35年ローンを組むと完済時年齢がちょうど80歳になります。

(3) 金融機関別の年齢制限の違い

年齢制限は金融機関によって異なります。同じ年齢でも、金融機関によって借入可能な期間が変わる場合があるため、複数の金融機関を比較することが重要です。

年齢制限の違い(例):

年齢 完済時年齢80歳の場合 完済時年齢75歳の場合
35歳 最長45年 最長40年
40歳 最長40年 最長35年
45歳 最長35年 最長30年
50歳 最長30年 最長25年
55歳 最長25年 最長20年

(4) 99.1%の金融機関が完済時年齢を審査で考慮

ノムコムによると、99.1%の金融機関が完済時年齢を審査で考慮しているとされています。年齢により希望通りの返済年数で借り入れられない場合があるため、事前に確認することが重要です。

住宅ローンは何年まで組める?返済期間の上限

(1) 一般的な最長期間:35年

三井住友銀行によると、住宅ローンの借入期間は一般的に最長35年とされています。

最長返済期間:

  • 銀行の住宅ローン:最長35年
  • フラット35:最長35年(完済時年齢80歳)
  • フラット50:最長50年(長期優良住宅等が対象)

35年ローンは月々の返済額を抑えられるメリットがありますが、総利息が増えるデメリットもあります。

(2) 50年ローンの登場:2025年7月PayPay銀行

PayPay銀行によると、2025年7月から住宅ローンの借入期間最長50年の取り扱いを開始するとされています。

50年ローンの特徴:

  • 月額負担を大幅に軽減
  • 超長期の返済計画
  • 総利息が大きく増加

50年ローンは、月々の返済額を抑えたい人には魅力的ですが、定年後も長期間返済が続くため、将来の収入減少リスクを十分に考慮する必要があります。

(3) 平均借入年数:約31年(返済期間平均28年)

実際の平均借入年数は約31年、返済期間の平均は約28年(2023年度)です。借入年数と返済期間の差は、繰り上げ返済により返済期間が短縮されていることを示しています。

(4) 最も選ばれている返済期間:30年超-35年未満(44%)

ノムコムによると、30年超-35年未満を選択する人が最も多く、約44%を占めているとされています。

返済期間の分布:

返済期間 割合
30年超-35年未満 44%
25年超-30年未満 約25%
35年超-50年以内 約25.5%
その他 約5.5%

住宅ローンの返済期間の選び方

(1) ライフプランとの整合性:理想は65歳完済

ノムコムによると、理想的な完済年齢は定年を迎える65歳までとされています。

年代別の65歳完済プラン:

年齢 返済期間 完済時年齢
30歳 35年 65歳
35歳 30年 65歳
40歳 25年 65歳
45歳 20年 65歳
50歳 15年 65歳

定年前に完済することで、退職後の収入減少リスクを避けられます。

(2) 総返済額のシミュレーション:長期は利息が増える

返済期間が長いほど、総利息が増加します。借入額3,000万円、金利1.5%の場合、返済期間による総返済額の違いをシミュレーションします。

総返済額のシミュレーション(借入額3,000万円、金利1.5%):

返済期間 月々返済額 総返済額 総利息
20年 約145,000円 約3,480万円 約480万円
25年 約120,000円 約3,600万円 約600万円
30年 約103,000円 約3,708万円 約708万円
35年 約92,000円 約3,864万円 約864万円

返済期間が15年延びると(20年→35年)、総利息は約384万円増加します。

(3) 月々の返済額とのバランス

返済期間を長くすると、月々の返済額は減りますが、総利息が増えます。返済期間を短くすると、月々の返済額は増えますが、総利息が減ります。

月々の返済額の目安:

  • 年収の25%以内(手取り収入の30%以内)
  • 例:年収600万円の場合、月々の返済額は約12.5万円以内

月々の返済額が生活費を圧迫しない範囲で、できるだけ短い返済期間を選ぶのが理想です。

(4) 定年前完済の重要性:退職後の収入減少リスク

定年退職後は、収入が大幅に減少します。年金収入だけで住宅ローンの返済を続けるのは負担が大きいため、定年前に完済することが重要です。

退職後の収入減少例:

項目 現役時代 退職後
年収 600万円 250万円(年金)
月収 50万円 約21万円
住宅ローン返済額 12万円 12万円
返済負担率 24% 57%

退職後の返済負担率が57%になると、生活費を大きく圧迫します。

年代別の注意点:30代・40代・50代

(1) 30代:長期ローン(35年)でも65歳完済が可能

30代は、35年ローンを組んでも65歳までに完済できるため、長期ローンを選びやすい年代です。

30代のポイント:

  • 35年ローンで月々の返済額を抑えられる
  • 繰り上げ返済で返済期間を短縮する余裕がある
  • 住宅ローン控除(返済期間10年以上が要件)の恩恵を受けやすい

(2) 40代:25-30年ローンで65歳完済を目指す

40代は、25-30年ローンで65歳完済を目指すのが理想です。

40代のポイント:

  • 35年ローンだと70-75歳まで返済が続く
  • 25-30年ローンで定年前完済を計画
  • 子育て費用と住宅ローンのバランスが重要

(3) 50代:短期ローン(20年以下)が中心、繰り上げ返済も検討

50代は、短期ローン(20年以下)が中心となります。

50代のポイント:

  • 20年ローンで70歳完済を目指す
  • 退職金で繰り上げ返済を検討
  • 月々の返済額が高くなるため、返済能力の確認が重要

まとめ:完済計画の立て方と専門家への相談

住宅ローンの申込年齢は一般的に満18歳以上70歳未満、完済時年齢は75-80歳が上限です。一般的な最長返済期間は35年ですが、2025年7月から50年ローンも登場しています。最も選ばれている返済期間は30年超-35年未満(44%)です。

平均完済年齢は約73歳ですが、理想は定年を迎える65歳までに完済することです。長期ローンは月額負担が軽いですが総利息が増え、短期ローンは逆のトレードオフがあります。自分の年齢とライフプランに合わせて、無理のない返済計画を立てることが重要です。

(1) 繰り上げ返済の活用と注意点

繰り上げ返済は、総利息を削減する効果的な方法です。早期に実施するほど、総利息の削減効果が大きくなります。

繰り上げ返済のメリット:

  • 総利息を削減できる
  • 返済期間を短縮できる
  • 定年前完済が可能になる

繰り上げ返済の注意点:

  • 住宅ローン控除(返済期間10年以上が要件)の恩恵を受けられなくなる可能性がある
  • 繰り上げ返済手数料がかかる場合がある
  • 手元資金が減るため、緊急時の備えとのバランスが重要

(2) 住宅ローン控除の要件(返済期間10年以上)

住宅ローン控除を受けるには、返済期間が10年以上であることが要件です(2025年度)。繰り上げ返済により返済期間が10年未満になると、住宅ローン控除の対象外となるため注意してください。

(3) ファイナンシャルプランナーへの相談のすすめ

住宅ローンの返済期間選択は、個人のライフプラン・返済能力・リスク許容度により適切な判断が異なります。詳細はファイナンシャルプランナー(FP)、住宅ローンアドバイザー等の専門家にご相談ください。返済シミュレーション、ライフプランの作成、最適な返済期間の選択については、専門家に相談することを推奨します。

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よくある質問

Q1住宅ローンの完済時年齢の上限は何歳?

A1一般的に75-80歳が上限です。フラット35は80歳、多くの銀行は75-80歳を設定しています。99.1%の金融機関が完済時年齢を審査で考慮しており、年齢制限により希望通りの返済年数で借り入れられない場合があります。例えば、完済時年齢80歳の場合、45歳で35年ローンを組むと完済時年齢がちょうど80歳になります。

Q2定年後も住宅ローンを借りられる?

A2申込年齢の上限は一般的に満18歳以上70歳未満のため、定年(65歳)後でも申込可能です。ただし、完済時年齢75-80歳を考慮すると、借入期間は10-15年程度に制限されます。また、退職後の収入(年金)で返済能力が審査されるため、現役時代と比べて審査が厳しくなる場合があります。退職金の有無や年金収入の見込みが審査のポイントです。

Q3住宅ローンは何年で組むのが最適?

A3ライフプランに応じて選ぶべきですが、最も多いのは30-35年未満(44%)です。理想は定年を迎える65歳までに完済するプラン(35歳で30年、40歳で25年等)とされています。長期ローンは月額負担が軽いですが総利息が増え、短期ローンは逆のトレードオフがあります。例えば、借入額3,000万円・金利1.5%の場合、返済期間が20年→35年になると総利息は約384万円増加します。

Q4繰り上げ返済は可能?どのタイミングがベスト?

A4多くの金融機関で繰り上げ返済が可能です。早期に実施するほど総利息の削減効果が大きくなります。ただし、住宅ローン控除(返済期間10年以上が要件)の恩恵を受けられなくなる可能性もあるため、税制優遇とのバランスを考慮する必要があります。また、繰り上げ返済手数料がかかる場合があるため、事前に確認してください。緊急時の備えとして手元資金を残すことも重要です。

Q550年ローンのメリットは?注意点は?

A52025年7月からPayPay銀行等が最長50年ローンを開始しました。月額負担を大幅に軽減できるメリットがあります。例えば、借入額3,000万円・金利1.5%の場合、35年ローンの月々約92,000円に対し、50年ローンでは更に軽減されます。一方、総利息が大きく増加し、定年後も長期間返済が続くため、将来の収入減少リスクを十分に考慮する必要があります。

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Room Match編集部

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