固定資産税の評価替えとは(3年ごとの見直し制度)
不動産を所有している方にとって、「固定資産税の評価替えはいつ行われるのか」「次回の評価替えで税額は上がるのか」といった疑問は重要です。
この記事では、固定資産税の評価替えの仕組み、見直し時期、2024年度の評価替えの影響を、総務省、大阪市の公式情報を元に解説します。
初めて評価替えについて知る方でも、税額の変動に備えられるようになります。
この記事のポイント
- 固定資産税の評価替えは3年に1度実施され、最新は令和6年度(2024年度)、次回は令和9年度(2027年度)
- 評価替えを行う年を「基準年度」、翌年と翌々年を「据置年度」と呼び、据置年度は原則として評価額が据え置かれる
- 2024年度の評価替えでは材料費高騰により再建築費評点補正率が上昇(木造1.11、非木造1.07)し、家屋の固定資産税が上がる可能性がある
- 据置年度でも、新築・増改築、地価下落の場合は評価額が変更される
- 評価額に不服がある場合は、納税通知書を受け取った日の翌日から3か月以内に審査申出が可能
(1) 評価替えの仕組み(土地・家屋の評価額を見直し)
固定資産税の評価替えとは、土地・家屋の評価額を3年に1度見直す制度です。総務省によると、評価替えは地価等の変動に応じて見直すために行われます。
固定資産税の評価額は、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて市町村が決定します。土地の評価額は公示価格の7割程度、家屋の評価額は再建築価格の5~6割程度が目安です。
(2) 3年ごとの評価替えの理由(実務的な負担、課税コスト最小化)
大量の土地・家屋を毎年度評価することは実務的に困難であり、課税コスト最小化の観点から3年ごとの見直しとなっています。
評価替えを行う年を「基準年度」、翌年と翌々年を「据置年度」と呼びます。据置年度は、原則として基準年度の価格が据え置かれます。
(3) 固定資産評価基準(総務大臣が定める基準)
固定資産評価基準とは、総務大臣が定めた、固定資産税の評価額を決定する基準です。この基準に基づき、各市町村が土地・家屋の評価額を決定します。
評価基準は、市場価格や建築物価の変動を反映するため、定期的に見直されます。
固定資産税の評価替え時期(基準年度と据置年度)
(1) 基準年度とは(評価替えを実施する年)
基準年度とは、評価替えを実施する年です。大阪市によると、令和6年度(2024年度)は評価替えの基準年度にあたります。
(2) 据置年度とは(評価額を据え置く年)
据置年度とは、評価替えの翌年と翌々年(原則として評価額を据え置く年)です。例えば、令和6年度が基準年度の場合、令和7年度(2025年度)と令和8年度(2026年度)が据置年度です。
ただし、据置年度でも、地価が下落して価格を据え置くことが適当でない場合は、価格修正が行われます。
(3) 過去の評価替え時期(令和3年度、令和6年度)
過去の評価替え時期は以下の通りです。
| 年度 | 評価替え |
|---|---|
| 令和3年度(2021年度) | 基準年度 |
| 令和6年度(2024年度) | 基準年度 |
(4) 次回の評価替え時期(令和9年度・2027年度)
次回の評価替えは、令和9年度(2027年度)です。3年ごとの評価替えサイクルに従い、令和9年度が基準年度となります。
(5) その次の評価替え時期(令和12年度・2030年度)
その次の評価替えは、令和12年度(2030年度)です。以降も3年ごとに評価替えが実施されます。
2024年度(令和6年度)の評価替えの影響と税額の変動
(1) 土地の評価額(公示価格の7割程度)
総務省によると、土地の評価額は公示価格の7割程度です。2024年度の評価替えでは、地価の上昇・下落に応じて評価額が見直されます。
(2) 家屋の評価額(再建築価格の5~6割程度)
家屋の評価額は、再建築価格の5~6割程度です。再建築価格とは、その家屋と同一のものを建築した場合の費用です。
(3) 再建築費評点補正率の変動(木造1.11、非木造1.07)
MONEYIZMによると、2024年の評価替えでは、材料費高騰により再建築費評点補正率が上昇しました。
| 構造 | 補正率 |
|---|---|
| 木造 | 1.11 |
| 非木造 | 1.07 |
この補正率の上昇は、前回の評価替えから3年間の建築物価変動を反映したものです。
(4) 材料費高騰による固定資産税の上昇傾向
材料費高騰により再建築費評点補正率が上昇したため、家屋の固定資産税が上がる可能性があります。ただし、古い家屋は経年減点補正率により評価額が下がるため、個別の不動産により異なります。
(5) 古い家屋の経年減点補正率(下限:木造0.2、非木造0.2)
古い家屋は、経年減点補正率により評価額が下がります。ただし、下限があり、木造0.2、非木造0.2より低くはなりません。
つまり、築年数が非常に古い家屋でも、評価額は一定以上下がらないということです。
(6) 負担調整措置の延長(令和6年4月1日~令和9年3月31日)
税理士法人山田&パートナーズによると、負担調整措置は3年間(令和6年4月1日~令和9年3月31日)延長されました。負担調整措置とは、評価替えにより税負担が急激に増加することを防ぐための措置です。
据置年度でも評価額が変わる特別なケース
(1) 新築・増改築の場合
据置年度でも、新築・増改築など特別な事情がある場合は、評価額が変更されます。新築住宅は初年度から課税対象となり、増改築した家屋は増加部分が評価額に加算されます。
(2) 地価下落により価格を据え置くことが適当でない場合
大阪市によると、据置年度でも、地価が下落して価格を据え置くことが適当でない場合は、価格修正が行われます。
これは、評価額が実勢価格と大きく乖離することを防ぐための措置です。
(3) 据置年度の価格修正の条件
据置年度の価格修正は、以下の条件を満たす場合に行われます。
- 地価が下落している
- 価格を据え置くことが適当でない
具体的な判断基準は、各市町村が地価公示価格等を参考にして決定します。
評価額に不服がある場合の審査申出と確認方法
(1) 納税通知書の課税明細書で評価額を確認
Yahoo!ニュースによると、納税通知書に同封される「課税明細書」で、自分の不動産の評価額を確認できます。
課税明細書には、土地・家屋の評価額、課税標準額、税額が記載されています。
(2) 評価額に不服がある場合の審査申出(3か月以内)
評価額に不服がある場合は、納税通知書を受け取った日の翌日から3か月以内に、固定資産評価審査委員会に審査申出を行うことができます。
(3) 固定資産評価審査委員会への申出方法
審査申出は、書面で行います。申出書には、以下の事項を記載します。
- 申出人の氏名・住所
- 不服がある固定資産の所在地
- 不服の内容
- 不服の理由
申出書の書式は、各市町村の固定資産評価審査委員会で入手できます。
(4) 審査申出の期限(納税通知書を受け取った日の翌日から3か月以内)
審査申出の期限は、納税通知書を受け取った日の翌日から3か月以内です。期限を過ぎると、審査申出はできなくなりますので、注意してください。
まとめ:次回の評価替えはいつか(令和9年度・2027年度)
固定資産税の評価替えは3年に1度実施され、最新は令和6年度(2024年度)、次回は令和9年度(2027年度)です。その次は令和12年度(2030年度)です。
評価替えを行う年を「基準年度」、翌年と翌々年を「据置年度」と呼び、据置年度は原則として評価額が据え置かれます。ただし、据置年度でも、新築・増改築、地価下落の場合は評価額が変更されます。
2024年度の評価替えでは、材料費高騰により再建築費評点補正率が上昇(木造1.11、非木造1.07)し、家屋の固定資産税が上がる可能性があります。ただし、古い家屋は経年減点補正率により評価額が下がるため、個別の不動産により異なります。
納税通知書に同封される課税明細書で評価額を確認し、不服がある場合は納税通知書を受け取った日の翌日から3か月以内に審査申出を行うことができます。納税に関する個別の事情は、税理士や自治体窓口に相談することを推奨します。


