なぜ中古マンション売却が注目されるのか
中古マンションの売却を検討する際、「今は売り時なのか」「どれくらいの価格で売れるのか」「税金はいくらかかるのか」といった疑問を持つ方は少なくありません。
この記事では、中古マンション売却の流れ、相場、税金、注意点を、国税庁や国土交通省の公式データを元に解説します。
初めてマンションを売却する方でも、必要な知識を身につけ、失敗せずに売却を進められるようになります。
この記事のポイント
- 2024年11月の不動産価格指数は207.2で過去最高値に達している
- 中古マンション売却にかかる期間は平均80.1日、一般的に3〜6ヶ月が目安
- 売却にかかる費用は売却価格の約3.5%(仲介手数料、印紙税、登録免許税、譲渡所得税)
- 仲介は相場価格に近い金額で売れるが時間がかかり、買取は短期間だが売却価格は7〜8割程度
- 3000万円特別控除を利用すれば譲渡所得から3,000万円を控除可能
(1) 2024-2025年の価格動向(不動産価格指数207.2で過去最高値)
国土交通省の「不動産価格指数(2024年11月)」によると、2024年11月の不動産価格指数は207.2で過去20年で最高値に達しています。
2025年8月の首都圏中古マンション成約平米単価は84.85万円/㎡で前年比13%上昇しており、都心部を中心に中古マンション市場は活況を呈しています。
2025年は金利上昇の影響があるものの、都心の高級マンションは富裕層や海外投資家の現金購入が多く、価格下落は限定的と見られています。地方では二極化が進む見込みです。
(2) 売却のタイミングが重要な理由(築25年までの価格下落)
中古マンションの価格は、築年数により大きく変動します。一般的に、築25年までは価格が下がり続け、その後は緩やかに下落します。
築40年以上になると、価格は新築時の約17%程度まで低下する傾向があります(82.9%低下)。
そのため、売却を検討しているなら、築25年以内の早めのタイミングで査定を依頼することが重要です。
中古マンション売却の基礎知識(流れ・相場・査定)
(1) 売却にかかる期間(平均80.1日、3〜6ヶ月が目安)
不動産流通機構の2023年調査によると、マンション売却にかかる期間は平均80.1日、一般的に3〜6ヶ月が目安です。
| ステップ | 期間 |
|---|---|
| 相場調査・査定依頼 | 1〜2週間 |
| 不動産会社選び・媒介契約 | 1〜2週間 |
| 売却活動(内覧対応等) | 2〜4ヶ月 |
| 売買契約・引き渡し | 1〜2ヶ月 |
| 合計 | 3〜6ヶ月 |
2月〜3月は中古マンション市場が活況で成約しやすい時期です。この時期に売却するには、9月〜10月には査定依頼し準備を進める必要があります。
また、マンション売却の9割近くが1年以内で完了していますが、価格設定を誤ると長期化する可能性があります。
(2) 売却相場の調べ方と2025年の価格予測
売却相場を調べる方法は以下の通りです。
- 国土交通省「土地総合情報システム」: 実際の取引価格データを閲覧可能
- 不動産ポータルサイト: SUUMO、HOME'S、アットホーム等で類似物件の売り出し価格を確認
- 不動産会社の査定: 複数社に査定を依頼し、各社の査定額を比較
2025年の価格予測については、都心部は依然需要が高く、価格は横ばい〜微増の見込みです。地方では二極化が進み、駅近・築浅物件は堅調、郊外・築古物件は下落する可能性があります。
(3) 査定の種類(机上査定と訪問査定)
査定には以下の2種類があります。
| 査定方法 | 内容 | 期間 |
|---|---|---|
| 机上査定 | 物件情報のみで概算価格を算出 | 即日〜数日 |
| 訪問査定 | 実際に物件を訪問し、詳細な査定を実施 | 1〜2週間 |
机上査定は手軽ですが、正確な査定額は訪問査定で確認する必要があります。複数の不動産会社に訪問査定を依頼し、各社の査定額を比較することが重要です。
売却方法の選択(仲介と買取の違い)
(1) 仲介のメリット・デメリット(相場価格に近いが時間がかかる)
仲介は、不動産会社が売主と買主の間に入って売買を成立させる方法です。
メリット:
- 相場価格に近い金額で売却できる
- 買主を幅広く探せる
デメリット:
- 売却まで時間がかかる(3〜6ヶ月)
- 仲介手数料がかかる(物件価格の3%+6万円+消費税が上限)
- 内覧対応等の手間がかかる
時間に余裕があり、高値売却を希望する場合は仲介がおすすめです。
(2) 買取のメリット・デメリット(短期間だが7〜8割の価格)
買取は、不動産会社が直接マンションを購入する方法です。
メリット:
- 短期間で現金化できる(数週間〜1ヶ月)
- 仲介手数料が不要
- 内覧対応等の手間が不要
デメリット:
- 売却価格は仲介の7〜8割程度
- 買取業者選びが重要(悪質な業者は極端に安い価格を提示する)
相続税の納付期限が迫っている、離婚による財産分与等、急ぎの売却に適しています。
(3) 媒介契約の種類(専属専任・専任・一般媒介)
仲介を選択する場合、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には以下の3種類があります。
| 契約種類 | 複数社への依頼 | 自己発見取引 | レインズ登録 | 報告頻度 |
|---|---|---|---|---|
| 専属専任媒介 | 不可 | 不可 | 義務(5日以内) | 1週間に1回以上 |
| 専任媒介 | 不可 | 可 | 義務(7日以内) | 2週間に1回以上 |
| 一般媒介 | 可 | 可 | 任意 | 任意 |
一般媒介は複数社に依頼できるため、幅広く買主を探せますが、不動産会社の販売意欲が低くなる可能性があります。専属専任・専任媒介は1社のみですが、レインズ登録義務があり、報告頻度が高いため、売却活動を密に進められます。
売却の流れとステップ(査定から引き渡しまで)
(1) 事前準備(相場調査・必要書類の準備)
売却を始める前に、以下の準備を行います。
- 相場調査: 国土交通省「土地総合情報システム」や不動産ポータルサイトで相場を確認
- 必要書類の準備: 登記簿謄本、固定資産税納税通知書、管理費・修繕積立金の書類、購入時の売買契約書等
相場を把握しておくことで、査定額の適正性を見極められます。
(2) 査定依頼と不動産会社選び(複数社比較の重要性)
複数の不動産会社に査定を依頼し、各社の査定額を比較することが重要です。
査定額が高すぎる場合は、囲い込みのリスクがあります。囲い込みとは、不動産会社が両手取引(売主・買主双方から仲介手数料を得る)を狙って物件情報を他社に公開しない行為です。成約まで時間がかかる原因になるため、契約前に確認が必要です。
(3) 売却活動中の注意点(内覧対応・契約不適合責任)
売却活動中は、以下の点に注意します。
- 内覧対応: 清掃や換気を徹底し、明るく快適な雰囲気を作る
- 契約不適合責任: マンションに不備がある場合は隠さずに伝える(契約不適合責任を負うリスクを回避)
契約不適合責任とは、引き渡したマンションが契約内容に合致しない場合に売主が負う責任です。不備を隠すとトラブルの原因になるため、正直に伝えることが重要です。
(4) 売却後の注意点(買主のローン審査・引き渡し)
売買契約後も、買主の住宅ローン審査が通らない可能性があるため、審査結果が出るまで気を抜けません。
住宅ローン特約が付いている場合、審査が通らなければ契約は白紙解除されます。引き渡しまで約1〜2ヶ月かかるため、スケジュールに余裕を持って計画しましょう。
税金・諸費用の詳細と計算方法
(1) 必ずかかる税金(印紙税・登録免許税)
売却時に必ずかかる税金は以下の通りです。
| 税金 | 金額 |
|---|---|
| 印紙税 | 1〜3万円(売買契約書に貼付) |
| 登録免許税 | 2,000円(抵当権抹消登記) |
これらの税金は売却価格に関わらず発生します。
(2) 譲渡所得税の計算方法と税率(所有期間5年超で15%、5年未満で30%)
利益が出た場合は、譲渡所得税がかかります。譲渡所得税は以下の計算式で算出されます。
譲渡所得 = 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用
- 取得費: 購入時の価格、購入時の諸費用、減価償却費を差し引いた額
- 譲渡費用: 仲介手数料、印紙税、測量費等
譲渡所得に対する税率は、所有期間により異なります。
| 所有期間 | 税率(所得税+住民税) |
|---|---|
| 5年超(長期譲渡所得) | 20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%) |
| 5年以下(短期譲渡所得) | 39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%) |
(出典: 国税庁「土地や建物を売ったとき」)
所有期間5年超なら税率が低くなるため、売却タイミングの参考にしてください。
(3) 3000万円特別控除の適用要件
自宅を売却する場合、一定要件を満たせば譲渡所得から3,000万円を控除できます。
適用要件:
- 自宅として居住していたマンションを売却すること
- 売却先が親族等でないこと
- 過去2年間に3000万円特別控除を受けていないこと
詳細は国税庁の公式サイトでご確認ください。
(4) 売却にかかる諸費用の目安(売却価格の約3.5%)
売却にかかる諸費用は、売却価格の約3.5%が目安です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 物件価格の3%+6万円+消費税が上限 |
| 印紙税 | 1〜3万円 |
| 登録免許税 | 2,000円 |
| 譲渡所得税 | 利益が出た場合のみ(所有期間5年超で20.315%、5年未満で39.63%) |
| 合計 | 売却価格の約3.5% |
売却金額と実際の手取り額には仲介手数料等の費用分の差があることに注意してください。
まとめ:中古マンション売却の成功戦略
中古マンション売却にかかる期間は平均80.1日、一般的に3〜6ヶ月が目安です。売却にかかる費用は売却価格の約3.5%で、仲介手数料、印紙税、登録免許税、譲渡所得税(利益が出た場合のみ)が主な費用です。
仲介は相場価格に近い金額で売れるが時間がかかり、買取は短期間で現金化できるが売却価格は仲介の7〜8割程度です。時間に余裕があるなら仲介、急ぎなら買取がおすすめです。
2024年11月の不動産価格指数は207.2で過去最高値に達しています。2025年は金利上昇の影響があるものの、都心は依然需要が高く、売却を検討しているなら早めの査定がおすすめです。
(1) 2025年の売却タイミングの判断基準
2025年に売却すべきかどうかは、以下の基準で判断してください。
- 都心・駅近・築浅物件: 需要が高く、価格は横ばい〜微増の見込み。早めの売却がおすすめ
- 地方・郊外・築古物件: 二極化が進む見込み。価格下落前に売却を検討
(2) 高く売るためのポイント(相場調査・複数社査定・適正価格設定)
高く売るためには、以下のポイントを押さえましょう。
- 相場調査: 国土交通省「土地総合情報システム」で相場を確認
- 複数社査定: 複数の不動産会社に査定を依頼し、各社の査定額を比較
- 適正価格設定: 相場より高すぎると売れず、安すぎると損をする。適正価格を設定することが重要
(3) よくある失敗事例と対策(囲い込み・不備の隠蔽)
よくある失敗事例と対策は以下の通りです。
- 囲い込み: 不動産会社が両手取引を狙って物件情報を他社に公開しない。契約前に確認し、レインズ登録状況を定期的にチェック
- 不備の隠蔽: マンションに不備がある場合は隠さずに伝える。契約不適合責任を負うリスクを回避
複数の不動産会社に査定を依頼し、契約内容を十分に確認することが重要です。不明点は宅建士や税理士等の専門家に相談しましょう。


