建物付き土地の売却方法:解体・そのまま売却の判断と注意点

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/6

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建物付き土地の売却判断|解体vs現状売却の基準

建物付き土地を売却する際、「解体して更地にすべきか」「建物付きのまま売却すべきか」と悩む方は少なくありません。

この記事では、建物付き土地の売却方法、解体費用の相場、税金と節税対策、よくある失敗事例を、国税庁や不動産業界の公式情報を元に解説します。

建物付き土地の売却を検討している方でも、自分に合った判断ができるようになります。

この記事のポイント

  • 原則は建物付きのまま売却を推奨、解体費用150万円を負担しても売却価格が同額上昇する保証はない
  • 更地にすると固定資産税が3~6倍に増加するリスクがあり、売却までの期間が長引くと税負担が大きくなる
  • 建物解体費用は木造30~35坪で約150万円(坪単価4~5万円)、解体後1年以内に売却契約すれば譲渡費用として税控除可能
  • 3,000万円特別控除や取得費加算の特例を知らずに確定申告すると、数十万~数百万円の節税機会を逃す

更地と建物付き土地のどちらが売りやすいか

近年は「古家付き土地(建物付き土地)」のまま売却するケースが増加しています。買主が自由にリフォーム・建替えできるメリットが評価され、売主も解体費用負担を回避できます。

更地の方が売りやすいとは限らず、むしろ建物付き土地の方が買主のニーズに合う場合が多いです。

解体費用と固定資産税の増加リスク

建物を解体すると、以下のリスクがあります。

  • 解体費用: 木造30~35坪で約150万円(坪単価4~5万円)
  • 固定資産税の増加: 住宅用地の特例が適用外となり、固定資産税が3~6倍に増加

解体費用150万円を負担しても、売却価格が同額上昇する保証はなく、損失リスクが高いです。

建物の状態(築年数・老朽化の程度)

建物の状態により、解体すべきか判断が異なります。

  • 築40年以上・老朽化が激しい: 建物付きのまま売却(買主が解体・建替え)
  • 築20~30年・リフォーム可能: 建物付きのまま売却(買主がリフォーム)
  • 倒壊の危険がある: 解体を検討(安全上の理由)

立地と需要(買主の建替え需要の有無)

立地により、買主の需要が異なります。

  • 都市部・住宅地: 建物付きのまま売却(買主が建替え・リフォーム)
  • 郊外・農村部: 更地の需要もあるが、建物付きでも売却可能

立地と需要を考慮し、複数の不動産会社に査定依頼することが重要です。

費用対効果の検証(解体費用150万円vs売却価格上昇額)

解体費用150万円を負担しても、売却価格が同額上昇する保証はありません。費用対効果を検証し、総合的に判断してください。

建物解体費用の相場と税控除|構造別・エリア別の目安

建物解体費用は、構造・規模・立地により異なります。

構造別の解体費用(木造30~35坪で約150万円、坪単価4~5万円)

建物解体費用の構造別の目安は以下の通りです。

構造 坪単価 30坪の場合の目安
木造 4~5万円 120~150万円
鉄骨造 6~7万円 180~210万円
RC造 7~10万円 210~300万円

鉄骨・RC造の解体費用(より高額)

鉄骨造やRC造(鉄筋コンクリート造)は、木造よりも解体費用が高額です。構造が強固で解体に時間がかかるため、坪単価が高くなります。

解体費用の税控除(1年以内売却で譲渡費用として控除可能)

建物解体費用は、以下の条件を満たす場合、譲渡費用として譲渡所得の計算で差し引けます。

  • 解体目的が明確に土地売却のため
  • 解体後1年以内に売却契約締結

これにより節税効果が得られますが、法的明文規定はなく、税務署の判断によるため、税理士への相談を推奨します。

エリア別の費用変動(埼玉県等の事例)

解体費用は、処分場までの距離やエリアにより変動します。都市部は比較的安価、郊外・離島は処分場が遠く高額になる傾向があります。

埼玉県等の具体的なエリアの費用は、複数の解体業者に見積もりを取得してください。

土地売却の流れと注意点|境界確定・地中埋設物・固定資産税

土地売却の基本的な流れと注意点を解説します。

土地売却の基本的な流れ(査定・契約・引き渡し)

  1. 複数の不動産会社に査定依頼
  2. 媒介契約の締結(専属専任・専任・一般)
  3. 売却活動(広告・内見)
  4. 売買契約の締結(手付金の受領)
  5. 決済・引き渡し(残金受領、所有権移転登記)

境界確定測量の重要性(費用30~80万円、トラブル防止)

境界確定測量は、隣地との境界を明確にするための測量です。土地家屋調査士が実施し、費用は30~80万円程度です。

境界未確定のまま売却すると、登記簿記載面積と実測面積の差異により、契約解除・代金減額請求のリスクがあります。売却後のトラブル防止に必須です。

地中埋設物の確認と告知義務(コンクリート片・浄化槽等)

地中埋設物(コンクリート片・浄化槽・産業廃棄物等)の存在を告知せずに売却すると、撤去費用の損害賠償請求や契約解除の原因となります。

売却前に地中埋設物の確認を行い、存在する場合は買主に告知してください。

固定資産税の日割り計算と住宅用地の特例(更地にすると3~6倍に増加)

固定資産税は、売却年の1月1日時点の所有者が納税義務者です。売買契約時に買主と日割り計算で精算します。

住宅用地の特例により、住宅が建つ土地の固定資産税は軽減されます(小規模住宅用地1/6、一般住宅用地1/3)。更地にすると特例が適用外となり、固定資産税が3~6倍に増加します。

坪単価の計算方法(売却価格÷坪数、1坪≒3.3㎡)

坪単価の計算式は「売却価格÷坪数」です。1坪≒3.3㎡なので、「売却価格÷(㎡数÷3.3)」でも算出できます。

公示地価の1.1~1.2倍が実勢価格の目安です。複数の不動産会社に査定依頼して適正価格を確認してください。

税金と節税対策|譲渡所得税・3,000万円特別控除・税理士の活用

土地売却時の税金と節税対策を解説します。

譲渡所得税の計算方法(国税庁の制度)

譲渡所得税は、国税庁の制度に従って計算します。

計算式:

譲渡所得 = 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用
譲渡所得税 = 譲渡所得 × 税率(所有期間5年以下は39.63%、5年超は20.315%)

3,000万円特別控除の適用要件(自宅売却の特例)

自宅の土地・建物を売却した場合、譲渡所得から3,000万円を控除できる特例があります。適用要件を満たせば、大幅な節税効果が得られます。

詳細は国税庁の公式サイトをご確認ください。

取得費加算の特例(相続土地を3年10ヶ月以内に売却)

相続した土地を3年10ヶ月以内に売却すると、相続税の一部を取得費に加算できる特例があります。節税効果が大きいため、該当する場合は必ず適用してください。

税理士への依頼の必要性(費用10~20万円、特例適用の判断)

土地売却の確定申告を税理士に依頼する費用は10~20万円程度です。特例適用の判断、税額計算ミス防止、税務調査リスク低減のため、依頼を推奨します。

3,000万円特別控除で税額がゼロになる場合は自己申告も可能ですが、複雑な案件(相続・事業用・特例併用)は税理士への相談を推奨します。

確定申告の時期と手続き(翌年2月16日~3月15日)

土地売却の確定申告は、翌年2月16日~3月15日に税務署へ申告します。3,000万円特別控除の適用には確定申告が必須です。

よくある失敗事例と防止策|解体後に売れない・税金計算ミス

土地売却のよくある失敗事例と防止策を解説します。

解体後に売れずに固定資産税増加(更地の売却期間が長期化)

建物を解体して更地にしたものの、売却期間が長期化し、固定資産税が3~6倍に増加するケースがあります。

解体前に複数の不動産会社に査定依頼し、売却見込みを確認してください。

急ぎの売却で安値妥協(適正価格の確認不足)

転勤や相続税納付期限等で急ぎの売却を行い、適正価格を確認せずに安値で妥協するケースがあります。

複数の不動産会社に査定依頼し、適正価格を確認してから売却してください。

境界未確定トラブル(面積相違による代金減額請求)

境界未確定のまま売却し、登記簿記載面積と実測面積の差異により、契約解除・代金減額請求を受けるケースがあります。

境界確定測量を実施し、売却後のトラブルを防止してください。

税金計算ミスで控除漏れ(3,000万円特別控除の適用漏れ)

3,000万円特別控除や取得費加算の特例を知らずに確定申告し、数十万~数百万円の節税機会を逃すケースがあります。

税理士への相談を推奨します。

不動産会社選びの失敗(土地売却経験の少ない会社を選定)

土地売却経験の少ない不動産会社を選定し、適切なアドバイスを受けられないケースがあります。

複数の不動産会社に査定依頼し、土地売却の実績が豊富な会社を選定してください。

まとめ|専門家への相談と総合的な判断

建物付き土地の売却は、解体すべきか、建物付きのまま売却すべきか、物件の状態・立地・需要により異なります。

原則は建物付きのまま売却を推奨しますが、解体費用・固定資産税・売却価格の上昇額を総合的に検証し、判断してください。

税金(譲渡所得税、3,000万円特別控除、取得費加算の特例)については、税理士への相談を推奨します。費用は10~20万円程度ですが、数十万~数百万円の節税効果が得られる可能性があります。

詳細は不動産会社や宅地建物取引士、税理士へご相談ください。

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よくある質問

Q1建物付き土地は更地にすべきですか?

A1原則は建物付きのまま売却を推奨します。解体費用150万円を負担しても売却価格が同額上昇する保証はなく、更地にすると固定資産税が3~6倍に増加するリスクがあります。近年は買主が自由にリフォーム・建替えできる建物付き土地が好まれる傾向があります。ただし、建物の状態や立地により判断が異なるため、複数の不動産会社に査定依頼して総合的に検討してください。

Q2建物解体費用はいくらかかりますか?

A2木造30~35坪で約150万円(坪単価4~5万円)が目安です。鉄骨造は坪単価6~7万円、RC造は坪単価7~10万円とより高額になります。構造・規模・立地により変動するため、複数の解体業者に見積もりを取得してください。解体後1年以内に売却契約すれば譲渡費用として税控除可能ですが、法的明文規定はなく税務署の判断によるため、税理士への相談を推奨します。

Q3更地にすると固定資産税はどうなりますか?

A3住宅用地の特例(小規模住宅用地1/6、一般住宅用地1/3)が適用外となり、固定資産税が3~6倍に増加します。売却までの期間が長引くと税負担が大きくなるため、解体タイミングは慎重に判断する必要があります。解体前に複数の不動産会社に査定依頼し、売却見込みを確認してください。

Q4土地売却に税理士は必要ですか?

A4必須ではありませんが、特例適用の判断、税額計算ミス防止、税務調査リスク低減のため依頼を推奨します。費用は10~20万円程度です。3,000万円特別控除で税額がゼロになる場合は自己申告も可能ですが、複雑な案件(相続・事業用・特例併用)は税理士への相談を推奨します。3,000万円特別控除や取得費加算の特例を知らずに確定申告すると、数十万~数百万円の節税機会を逃す可能性があります。

Q5坪単価の計算方法は?

A5計算式は「売却価格÷坪数」です。1坪≒3.3㎡なので「売却価格÷(㎡数÷3.3)」でも算出できます。公示地価の1.1~1.2倍が実勢価格の目安です。複数の不動産会社に査定依頼して適正価格を確認することが重要です。単一の査定のみで判断すると、適正価格を見誤る可能性があります。

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Room Match編集部

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