住宅ローンの金利と返済額の実態を知る
住宅ローンを検討している方にとって、「みんなどれくらいの金利で借りているのか」「月々いくら払っているのか」という実態は気になるポイントです。
この記事では、住宅ローンの平均金利、金利タイプ別の特徴、月々の返済額の実態、金利の動向と今後の見通しを、伊予銀行や三菱UFJ銀行等の公式データを元に解説します。
初めて住宅ローンを借りる方でも、適正な金利と返済額の目安を正確に把握できるようになります。
この記事のポイント
- 約6割の人が1.0%以下の金利で借り入れており、最も多いのは0.5%以下(26.2%)、次いで0.5~1.0%以下(26.2%)
- 2025年11月現在、変動金利の相場は0.6~0.7%台、10年固定金利は1.8~2.2%台、全期間固定金利は1.3~1.8%台
- 金利タイプは変動型が最も多く76.9%、次いで固定期間選択型15.1%、全期間固定型8.0%
- 月々の平均返済額は注文住宅で14.5万円、分譲マンションで12.3万円、中古マンションで8.4万円
- 返済負担率は年収の20-25%以内に抑えることが推奨され、平均は14~18%程度
住宅ローンの金利はみんないくら?平均金利の実態
住宅ローンの平均金利の実態について、最新のデータを元に解説します。
約6割が1.0%以下の金利で借り入れ
伊予銀行の調査によると、約6割の人が1.0%以下の金利で借り入れしています。
金利分布:0.5%以下が26.2%、0.5~1.0%以下が26.2%
金利分布は以下の通りです。
| 金利範囲 | 割合 |
|---|---|
| 0.5%以下 | 26.2% |
| 0.5~1.0%以下 | 26.2% |
| 1.0%超 | 約40% |
(出典: 伊予銀行)
金利タイプの選択割合:変動型76.9%、固定期間選択型15.1%
金利タイプの選択割合は以下の通りです。
| 金利タイプ | 割合 |
|---|---|
| 変動型 | 76.9% |
| 固定期間選択型 | 15.1% |
| 全期間固定型 | 8.0% |
変動型が最も多く、約77%の人が選択しています。
2025年11月現在の住宅ローン金利相場
2025年11月現在の住宅ローン金利相場について解説します。
変動金利の相場:0.6~0.7%台
三菱UFJ銀行によると、2025年11月現在、変動金利の相場は0.6~0.7%台です。
変動金利は過去の0.3~0.4%台から明確に上昇しています。
用語解説:
- 変動金利: 市場金利の変動に応じて定期的に見直される金利タイプ(日本では約77%が選択)
10年固定金利の相場:1.8~2.2%台
10年固定金利の相場は1.8~2.2%台です。
固定期間選択型を選ぶ人は15.1%で、変動金利と比べて少数派です。
全期間固定金利の相場:1.3~1.8%台
全期間固定金利の相場は1.3~1.8%台です。
全期間固定型を選ぶ人は8.0%で、最も少数派です。
用語解説:
- 全期間固定金利: 借入期間全体で金利が固定されるタイプ(フラット35等)
金利タイプ別の特徴と選び方:変動金利vs固定金利
金利タイプ別の特徴と選び方について解説します。
変動金利のメリット・デメリット
メリット:
- 固定金利より金利が低い(2025年11月現在、0.6~0.7%台)
- 金利が下がった場合、返済額も減少する
デメリット:
- 金利上昇リスクがある(日銀の政策変更により今後も上昇の可能性)
- 返済計画が立てにくい
固定金利のメリット・デメリット
メリット:
- 金利上昇リスクがない(返済額が一定)
- 返済計画が立てやすい
デメリット:
- 変動金利より金利が高い(2025年11月現在、10年固定1.8~2.2%台)
- 金利が下がった場合でも返済額は変わらない
金利タイプの選び方:リスク許容度と返済計画
金利タイプの選び方は、リスク許容度と返済計画により異なります。
- 変動金利が向いている人: 金利上昇リスクを許容でき、短期間で完済予定の方
- 固定金利が向いている人: 返済額を固定したい、長期間の返済を計画している方
みんなの返済額の実態:月々いくら払っている?
みんなの返済額の実態について、物件種別ごとに解説します。
注文住宅の平均返済額:月14.5万円(年間174万円)
三井住友銀行によると、注文住宅の平均返済額は月14.5万円(年間174万円)です。
分譲マンションの平均返済額:月12.3万円(年間148.1万円)
分譲マンションの平均返済額は月12.3万円(年間148.1万円)です。
中古マンションの平均返済額:月8.4万円
中古マンションの平均返済額は月8.4万円です。
中古マンションは物件価格が低いため、返済額も少なくなります。
返済負担率の目安:年収の20-25%以内(平均14~18%)
返済負担率は年収に占める住宅ローン年間返済額の割合で、推奨は20-25%以内です。
平均は14~18%程度で、この範囲内に収めることで無理のない返済計画が立てられます。
用語解説:
- 返済負担率: 年収に占める住宅ローン年間返済額の割合(推奨は20-25%以内)
計算例:
- 年収500万円の場合:500万円 × 20% = 100万円/年(月8.3万円)~ 500万円 × 25% = 125万円/年(月10.4万円)
住宅ローン金利の動向と今後の見通し
住宅ローン金利の動向と今後の見通しについて解説します。
日銀の金利政策変更:マイナス金利解除と段階的利上げ
SBI新生銀行によると、日銀は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、2024年7月に0.25%、2025年1月に0.5%へ段階的に利上げしました。
マイナス金利政策は2016年から2024年3月まで実施されていた政策で、2024年3月に解除されました。
2024年以降の金利上昇:変動金利が0.15-0.35%上昇
2024年4月時点で変動金利が約0.15-0.35%上昇しています。
変動金利は過去の0.3~0.4%台から明確に上昇しており、2025年11月現在は0.6~0.7%台です。
2025年以降の見通し:0.25-0.75%の上昇予測
2025年以降、国内の賃金・物価上昇により追加利上げの可能性があり、変動金利・固定金利ともに0.25-0.75%の上昇が予測されています。
知恵袋情報の注意点:匿名投稿の正確性
Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトには「住宅ローンはみんないくら払ってる」という質問が多数投稿されています。
注意点:
まとめ:住宅ローン金利と返済額の適正な選び方
住宅ローンの金利は、2025年11月現在、変動金利が0.6~0.7%台、10年固定金利が1.8~2.2%台、全期間固定金利が1.3~1.8%台です。約6割の人が1.0%以下の金利で借り入れており、約77%が変動金利を選択しています。
月々の平均返済額は、注文住宅で14.5万円、分譲マンションで12.3万円、中古マンションで8.4万円です。返済負担率は年収の20-25%以内に抑えることが推奨され、平均は14~18%程度です。
日銀の金利政策変更により、2024年以降、変動金利が0.15-0.35%上昇しています。2025年以降も0.25-0.75%の上昇が予測されているため、金利上昇リスクを考慮した返済計画を立てることが重要です。
ファイナンシャルプランナー等の専門家に相談しながら、無理のない金利タイプと返済計画を選択しましょう。
