不動産流通の仕組みと業者選びの完全ガイド

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/16

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不動産流通の重要性と業者選びの必要性

不動産を売却したり購入したりする際、「どの不動産会社を選べばいいのか」「信頼できる業者はどう見分けるのか」と悩む方は少なくありません。

この記事では、不動産流通の仕組み(REINS・レインズ)、不動産会社の種類、媒介契約の選び方、業者選びのチェックポイント、注意すべきリスクを、国土交通省の公式情報を元に解説します。

不動産流通の仕組みを正しく理解することで、透明性の高い取引ができ、信頼できる業者を見極められるようになります。

この記事のポイント

  • REINS(レインズ)は国土交通大臣指定の不動産情報ネットワークシステム
  • 専任媒介契約・専属専任媒介契約ではREINS登録が義務化されている
  • 両手仲介は利益相反のリスクがあり、売主・買主双方に不利益をもたらす可能性
  • 囲い込み(REINS登録を怠る行為)は宅地建物取引業法違反
  • 仲介手数料の上限は物件価格の3%+6万円+消費税(400万円超の場合)

不動産取引は高額で専門的な知識が必要なため、業者選びは慎重に行う必要があります。この記事で、不動産流通の基本から業者選びのポイントまでを理解し、安心できる取引を実現しましょう。

不動産流通とREINS(レインズ)の仕組み

(1) REINSとは何か

REINS(レインズ、Real Estate Information Network System)は、国土交通大臣指定の指定流通機構が運営する不動産情報ネットワークシステムです。

REINSの役割:

  • 不動産会社が売却を受託した物件情報を登録
  • 全国の不動産会社が物件情報を共有
  • 売主と買主のマッチングを効率化
  • 取引の透明性を確保

専任媒介契約・専属専任媒介契約を結んだ物件は、REINS登録が義務付けられています。これにより、広く買主を探すことができ、売主にとって有利な取引が可能になります。

(2) 全国4つの指定流通機構

全国には、以下の4つの指定流通機構が存在します。

機構名 対応エリア
東日本不動産流通機構 北海道・東北・関東
中部圏不動産流通機構 中部地方
近畿圏不動産流通機構 近畿地方
西日本不動産流通機構 中国・四国・九州・沖縄

それぞれの機構が地域の不動産情報を管理し、全国的なネットワークを構築しています。

(3) REINS Market Informationの活用

REINS Market Informationは、一般消費者向けにREINSの成約価格情報を公開するサイトです。

活用方法:

  • 購入検討エリアの成約価格を確認
  • 売却価格の目安を把握
  • 不動産会社の査定価格が適正かどうか判断

不動産会社の査定を受ける前に、REINS Market Informationで相場を確認することで、査定価格の妥当性を判断できます。

不動産会社の種類と選び方のポイント

(1) 大手と地域密着型の違い

不動産会社には、大手と地域密着型の2種類があります。

項目 大手不動産会社 地域密着型不動産会社
物件情報 全国展開、豊富 地域特化、詳細
営業ネットワーク 全国に拠点 地域に集中
強み ブランド力、広告力 地元の土地勘、人脈
向いている人 幅広い選択肢が欲しい 特定エリアで探したい

選び方のポイント:

  • 全国的に物件を探したい場合は大手
  • 特定のエリアで詳しい情報が欲しい場合は地域密着型
  • 両方に相談して比較するのもおすすめ

(2) 中古マンション専門業者の強み

中古マンション専門の不動産会社(例:Wing不動産流通等)には、以下の強みがあります。

  • 専門性: 中古マンション市場に特化した知識と経験
  • 地域密着: そのエリアの相場や物件情報に詳しい
  • ネットワーク: 地元の管理組合や売主との人脈
  • リフォーム提案: 中古マンションのリフォーム・リノベーションに強い

中古マンションの購入や売却を検討する場合、専門業者への相談も選択肢の一つです。

注意点: 「ウイング」という名称の不動産会社は全国に複数存在し、それぞれ独立した別会社です。混同しないよう、所在地や事業内容を確認してください。

(3) 免許番号と実績の確認方法

信頼できる不動産会社を見極めるには、以下の点を確認しましょう。

免許番号の確認:

  • 不動産会社は宅地建物取引業の免許が必要
  • 免許番号は「国土交通大臣(3)第〇〇号」「〇〇県知事(2)第〇〇号」の形式
  • カッコ内の数字は更新回数(大きいほど営業歴が長い)

実績の確認:

  • 公式サイトで取引実績・顧客体験談を確認
  • 口コミサイト・レビューサイトで評判を確認
  • 複数の不動産会社を比較する

媒介契約の種類と特徴

(1) 専属専任媒介契約

特徴:

  • 1社の不動産会社のみに売却を依頼
  • 自己発見取引(自分で買主を見つける)も禁止
  • REINS登録義務: 5日以内
  • 売主への状況報告: 1週間に1回以上

向いている人:

  • 確実に売却したい
  • 手厚いサポートが欲しい
  • 売却活動を不動産会社に一任したい

(2) 専任媒介契約

特徴:

  • 1社の不動産会社のみに売却を依頼
  • 自己発見取引は可能
  • REINS登録義務: 7日以内
  • 売主への状況報告: 2週間に1回以上

向いている人:

  • 専門家のサポートを受けつつ、自分でも買主を探したい
  • REINS登録で広く買主を探したい

(3) 一般媒介契約

特徴:

  • 複数の不動産会社に売却を依頼可能
  • 自己発見取引も可能
  • REINS登録義務: なし(任意)
  • 売主への状況報告: 義務なし

向いている人:

  • 複数の不動産会社から提案を受けたい
  • 自分で積極的に売却活動を進めたい

(4) REINS登録義務の違い

媒介契約の種類 REINS登録義務 登録期限
専属専任媒介 あり 5日以内
専任媒介 あり 7日以内
一般媒介 なし(任意) -

専任媒介契約・専属専任媒介契約では、REINS登録が義務化されているため、広く買主を探すことができます。一般媒介契約ではREINS登録は任意ですが、登録することで買主とのマッチング機会を増やせます。

注意点とリスク回避策

(1) 囲い込みとは

囲い込みは、売主から預かった物件情報を他社に公開せず、自社で買主を見つけようとする違法行為です。

囲い込みの手口:

  • REINS登録を怠る
  • REINS登録はするが、他社からの問い合わせに「商談中」と虚偽の回答
  • 売主に「買主が見つかりそうだから値下げしましょう」と提案し、自社の買主に有利な条件で契約

囲い込みのリスク:

  • 売主は適正価格で売却できない
  • 買主とのマッチング機会を失う
  • 宅地建物取引業法違反

囲い込みを防ぐ方法:

  • REINS登録証明書を必ず確認する
  • 定期的に「REINS Market Information」で自分の物件が掲載されているか確認
  • 他の不動産会社に「この物件は紹介可能か」と問い合わせてみる

(2) 両手仲介のリスク

両手仲介は、売主・買主双方から仲介手数料を受け取る取引形態です。

両手仲介のリスク:

  • 利益相反: 不動産会社は売主・買主双方の利益を代表できない
  • 売主には「価格を下げましょう」、買主には「この価格は適正です」と提案し、双方から手数料を得る可能性
  • 透明性の低下

片手仲介との違い:

  • 片手仲介: 売主または買主のいずれか一方からのみ仲介手数料を受け取る
  • 両手仲介: 売主・買主双方から仲介手数料を受け取る

リスクを避ける方法:

  • 不動産会社に「両手仲介か片手仲介か」を確認
  • 片手仲介を明示している会社を選ぶ
  • REINS登録を確実に行う会社を選ぶ

(3) 仲介手数料の上限

仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法で定められています。

物件価格 仲介手数料の上限
200万円以下 物件価格の5% + 消費税
200万円超〜400万円以下 物件価格の4% + 2万円 + 消費税
400万円超 物件価格の3% + 6万円 + 消費税

: 物件価格3,000万円の場合

  • 仲介手数料の上限 = 3,000万円 × 3% + 6万円 + 消費税 = 105.6万円(消費税10%の場合)

この上限を超える請求は違法です。不動産会社から見積もりを受け取ったら、必ず上限以内かどうか確認してください。

近年の傾向:

  • 仲介手数料無料または割引のサービスが登場(例:REDS等)
  • 買主側の仲介手数料を無料にする会社も増加

(4) トラブル時の相談先

不動産取引でトラブルが発生した場合、以下の相談先があります。

相談先 内容
宅地建物取引業保証協会 業者の違法行為、仲介手数料のトラブル等
消費生活センター 消費者トラブル全般
弁護士 契約内容、法的紛争
不動産鑑定士 適正価格の評価

重大なトラブルが発生した場合、早めに専門家に相談することを推奨します。

信頼できる業者選びのポイント

信頼できる不動産会社を選ぶには、以下のポイントをチェックしましょう。

1. 免許番号の確認

  • 宅地建物取引業の免許番号を確認
  • カッコ内の数字(更新回数)が大きいほど営業歴が長い

2. REINS登録の徹底

  • 専任媒介契約・専属専任媒介契約を結んだ場合、REINS登録を確実に行う会社を選ぶ
  • REINS登録証明書を必ず受け取る

3. 両手仲介の有無

  • 両手仲介を行わない(片手仲介のみ)会社を選ぶ
  • 不動産会社に「両手仲介か片手仲介か」を質問する

4. 仲介手数料の透明性

  • 仲介手数料の見積もりを必ず書面で受け取る
  • 上限以内かどうか確認
  • 追加費用がないか確認

5. 実績と口コミ

  • 公式サイトで取引実績・顧客体験談を確認
  • 口コミサイト・レビューサイトで評判を確認
  • 複数の不動産会社を比較する

6. 宅地建物取引士の在籍

  • 宅地建物取引士が在籍しているか確認
  • 重要事項説明を行う担当者が宅地建物取引士であるか確認

7. 契約内容の説明

  • 契約内容を丁寧に説明してくれるか
  • 質問に対して誠実に回答してくれるか
  • 焦らせる・強引な勧誘をしないか

8. アフターフォロー

  • 契約後のアフターフォローが充実しているか
  • トラブル時の対応窓口があるか

複数の不動産会社に相談し、上記のポイントを比較することで、信頼できる業者を見極められます。

まとめ

不動産流通の仕組みを理解し、信頼できる業者を選ぶことで、透明性の高い安心できる取引が可能になります。

REINS登録の徹底、両手仲介の回避、囲い込みの防止、仲介手数料の上限確認など、この記事で解説したポイントを押さえて、納得のいく不動産取引を実現してください。

不動産取引は高額で専門的な知識が必要です。複数の不動産会社に相談し、宅地建物取引士や弁護士等の専門家のアドバイスを受けながら、慎重に進めることを推奨します。

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よくある質問

Q1REINSとは何ですか?一般消費者も利用できますか?

A1REINSは国土交通大臣指定の不動産情報ネットワークシステムで、不動産会社が物件情報を登録・共有します。一般消費者は直接REINSを利用できませんが、「REINS Market Information」で成約価格を閲覧できます。購入検討エリアの相場確認や、不動産会社の査定価格が適正かどうかの判断に活用できます。

Q2仲介手数料はどれくらいかかりますか?

A2上限は物件価格の3%+6万円+消費税(400万円超の場合)です。例えば、物件価格3,000万円の場合、仲介手数料の上限は105.6万円(消費税10%の場合)です。この上限を超える請求は違法です。近年は仲介手数料無料や割引のサービス(REDS等)も登場しており、複数の不動産会社を比較することを推奨します。

Q3「囲い込み」とは何ですか?

A3囲い込みは、売主から預かった物件を他社に公開せず、自社で買主を見つけようとする違法行為です。REINS登録を怠ったり、他社からの問い合わせに「商談中」と虚偽の回答をしたりします。売主は適正価格で売却できず、買主とのマッチング機会を失います。防止策として、REINS登録証明書を必ず確認し、定期的に「REINS Market Information」で自分の物件が掲載されているか確認してください。

Q4専任媒介契約と一般媒介契約の違いは?

A4専任媒介契約は1社のみに依頼し、REINS登録が義務(7日以内)です。一般媒介契約は複数社に依頼可能ですが、REINS登録は任意です。専属専任媒介契約は自己発見取引も禁止で、REINS登録義務は5日以内です。広く買主を探したい場合は専任媒介契約、複数社から提案を受けたい場合は一般媒介契約が向いています。

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Room Match編集部

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