不動産売却の流れと手続きを徹底解説【完全ガイド】

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/27

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不動産売却を検討する理由と本記事の目的

「不動産を売却したいけれど、何から始めればいいのかわからない」と不安に感じている方は少なくありません。

この記事では、不動産売却の全体の流れ、各ステップの詳細、必要書類、費用、注意点を、初めて売却を検討する方にもわかりやすく解説します。複数の不動産情報サイトのデータを元に、実務に即した内容をお届けします。

この記事を読むことで、売却プロセスの全体像を把握し、無理のないスケジュールと適正な価格設定ができるようになります。

この記事のポイント

  • 不動産売却の流れは7〜8ステップで、準備から引き渡しまで一般的に5〜6カ月が目安
  • 相場調査、査定依頼、媒介契約、販売活動、売買契約、決済・引き渡し、確定申告の順に進む
  • 媒介契約には「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類があり、それぞれメリット・デメリットが異なる
  • 諸費用(仲介手数料、譲渡所得税、登記費用等)を考慮しないと、手元に残る金額が想定より少なくなる
  • 適正価格の設定と売却スケジュールに余裕を持つことが成功の鍵

不動産売却の全体像と期間の目安

(1) 不動産売却の7〜8ステップ概要

不動産売却は、以下の7〜8ステップで進みます。

ステップ 内容 期間の目安
1. 相場調査 インターネットで類似物件の相場を確認 1週間〜1カ月
2. 査定依頼 複数の不動産会社に査定を依頼 1〜2週間
3. 媒介契約 不動産会社と媒介契約を締結 1週間
4. 販売活動 広告掲載、内覧対応、価格交渉 3〜6カ月
5. 売買契約 買主と売買契約を締結、手付金を受け取る 1日
6. 決済・引き渡し 残代金を受け取り、所有権を移転 1〜2カ月後
7. 確定申告 譲渡所得税の申告(売却翌年2〜3月) -

このように、売却は複数の段階を経て進みます。各ステップで必要な準備や注意点を理解しておくことが、スムーズな売却につながります。

(2) 売却期間の目安(5〜6カ月が標準)

不動産売却の準備から引き渡しまでの期間は、一般的に5〜6カ月が目安です。最短でも3〜4カ月、場合によっては1年以上かかることもあります。

特に、販売活動だけで3〜6カ月が標準的です。この期間は、物件の状態、価格設定、立地条件により大きく変動します。

(3) 期間に影響する要因

売却期間に影響する主な要因は以下の通りです。

  • 適正価格の設定: 相場より高すぎると売れ残り、安すぎると損をするため、複数社の査定を比較して適正価格を設定することが重要
  • 物件の状態: 築年数、設備の状態、清掃状態により買主の印象が変わる
  • 立地条件: 駅からの距離、周辺環境、学区などが売却期間に影響
  • 不動産会社の営業力: 広告戦略、内覧対応、価格交渉の巧拙により期間が変動
  • 売却スケジュールの余裕: 急いで売却しようとすると、安値で妥協するリスクがある

売却準備から査定・媒介契約まで

(1) 相場調査の方法と情報収集

査定依頼前に、インターネットで類似物件の相場を調べておくことで、不動産会社の査定額が妥当かを判断できます。

主な相場調査の方法は以下の通りです。

  • 不動産情報サイト: 同じエリア・築年数・広さの物件の価格を確認
  • 過去の取引事例: 国土交通省の「不動産取引価格情報検索」で実際の成約価格を確認
  • 固定資産税評価額: 固定資産税納税通知書に記載されている評価額を参考にする

これらの情報を総合的に判断することで、適正な価格帯を把握できます。

(2) 必要書類の確認と準備(登記済権利書等)

不動産売却には、10種類以上の書類が必要です。手続きに時間がかかったり、平日のみ入手可能な書類もあるため、早期確認と準備が重要です。

主な必要書類は以下の通りです。

| 書類名 | 内容 | 入手方法 | |--------|------|---------|| | 登記済権利書/登記識別情報 | 所有者であることを証明する最重要書類 | 購入時に取得(紛失時は再発行不可、代替手続きが必要) | | 固定資産税納税通知書 | 税金の精算に必要 | 毎年1月1日時点の所有者に郵送 | | 印鑑証明書 | 契約書への実印押印を証明 | 市区町村役場(有効期限3カ月) | | 住民票 | 所有者の住所確認 | 市区町村役場 | | 物件の図面・間取り図 | 構造・築年数・用途地域などの情報 | 購入時の資料、または不動産会社に依頼 |

特に、登記済権利書/登記識別情報は紛失すると再発行ができず、代替手続き(本人確認情報の作成等)に時間と費用がかかります。早期に所在を確認しておくことを推奨します。

(3) 査定の種類(机上査定・訪問査定)と複数社比較

査定には、机上査定訪問査定の2種類があります。

| 査定方法 | 内容 | メリット | デメリット | |----------|------|---------|-----------|| | 机上査定 | 物件情報を基にオンラインや電話で概算価格を算出 | 短時間で結果が出る | 精度が低い | | 訪問査定 | 不動産会社の担当者が実際に物件を訪問して詳細に査定 | 精度が高い | 時間がかかる |

査定は3〜5社程度に訪問査定を依頼して比較検討することを推奨します。複数社の査定額を比較することで、適正価格を判断でき、不動産会社の営業力や対応の質も確認できます。

(4) 媒介契約の3種類(専属専任・専任・一般)の違い

媒介契約には、「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類があり、売主が自由に選べます。

契約種類 依頼社数 自己発見取引 契約期間 メリット デメリット
専属専任媒介 1社のみ 不可 3カ月 積極的な販売活動が期待できる 最も拘束力が強い
専任媒介 1社のみ 可能 3カ月 積極的な販売活動が期待でき、柔軟性もある 1社に絞るため、営業力が低いと売却が長期化
一般媒介 複数社 可能 制限なし 複数社に依頼でき、柔軟性が高い 各社の販売活動が消極的になる可能性

専属専任媒介・専任媒介は、1社に絞ることで不動産会社が積極的に販売活動を行いますが、会社選びを誤ると売却が長期化するリスクがあります。一般媒介は複数社に依頼できますが、各社が「他社が売るかもしれない」と考え、活動が消極的になる可能性があります。

状況に応じて、最適な契約形態を選ぶことが重要です。

販売活動から売買契約の流れ

(1) 販売活動の内容と期間(3〜6カ月が目安)

媒介契約締結後、不動産会社は以下の販売活動を行います。

  • 広告掲載: 不動産情報サイト、チラシ、店頭への掲載
  • 内覧対応: 購入希望者への物件案内
  • 価格交渉: 買主からの価格交渉への対応

販売活動の期間は3〜6カ月が目安です。この期間中、不動産会社から定期的に活動報告を受け、必要に応じて価格の見直しや広告戦略の変更を検討します。

(2) 内覧対応と価格交渉のポイント

内覧対応では、物件の第一印象が重要です。以下のポイントに注意しましょう。

  • 清掃・整理整頓: 清潔な状態を保つことで、買主の印象が大きく向上
  • 照明・換気: 明るく風通しの良い状態にする
  • 修繕: 目立つ傷や設備の不具合は事前に修繕

価格交渉では、買主から値下げ交渉が入ることが一般的です。事前に「最低価格」を設定しておき、不動産会社と相談しながら柔軟に対応することを推奨します。

(3) 売買契約時の手付金と契約書確認

買主が決まったら、売買契約を締結します。契約時には、物件価格の10〜20%程度の手付金を受け取るのが一般的です。

契約書では、以下の事項を必ず確認してください。

  • 物件の表示: 住所、地番、面積等が正確か
  • 売買代金と支払い方法: 金額、手付金、残代金の支払い時期
  • 引き渡し時期: 所有権移転と物件引き渡しの日程
  • 瑕疵担保責任: 契約不適合責任の内容と期間
  • 契約解除の条件: 手付解除、ローン特約等の条件

契約書の内容は、宅地建物取引士が重要事項説明書と併せて説明します。不明点があれば、必ず確認してから契約してください。

決済・引き渡しと税務処理

(1) 残代金決済と所有権移転登記

売買契約から1〜2カ月後に、残代金の決済と所有権移転登記を行います。

決済当日の流れは以下の通りです。

  1. 残代金の受領: 買主から残代金を受け取る(銀行振込が一般的)
  2. 所有権移転登記: 司法書士が登記手続きを行う
  3. 鍵の引き渡し: 物件の鍵を買主に引き渡す
  4. 固定資産税の精算: 引き渡し日を基準に日割り計算で精算

決済は平日の金融機関営業時間内に行われることが多く、売主、買主、不動産会社、司法書士、金融機関担当者が同席します。

(2) 諸費用の内訳(仲介手数料・登記費用等)

不動産売却時には、以下の諸費用が発生します。

項目 内容 目安額
仲介手数料 不動産会社への成功報酬(法定上限額: 物件価格×3%+6万円+消費税) 物件価格の3〜4%
譲渡所得税 売却益にかかる税金(所有期間により税率が異なる) 売却益の約15〜39%
登記費用 抵当権抹消登記等の費用(司法書士報酬含む) 1〜3万円
印紙税 売買契約書に貼付する印紙代 1〜3万円
測量費 土地の境界確定が必要な場合 30〜100万円

これらの諸費用を考慮しないと、手元に残る金額が想定より少なくなります。事前に試算しておくことを推奨します。

(3) 譲渡所得税と確定申告の必要性

不動産を売却して利益が出た場合、譲渡所得税がかかります。譲渡所得税は、以下の計算式で算出されます。

譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)
譲渡所得税 = 譲渡所得 × 税率

税率は所有期間により異なります(2024年時点)。

  • 短期譲渡所得(所有期間5年以内): 約39%(所得税30%+住民税9%)
  • 長期譲渡所得(所有期間5年超): 約20%(所得税15%+住民税5%)

譲渡所得税は、売却翌年の2〜3月に確定申告が必要です。控除制度(居住用財産の3,000万円特別控除等)を活用できる場合もあるため、税理士への相談を推奨します。

まとめ:失敗しないための重要ポイント

(1) 適正価格の設定と売却スケジュールの余裕

不動産売却の成功には、適正価格の設定売却スケジュールに余裕を持つことが最も重要です。

  • 相場より高すぎると売れ残り、安すぎると損をするため、複数社の査定を比較して適正価格を設定する
  • 最低でも6カ月以上の余裕を持つことで、焦って安値で売却するリスクを避けられる

(2) 不動産会社の選び方と注意点

不動産会社の選び方を誤ると、売却が長期化したり、不利な条件で契約してしまうリスクがあります。

  • 複数社(3〜5社)に査定を依頼し、実績・評判を確認
  • 査定額だけでなく、担当者の対応や営業力も総合的に判断
  • 媒介契約の種類を理解し、状況に応じて最適な契約形態を選ぶ

(3) 専門家への相談タイミング

以下のような場合は、専門家(宅地建物取引士、税理士、土地家屋調査士等)への相談を推奨します。

  • 法的問題(境界未確定、用途制限、違法建築等)がある物件
  • 譲渡所得税の計算や控除制度の適用可否
  • 必要書類の紛失や代替手続き

不動産売却は高額な取引であり、法的・税務的な知識が必要です。不明点や不安がある場合は、早期に専門家に相談することで、トラブルを未然に防ぐことができます。

信頼できる不動産会社や専門家と相談しながら、無理のない売却計画を立てましょう。

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よくある質問

Q1不動産売却の期間はどのくらいかかる?

A1一般的に準備から引き渡しまで5〜6カ月が目安です。最短でも3〜4カ月、場合によっては1年以上かかることもあります。販売活動だけで3〜6カ月が標準的で、物件の状態、価格設定、立地条件により期間が変動します。

Q2売却にかかる費用はいくら?

A2仲介手数料(物件価格×3%+6万円+消費税が上限)、譲渡所得税、登記費用、印紙税、測量費等が発生します。仲介手数料は物件価格の3〜4%程度、譲渡所得税は売却益の約15〜39%が目安です。物件価格や状況により異なるため、事前に試算することを推奨します。

Q3どんな書類が必要?

A3登記済権利書/登記識別情報、固定資産税納税通知書、印鑑証明書、住民票、物件の図面・間取り図など10種類以上の書類が必要です。特に登記済権利書は紛失すると再発行ができず、代替手続きに時間と費用がかかるため、早期に所在を確認しておくことを推奨します。

Q4査定は何社に依頼すべき?

A43〜5社程度に訪問査定を依頼して比較検討することを推奨します。複数社の査定額を比較することで、適正価格を判断できるだけでなく、不動産会社の営業力や対応の質も確認できます。査定額だけでなく、担当者の対応も総合的に判断してください。

Q5媒介契約はどれを選ぶべき?

A5専属専任媒介、専任媒介、一般媒介の3種類があります。専属専任・専任は1社専属で積極的な販売活動が期待できますが、会社選びを誤ると売却が長期化します。一般は複数社依頼可能ですが、各社の活動が消極的になる可能性があります。状況に応じて最適な契約形態を選んでください。

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Room Match編集部

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