1. 注文住宅を土地込みで建てたいと思ったら
注文住宅を建てたいと思ったとき、「土地込みで総額いくらかかるのか」「自分の年収で建てられるのか」「坪単価だけで判断してよいのか」と疑問に感じる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、注文住宅の土地込み費用の相場、費用の内訳、年収別の予算目安を、住宅金融支援機構のフラット35利用者調査などの公的統計データをもとに詳しく解説します。
建物本体・土地代・諸費用の割合を正確に把握することで、無理のない資金計画を立てられるようになります。
この記事のポイント
- 2024年の全国平均は5,007万円(フラット35利用者調査)、前年比+1,455万円上昇
- 土地と建物の理想的な費用配分は土地25-30%、建物70-75%
- 年収倍率7.4倍が全国平均で、年収600万円なら約4,440万円が目安
- 諸費用は土地代+建築費の5-10%(総額5,000万円なら250-500万円)
- 坪単価は建物本体のみの価格で土地代・諸費用は含まれないため、坪単価だけで総費用を判断すると予算オーバーになる
2. 注文住宅の土地込み費用の相場|全国・地域別のデータ
(1) 全国平均は5,007万円(フラット35利用者調査2024年)
住宅金融支援機構のフラット35利用者調査(2024年度)によると、注文住宅の土地込み費用の全国平均は5,007万円です。
2023年のデータでは4,903.4万円(建築費3,405.8万円+土地1,497.6万円)でしたが、2024年は資材高騰と人件費上昇の影響で価格が上昇しています。
(2) 首都圏・近畿圏・その他地域別の相場(首都圏5,790万円、地方4,534万円)
地域別の相場は以下の通りです。
| 地域 | 土地込み費用 |
|---|---|
| 首都圏 | 5,790万円 |
| 近畿圏 | 5,200万円前後 |
| その他地域 | 4,534万円 |
首都圏と地方では約1,200万円の差があります。これは主に土地代の違いによるもので、首都圏では土地代が総費用の約40%を占めるのに対し、地方では約30%にとどまります。
(3) 2024年の価格上昇トレンド(前年比+1,455万円)
イエタッタ関西によると、2024年の建築費は前年比+1,455万円と大幅に上昇しています。資材高騰・人件費上昇が主因で、今後も価格上昇の可能性があります。
3. 費用の内訳|建物本体・土地代・諸費用の割合
(1) 土地と建物の費用配分(土地25-30%、建物70-75%が理想)
YAZAWA LUMBERによると、土地と建物の理想的な費用配分は土地25-30%、建物70-75%です。
この比率を守ることで、建物の品質を保ちながら無理のない資金計画が可能です。首都圏では土地代が高く、土地40%になることもあるため、地域の相場を確認することが重要です。
(2) 建物本体工事費・付帯工事費・諸費用の内訳
建築費用は以下のように分けられます。
| 費用項目 | 割合 | 内容 |
|---|---|---|
| 本体工事費 | 70-80% | 基礎工事、躯体工事、内装工事等 |
| 付帯工事費 | 15-20% | 外構工事、水道・ガス引き込み、地盤調査等 |
| 諸費用 | 5-10% | 税金、手数料、保険等 |
本体工事費は建物そのものの建築費用で、坪単価で表示されるのはこの部分のみです。
(3) 諸費用の詳細(印紙税・登録免許税・不動産取得税・ローン諸費用等)
くらしえる便りによると、諸費用は土地代+建築費の5-10%が相場です。
主な諸費用の内訳は以下の通りです。
- 印紙税: 売買契約書・工事請負契約書に貼付(数万円)
- 登録免許税: 所有権移転登記・抵当権設定登記の税金(数十万円)
- 不動産取得税: 不動産を取得した際の税金(土地・建物それぞれに課税)
- 住宅ローン諸費用: 融資手数料、保証料、団体信用生命保険料等(数十万円)
- 火災保険: 建物の火災保険料(数十万円)
例えば総額5,000万円の場合、諸費用は250-500万円となります。
(4) 坪単価とは何か(建物本体のみの価格、土地代・諸費用は別途)
坪単価は建物本体工事費を延床面積(坪)で割った価格です。土地代・付帯工事費・諸費用は含まれません。
坪単価だけで総費用を判断すると、大幅な予算オーバーになる可能性があります。必ず土地代・付帯工事費・諸費用を含めた総額で予算を計画してください。
4. 年収別の予算目安と住宅ローン借入額の計算
(1) 年収倍率7.4倍が全国平均(年収600万円→4,440万円、年収800万円→5,920万円)
HOME4Uによると、年収倍率7.4倍が全国平均です。年収倍率とは、住宅購入価格を世帯年収で割った倍率で、無理のない借入額の判断基準となります。
年収別の予算目安は以下の通りです。
| 年収 | 予算目安(年収倍率7.4倍) |
|---|---|
| 400万円 | 2,960万円 |
| 500万円 | 3,700万円 |
| 600万円 | 4,440万円 |
| 700万円 | 5,180万円 |
| 800万円 | 5,920万円 |
(2) 返済負担率25%以内が推奨(無理のない借入額の判断基準)
住宅ローンの返済負担率は年収の25%以内が推奨されます。これを超えると生活に支障をきたすリスクがあります。
例えば年収600万円の場合、年間返済額の上限は150万円(月額12.5万円)が目安です。
(3) 年収別の具体的シミュレーション(年収400万円〜800万円)
年収600万円で借入期間35年、金利1.0%の場合のシミュレーションは以下の通りです。
- 借入額: 4,440万円
- 月額返済額: 約12.5万円
- 年間返済額: 約150万円
- 返済負担率: 25%
自己資金として頭金や諸費用を用意することで、借入額を減らし、返済負担を軽減できます。
5. 費用を抑えるコツと注意点|坪単価の罠・資材高騰への対策
(1) 坪単価だけで判断すると予算オーバーになるリスク
坪単価は建物本体工事費のみの価格です。土地代・付帯工事費・諸費用は含まれないため、坪単価だけで総費用を判断すると大幅な予算オーバーになります。
必ず総額(土地代+建築費+諸費用)で予算を計画してください。
(2) 土地選びのコツ(地域による価格差、利便性と価格のバランス)
土地選びでは、地域による価格差を理解し、利便性と価格のバランスを考慮することが重要です。
駅から近いエリアは地価が高くなりますが、通勤・通学の利便性が向上します。駅から少し離れたエリアでは、地価が下がるため、広い土地を購入しやすくなります。
自分のライフスタイルに合った土地を選びましょう。
(3) 建築費用を抑える工夫(設計の工夫、仕様の選択)
建築費用を抑えるには、設計の工夫と仕様の選択が有効です。
- シンプルな間取りにする(凹凸を減らす)
- 標準仕様を活用する(オーダーメイド仕様は高額)
- 複数の建築会社に見積もりを依頼する
ただし、過度なコストカットは建物の品質や安全性に影響する可能性があるため、専門家に相談しながら進めることをおすすめします。
(4) 諸費用は現金払いが原則(手元資金として確保が必要)
諸費用は現金払いが原則で、住宅ローンに含められない場合が多いです。手元資金として確保が必要です。
総額5,000万円の場合、諸費用250-500万円を現金で用意する必要があります。事前に資金計画に含めておきましょう。
6. まとめ:注文住宅の土地込み費用の総合ガイド
注文住宅の土地込み費用の全国平均は5,007万円(2024年フラット35利用者調査)です。首都圏は5,790万円、地方は4,534万円と地域差が約1,200万円あります。
土地と建物の理想的な費用配分は土地25-30%、建物70-75%で、年収倍率7.4倍を目安に予算を計画しましょう。諸費用は土地代+建築費の5-10%(総額5,000万円なら250-500万円)で、現金払いが原則です。
坪単価は建物本体のみの価格で土地代・諸費用は含まれないため、坪単価だけで総費用を判断すると予算オーバーになります。必ず総額(土地代+建築費+諸費用)で予算を計画してください。
2024年は建築費が前年比+1,455万円と大幅に上昇しており、資材高騰・人件費上昇の影響で今後も価格上昇の可能性があります。複数の建築会社に見積もりを依頼し、専門家に相談しながら、無理のない資金計画を立てましょう。


