長期金利上昇が住宅ローンに与える影響と対策を徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/1

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長期金利上昇が住宅ローン検討者に注目される理由

長期金利の上昇ニュースを見て、「住宅ローンにどう影響するのか」と不安に感じている方は少なくありません。

この記事では、長期金利と住宅ローンの関係、固定金利・変動金利への影響、金利上昇時の対策と借り換えの判断基準を解説します。

日本銀行の金融政策データや金融機関の最新情報をもとに、金利タイプ別の対応方法を明らかにし、自分に合った住宅ローン選択ができるようになります。

この記事のポイント

  • 長期金利は2024年5月に11年振り1%台、2025年10月に1.67%まで上昇
  • 固定金利は長期金利に連動し直ちに上昇、変動金利は短期金利に連動しタイムラグあり
  • 金利1%上昇で、3000万円借入の場合、月々約1.4万円、総額約587万円増
  • 変動金利は家計に余裕がある人向け、固定金利は長期借入で家計に余裕がない人向け
  • 繰り上げ返済、キャッシュフロー表の作成、金利ミックス型の活用が有効な対策

(1) 2024-2025年の長期金利推移(1.08%→1.67%)

2024年から2025年にかけて、長期金利(10年物国債金利)は急速に上昇しました。

時期 長期金利 特徴
2024年5月末 1.08% 11年振りに1%台に達する
2025年10月末 1.67% 17年ぶりの高水準

この長期金利の上昇は、住宅ローン検討者にとって重要な意味を持ちます。特に固定金利型住宅ローンは、長期金利に連動するため、直接的な影響を受けます。

(2) 日銀のマイナス金利政策解除と利上げの影響

長期金利上昇の背景には、日本銀行(日銀)の金融政策転換があります。

日銀の政策金利推移:

時期 政策金利 内容
~2024年3月 -0.1% マイナス金利政策
2024年3月 0% マイナス金利政策解除
2024年7月 0.25% 追加利上げ
2025年1月 0.5% 追加利上げ

日銀のマイナス金利政策解除と利上げにより、短期金利(政策金利)が上昇しました。これは変動金利型住宅ローンに影響を与えます。

(3) 住宅ローン金利への波及

長期金利上昇と日銀の利上げにより、住宅ローン金利も上昇しています。

2025年11月時点の住宅ローン金利:

金利タイプ 金利水準
大手銀行の10年固定金利 1.8~2.2%
フラット35(21~35年) 1.90%(前月比+0.01%)
変動金利 2025年4月に0.15~0.35%上昇

このように、固定金利・変動金利ともに上昇傾向にあります。

長期金利と住宅ローンの関係(固定金利vs変動金利)

長期金利と住宅ローンの関係を理解するためには、まず長期金利と短期金利の違いを把握する必要があります。

(1) 長期金利とは(10年物国債金利)

長期金利は、満期までの期間が1年以上の債券の金利です。代表的なものは10年物国債の金利で、固定金利型住宅ローンの基準金利に影響します。

長期金利は市場で決まるため、経済情勢や投資家の需給により変動します。

(2) 短期金利とは(政策金利・短期プライムレート)

短期金利は、満期までの期間が1年未満の債券の金利です。日本銀行の政策金利に連動し、変動金利型住宅ローンに影響します。

変動金利型住宅ローンは、短期プライムレート(短期金利)に連動し、半年ごとに金利が見直されます。

(3) 固定金利は長期金利に連動、変動金利は短期金利に連動

住宅ローン金利と長期金利・短期金利の関係は以下の通りです。

金利タイプ 連動する金利 影響の受け方
固定金利型 長期金利(10年物国債金利) 長期金利が上昇すると直ちに上昇
変動金利型 短期金利(政策金利・短期プライムレート) 日銀の利上げにより上昇、タイムラグあり

重要なポイント:

  • 長期金利上昇の影響は、固定金利型に直接的
  • 変動金利型は短期金利に連動するため、長期金利上昇の影響は間接的

(4) 変動金利の利用率(約80%)

2024年時点で、約80%の住宅ローン利用者が変動金利を選択しています。変動金利は固定金利よりも金利が低い傾向があるため、多くの利用者が選んでいます。

ただし、金利上昇リスクがあるため、家計の余裕や借入期間を考慮した選択が重要です。

長期金利上昇が固定金利型住宅ローンに与える影響

長期金利上昇は、固定金利型住宅ローンに直接的な影響を与えます。

(1) 固定金利の上昇傾向(10年固定1.8~2.2%、フラット35は1.90%)

2025年11月時点で、固定金利型住宅ローンの金利は以下の水準です。

金利タイプ 金利水準 備考
大手銀行の10年固定金利 1.8~2.2% 長期金利上昇に伴い上昇傾向
フラット35(21~35年) 1.90% 前月比+0.01%、住宅金融支援機構が提供

フラット35は、住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利型住宅ローンです。長期金利の動向に応じて毎月金利が見直されます。

(2) 長期金利上昇と固定金利の連動

固定金利型住宅ローンは、10年物国債の金利(長期金利)を基準に設定されます。長期金利が上昇すると、以下のプロセスで固定金利も上昇します。

  1. 長期金利(10年物国債金利)が上昇
  2. 金融機関が固定金利型住宅ローンの基準金利を引き上げ
  3. 新規借入者の適用金利が上昇

すでに固定金利で借りている場合は、契約時の金利が全期間または一定期間固定されるため、長期金利上昇の影響は受けません。

(3) 今後の固定金利の見通し

今後の固定金利の動向は、長期金利次第で変動します。

見通しのポイント:

  • 長期金利がさらに上昇すれば、固定金利も連動して上昇
  • 日銀の金融政策や経済情勢により変動するため、断定はできない
  • 最新の金融機関の動向を定期的に確認することが重要

詳細は金融機関やファイナンシャルプランナーに相談することを推奨します。

変動金利型住宅ローンへの影響とタイムラグ

変動金利型住宅ローンは、長期金利ではなく短期金利に連動するため、影響の受け方が異なります。

(1) 変動金利は短期金利に連動(長期金利の影響は間接的)

変動金利型住宅ローンは、短期プライムレート(短期金利)に連動します。短期プライムレートは、日本銀行の政策金利に連動して変動します。

長期金利と変動金利の関係:

  • 長期金利が上昇しても、直ちに変動金利が上昇するわけではない
  • 日銀が政策金利を引き上げた場合、短期プライムレートが上昇し、変動金利も上昇

(2) 2025年4月の変動金利上昇(0.15~0.35%)

2024年3月のマイナス金利政策解除後、政策金利が上昇したことで、変動金利型住宅ローンの金利も上昇しました。

変動金利の上昇幅:

  • 2025年4月の変動金利型住宅ローンの金利は、おおむね0.15~0.35%上昇

このように、政策金利の引き上げにより、変動金利も上昇する傾向にあります。

(3) 政策金利の推移(0%→0.5%)と今後の見通し

日銀の政策金利は、2024年3月の0%から2025年1月には0.5%まで引き上げられました。

今後の見通し:

  • 日銀が追加利上げを行う可能性がある
  • 政策金利がさらに上昇すれば、変動金利も連動して上昇
  • 経済情勢や物価動向により変動するため、断定はできない

変動金利型住宅ローンを利用している場合は、金利上昇リスクに備えた対策が重要です。

金利上昇時の対策と借り換えの判断基準

金利上昇時には、以下の対策を検討することで、返済負担を軽減できます。

(1) 繰り上げ返済で元本を減らす

繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に、ローンの元本の一部または全部を返済することです。

メリット:

  • 元本が減ることで、金利上昇の影響を抑制できる
  • 総返済額を減らせる

注意点:

  • 繰り上げ返済手数料がかかる場合がある
  • 手元資金が減るため、緊急時の備えとのバランスが重要

(2) キャッシュフロー表の作成とシミュレーション

キャッシュフロー表とは、将来の収入・支出・貯蓄を時系列で示した表です。

活用方法:

  • 金利上昇時の家計への影響をシミュレーション
  • 金利が1%上昇した場合の返済額を試算
  • 家計の余裕度を確認し、対策を検討

キャッシュフロー表の作成は、ファイナンシャルプランナーに相談することを推奨します。

(3) 固定金利への借り換えのメリット・デメリット

変動金利から固定金利への借り換えは、金利上昇リスクを回避できる選択肢です。

メリット:

  • 金利が固定されるため、今後の金利上昇の影響を受けない
  • 返済計画が立てやすい

デメリット:

  • 借り換え手数料(数十万円)がかかる
  • 現行の固定金利水準が高い場合、総返済額が増える可能性

判断基準:

  • 借り換え手数料と、金利上昇による返済額増加を比較
  • 残りの返済期間や借入残高を考慮
  • 金融機関やファイナンシャルプランナーに相談して判断

(4) 金利ミックス型の活用

金利ミックス型とは、変動金利と全期間固定金利を組み合わせた住宅ローンです。

メリット:

  • 変動金利部分は低金利のメリットを享受
  • 固定金利部分は金利上昇リスクを回避
  • リスク分散ができる

:

  • 借入額3000万円のうち、1500万円を変動金利、1500万円を固定金利で借りる

金利ミックス型は、変動金利と固定金利のメリットを両立できる選択肢として、利用者が増加しています。

まとめ:状況別の金利タイプ選択ガイド

長期金利上昇が住宅ローンに与える影響は、金利タイプによって異なります。自分の状況に合った金利タイプを選ぶことが重要です。

(1) 変動金利が向いているケース(家計に余裕、自己資金が多い)

変動金利が向いている人:

  • 家計に余裕があり、金利上昇時も返済を続けられる
  • 自己資金(頭金)が多く、借入額が少ない
  • 繰り上げ返済で元本を早期に減らせる見込みがある

変動金利は、固定金利よりも金利が低い傾向があるため、総返済額を抑えられる可能性があります。ただし、金利上昇リスクに備えた対策が必要です。

(2) 固定金利が向いているケース(長期借入、家計に余裕がない)

固定金利が向いている人:

  • 30~35年の長期借入で、返済期間が長い
  • 家計に余裕がなく、金利上昇時の返済増加に対応できない
  • 返済計画を固定し、将来の不安を減らしたい

固定金利は、金利が固定されるため、金利上昇リスクを回避できます。ただし、変動金利よりも金利が高い傾向があります。

(3) 金利上昇シミュレーション(金利1%上昇で月1.4万円、総額587万円増)

金利が1%上昇した場合の返済額への影響を理解することで、金利上昇リスクを実感できます。

シミュレーション条件:

  • 借入金額:3000万円
  • 返済期間:35年
  • 現在の金利:1%(変動金利)
  • 金利上昇後:2%

返済額の変化:

項目 金利1% 金利2% 差額
月々の返済額 約8.5万円 約9.9万円 約1.4万円増
35年間の総返済額 約3,557万円 約4,144万円 約587万円増

このように、金利1%の上昇でも、総返済額は約587万円増加します。金利上昇リスクを踏まえた対策が重要です。

最終的な判断:

  • 金利タイプの選択は、家計の余裕、借入期間、リスク許容度により異なる
  • 複数の金融機関に相談し、シミュレーションを依頼する
  • ファイナンシャルプランナーに相談し、総合的な判断を行う

長期金利上昇の影響を理解し、自分に合った住宅ローンを選ぶことで、安心して返済を続けられます。詳細は金融機関やファイナンシャルプランナーにご相談ください。

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よくある質問

Q1長期金利とは何ですか?

A1満期までの期間が1年以上の債券の金利です。代表的なものは10年物国債の金利で、固定金利型住宅ローンの基準金利に影響します。2024年5月に11年振りに1%台に達し、2025年10月には1.67%まで上昇しました。長期金利は市場で決まるため、経済情勢や投資家の需給により変動します。固定金利型住宅ローンを検討する際は、長期金利の動向を確認することが重要です。

Q2長期金利が上昇すると住宅ローン金利はどう変わりますか?

A2固定金利型住宅ローンは長期金利(10年物国債金利)に連動するため、長期金利が上昇すると直ちに上昇します。一方、変動金利型住宅ローンは短期金利(政策金利・短期プライムレート)に連動するため、長期金利上昇の影響は間接的で、タイムラグがあります。2025年11月時点で、大手銀行の10年固定金利は1.8~2.2%、フラット35は1.90%となっています。

Q3固定金利と変動金利のどちらを選ぶべきですか?

A3家計に余裕があり自己資金が多い場合は変動金利、30~35年の長期借入で家計に余裕がない場合は固定金利を検討してください。変動金利は金利が低い傾向があり総返済額を抑えられますが、金利上昇リスクがあります。固定金利は金利が高めですが、金利上昇リスクを回避できます。金利ミックス型(変動+固定)でリスク分散する選択肢もあります。金融機関やファイナンシャルプランナーに相談して判断することを推奨します。

Q4借り換えをすべきでしょうか?

A4借り換え手数料(数十万円)と、金利上昇による返済額増加を比較して判断してください。変動金利から固定金利への借り換えは、金利上昇リスクを回避できますが、現行の固定金利水準が高い場合は総返済額が増える可能性があります。残りの返済期間や借入残高を考慮し、金融機関やファイナンシャルプランナーに相談して判断することを推奨します。

Q5今後の住宅ローン金利はどうなりますか?

A5日銀の金融政策や経済情勢により変動するため、断定はできません。2025年1月に政策金利が0.5%まで引き上げられ、今後も追加利上げの可能性があります。長期金利も2025年10月に1.67%まで上昇しており、固定金利は上昇傾向にあります。最新の金融機関の動向を定期的に確認し、必要に応じてファイナンシャルプランナーに相談することを推奨します。

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Room Match編集部

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