不動産投資とは?初心者が知るべき基礎知識

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/21

不動産投資とは?仕組みと2024-2025年の市場動向

不動産投資に興味を持ち始めた方にとって、「仕組みはどうなっているのか」「リスクはどれくらいなのか」という疑問は尽きません。

この記事では、不動産投資の基礎知識、仕組み、リスクと対策、始め方のステップを、国土交通省国税庁の公式情報を元に解説します。

初めて不動産投資を検討する方でも、基礎知識と判断基準を理解できるようになります。

この記事のポイント

  • 不動産投資は、マンション・アパート等を購入し、家賃収入や売却益を得る投資手法
  • 2024年の投資額は前年比63%増の5兆4,875億円を記録(9年ぶり5兆円超え)
  • ミドルリスク・ミドルリターンで、株式投資より安定性が高い
  • 初心者は都心の区分マンション投資がおすすめ(少額資金で始めやすい)
  • 空室リスクが最大のリスクで、人口増加エリア・駅近物件の選定が重要

不動産投資の定義(マンション・アパート等を購入し賃料収入・売却益を得る投資)

みずほ不動産販売によると、不動産投資とは、マンションやアパート等の不動産を購入し、運用することで利益を得る投資手法です。

不動産投資は、以下の2つの利益パターンがあります。

  • インカムゲイン(家賃収入): 不動産を賃貸して得られる継続的な収益
  • キャピタルゲイン(売却益): 不動産を売却して得られる一時的な収益

インカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売却益)

不動産投資の主な収益源は**インカムゲイン(家賃収入)**です。入居者が定着すれば、長期的に安定した収益が見込めます。

**キャピタルゲイン(売却益)**は、不動産価格が購入時より上昇した場合に得られる利益です。ただし、不動産価格は市場動向により変動するため、確実性はありません。

ミドルリスク・ミドルリターンの投資(株式・投資信託との比較)

RENOSYによると、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンな投資と位置付けられます。

投資手法 リスク リターン 流動性
株式投資 高(即座に売却可能)
不動産投資 低(売却に時間がかかる)
預金

不動産投資は、株式投資より価格変動が小さく、預金より高いリターンが期待できます。

2024年の投資額は前年比63%増の5兆4,875億円(9年ぶり5兆円超え)

JLLによると、2024年の日本の不動産投資額は前年比63%増の5兆4,875億円を記録し、9年ぶりに5兆円を超えました。

ホテルセクターが市場を牽引し、ホテル投資額が2008年以降で初の1兆円を突破しました。

2025年の見通し(政策金利上昇と投資家の積極姿勢)

2025年は政策金利の上昇が注目点ですが、投資家の9割以上が今後も不動産投資を積極的に行うと回答しています。

2025年上半期の国内投資額は前年同期比22%増の3兆1,932億円を記録し、東京が世界の都市別投資額で1位になりました。

不動産投資の種類と初心者におすすめの投資手法

区分マンション投資(マンション1室・少額資金で可能)

区分マンション投資とは、マンションの1室を購入して賃貸運用する投資です。

特徴:

  • 少額資金で始めやすい: 数百万円~2,000万円程度で購入可能
  • 管理が楽: 建物全体の管理は管理組合が行う
  • 入居率が高い: 都心の駅近物件は需要が高い

初心者に最もおすすめの投資手法です。

一棟アパート・マンション投資(大規模投資・高リターン)

一棟アパート・マンション投資とは、アパートやマンションを1棟丸ごと購入して賃貸運用する投資です。

特徴:

  • 高リターン: 複数室から家賃収入を得られる
  • 大規模投資: 数千万円~数億円の資金が必要
  • 管理の手間: 建物全体の管理・修繕が必要

資金力と経験が求められるため、中級者以上向けです。

戸建て投資(ファミリー向け・長期入居)

戸建て投資とは、一戸建て住宅を購入して賃貸運用する投資です。

特徴:

  • ファミリー向け: 長期入居が期待できる
  • 価格帯: 1,000万円~3,000万円程度
  • 競合が少ない: 戸建て賃貸は供給が少なく、需要が高い

地方都市や郊外で需要が高い傾向があります。

J-REIT(不動産投資信託・小口投資・高流動性)

**J-REIT(不動産投資信託)**とは、投資家から資金を集めて不動産に投資し、賃料収入や売却益を分配する金融商品です。

特徴:

  • 小口投資: 数万円から投資可能
  • 高流動性: 証券取引所で売買可能
  • 管理不要: 運用会社が管理

不動産投資の入門として活用できます。

初心者には区分マンション投資がおすすめの理由

武蔵コーポレーションによると、初心者は区分マンション投資から始めるのがおすすめです。

理由:

  1. 少額資金で始めやすい(ローンを活用すれば自己資金10~20%で可能)
  2. 都心の駅近物件は入居率が高い
  3. 管理組合が建物管理を行うため、管理の手間が少ない

不動産投資のメリット・デメリット

メリット:安定した家賃収入、ローン活用、相続税対策、インフレ対策

不動産投資のメリットは以下の通りです。

メリット 内容
安定した家賃収入 入居者が定着すれば長期的に安定した収益
ローン活用 自己資金の数倍の投資が可能(レバレッジ効果)
相続税対策 不動産は評価額が下がり、相続税を抑えられる
インフレ対策 物価上昇時に不動産価格・家賃も上昇する傾向

デメリット:流動性が低い、初期費用が高い、管理の手間

不動産投資のデメリットは以下の通りです。

デメリット 内容
流動性が低い 売却に時間がかかる(数ヶ月~1年)
初期費用が高い 数百万円~数千万円の資金が必要
管理の手間 入居者対応、修繕、確定申告等の手間

不動産投資の7つのリスクと対策

空室リスク(最大のリスク・人口増加エリア・駅近物件を選ぶ)

武蔵コーポレーションによると、空室リスクが不動産投資の最大のリスクです。

リスク内容:

  • 入居者がいないと賃料収入がゼロになる
  • ローン返済がマイナスキャッシュフローになる可能性

対策:

  • 人口増加エリアを選ぶ: 都心、駅近物件は需要が高い
  • サブリース契約: 不動産会社が空室時でも一定の賃料を保証
  • 家賃保証サービス: 空室リスクを軽減

家賃滞納リスク(家賃保証サービスの活用)

家賃滞納リスクとは、入居者が家賃を滞納するリスクです。

対策:

  • 家賃保証サービスの活用: 保証会社が家賃を立て替える
  • 入居審査の徹底: 収入証明書の確認、信用情報のチェック

災害リスク(火災保険・地震保険の加入)

災害リスクとは、火災・地震・水害等で物件が損壊するリスクです。

対策:

  • 火災保険の加入: 火災・落雷・水災等に備える
  • 地震保険の加入: 地震による損壊に備える
  • ハザードマップの確認: 購入前に水害・地震リスクを確認

金利上昇リスク(固定金利の検討・余裕ある返済計画)

金利上昇リスクとは、ローンの金利が上昇し、返済額が増えるリスクです。

対策:

  • 固定金利の検討: 金利上昇の影響を受けない
  • 余裕ある返済計画: 金利上昇を見込んだシミュレーション

価格下落リスク(市場調査・好立地選定)

価格下落リスクとは、不動産価格が下落し、売却損が発生するリスクです。

対策:

家賃下落リスク(長期収益シミュレーション)

家賃下落リスクとは、物件の経年劣化に伴い家賃が下落するリスクです。

対策:

  • 長期収益シミュレーション: 家賃下落を見込んだ収益計算
  • 定期的なリフォーム: 物件の魅力を維持

修繕リスク(築年数を考慮・修繕積立金の確保)

修繕リスクとは、築年数が経つと大規模修繕(屋上防水、外壁塗装等)で数百万円の費用がかかるリスクです。

対策:

  • 築年数を考慮: 築浅物件は修繕リスクが低い
  • 修繕積立金の確保: 将来の修繕費用を積み立てる

不動産投資の始め方(必要資金・準備ステップ)

必要資金の目安(区分マンションなら自己資金10~20%・融資活用)

区分マンション投資の必要資金の目安は以下の通りです。

物件価格 自己資金(10~20%) 融資額(80~90%)
1,000万円 100~200万円 800~900万円
2,000万円 200~400万円 1,600~1,800万円
3,000万円 300~600万円 2,400~2,700万円

ステップ1:ポータルサイトで相場把握・書籍とセミナーで知識習得

武蔵コーポレーションによると、まずはポータルサイトで市場の相場を把握し、書籍やセミナー(最低2つ以上)で基礎知識を習得することが重要です。

ステップ2:不動産会社選び(複数社比較・営業トークに注意)

不動産会社選びが最重要です。営業トークに乗せられて高額で割高な物件を購入するトラブルが多いため、複数社で相見積もり・相場確認が必須です。

ステップ3:物件選定と収益シミュレーション

物件選定では、以下の点を確認してください。

  • 立地: 都心、駅近物件は入居率が高い
  • 築年数: 築浅物件は修繕リスクが低い
  • 利回り: 表面利回り5~7%が目安
  • 収益シミュレーション: 空室率、家賃下落を見込んだ計算

ステップ4:融資申込(日本政策金融公庫は初心者に間口が広い)

融資は、日本政策金融公庫が初心者にも間口が広く利用しやすい(民間金融機関より審査が柔軟)と言われています。

ステップ5:賃貸管理と確定申告(不動産所得の計算)

国税庁によると、不動産所得(総収入金額 - 必要経費)がある場合は確定申告が必要です。

不動産所得の計算式:

  • 総収入金額(家賃収入) - 必要経費(管理費、修繕費、減価償却費等) = 不動産所得

詳細は国税庁の収支内訳書(不動産所得用)の書き方を確認してください。

まとめ:後悔しない不動産投資のためのアクション

不動産投資は、マンション・アパート等を購入し、家賃収入や売却益を得る投資手法です。ミドルリスク・ミドルリターンで、株式投資より安定性が高い特徴があります。

初心者は、都心の区分マンション投資から始めるのがおすすめです。少額資金で始めやすく、入居率が高いためです。

空室リスクが最大のリスクであるため、人口増加エリア・駅近物件を選び、サブリース契約や家賃保証を検討しましょう。

不動産会社選びが最重要です。複数社で比較し、営業トークに乗せられないよう注意してください。

**この記事は投資勧誘ではありません。最終的な投資判断は自己責任で行ってください。**税金や法律に関する詳細は、税理士やファイナンシャルプランナーへの相談を推奨します。

よくある質問

Q1不動産投資とは何ですか?

A1マンション・アパート等を購入し、家賃収入(インカムゲイン)や売却益(キャピタルゲイン)を得る投資手法です。入居者が定着すれば長期的に安定した収益が見込めます。ミドルリスク・ミドルリターンで、株式投資より安定性が高い特徴があります。

Q2初心者はいくらから不動産投資を始められますか?

A2区分マンションなら数百万円~、ローンを活用すれば自己資金10~20%程度で可能です。例えば2,000万円の物件なら自己資金200~400万円で始められます。初心者は都心の区分マンション投資がおすすめです(少額資金で始めやすく、入居率が高い)。

Q3不動産投資の最大のリスクは何ですか?

A3空室リスクが最大のリスクです。入居者がいないと賃料収入がゼロになり、ローン返済がマイナスキャッシュフローになる可能性があります。対策として、人口増加エリア・駅近物件を選び、サブリース契約や家賃保証を検討することが重要です。

Q4株式投資と不動産投資の違いは何ですか?

A4不動産投資は入居者が定着すれば長期的に安定した収益が見込める(ミドルリスク・ミドルリターン)のに対し、株式投資は短期的な価格変動が大きい(ハイリスク・ハイリターン)特徴があります。また、不動産投資はローンを活用したレバレッジ効果が大きい点も異なります。

Q5不動産投資で確定申告は必要ですか?

A5不動産所得(総収入金額 - 必要経費)がある場合は確定申告が必要です。家賃収入から管理費・修繕費・減価償却費等を差し引いて不動産所得を計算します。詳細は国税庁サイトで確認するか、税理士への相談を推奨します。

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Room Match編集部

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