住宅ローン変動金利ランキング|金利比較と選び方のポイント

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/22

住宅ローン変動金利の比較と選び方とは

住宅ローンを検討する際、「変動金利の金融機関を比較したい」「どの銀行の金利が低いのか知りたい」と感じる方は多いのではないでしょうか。変動金利は低金利が魅力ですが、金利上昇リスクや金融機関ごとの違いを理解する必要があります。

この記事では、2025年11月時点の主要金融機関の変動金利ランキング、金利以外の比較ポイント、選び方のポイントを解説します。

金利だけでなく、手数料や審査基準、サービスまで含めて総合的に判断することで、自分に合った住宅ローンを選べるようになります。

この記事のポイント

  • 2025年11月現在、変動金利の平均は0.6~0.7%、ネット銀行は0.344~0.647%、メガバンクは0.345~0.625%
  • 変動金利は年2回(4月1日・10月1日)見直しされ、約77%の借り手が選択している
  • 変動金利のメリットは低金利だが、金利上昇リスク(2026年末まで約1.1%への上昇予測)に注意が必要
  • 金利以外に、事務手数料・審査基準・付帯サービス(団信の保障範囲等)も比較すべき

住宅ローン変動金利の仕組み|年2回の見直しと選択率77%

(1) 変動金利とは|市場金利に応じて見直される金利タイプ

変動金利とは、市場金利の変動に応じて定期的に見直される金利タイプです。固定金利と異なり、金利が低い時期にはトータルコストを抑えられる一方、金利上昇時には返済額が増加するリスクがあります。

(2) 金利見直しの時期|年2回(4月1日・10月1日)

日本の住宅ローン変動金利は、年2回(4月1日・10月1日)に見直しされます。金利変動があった場合、新金利は2ヶ月後の6月または12月から適用されます。

ただし、後述する「5年ルール」により、返済額の変更は5年ごとに行われるため、金利見直しと返済額変更のタイミングは異なります。

(3) 変動金利の選択率|約77%が変動金利を選択

住宅金融支援機構の調査によると、約77%の借り手が変動金利を選択しています。低金利環境が長く続いたため、変動金利の人気が高まっていますが、今後の金利上昇リスクも考慮する必要があります。

変動金利ランキング(2025年11月)|ネット銀行・メガバンク比較

(1) ネット銀行の変動金利|0.344~0.647%

2025年11月現在、ネット銀行の変動金利は0.344~0.647%の範囲です。ネット銀行は店舗運営コストが少ないため、都市銀行より低金利で提供できることが多く、金利引き下げ競争の主戦場となっています。

ただし、審査基準が厳しい傾向があり、対面相談ができない点に注意が必要です。

(2) メガバンクの変動金利|三菱UFJ 0.345%、みずほ 0.375%、三井住友 0.625%

主要メガバンクの変動金利は以下の通りです(2025年11月時点)。

金融機関 変動金利(最優遇金利) 備考
三菱UFJ銀行 0.345% メガバンク最低水準
みずほ銀行 0.375%
三井住友銀行 0.625%

メガバンクは対面相談が可能で、住宅購入に関する総合的なサポートを受けられる点がメリットです。

(3) 地方銀行の変動金利|地域により異なる

地方銀行の変動金利は、地域や銀行により異なります。地域密着型のサービスや、地元企業との提携による優遇金利が用意されている場合もあるため、居住地域の地方銀行も確認することをおすすめします。

変動金利の平均と推移|2025年は0.6~0.7%、最低0.3%台

(1) 変動金利の平均|2025年11月現在、平均0.6~0.7%

2025年11月現在、住宅ローン変動金利の平均は0.6~0.7%です。2024年以前と比較すると、日銀の金利政策変更により若干上昇しましたが、依然として歴史的な低金利水準が続いています。

(2) 最低金利|0.3%台まで低下

一部の金融機関では、優遇金利措置により0.3%台での借入れも可能です。ただし、最優遇金利の適用には、給与振込・クレジットカード利用等の条件を満たす必要がある場合が多いため、詳細は各金融機関にご確認ください。

(3) 借入金利の分布|最も多い借入金利は「0.5%以下」(37.1%)

住宅金融支援機構の調査によると、最も多い借入金利は「0.5%以下」で、全体の37.1%を占めています。0.5%以下の低金利で借り入れできるケースが増えていることがわかります。

変動金利のメリット・デメリット|低金利と金利上昇リスク

(1) メリット3点|固定金利より低金利、トータルコスト削減、繰上返済しやすい

変動金利の主なメリットは以下の3点です。

  • 固定金利より低金利: 変動金利は固定金利より低く設定されるため、金利が安定している期間はトータルコストを抑えられます
  • トータルコスト削減: 低金利が続けば、固定金利と比較して総返済額を大幅に削減できる可能性があります
  • 繰上返済しやすい: 固定金利と比較して繰上返済手数料が無料または低額の場合が多く、余裕資金を活用しやすいです

(2) デメリット3点|金利上昇リスク、返済計画が立てにくい、未払利息の蓄積リスク

一方、変動金利には以下のデメリットがあります。

  • 金利上昇リスク: 市場金利が上昇すると、返済額も増加します。日銀の金利政策により、今後上昇する可能性があります
  • 返済計画が立てにくい: 金利変動により返済額が変わるため、長期的な返済計画を立てにくい面があります
  • 未払利息の蓄積リスク: 5年ルール・125%ルールにより、金利上昇時に未払利息が蓄積される場合があります(詳細は次項)

(3) 5年ルール・125%ルール|返済額急増を防ぐが未払利息が蓄積

変動金利型住宅ローンには、返済額の急増を防ぐ「5年ルール」と「125%ルール」があります。

  • 5年ルール: 変動金利型住宅ローンの返済額は5年間変わらない(金利上昇時も返済額は5年間据え置き)
  • 125%ルール: 返済額の見直し時に、新返済額が旧返済額の125%を超えない(急激な返済額増加を防ぐ)

ただし、これらのルールは返済額に適用されるものであり、金利上昇分の利息は「未払利息」として蓄積され、後日支払う必要があります。金利が大幅に上昇した場合、最終返済時に未払利息が一括請求される可能性があるため注意が必要です。

(4) 変動金利の今後の見通し|2026年末まで約1.1%への上昇予測

日銀は2024年3月にマイナス金利政策を終了し、2024年7月に0.25%、2025年1月に0.5%へ段階的に利上げしました。大手銀行は2024年9・10月から変動型の基準金利を0.15%引き上げており(17年ぶりの引き上げ)、今後も上昇する可能性があります。

日本経済研究センターの調査によると、2026年末までに政策金利が約1.1%まで上昇する予測があり、変動金利型住宅ローンも上昇が見込まれます。

金利以外の比較ポイント|手数料・審査基準・サービス

(1) 事務手数料・保証料|金融機関により異なる(定率型・定額型)

住宅ローンの事務手数料には、定率型(借入額の2.2%等)と定額型(3~5万円等)があります。定率型は初期費用が高額になる一方、金利が低く設定される傾向があります。

また、保証料(借入額の2%程度)が必要な金融機関と、保証料無料の金融機関があります。金利が低くても、手数料・保証料を含めたトータルコストを比較することが重要です。

(2) 審査基準|ネット銀行は厳しい傾向、都市銀行は対面相談可能

ネット銀行は低金利ですが、審査基準が厳しい傾向があります。勤続年数・年収・健康状態等の条件を満たす必要があり、審査に時間がかかる場合もあります。

一方、都市銀行や地方銀行は対面相談が可能で、個別の事情を考慮した柔軟な審査が期待できます。初めて住宅ローンを借りる方や、不安がある方は、対面相談ができる金融機関を選ぶと安心です。

(3) 付帯サービス|団体信用生命保険の保障範囲、繰上返済手数料

金融機関により、団体信用生命保険(団信)の保障範囲が異なります。基本的な死亡・高度障害保障に加えて、がん・三大疾病・八大疾病等の特約が付帯されている場合があります。

また、繰上返済手数料が無料の金融機関と、手数料がかかる金融機関があります。将来的に繰上返済を検討している場合は、手数料の有無を確認しましょう。

まとめ|変動金利選択時のポイント、専門家への相談

(1) 変動金利が向いている人|家計に余裕がある、経済ニュースに関心がある

変動金利は、以下のような方に向いています。

  • 家計に余裕がある方: 金利上昇時にも返済を継続できる余裕がある
  • 経済ニュースに関心がある方: 金利動向を定期的に確認し、必要に応じて固定金利への切り替えを検討できる
  • 繰上返済を予定している方: 余裕資金を使って繰上返済することで、金利上昇リスクを軽減できる

(2) 金利上昇リスクへの備え|固定金利への切り替えオプション確認

変動金利を選択する場合は、金利上昇リスクへの備えが重要です。一部の金融機関では、変動金利から固定金利への切り替えオプションが用意されています。切り替え手数料や条件を事前に確認しておきましょう。

(3) 専門家への相談|ファイナンシャルプランナー・金融機関に相談を推奨

住宅ローンは長期にわたる契約であり、返済計画は個別の収入・支出状況により異なります。変動金利と固定金利のどちらが適しているか、金利上昇リスクをどの程度許容できるか等、ファイナンシャルプランナーや金融機関の担当者に相談することを推奨します。

執筆時点(2025年11月)の情報であり、金利や制度は変更される可能性があるため、最新情報は各金融機関の公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q1住宅ローン変動金利の平均はいくら?

A12025年11月現在、変動金利の平均は0.6~0.7%です。ネット銀行は0.344~0.647%、メガバンクは0.345~0.625%の範囲です。一部の金融機関では優遇金利措置により0.3%台での借入れも可能ですが、給与振込・クレジットカード利用等の条件を満たす必要がある場合が多いため、詳細は各金融機関にご確認ください。

Q2変動金利と固定金利どちらがおすすめ?

A2変動金利は低金利が魅力ですが、金利上昇リスクがあります。固定金利は金利が高めですが、返済額が安定します。家計に余裕があり、金利動向を定期的に確認できる方は変動金利が向いています。一方、返済計画を確定したい方や、金利上昇リスクを避けたい方は固定金利が向いています。個別の収入・支出状況により異なるため、ファイナンシャルプランナーや金融機関への相談を推奨します。

Q3変動金利はいつ見直される?

A3日本の住宅ローン変動金利は、年2回(4月1日・10月1日)に見直しされます。金利変動があった場合、新金利は2ヶ月後の6月または12月から適用されます。ただし、5年ルールにより、返済額の変更は5年ごとに行われるため、金利見直しと返済額変更のタイミングは異なります。

Q45年ルール・125%ルールとは?

A45年ルールは、変動金利型住宅ローンの返済額が5年間変わらない仕組みです(金利上昇時も返済額は5年間据え置き)。125%ルールは、返済額の見直し時に、新返済額が旧返済額の125%を超えない仕組みです(急激な返済額増加を防ぐ)。ただし、これらのルールは返済額に適用されるものであり、金利上昇分の利息は「未払利息」として蓄積され、後日支払う必要があります。金利が大幅に上昇した場合、最終返済時に未払利息が一括請求される可能性があるため注意が必要です。

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Room Match編集部

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