不動産のレインズとは?仕組み・メリット・一般の人が見る方法を解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/26

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不動産のレインズ、聞いたことはあるけれど実際何なのか?

不動産の売買を検討していると、「レインズ」という言葉を耳にすることがあります。「不動産会社しか見られないシステム」「一般の人は見られない」と聞いて、「自分には関係ないのか?」と感じた方もいるかもしれません。

この記事では、レインズの基本知識、仕組みと役割、一般の人が情報を見る方法を解説します。国土交通省のレインズ制度改正に関する公式発表レインズマーケットインフォメーション公式サイトの情報を元に、2025年時点の最新情報をお届けします。

初めて不動産売買を行う方でも、レインズを活用した効果的な物件探し・売却方法を理解できるようになります。

この記事のポイント

  • レインズは不動産会社専用のシステムだが、専任媒介契約を結んだ売主は登録証明書のIDで自分の物件情報を確認できる
  • 一般人はレインズマーケットインフォメーションで過去の成約価格を無料で検索できる(エリア、築年数、間取りで絞り込み可能)
  • 2025年1月から取引状況(ステータス)の登録が義務化され、リアルタイムで確認可能に
  • 全国で約14万社の不動産会社がレインズを利用しており、物件情報の共有により早期売却・購入のチャンスが広がる

不動産のレインズ(REINS)とは?【基本知識】

(1) レインズの正式名称と運営組織

レインズ(REINS) は、Real Estate Information Network System の略称です。

国土交通大臣指定の 不動産流通機構 が運営する、不動産会社専用の物件情報共有ネットワークです。

役割:

  • 全国の不動産会社が売買物件情報を登録・検索できるシステム
  • 物件の早期売却・購入を支援
  • 成約価格データの蓄積と公開

(2) 全国4つの指定流通機構(東日本・中部・近畿・西日本)

レインズは、全国を4つの地域に分けて運営されています。

組織名 対象地域 公式サイト
東日本レインズ 北海道・東北・関東・甲信越 https://www.reins.or.jp/
中部レインズ 愛知・岐阜・三重・静岡 https://www.central-reins.jp/
近畿レインズ 大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山 https://www.kinkireins.or.jp/
西日本レインズ 中国・四国・九州・沖縄 https://www.nishinihon-reins.or.jp/

各組織が独立してシステムを運営していますが、全国の物件情報は相互に検索できます。

(3) 約14万社の不動産会社が利用するネットワーク

2023年度のレインズ統計:

  • 会員数: 約14万5,241社
  • 新規登録物件数: 427万2,339件

(出典: 各レインズ公式サイト、2023年度実績)

全国のほぼすべての不動産会社がレインズに加盟しており、物件情報を共有しています。

レインズの仕組みと役割

(1) 不動産会社専用の物件情報共有システム

レインズは 不動産会社専用 のシステムです。一般の人が直接アクセスすることはできません。

仕組み:

  1. 不動産会社が売却物件をレインズに登録
  2. 全国の不動産会社が24時間検索可能
  3. 購入希望者に物件を紹介
  4. 売買成立後、成約価格を報告

メリット: 1社だけでなく、全国の不動産会社が物件を紹介できるため、早期売却の可能性が高まります。

(2) 専任媒介契約とレインズ登録義務

媒介契約の種類により、レインズへの登録義務が異なります。

媒介契約の種類 レインズ登録義務 登録期限
専属専任媒介契約 義務 5日以内
専任媒介契約 義務 7日以内
一般媒介契約 任意(義務なし) -

専任媒介契約・専属専任媒介契約: 1社の不動産会社のみに売却を依頼する契約。レインズ登録が義務付けられており、全国の不動産会社に物件情報が共有されます。

一般媒介契約: 複数の不動産会社に同時に売却を依頼できる契約。レインズ登録は任意のため、情報が共有されない場合があります。

(3) 売買成立後の成約価格報告

売買契約が成立した後、不動産会社はレインズに 成約価格 を報告する義務があります。

成約価格の活用:

  • レインズマーケットインフォメーション(後述)で一般公開
  • 実際の取引価格データとして、相場確認に活用

注意: 売り出し価格(売値)と成約価格は異なる場合があります。成約価格が実際の取引相場を示します。

レインズのメリットとデメリット

(1) メリット:全国の不動産会社が24時間情報共有、早期売却の可能性

メリット:

  • 広範囲への情報提供: 全国約14万社の不動産会社が物件情報を検索でき、買主候補が増加
  • 早期売却の可能性: 複数の不動産会社が同時に買主を探すため、売却スピードが向上
  • 適正価格の把握: 成約価格データにより、相場を正確に把握できる

(2) デメリット:一般媒介契約は登録義務なし、囲い込みリスク

デメリット:

  • 一般媒介契約は登録義務なし: レインズに登録されない場合、情報共有が限定され、売却機会が減少
  • 囲い込みリスク: 不動産会社が両手仲介(売主・買主双方から手数料を得る)を狙い、他社に物件情報を紹介しない行為が発生する可能性(後述の2025年制度改正で防止策強化)

囲い込みとは: 不動産会社が自社顧客のみに物件を紹介し、他社には紹介しない行為。宅地建物取引業法違反のおそれがあります。

(3) SUUMOやHOME'Sとの違い

SUUMOやHOME'Sとの比較:

項目 レインズ SUUMO・HOME'S
利用者 不動産会社のみ 一般の人も閲覧可能
情報内容 全国の売買物件情報 広告として掲載された物件
成約価格 報告義務あり 掲載なし
目的 業者間の情報共有 消費者向け広告

SUUMOやHOME'Sは一般向けの広告媒体ですが、レインズは業者間の情報共有システムです。レインズに登録されているすべての物件が、SUUMOやHOME'Sに掲載されるわけではありません。

一般の人がレインズ情報を見る方法

(1) 売主は登録証明書のIDで自分の物件を確認できる

専任媒介契約または専属専任媒介契約を結んだ売主は、自分の物件情報を確認できます。

手順:

  1. 不動産会社からレインズ 登録証明書 を受け取る
  2. 登録証明書に記載された 専用ID・パスワード を使用
  3. レインズの 売主専用画面 にアクセス
  4. 自分の物件の取引状況を確認

確認できる情報:

  • 物件の登録状況
  • 取引状況(公開中・申込あり・一時停止中)
  • 登録内容の詳細

2025年1月から: QRコード付き登録証明書が導入され、スマホで簡単にアクセスできるようになりました(後述)。

(2) レインズマーケットインフォメーションで成約価格を検索

レインズマーケットインフォメーション は、レインズの成約価格データを一般公開したサイトです。

公式サイト: http://www.contract.reins.or.jp/

検索できる情報:

  • 成約価格: 実際に売買契約が成立した価格
  • 検索条件: エリア、築年数、間取り、専有面積等
  • データ期間: 過去2年間(一部地域は過去1年間)
  • グラフ表示: 価格推移をグラフで確認

使い方:

  1. レインズマーケットインフォメーションにアクセス
  2. 「マンション」または「戸建」を選択
  3. 都道府県・市区町村を選択
  4. 築年数・間取り等を絞り込み
  5. 成約価格の統計データを表示

注意: 現在売り出し中の物件情報は見られません。過去の成約価格のみです。

(3) 不動産会社に来店してレインズの物件情報を見せてもらう

購入を検討している場合、不動産会社に来店すれば、レインズに登録されている物件情報をその場で見せてもらえます。

手順:

  1. 不動産会社に来店
  2. 希望条件(エリア、価格、間取り等)を伝える
  3. 不動産会社がレインズで物件を検索
  4. その場で物件情報を確認

メリット: SUUMOやHOME'Sに掲載されていない物件も見つかる可能性があります。

2025年1月施行の新制度【ステータス管理義務化】

(1) 取引状況の3つのステータス(公開中・申込あり・一時停止中)

2025年1月1日から、国土交通省が宅地建物取引業法施行規則を改正し、レインズへの 取引状況(ステータス)登録が義務化 されました。

3つのステータス:

ステータス 意味
公開中 通常通り物件を紹介可能
書面による購入申込あり 購入申込書が提出されているが、まだ契約は成立していない
売主都合で一時紹介停止中 売主の事情により一時的に紹介を停止

(出典: 国土交通省「レインズにおける取引状況の登録制度の導入」

目的: リアルタイムで物件の取引状況を共有し、囲い込みを防止

(2) QRコード付き登録証明書で簡単アクセス

2025年1月4日から、レインズ登録証明書に QRコード が追加されました。

使い方:

  1. 不動産会社から受け取った登録証明書のQRコードをスマホで読み取る
  2. 売主専用画面に自動でアクセス
  3. 自分の物件の取引状況をリアルタイムで確認

メリット: ID・パスワードの手入力が不要で、簡単にアクセスできます。

(3) 囲い込み防止と取引透明性の向上

ステータス管理義務化により、以下の効果が期待されています。

効果:

  • 囲い込みの防止: 「公開中」のステータスが表示されているのに他社が紹介できない場合、囲い込みの疑いがあると判断できる
  • 取引透明性の向上: 売主が自分の物件の状況をリアルタイムで確認でき、不動産会社の対応を監視できる

注意: 不動産会社がステータスを正しく更新しない場合、情報が不正確になるリスクがあります。売主は定期的に確認しましょう。

まとめ:レインズを活用した賢い不動産売買

レインズは不動産会社専用のシステムですが、専任媒介契約を結んだ売主は登録証明書のIDで自分の物件情報を確認でき、一般の人はレインズマーケットインフォメーションで過去の成約価格を無料で検索できます。

2025年1月から取引状況(ステータス)の登録が義務化され、「公開中」「申込あり」「一時停止中」の3つがリアルタイムで確認可能になりました。QRコード付き登録証明書でスマホから簡単にアクセスできます。

全国で約14万社の不動産会社がレインズを利用しており、物件情報の共有により早期売却・購入のチャンスが広がります。不動産売買を検討している方は、不動産会社にレインズ登録の有無を確認し、登録証明書を受け取って取引状況を定期的に確認しましょう。

詳細はレインズマーケットインフォメーションや不動産会社にご確認ください。

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よくある質問

Q1レインズは一般人でも見ることができますか?

A1レインズ本体は不動産会社専用のシステムで、一般の人が直接閲覧することはできません。ただし、専任媒介契約または専属専任媒介契約を結んだ売主は、登録証明書に記載された専用IDとパスワードで自分の物件情報を確認できます。また、一般の人はレインズマーケットインフォメーション(http://www.contract.reins.or.jp/)で過去の成約価格を無料で検索できます。エリア、築年数、間取りで絞り込み、過去2年間のデータをグラフ表示できます。

Q2レインズへの登録は義務ですか?

A2専任媒介契約は7日以内、専属専任媒介契約は5日以内の登録が義務です。一般媒介契約では登録義務がありません。専任媒介契約・専属専任媒介契約は1社の不動産会社のみに売却を依頼する契約で、レインズ登録が義務付けられており、全国の不動産会社に物件情報が共有されます。一般媒介契約は複数の不動産会社に同時に依頼できますが、レインズ登録は任意のため、情報が共有されない場合があります。

Q3レインズマーケットインフォメーションで何がわかりますか?

A3過去の成約価格を無料で検索できます。エリア、築年数、間取り、専有面積等で絞り込み、過去2年間(一部地域は1年間)のデータをグラフ表示できます。実際に売買契約が成立した価格(成約価格)を確認できるため、売り出し価格(売値)よりも正確な相場把握が可能です。ただし、現在売り出し中の物件情報は見られません。マンションと戸建の両方に対応しており、都道府県・市区町村ごとに統計データを表示できます。

Q42025年1月から何が変わりましたか?

A4取引状況(ステータス)の登録が義務化され、「公開中」「書面による購入申込あり」「売主都合で一時紹介停止中」の3つがリアルタイムで確認できるようになりました。QRコード付き登録証明書が導入され、スマホでQRコードを読み取るだけで売主専用画面に簡単にアクセスできます。これにより、囲い込みの防止と取引透明性の向上が期待されています。売主は自分の物件の状況を定期的に確認し、不動産会社の対応を監視できます。

Q5囲い込みとは何ですか?

A5不動産会社が両手仲介(売主・買主双方から仲介手数料を得る)を狙い、他社に物件情報を紹介せず自社顧客のみに紹介する行為です。宅地建物取引業法違反のおそれがあります。2025年1月施行のステータス管理義務化により、「公開中」のステータスが表示されているのに他社が紹介できない場合、囲い込みの疑いがあると判断できるようになりました。売主は登録証明書で取引状況を定期的に確認し、不審な点があれば不動産会社に問い合わせることが重要です。

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Room Match編集部

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