住宅ローンの返済期間|平均年数・返済額・審査期間の実態

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/29

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

住宅ローン返済期間の重要性

住宅ローンを検討する際、「返済期間は何年にすべきか」と迷う方は少なくありません。返済期間は月々の返済額、総利息、完済時の年齢に大きな影響を与えます。

この記事では、住宅ローンの返済期間の平均データ、返済期間の決め方、月々の返済額、審査期間を住宅金融支援機構国土交通省の公式統計を元に解説します。

自分に合った返済期間を選び、無理のない住宅ローン計画を立てられるようになります。

この記事のポイント

  • 住宅ローンの平均返済期間は約30-31年だが、実際の完済期間は平均16.0年(繰上返済等により短縮)
  • 2024年統計では「30-35年」が最多(48.6%)、35年超の長期ローンも増加傾向(16.0%)
  • 月々の平均返済額は注文住宅14.5万円、分譲マンション12.3万円、中古マンション8.4万円
  • 審査期間は事前審査3日-1週間、本審査1-2週間、全体で約1-1.5ヶ月が目安
  • 返済期間の選び方:年収の20-25%が年間返済額の目安、長期で組んで繰上返済が柔軟な戦略

返済期間が与える影響(月々の負担・総利息)

返済期間は、月々の返済額と総利息に直接影響します。返済期間が長いほど月々の負担は軽くなりますが、総利息は増加します。逆に、返済期間が短いほど月々の負担は重くなりますが、総利息は減少します。

例:借入額3,000万円、金利1.0%の場合

返済期間 月々の返済額 総返済額 総利息
35年 約8.5万円 約3,557万円 約557万円
25年 約11.3万円 約3,395万円 約395万円
差額 +2.8万円 +162万円 +162万円

返済期間を10年短縮すると、月々の負担は約2.8万円増えますが、総利息を約162万円軽減できます。

平均返済期間と実際の完済期間の違い

住宅ローンの平均返済期間は約30-31年ですが、実際に完済するまでの期間は平均16.0年です。この差は、繰上返済や借り換えにより返済期間が短縮されるためです。

多くの方が、当初は長期の返済期間で組み、余裕ができた際に繰上返済を行う戦略を取っています。

返済期間の平均データ

2024年最新統計(30-35年が最多48.6%)

住宅金融支援機構の2024年4-9月調査によると、住宅ローンの返済期間は以下の分布です。

返済期間 割合
15年以下 5.4%
15-20年 3.9%
20-25年 9.1%
25-30年 17.0%
30-35年 48.6%
35年超 16.0%

30-35年が最も多く、約半数を占めています。また、35年超の長期ローンも増加傾向にあります。

戸建てとマンションの違い

住宅種別による平均返済期間の違いは以下の通りです。

住宅種別 平均返済期間
戸建て 約31.0年
マンション 約31.1年

戸建てとマンションで大きな差はなく、いずれも約31年です。

35年超の増加傾向(16.0%)

2024年の統計では、35年超の返済期間が16.0%を占めています。これは、マンション価格の高騰により、返済期間を長くして月々の負担を軽減する必要が生じているためです。

50年ローンの登場

最近では、返済期間を50年に設定できる超長期住宅ローンも登場しています。月々の負担を大幅に軽減できますが、完済時の年齢が高くなるリスクがあります。

平均返済期間31年 vs 実際の完済期間16年

前述の通り、平均返済期間は約31年ですが、実際の完済期間は平均16.0年です。この約11年の差は、以下の理由によります。

  • 繰上返済による返済期間短縮
  • 借り換えによる返済条件の見直し
  • 相続や退職金での一括返済

多くの方が、当初の返済期間より早く完済している実態があります。

返済期間の決め方

完済時の年齢を考慮する

返済期間を決める際の最も重要な要素は、完済時の年齢です。定年退職後も返済が続くと、収入減少により返済が厳しくなる可能性があります。

:

  • 現在35歳、返済期間35年 → 完済時70歳
  • 現在35歳、返済期間25年 → 完済時60歳

定年が60-65歳の場合、返済期間25-30年程度に抑えることで、定年前後での完済を目指せます。

年収に対する返済比率(20-25%が目安)

年収に対する年間返済額の割合(返済比率)は、20-25%が目安です。これを超えると、生活費や貯蓄に余裕がなくなり、返済が厳しくなる可能性があります。

例:年収600万円の場合

  • 年間返済額の目安:120-150万円
  • 月々の返済額の目安:10-12.5万円

返済期間と総利息のトレードオフ

返済期間を短くすると総利息は減りますが、月々の負担が重くなります。返済期間を長くすると月々の負担は軽くなりますが、総利息は増えます。

どちらを優先するかは、自分の収入、年齢、ライフプランにより異なります。

長期で組んで繰上返済する柔軟な戦略

返済期間の選び方として推奨される戦略は、「長期で組んで、余裕ができたら繰上返済する」です。

メリット:

  • 月々の負担を抑えられる
  • 余裕資金ができた際に繰上返済で総利息を軽減できる
  • 繰上返済しない自由もある(教育費等に充てる)

逆に、最初から短期で組むと、月々の負担が重く、ライフイベント(教育費、医療費等)に対応できないリスクがあります。

定年後の返済リスクへの対策

定年後も返済が続く場合、以下の対策を検討しましょう。

  • 退職金での一括返済または繰上返済
  • 定年後も働き続ける(再雇用、再就職)
  • 年金収入で返済できる範囲に抑える

定年後の収入を事前にシミュレーションし、無理のない返済計画を立てることが重要です。

月々の返済額の平均

住宅種別ごとの平均(注文住宅14.5万円、分譲マンション12.3万円、中古マンション8.4万円)

月々の返済額は、住宅種別により異なります。以下は平均的な月々の返済額です。

住宅種別 月々の返済額 年間返済額
注文住宅 約14.5万円 約174.0万円
分譲マンション 約12.3万円 約148.1万円
中古マンション 約8.4万円 約101.3万円

注文住宅は物件価格が高いため、月々の返済額も高くなります。中古マンションは物件価格が低いため、月々の返済額も低くなります。

返済期間による月額の違い(35年 vs 25年のシミュレーション)

借入額3,000万円、金利1.0%の場合、返済期間による月々の返済額の違いは以下の通りです。

返済期間 月々の返済額 年間返済額
35年 約8.5万円 約102万円
30年 約9.7万円 約116万円
25年 約11.3万円 約136万円
20年 約13.8万円 約166万円

返済期間が短くなるほど、月々の負担は重くなります。

年間返済額の目安

年収に対する年間返済額の目安は、年収の20-25%です。この範囲内であれば、生活費や貯蓄に余裕を持ちながら返済できます。

年収 年間返済額の目安 月々の返済額の目安
400万円 80-100万円 約6.7-8.3万円
600万円 120-150万円 約10-12.5万円
800万円 160-200万円 約13.3-16.7万円

審査期間の平均

事前審査(3日-1週間)

事前審査(仮審査)は、住宅ローンの本申込前に行う簡易審査です。審査期間は約3日が目安で、最長1週間程度です。

事前審査では、年収、勤務先、借入状況などを確認し、借入可能額の目安を提示します。

本審査(1-2週間)

本審査は、事前審査通過後に行う正式な審査です。審査期間は約1-2週間が目安で、最長3-4週間かかる場合もあります。

本審査では、物件の担保価値、健康状態(団体信用生命保険加入のため)、詳細な借入状況などを確認します。

全体の流れ(1-1.5ヶ月)

住宅ローンの審査全体の流れは、約1-1.5ヶ月が目安です。

ステップ 期間
事前審査 3日-1週間
本審査 1-2週間
契約手続き 1-2週間
合計 約1-1.5ヶ月

審査期間は申込者の状況や金融機関により大きく変動するため、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

金融機関別の違い(メガバンク vs ネット銀行)

金融機関により審査期間に差があります。

金融機関 事前審査 本審査
メガバンク 3日-1週間 1-2週間
地方銀行 3日-1週間 1-2週間
ネット銀行 即日-4日 1週間前後

ネット銀行は審査期間が短い傾向があり、約1週間短縮できる場合があります。

まとめ:返済期間選びのポイント

住宅ローンの返済期間は、平均30-31年ですが、実際の完済期間は平均16.0年です。多くの方が繰上返済により返済期間を短縮しています。

返済期間を決める際は、完済時の年齢、年収に対する返済比率(20-25%が目安)、返済期間と総利息のトレードオフを考慮しましょう。推奨される戦略は、長期で組んで余裕ができたら繰上返済する柔軟なアプローチです。

月々の平均返済額は、注文住宅14.5万円、分譲マンション12.3万円、中古マンション8.4万円です。審査期間は事前審査3日-1週間、本審査1-2週間、全体で約1-1.5ヶ月が目安です。

最終的な判断は、ファイナンシャルプランナーや金融機関の担当者に相談し、自分に合った返済期間を選びましょう。

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

広告

よくある質問

Q1住宅ローンの返済期間の平均は?

A1住宅金融支援機構の2024年統計によると、返済期間は30-35年が最多(48.6%)で、平均は約30-31年です。ただし、実際に完済するまでの期間は平均16.0年で、繰上返済や借り換えにより約11年短縮されています。戸建ては約31.0年、マンションは約31.1年と、住宅種別による大きな差はありません。

Q2住宅ローンの最長返済期間は?

A2一般的に最長35年です(フラット35等)。最近は返済期間を50年に設定できる超長期住宅ローンも登場しています。2024年統計では35年超の返済期間が16.0%を占め、増加傾向にあります。ただし、返済期間が長いと完済時の年齢が高くなり、定年後も返済が続くリスクがあります。完済時の年齢を考慮して返済期間を決めることが重要です。

Q3返済期間は長いほうがいい?短いほうがいい?

A3一長一短で、どちらが良いとは断定できません。返済期間が長い場合、月々の負担が軽くなりますが総利息は増えます。返済期間が短い場合、総利息は減りますが月々の負担は重くなります。推奨される柔軟な戦略は、長期で組んで余裕ができたら繰上返済する方法です。これにより、月々の負担を抑えながら、余裕資金で総利息を軽減できます。年収の20-25%を年間返済額の目安とし、自分のライフプランに合わせて選択しましょう。

Q4住宅ローンの審査期間はどれくらい?

A4事前審査(仮審査)は約3日が目安で最長1週間、本審査は約1-2週間が目安で最長3-4週間です。契約手続きを含めた全体の流れは約1-1.5ヶ月が目安です。ネット銀行は審査期間が短い傾向があり、事前審査が即日-4日程度、本審査が1週間前後で、約1週間短縮できる場合があります。審査期間は申込者の状況や金融機関により大きく変動するため、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

Q5繰上返済はいつするのがベスト?

A5繰上返済は早期に行うほど総利息軽減効果が大きくなります。借入当初の段階で繰上返済すると、元金が減少し、その後の利息負担が軽減されます。ただし、手元資金を残すことも重要です。ライフイベント(教育費、医療費等)に備えて、緊急予備資金を確保した上で、余裕資金で繰上返済を行うのが安全です。定年退職時の退職金での一括返済も選択肢の一つです。

R

Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

関連記事