住宅ローンは何年で組むべき?返済期間の決め方と最適な年数

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/14

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住宅ローンは何年で組むべき?返済期間の選び方

住宅ローンを申し込む際、「何年で組むべきか」は多くの方が悩むポイントです。月々の返済額を抑えたいが、総返済額(利息)も気になる。35年、25年、15年など、どの期間が最適なのか迷います。

この記事では、住宅ローンの返済期間の選択肢、期間別のメリット・デメリット、最適な期間の決め方を、公的データと具体的なシミュレーションで解説します。年齢や収入、ライフプランを踏まえた最適な返済期間を選べるようになります。

この記事のポイント

  • 約7割が35年で組んでおり、平均返済期間は約31年
  • 実際の完済期間は平均16年(繰上返済や借り換えで短縮)
  • 35年と25年では月々約2万円、総返済額約146万円の差がある
  • 返済負担率は年収の20〜25%が目安、完済時年齢は定年(65歳)までが理想
  • 35年で組んで繰上返済する戦略もあり(柔軟性を確保)

住宅ローンの返済期間の選択肢と平均値

(1) 一般的な返済期間(最長35年、最近は50年も)

住宅ローンの返済期間は、多くの金融機関で最長35年です。三井住友銀行によると、約7割が35年で組んでいます。

近年は、SUUMOによると、50年ローンも登場し、長期化傾向にあります。2024年のデータでは、35年超を選択する人が16.0%に増加しています。

(2) 実際の平均返済期間と完済期間(平均31年、実際16年)

モゲチェックによると、平均返済期間は約31年(注文住宅)です。しかし、実際の完済期間は平均16年と、繰上返済や借り換えで約11年短縮されています。

多くの方は、当初35年で組んでも、収入増加や余裕資金で繰上返済を行い、実際には15〜20年で完済しています。

(3) 約7割が35年で組む理由

35年で組む理由は、月々の返済額を抑えられる点です。35年にすることで、審査時の返済負担率が低くなり、希望額を借りやすくなります。

また、35年で組んでおけば、余裕があるときに繰上返済で期間短縮できる柔軟性があります。一方、短期(15年等)で組むと、月々の返済額が高くなり、生活費や教育費を圧迫するリスクがあります。

返済期間別のメリット・デメリット(15年・25年・35年)

(1) 短期(15年):総返済額を抑えられるが月々負担が大きい

短期(15年)のメリットは、総返済額(利息)を大幅に抑えられる点です。早期完済により、老後資金を貯める時間を確保できます。

デメリットは、月々の返済額が大きくなる点です。生活費や教育費、急な出費に対応しづらくなります。

(2) 中期(25年):バランス型、定年前完済を目指せる

中期(25年)は、月々の返済額と総返済額のバランスが取れた選択肢です。40歳で借りれば65歳(定年)までに完済でき、老後資金を圧迫しません。

みずほ銀行によると、定年までに完済するのが理想的とされています。

(3) 長期(35年):月々負担が軽いが総返済額が増加

長期(35年)のメリットは、月々の返済額を抑えられる点です。生活費や教育費に余裕を持ちながら返済できます。

デメリットは、総返済額が増加する点です。イオン銀行によると、35年と25年では総返済額で約146万円の差があります。

最適な返済期間の決め方(年収・年齢・ライフプラン)

(1) 年収の20〜25%が返済負担率の目安

みずほ銀行によると、返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)は20〜25%が目安です。

例えば年収500万円の場合、年間返済額は100〜125万円(月々8.3〜10.4万円)が適正範囲です。この範囲内で返済期間を設定しましょう。

(2) 完済時年齢を考慮(定年65歳までが理想)

三菱UFJ銀行によると、多くの金融機関が完済時年齢の上限を80歳に設定しています。

しかし、定年後も返済が続くと、年金だけでは生活が苦しくなる可能性があります。老後資金の確保の観点から、定年(65歳)までの完済が理想的です。

(3) ライフプランとの調整(教育費・老後資金)

住宅ローンの返済期間は、教育費や老後資金とのバランスが重要です。

子供の大学進学時期(15〜20年後)に教育費がピークを迎えるため、その時期の返済額を考慮しましょう。また、50歳以降は老後資金を貯める時期でもあり、返済額を減らせるよう繰上返済を計画的に行うことが推奨されます。

(4) 35年で組んで繰上返済する戦略

リクルートによると、35年で組んで繰上返済で期間短縮する戦略もあります。

35年にすることで月々の返済額を抑え、余裕資金を繰上返済に回します。これにより、柔軟性を保ちながら総返済額を削減できます。

返済期間別のシミュレーション例(総返済額の比較)

(1) 借入額3,000万円の返済シミュレーション

以下の条件でシミュレーションします。

  • 借入額: 3,000万円
  • 金利: 1.5%(固定金利)
  • 返済方法: 元利均等返済

(2) 35年と25年の月々返済額・総返済額の差

返済期間 月々返済額 総返済額 利息総額
15年 約17.3万円 約3,114万円 約114万円
25年 約12.0万円 約3,600万円 約600万円
35年 約9.2万円 約3,857万円 約857万円

(出典: イオン銀行

35年と25年では、月々約2.8万円、総返済額約257万円の差があります。35年は月々の負担が軽い一方、総返済額が増加します。

(3) 金利変動が返済額に与える影響

金利が0.5%上昇した場合(1.5% → 2.0%)、総返済額は以下のように変化します。

返済期間 金利1.5% 金利2.0% 差額
25年 約3,600万円 約3,811万円 +約211万円
35年 約3,857万円 約4,174万円 +約317万円

金利が上昇すると、長期ローンほど総返済額への影響が大きくなります。このシミュレーションはあくまで目安であり、実際の返済額は金利変動により異なります。詳細は金融機関の返済シミュレーターで確認しましょう。

まとめ:最適な返済期間を選ぶためのポイント

住宅ローンの返済期間は、約7割が35年で組んでおり、平均は約31年です。実際の完済期間は平均16年と、繰上返済や借り換えで短縮される傾向があります。

35年と25年では月々約2万円、総返済額約146万円の差があります。返済負担率は年収の20〜25%が目安、完済時年齢は定年(65歳)までが理想的です。

最適な返済期間は、年齢、年収、ライフプラン(教育費、老後資金)により異なります。35年で組んで繰上返済で期間短縮する戦略もあり、柔軟性を確保しながら総返済額を削減できます。

金融機関の返済シミュレーターや、ファイナンシャルプランナーへの相談を活用し、無理のない返済計画を立てましょう。

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よくある質問

Q1住宅ローンは何年で組む人が多いですか?

A1約7割が35年で組んでおり、平均は約31年です。ただし、実際の完済期間は平均16年と、繰上返済や借り換えで約11年短縮される傾向があります。多くの方は、当初35年で組んでも、収入増加や余裕資金で繰上返済を行い、実際には15〜20年で完済しています。

Q2返済期間は短い方が得ですか?

A2総返済額(利息)は少なくなりますが、月々の返済額が大きくなります。年収や生活費、教育費などを考慮し、無理のない返済計画を立てることが重要です。例えば15年では月々約17.3万円、25年では約12.0万円、35年では約9.2万円(借入3,000万円、金利1.5%の場合)となり、短期ほど月々の負担が大きくなります。

Q335年は長すぎますか?

A3月々の返済額を抑えられ柔軟性がある一方、総返済額は増加します(25年と比べて約146万円の差)。35年で組んで繰上返済で期間短縮する戦略も有効です。35年にすることで、余裕があるときに繰上返済できる柔軟性を確保でき、生活費や教育費に余裕を持ちながら返済できます。

Q4返済期間は途中で変更できますか?

A4繰上返済で期間短縮は可能ですが、期間延長は原則できません。ただし、返済が困難な場合は金融機関への相談で条件変更できる場合があります。期間短縮型繰上返済では月々の返済額を変えずに返済期間を短縮でき、返済額軽減型繰上返済では返済期間を変えずに月々の返済額を減らせます。

Q5定年までに完済すべきですか?

A5老後資金の確保の観点から、定年(65歳)までの完済が理想的です。定年後も返済が続くと、年金だけでは生活が苦しくなる可能性があります。例えば40歳で借りる場合、25年で組めば65歳までに完済でき、老後資金を圧迫しません。完済時年齢は多くの金融機関が80歳を上限に設定していますが、定年前完済を目指しましょう。

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Room Match編集部

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