古家付き土地の購入ガイド|解体費用と注意点を徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/30

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古家付き土地とは?購入前に知っておくべき基礎知識

土地の購入を検討する際、「古家付き土地」という物件を目にしたことがある方は少なくありません。

この記事では、古家付き土地の購入メリット・デメリット、解体費用の相場、購入時の注意点、トラブル事例と対策を実務的に解説します。

古家付き土地の特徴を理解し、失敗しない土地購入の判断材料を得られるようになります。

この記事のポイント

  • 古家付き土地は経済的価値がほぼない古い家が建つ土地で、相場より安く購入できる場合がある
  • 解体費用は木造で4-6万円/坪が目安だが、買主負担が基本
  • 固定資産税は住宅用地の特例で1/6になるため、すぐに解体しない選択肢もある
  • 境界線確認、再建築可否、インフラ状況、契約不適合責任の範囲を購入前に必ずチェック
  • 地中埋設物、アスベスト、解体費用の想定超過等のトラブルリスクに注意が必要

(1) 古家付き土地の定義と販売方法

古家付き土地とは、経済的価値がほぼない古い家が建つ土地のことです。「土地※現況古家あり」として、土地の扱いで販売されます。

一般的には、築年数が古く、リフォームやリノベーションでは対応できない状態の住宅が該当します。

(2) 「土地※現況古家あり」の意味

「現況古家あり」は、「建物は経済的価値がないため、あくまで土地として販売するが、現状は古い家が残っている」という意味です。

この表記がある場合、以下を前提としています。

  • 建物の解体は買主が行う: 売主は解体せずに引き渡す
  • 契約不適合責任が免責される可能性: 建物の不具合は買主が負担

(3) 古家付き土地の市場動向

2024年12月時点の情報として、古家付き土地の需要は比較的安定しています。

都市部や郊外で、注文住宅を建てたい購入者や、土地を安く取得したい投資家等が購入するケースが多いです。

古家付き土地のメリット・デメリット

(1) メリット:相場より安く購入できる

古家付き土地は、更地(建物がない土地)より安く販売されることが多いです。

売主は解体費用を負担せずに売却できるため、その分を価格に反映しています。ただし、解体費用を考慮すると総額で高くなる場合もあるため、慎重な計算が必要です。

(2) メリット:固定資産税が安い(住宅用地の特例)

古家が建っている土地は、住宅用地の特例により固定資産税が1/6(200㎡以下の部分)に軽減されます。

すぐに解体せず、翌年の1月1日まで古家を残しておくことで、固定資産税を抑えることができます。

(出典: 古家付き土地の購入はメリットが多い?古家の基準や魅力と注意点とは

(3) メリット:建物配置をイメージしやすい

既存の建物を参考に、新築住宅の配置や日当たり、眺望をイメージできます。

敷地の形状や周辺環境を理解しやすく、設計時の参考になります。

(4) デメリット:解体費用が買主負担

解体費用は基本的に買主が全額負担します。木造で4-6万円/坪が目安ですが、構造や立地により変動します。

30坪以上の建物で100-300万円程度の費用がかかるため、購入前に見積もりを取ることが重要です。

(5) デメリット:契約不適合責任の免責

古家付き土地は「現況有姿」での引き渡しとなり、売主の契約不適合責任が免責されることが多いです。

購入後に雨漏り、シロアリ被害、地盤沈下等が発覚しても、買主が全額負担することになります。

(6) デメリット:隠れた費用が発生するリスク

解体費用以外にも、以下の隠れた費用が発生する可能性があります。

  • 地中埋設物撤去: 浄化槽、基礎、井戸等の撤去(数十万円)
  • 庭木撤去: 大木や庭石の撤去(数万~数十万円)
  • インフラ工事: 上下水道の引き込み(数十万~数百万円)

解体費用の相場と費用内訳

(1) 木造・鉄骨・RC別の解体費用相場

解体費用は建物の構造により大きく異なります。

構造 解体費用の目安(坪単価) 30坪の場合の総額
木造 4-6万円/坪 120-180万円
鉄骨造 5-7万円/坪 150-210万円
RC造(鉄筋コンクリート) 6-10万円/坪 180-300万円

(出典: 土地売却時の解体費用相場 !古家付きと更地売却の違い・メリット比較

(2) 解体費用に影響する要因(坪数・立地・地中埋設物等)

解体費用は、以下の要因により変動します。

  • 坪数: 大きい建物ほど費用が高い
  • 立地: 重機が入れない狭小地は人力解体となり費用増
  • 地中埋設物: 浄化槽、基礎等の撤去で追加費用
  • アスベスト: アスベスト含有建材がある場合、調査費用と撤去費用が追加

(3) 自治体の解体補助金制度

一部の自治体では、古家の解体費用を補助する制度があります。

補助額や条件は自治体により異なるため、購入前に確認することをおすすめします。

(出典: 古家の解体費用 古家を解体するメリットとデメリット

(4) 解体費用を抑える方法

解体費用を抑える方法:

  • 複数の解体業者から見積もりを取る: 相見積もりで費用を比較
  • 自治体の補助金を活用: 補助金制度の確認と申請
  • 解体時期を調整: 繁忙期を避けると費用が抑えられる場合がある

古家付き土地購入時の5つの注意点

(1) 境界線の確認(確定測量図と境界標)

境界線が曖昧な場合、以下のリスクがあります。

  • 隣地とのトラブル: 境界をめぐる紛争
  • 金融機関の融資拒否: 境界が未確定だと融資が受けられない

購入前に確定測量図と登記書類をチェックし、境界標の有無を確認しましょう。確定測量費用は30-80万円程度です。

(出典: 古家付きの土地の購入はトラブルのリスクあり?確認すべき注意点を解説

(2) 再建築不可物件でないかの確認

再建築不可物件とは、建築基準法の接道義務(幅4m以上の道路に2m以上接する)を満たさない等の理由で、解体後に建て直せない物件です。

再建築不可の場合、土地の利用価値が大幅に下がるため、購入前に必ず確認が必要です。

(3) インフラ(上下水道)の状況確認

上下水道の引き込み状況を確認しましょう。

古家では、以下のケースがあります。

  • 浄化槽を使用: 下水道へ切り替える場合は工事費用が必要(数十万円)
  • 上水道の引き込みがない: 引き込み工事が必要(数十万~数百万円)

これらの費用は事前に見積もりを取り、総費用に含めることが重要です。

(4) 地中埋設物・アスベストのリスク確認

地中埋設物(浄化槽、基礎、井戸等)は、解体後に発見されることが多く、予想外の撤去費用が発生します。

アスベスト含有建材がある場合、調査費用(3-5万円)と撤去費用(通常の解体費用の1.5-2倍)が追加で必要になります。

(5) 契約不適合責任の範囲確認

契約書で「現況有姿」「契約不適合責任免責」と記載されている場合、購入後の不具合は買主が全額負担します。

契約前に宅地建物取引士に相談し、免責の範囲を正確に理解することを推奨します。

よくあるトラブル事例と対策

(1) 境界線トラブルと金融機関の融資拒否

事例: 購入後に隣地所有者から「境界が違う」と主張され、紛争に発展。金融機関も融資を拒否。

対策: 購入前に確定測量を実施し、境界標を設置。隣地所有者の立ち会いのもと境界を確定させる。

(2) 解体費用の想定超過(地中埋設物発見)

事例: 解体工事開始後、地中から浄化槽や基礎が発見され、撤去費用が50万円追加。

対策: 購入前に解体業者に現地調査を依頼し、地中埋設物のリスクを見積もりに含める。

(3) 再建築不可で建て直せないケース

事例: 購入後に再建築不可物件と判明。解体したが建て直せず、土地が塩漬けに。

対策: 購入前に建築基準法・都市計画法を確認し、建築士に再建築可否を確認してもらう。

(4) インフラ工事費用の追加発生

事例: 上下水道の引き込みがなく、工事費用で200万円が追加発生。

対策: 購入前にインフラ状況を確認し、引き込み工事の見積もりを取る。

まとめ:古家付き土地の購入が向いている人

古家付き土地は、経済的価値がほぼない古い家が建つ土地で、相場より安く購入できる場合があります。解体費用は木造で4-6万円/坪が目安ですが、買主負担が基本です。

固定資産税は住宅用地の特例で1/6になるため、すぐに解体しない選択肢もあります。購入時は、境界線確認、再建築可否、インフラ状況、契約不適合責任の範囲を必ずチェックし、専門家(不動産業者、建築士、解体業者)への相談を推奨します。

古家付き土地の購入が向いている人:

  • 初期費用を抑えたい方: 更地より安く購入できる可能性
  • 注文住宅を建てたい方: 既存の建物を参考に配置をイメージできる
  • 時間に余裕がある方: 解体や各種手続きに時間をかけられる

一方で、解体費用、インフラ工事、地中埋設物等の隠れた費用が発生するリスクがあるため、総費用を慎重に見積もることが重要です。複数の不動産業者や専門家に相談しながら、慎重に判断しましょう。

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よくある質問

Q1解体費用はいくらかかる?

A1木造で4-6万円/坪が目安です。30坪以上の建物で100-300万円程度かかります。構造(木造・鉄骨・RC)や立地、地中埋設物の有無により変動するため、購入前に複数の解体業者から見積もりを取ることを推奨します。自治体の補助金制度を活用することで、費用を軽減できる場合があります。

Q2解体費用は誰が負担する?

A2基本的に買主が全額負担します。ただし、売主が負担するケースや、売買価格に解体費用を織り込むケースもあるため、交渉次第です。購入前に売主と解体費用の負担について明確に合意し、契約書に記載することが重要です。

Q3古家付きと更地どちらが良い?

A3固定資産税は古家付きが安い(住宅用地の特例で1/6)ですが、解体費用や隠れた費用(地中埋設物撤去、インフラ工事等)を考慮すると総合判断が必要です。更地はすぐに建築できる利点がありますが、価格は高めです。専門家(不動産業者、建築士)への相談が推奨されます。

Q4再建築不可物件とは?

A4建築基準法の接道義務(幅4m以上の道路に2m以上接する)を満たさない等の理由で、解体後に建て直せない物件です。再建築不可の場合、土地の利用価値が大幅に下がるため、購入前に建築基準法・都市計画法を確認し、建築士に再建築可否を確認してもらうことが必須です。

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Room Match編集部

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