マンション売却時期を左右する要因
マンションを売却する際、「いつ売却すれば高値で売れるのか」という疑問を持つ方は多いでしょう。売却時期は、市場動向・季節性・築年数・税制など、複数の要因によって左右されます。
この記事では、マンション売却の最適な時期を判断するための材料を、国土交通省の不動産取引統計や国税庁の税制情報を元に解説します。
30-60代のマンション売却検討者の方でも、売却時期の判断材料(市場動向、築年数、税制面のタイミング等)を正確に把握できるようになります。
この記事のポイント
- マンション売却時期を左右する要因は、市場動向・季節性・築年数・税制の4つ
- 最も需要が増える時期は2月〜3月で、売却完了まで3-4ヶ月かかるため12月頃から売却活動を開始するのが理想的
- 築年数が経過するほど価格が下落(年約2%)するため、できるだけ早めに売却するのが有利
- 所有期間が5年を超えると譲渡所得税率が約39%から約20%に下がるため、税制面でも有利なタイミングとなる
- 2025年はマンション価格が上昇傾向を続けており、金利上昇前の売却が有利とされる
(1) 市場動向(価格推移・需給バランス)
マンション売却の時期を判断する際、最も重要なのが市場動向です。国土交通省が公表する「不動産価格指数」によると、2024年11月に過去最高の207.2を記録し、2010年比で2倍以上の価格上昇を示しています。
全国約30万件の取引価格を基にした公的指標であり、マンション市場が上昇傾向にあることがわかります。
(2) 季節性(新生活・転勤・異動シーズン)
マンション購入の需要は、新生活がスタートする直前の2月〜3月に最も高まります。4月の転勤・異動・進学に向けた購入需要が集中するためです。
逆に、1月や8月は取引件数が少なく、売却が長期化するリスクがあります(年末年始・ゴールデンウィーク・お盆の影響)。
(3) 築年数による価格下落(年約2%)
マンションは築年数が経過するほど価格が下落します。年約2%のペースで下落するため、できるだけ早めに売却するのが有利です。
ただし、大規模修繕後のタイミングで売却すると、外観や設備が改善された状態で買主に好印象を与えられます。
(4) 税制面の優遇措置(所有期間5年・10年)
所有期間によって譲渡所得税率が異なります。所有期間5年以下は短期譲渡所得(税率約39%)、5年超は長期譲渡所得(税率約20%)となります。
所有期間10年超の場合は、さらに軽減税率特例の適用が可能です。税制面での売却タイミングについては、後ほど詳しく解説します。
(5) 大規模修繕のタイミング
マンションの大規模修繕は通常12-15年周期で実施されます。修繕後は外壁塗装や屋上防水などが新しくなるため、物件の印象が良くなります。
大規模修繕の直前に売却すると、修繕費用の負担が発生する前に手放せるメリットがあります。一方、修繕後に売却すると、見た目が改善された状態で買主にアピールできます。
季節・月別で見るマンション売却のベストタイミング
(1) 最適な時期:2月〜3月(新生活前の需要増)
HOME4Uの記事によると、最も需要が増える時期は2月〜3月です。4月の転勤・異動・進学に向けた購入需要が高まるため、この時期に売却活動を行うと、買主が見つかりやすくなります。
(2) 避けるべき時期:1月・8月(取引件数が少ない)
1月や8月は取引件数が少なく、売却が長期化するリスクがあります。年末年始やゴールデンウィーク、お盆の時期は、不動産会社の営業活動も縮小され、買主の動きも鈍くなります。
(3) 売却完了まで3-4ヶ月かかるため、12月頃から売却活動を開始
売却活動を開始してから契約・引渡しまで、通常3-4ヶ月かかります。2-3月の需要ピークに合わせるには、12月頃から売却活動を開始するのが理想的です。
| 売却活動開始時期 | 契約・引渡し予定時期 | 需要の状況 |
|---|---|---|
| 12月頃 | 2-3月頃 | 高い(新生活前の需要) |
| 9-10月頃 | 12-1月頃 | 普通(年末商戦) |
| 5-6月頃 | 8-9月頃 | 低い(夏季は取引減少) |
(4) 月別の売却戦略(春・夏・秋・冬)
月別の売却戦略は以下の通りです。
- 春(3-5月): 新生活需要が落ち着く時期。競合物件が減るため、条件の良い物件は売れやすい
- 夏(6-8月): 取引件数が減少。価格設定を慎重に行い、長期戦を覚悟する
- 秋(9-11月): 秋の転勤・異動シーズンに向けた需要が見込める。年末までの契約を目指す
- 冬(12-2月): 新生活前の需要ピーク。売却活動を本格化させる最適な時期
築年数とマンション売却の関係
(1) 築年数と価格の関係(年約2%下落)
築年数が経過するほど、マンションの価格は下落します。一般的に、年約2%のペースで下落するとされています。
| 築年数 | 新築時を100とした価格指数の目安 |
|---|---|
| 築5年 | 約90 |
| 築10年 | 約80 |
| 築15年 | 約70 |
| 築20年 | 約60 |
(出典: SUUMO)
(2) 築5年以内の売却メリット
築5年以内のマンションは、まだ新築に近い状態であり、高値で売却できる可能性が高いです。設備の劣化も少なく、買主にとって魅力的な物件となります。
(3) 築10年・築20年の節目での売却判断
築10年・築20年は大規模修繕の時期と重なるため、売却のタイミングとして検討されることが多いです。
- 築10年: まだ価値が残っているため、高値での売却が期待できる
- 築20年: 価格は下落しているが、立地や管理状況によっては売却可能
(4) できるだけ早めに売却するのが有利
築年数が経過するほど価格が下落するため、売却を決めたら早めに行動するのが有利です。ただし、税制面での優遇措置(所有期間5年超)を考慮する必要があります。
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税制面から見た売却時期の判断
(1) 譲渡所得税の計算方法
国税庁によると、マンション売却時には譲渡所得税が発生します。譲渡所得は以下の式で計算されます。
譲渡所得 = 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用
- 取得費: 購入時の価格、仲介手数料、登記費用等
- 譲渡費用: 売却時の仲介手数料、印紙税等
(2) 所有期間5年以下:短期譲渡所得(税率約39%)
所有期間が5年以下の場合、短期譲渡所得として扱われ、税率は約39%(所得税30%、住民税9%)です。
(3) 所有期間5年超:長期譲渡所得(税率約20%)
所有期間が5年を超えると、長期譲渡所得として扱われ、税率は約20%(所得税15%、住民税5%)に下がります。税率が約半分になるため、5年を超えてから売却すると税制面で有利です。
| 所有期間 | 税率(所得税+住民税) | 備考 |
|---|---|---|
| 5年以下 | 約39% | 短期譲渡所得 |
| 5年超 | 約20% | 長期譲渡所得 |
| 10年超(自己居住用) | 約14%(6,000万円以下の部分) | 軽減税率特例 |
(4) 3000万円特別控除の適用要件
自己居住用マンションの売却時には、一定要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる「3000万円特別控除」が適用できます。
主な要件は以下の通りです。
- 自己居住用の住宅であること
- 売却した年の1月1日時点で所有期間が10年以上であること(軽減税率特例と併用する場合)
- 親族への譲渡でないこと
(5) 所有期間10年超の軽減税率特例
所有期間が10年を超える自己居住用マンションの場合、譲渡所得のうち6,000万円以下の部分については約14%(所得税10%、住民税4%)の軽減税率が適用されます。
3000万円特別控除と併用できるため、税負担を大きく軽減できます。
2025年のマンション市場動向と売却タイミング
(1) 2025年のマンション価格推移(国土交通省不動産価格指数207.2)
国土交通省の不動産価格指数によると、2024年11月に過去最高の207.2を記録しました。2010年を100とした場合、2倍以上の価格上昇を示しています。
(2) 2010年比で2倍以上の価格上昇
全国約30万件の取引価格を基にした公的指標であり、マンション市場が上昇傾向にあることを示しています。特に東京都心部では、より大きな価格上昇が見られます。
(3) 2025年1月の政策金利引き上げの影響
GRO-BELラボの記事によると、2025年1月には政策金利が約0.5%へ引き上げられました。金利上昇は住宅ローンの金利にも影響し、購入需要の減少につながる可能性があります。
(4) 金利上昇前の2025年が売り時とされる理由
金利が上昇すると、住宅ローンを組む買主の負担が増え、購入意欲が低下する可能性があります。本格的な金利上昇前の2025年が、マンション売却に適したタイミングとされています。
(5) 地域差が大きい(東京・地方都市の違い)
マンション価格の上昇は、地域により大きく異なります。東京都心部では価格上昇が続いていますが、地方都市では横ばいまたは微減の地域もあります。
個別の売却タイミングは、所在地の市場動向を確認し、不動産鑑定士・宅建士・税理士への相談を推奨します。
まとめ:マンション売却の最適なタイミングとは
マンション売却の最適な時期は、市場動向・季節性・築年数・税制の4つの要因によって判断されます。最も需要が増える時期は2月〜3月で、売却完了まで3-4ヶ月かかるため、12月頃から売却活動を開始するのが理想的です。
築年数が経過するほど価格が下落するため、できるだけ早めに売却するのが有利です。ただし、所有期間が5年を超えると譲渡所得税率が約半分になるため、税制面での優遇措置も考慮する必要があります。
2025年はマンション価格が上昇傾向を続けており、金利上昇前の売却が有利とされています。個別の売却タイミングについては、不動産鑑定士・宅建士・税理士などの専門家に相談し、最適な判断を行いましょう。
