住宅ローン金利の30年推移と今後の見通しを徹底分析

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/4

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なぜ住宅ローン金利の30年推移を知る必要があるのか

住宅ローンを組む際、「今の金利は高いのか、低いのか」と疑問に思う方は少なくありません。

この記事では、過去30年の住宅ローン金利推移を振り返り、現在の金利水準、今後の見通しを、住宅金融支援機構や日本銀行の公式データを元に解説します。

変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきか、借り換えを検討すべきタイミングはいつかを判断できるようになります。

この記事のポイント

  • 過去30年で住宅ローン金利は8.5%(1991年)から0.6%台(2025年)まで大幅に低下
  • 2024年3月の日銀マイナス金利解除を機に、約30年続いた超低金利時代が転換点を迎えた
  • 2025年12月時点で変動金利は0.6~0.7%、フラット35は1.97%で推移
  • 今後も金利上昇が予想され、2026年末までに政策金利が1.1%程度まで上昇する見込み

(1) 現在の金利水準が歴史的に高いか低いかを判断するため

過去30年の金利推移を知ることで、現在の金利が歴史的に見て高水準なのか低水準なのかを客観的に判断できます。

例えば、2025年12月時点の変動金利0.6~0.7%は、バブル期(1991年)の8.5%と比較すると約12分の1の水準です。一方で、マイナス金利政策期(2016~2024年3月)と比べると、やや上昇局面に入っています。

(2) 今後の金利動向を予測する材料として

金利は経済状況や日本銀行の金融政策によって変動します。過去の金利推移を見ることで、どのような局面で金利が上昇・下降したかのパターンを理解できます。

2024年3月の日銀マイナス金利解除は、約30年続いた超低金利時代の転換点となりました。今後も金融政策の動向を注視することが重要です。

(3) 変動金利と固定金利の選択判断に役立てるため

金利上昇局面では固定金利が、金利下降・安定局面では変動金利が有利になる傾向があります。過去30年の推移を知ることで、自分に合った金利タイプを選ぶ判断材料になります。

住宅ローン金利の基礎知識(変動金利・固定金利の違い)

住宅ローン金利には大きく分けて「変動金利」と「固定金利」の2種類があります。それぞれの仕組みと違いを理解しておきましょう。

(1) 変動金利とは:日銀の政策金利に連動

変動金利は、日本銀行の政策金利に連動して変動する金利タイプです。半年ごとに金利の見直しが行われますが、返済額は5年間固定される場合が多いです。

楽天銀行によると、変動金利は日銀の政策金利が主な指標となります。2025年12月時点では、主要金融機関の変動金利は0.6~0.7%程度で推移しています。

(2) 固定金利とは:10年国債利回りが指標

固定金利は、借入時から返済完了まで金利が変わらない金利タイプです。長期金利(10年国債利回り)が指標となります。

フラット35(住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利型住宅ローン)は、2025年12月時点で1.97%で推移しています。

(3) 基準金利と適用金利の関係

金融機関が設定する「基準金利」から、各種優遇を差し引いた金利が「適用金利」となります。例えば、基準金利が2.875%でも、優遇幅2.3%が適用されれば、実際の適用金利は0.575%となります。

過去30年の住宅ローン金利推移(1990年代~2024年)

過去30年の住宅ローン金利は、大きく3つの時期に分けられます。

(1) バブル期(1990年代前半):変動金利8%台の高金利時代

1991年には変動金利が8.5%に達しました。この時期は日本経済がバブル景気のピークを迎えており、金融引き締め政策により金利が高水準で推移していました。

SUUMOの調査によると、1984年からの長期データでは、1991年の8.5%が過去最高金利となっています。

(2) ゼロ金利期(2000年代~2015年):長期にわたる低金利

バブル崩壊後、日本銀行は金融緩和政策を推進し、金利は一貫して低下しました。2000年代以降は変動金利が2%前後で推移し、住宅ローンを組みやすい環境が続きました。

(3) マイナス金利期(2016年~2024年3月):史上最低水準の金利

2016年に日銀がマイナス金利政策を導入すると、住宅ローン金利は史上最低水準まで下がりました。変動金利は0.4~0.5%台、フラット35も1%台前半で推移し、「超低金利時代」と呼ばれました。

住宅金融支援機構によると、この約30年間は政策金利が低く抑えられ、変動金利も低水準で安定していました。

2024年以降の金利転換点とマイナス金利解除の影響

2024年3月、日本銀行がマイナス金利政策を解除したことで、住宅ローン金利は転換点を迎えました。

(1) 2024年3月の日銀マイナス金利政策解除

2024年3月、日銀は2016年から続けてきたマイナス金利政策を解除しました。これにより、約30年続いた超低金利時代が終わりを告げました。

(2) 2025年の金利上昇:変動金利0.15~0.35%上昇

ダイヤモンド不動産研究所によると、2025年4月には変動金利が0.15~0.35%上昇しました。固定金利も上昇傾向にあり、10年固定・35年固定ともに上昇が続いています。

(3) 2025年12月時点の金利水準(変動金利0.6~0.7%、フラット35 1.97%)

モゲチェックによると、2025年12月は変動金利が据え置かれ、0.6~0.7%程度で推移しています。一方、フラット35は1.97%となっています。

今後の金利見通しと変動金利・固定金利の選び方

今後も金利上昇が予想される中、どのように金利タイプを選ぶべきかを解説します。

(1) 2026年末までの政策金利上昇予測(1.1%程度まで)

住まいサーフィンによると、ESPフォーキャスト調査では政策金利が2026年末までに約1.1%まで上昇すると予測されています。

これに伴い、2026年4月には銀行の基準金利が0.25%上昇する可能性があります。

(2) 金利上昇局面での変動金利のリスク

変動金利は今後上昇する可能性が高く、返済額が増えるリスクがあります。例えば、3,000万円を35年ローンで借りた場合、金利が0.5%上昇すると月々の返済額は約8,000円増加します。

返済計画に余裕がない場合、金利上昇により家計が圧迫される可能性があるため注意が必要です。

(3) 固定金利を選ぶべき人・変動金利を選ぶべき人

以下の表を参考に、自分に合った金利タイプを選びましょう。

金利タイプ おすすめの人
固定金利 金利上昇リスクを避けたい、返済計画を確定したい、収入が安定している
変動金利 金利動向を注視できる、繰上返済で早期完済を目指す、返済期間が短い

(4) 借り換えを検討すべきタイミング

現在、変動金利で借りている方は、今後の金利上昇を見越して固定金利への借り換えを検討することも選択肢の一つです。

ただし、借り換えには手数料(数十万円)がかかるため、金利差と残存期間を考慮して判断する必要があります。詳細はファイナンシャルプランナーや金融機関にご相談ください。

まとめ:金利推移を踏まえた住宅ローン選択のポイント

過去30年の住宅ローン金利は、バブル期の8.5%から2025年の0.6~0.7%まで大幅に低下しました。しかし、2024年3月の日銀マイナス金利解除を機に、金利は上昇局面に転じています。

今後も政策金利は2026年末までに1.1%程度まで上昇する見込みで、変動金利を選んだ場合は返済額が増えるリスクがあります。固定金利は返済額が確定する安心感がありますが、金利が下がっても恩恵を受けられません。

自分のライフプランや収入状況に合わせて、慎重に金利タイプを選びましょう。最新の金利情報は住宅金融支援機構や各金融機関の公式サイトで確認できます。

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よくある質問

Q1バブル期の住宅ローン金利はどれくらい高かったのか?

A11991年には変動金利が8.5%に達しました。現在(2025年)の変動金利0.6~0.7%と比較すると約12倍の水準です。当時は日本経済がバブル景気のピークを迎えており、金融引き締め政策により金利が高水準で推移していました。

Q22024年のマイナス金利解除でどれくらい金利が上がったのか?

A22024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除し、2025年4月には変動金利が0.15~0.35%上昇しました。固定金利も上昇傾向で、フラット35は2025年12月時点で1.97%で推移しています。約30年続いた超低金利時代が転換点を迎えた形です。

Q3今後の住宅ローン金利はどうなるのか?

A3ESPフォーキャスト調査によると、政策金利は2026年末までに1.1%程度まで上昇する見込みです。変動金利も今後上昇する可能性が高く、2026年4月には銀行の基準金利が0.25%上昇する可能性があります。ただし、経済状況や日銀の政策により変動するため、最新情報は各金融機関や住宅金融支援機構でご確認ください。

Q4金利推移のグラフはどこで確認できるのか?

A4住宅金融支援機構のフラット35公式サイト(https://www.flat35.com/)、各銀行の公式サイト、イー・ローン(https://www.eloan.co.jp/)等の比較サイトで長期的な金利推移グラフを確認できます。過去数十年分のデータが視覚的に表示され、現在の金利水準を客観的に把握できます。

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Room Match編集部

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