固定資産税の評価額とは?計算方法から軽減措置まで徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/30

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固定資産税評価額とは?まず知っておきたい基礎知識

不動産を所有すると毎年支払うことになる固定資産税。その計算の基礎となるのが「固定資産税評価額」です。評価額がどのように決まり、どのように税額に影響するのかを知ることで、納税額の妥当性を確認できるようになります。

この記事では、固定資産税評価額の仕組み、評価基準、計算方法、軽減措置について、総務省国税庁の公式情報を元に解説します。

この記事のポイント

  • 固定資産税評価額は公示価格の70%が目安
  • 評価額は3年に1度見直される(2024年度が基準年度、次回は2027年度)
  • 土地と建物で評価方法が異なる(土地:路線価方式等、建物:再建築価格方式)
  • 固定資産税の計算式:課税標準額 × 1.4%(標準税率)
  • 課税明細書の「価格」欄で評価額を確認できる

固定資産税評価額の決まり方と評価基準

固定資産税評価額は、全国統一の基準に基づいて市区町村が決定します。

固定資産評価基準とは

固定資産評価基準は、総務省によると、総務大臣が定める評価の基準です。市区町村長はこの基準に従って固定資産(土地・建物)の価格を決定します。

この全国統一の基準があることで、どの自治体でも公平な評価が行われる仕組みになっています。

評価替えの仕組み(3年に1度)

固定資産税評価額は3年に1度見直されます。これを「評価替え」といいます。

年度 区分
2024年度 基準年度(評価替え実施)
2025年度 据置年度(2024年度の評価額を継続)
2026年度 据置年度(2024年度の評価額を継続)
2027年度 次の基準年度(評価替え実施予定)

2025年時点では、2024年度に決定された評価額が使用されています。

公示価格との関係(70%が目安)

固定資産税評価額は、**公示価格の70%**を目安に設定されています。

公示価格とは、国土交通省が毎年公表する標準地の価格です。固定資産税評価額は市場価格よりも低く設定されているため、評価額と実際の売却価格には差があります。

価格の種類 目安
公示価格 100%
固定資産税評価額 公示価格の約70%
相続税評価額(路線価) 公示価格の約80%

土地・建物の評価額の計算方法

土地と建物では、評価方法が異なります。

土地の評価方法(路線価方式・標準宅地比準方式)

土地の評価には主に2つの方法があります。

路線価方式

  • 道路(路線)に面した土地の1㎡あたりの価格を基準に評価
  • 主に市街地で採用される方法
  • 評価額 = 路線価 × 土地面積 × 補正率

標準宅地比準方式

  • 標準的な宅地の価格を基準に、評価対象地の状況に応じて補正
  • 路線価が設定されていない地域で採用

建物の評価方法(再建築価格方式)

建物の評価には再建築価格方式が使用されます。

  • 同じ場所に同じ建物を新築した場合の費用を基準に算出
  • 経年劣化(減価)を考慮して評価額を算定
  • 構造(木造・鉄筋コンクリート等)により減価率が異なる

計算イメージ: 再建築価格(新築時の費用)× 経年減点補正率 = 評価額

評価額と課税標準額の違い

評価額課税標準額は異なる概念です。

項目 説明
評価額 不動産の価格そのもの(課税明細書の「価格」欄)
課税標準額 評価額に軽減措置を適用した後の金額

実際の固定資産税は、評価額ではなく課税標準額を基に計算されます。

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固定資産税の計算と軽減措置

固定資産税の計算式(評価額×1.4%)

固定資産税の計算式は以下のとおりです。

固定資産税 = 課税標準額 × 1.4%(標準税率)

※1.4%は標準税率であり、自治体により異なる場合があります。

計算例:

  • 土地の評価額:1,500万円(住宅用地の軽減適用後の課税標準額:250万円)
  • 建物の評価額:800万円(課税標準額:800万円)
  • 固定資産税:(250万円 + 800万円)× 1.4% = 14万7,000円

住宅用地の軽減措置

住宅が建っている土地(住宅用地)には、課税標準額を減額する軽減措置があります。

区分 軽減内容
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) 評価額 × 1/6
一般住宅用地(200㎡超の部分) 評価額 × 1/3

:評価額1,500万円、200㎡以下の土地の場合

  • 課税標準額 = 1,500万円 × 1/6 = 250万円
  • 固定資産税 = 250万円 × 1.4% = 3万5,000円

新築住宅の軽減措置

新築住宅の建物部分には、一定期間、固定資産税が減額される軽減措置があります(2025年時点)。

住宅の種類 軽減期間 軽減内容
一般住宅(木造等) 3年間 税額1/2
3階建以上の耐火・準耐火建築物 5年間 税額1/2
認定長期優良住宅 5年間(3階建以上は7年間) 税額1/2

※床面積120㎡までの部分が対象。適用には要件があり、自治体により詳細が異なる場合があります。

評価額の確認方法と活用法

課税明細書での確認方法

固定資産税評価額は、毎年4~5月に届く固定資産税納税通知書に添付された課税明細書で確認できます。

確認するポイント:

  • 「価格」欄:固定資産税評価額が記載
  • 「課税標準額」欄:軽減措置適用後の金額
  • 「税額」欄:実際に支払う固定資産税額

課税明細書が手元にない場合は、市区町村の税務課窓口で固定資産評価証明書を取得することもできます。

評価額から売却相場を推定する方法

固定資産税評価額から、おおよその売却相場を推定できます。

計算式(目安): 売却相場 ≒ 評価額 ÷ 0.7 × 1.1~1.2

:評価額1,000万円の土地の場合

  • 売却相場 ≒ 1,000万円 ÷ 0.7 × 1.1 = 約1,571万円
  • 売却相場 ≒ 1,000万円 ÷ 0.7 × 1.2 = 約1,714万円

※これはあくまで目安であり、実際の売却価格は立地、物件状態、市場動向により大きく異なります。正確な売却価格を知りたい場合は、不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。

まとめ:固定資産税評価額を正しく理解するポイント

固定資産税評価額は、固定資産税をはじめ、都市計画税、不動産取得税、登録免許税など、不動産に関わる税金の計算基準となる重要な価格です。

押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

  • 評価額は公示価格の70%が目安で、3年に1度見直される
  • 土地と建物で評価方法が異なる(路線価方式・再建築価格方式)
  • 住宅用地や新築住宅には軽減措置があり、課税標準額が減額される
  • 課税明細書の「価格」欄で評価額を確認できる

評価額に疑問がある場合は、市区町村の窓口で相談することができます。また、税金の詳細については税理士への相談も検討してください。

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よくある質問

Q1固定資産税評価額と課税標準額の違いは何ですか?

A1固定資産税評価額は不動産の価格そのもので、課税明細書の「価格」欄に記載されています。一方、課税標準額は評価額に住宅用地の軽減措置などを適用した後の金額です。実際の固定資産税は、評価額ではなく課税標準額に税率(1.4%)を掛けて計算されます。

Q2固定資産税評価額はどこで確認できますか?

A2毎年4~5月に届く固定資産税納税通知書に添付された課税明細書の「価格」欄で確認できます。課税明細書が手元にない場合は、市区町村の税務課窓口で固定資産評価証明書を取得することもできます。本人確認書類が必要で、手数料がかかる場合があります。

Q3評価額から売却相場を推定できますか?

A3目安として「評価額÷0.7×1.1~1.2」で概算できます。例えば評価額1,000万円の土地なら、約1,500万円~1,700万円が売却相場の目安となります。ただし、これはあくまで参考値であり、実際の売却価格は立地、物件状態、市場動向により大きく異なります。正確な価格は不動産会社への査定依頼が確実です。

Q4評価額はいつ見直されますか?

A4固定資産税評価額は3年に1度の評価替えで見直されます。2024年度が基準年度で評価替えが実施され、この評価額は2025年度・2026年度も継続して使用されます。次回の評価替えは2027年度に予定されています。地価の大幅な下落があった場合などは、据置年度でも評価額が修正されることがあります。

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