住宅ローン4000万円はきつい?年収別の返済シミュレーションと判断基準

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/2

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

住宅ローン4000万円はきつい?検討前に知るべき基本

「住宅ローン4000万円を組むと生活がきついのではないか」と不安を感じている方は少なくありません。年収に対する適正額、月々の返済額、将来のリスクを正しく理解した上で判断することが重要です。

この記事では、住宅ローン4000万円の返済シミュレーション、年収別の適正判断、リスク回避策について、金融機関の統計と専門家の見解を元に解説します。これから住宅購入を検討する方が、無理のない資金計画を立てられるようになります。

この記事のポイント

  • 住宅ローン4000万円には最低年収500万円、理想は666万円以上が必要
  • 返済負担率を20~25%に抑えることで、無理のない返済が可能
  • 月々の返済額は金利0.5%・35年返済で約10.4万円、金利1.0%で約11.3万円
  • 変動金利の上昇、収入減少、共働き世帯の片方退職がリスク要因
  • 頭金を用意し、専門家(FP)に相談することで後悔を防げる

(1) なぜ4000万円が判断の分かれ目なのか

住宅ローン4000万円は、多くの世帯にとって「借りられるか」と「無理なく返せるか」の判断が分かれる金額です。金融機関の審査では年収500万円以上で通ることが多いですが、実際の生活を考えると余裕が少ないケースがあります。

(2) 本記事で分かること

本記事では、以下の内容を解説します。

  • 4000万円の住宅ローンに必要な年収の目安
  • 年収別の返済シミュレーション(年収500万円~1500万円)
  • きついと感じる理由とリスク要因
  • 無理なく返せる条件と対策

住宅ローン4000万円の基礎知識

(1) 必要な年収の目安(最低500万円、理想666万円以上)

住宅ローン4000万円を組むには、一般的に以下の年収が必要です。

年収 審査通過の可能性 返済負担率 生活の余裕
500万円 可能(ギリギリ) 約30% 厳しい
600万円 可能 約25% やや余裕あり
700万円以上 余裕あり 約20% 余裕あり

金融機関の審査基準は年収の30~35%ですが、実際に無理なく返せる返済負担率は20~25%とされています。

(2) 月々の返済額シミュレーション(金利別)

住宅ローン4000万円の月々の返済額は、金利と返済期間により異なります。

35年返済の場合

金利 月々の返済額 年間返済額
0.5% 約10.4万円 約125万円
0.8% 約11.0万円 約132万円
1.0% 約11.3万円 約136万円
1.5% 約12.3万円 約148万円

30年返済の場合

金利 月々の返済額 年間返済額
0.5% 約11.5万円 約138万円
1.0% 約12.9万円 約155万円

金利が1%上がると、月々の返済額は約1万円増加します。

(3) 総返済額と利息負担

住宅ローン4000万円の総返済額は、以下の通りです。

金利 返済期間 総返済額 利息負担
0.5% 35年 約4,382万円 約382万円
1.0% 35年 約4,743万円 約743万円
1.5% 35年 約5,152万円 約1,152万円

金利が低いほど、総返済額と利息負担を抑えられます。

(4) 返済負担率の考え方(20~25%が理想)

返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合です。

返済負担率の目安

  • 20%以内:余裕あり(推奨)
  • 25%以内:無理のない範囲
  • 30%超:生活が苦しくなる可能性あり

例えば、年収600万円の場合、年間返済額120万円(月々10万円)なら返済負担率は20%です。

年収別の返済シミュレーション

(1) 年収500万円の場合(返済負担率30%超でリスク高)

年収500万円・4000万円借入の場合

  • 月々の返済額:約10.4万円(金利0.5%・35年)
  • 年間返済額:約125万円
  • 返済負担率:約25%(額面年収ベース)
  • 手取り年収ベース:約31%(手取り約400万円)

年収500万円で4000万円を借りると、返済負担率が高く、生活費・教育費・将来の支出を考えると余裕が少ないです。慎重に検討してください。

(2) 年収600万円の場合(返済負担率25%前後)

年収600万円・4000万円借入の場合

  • 月々の返済額:約10.4万円(金利0.5%・35年)
  • 年間返済額:約125万円
  • 返済負担率:約21%(額面年収ベース)
  • 手取り年収ベース:約26%(手取り約480万円)

年収600万円なら、返済負担率が25%前後となり、やや余裕があります。ただし、家族構成や生活費により異なります。

(3) 年収700万円の場合(返済負担率20%前後)

年収700万円・4000万円借入の場合

  • 月々の返済額:約10.4万円(金利0.5%・35年)
  • 年間返済額:約125万円
  • 返済負担率:約18%(額面年収ベース)
  • 手取り年収ベース:約22%(手取り約560万円)

年収700万円なら、返済負担率が20%以内となり、無理のない返済が可能です。

(4) 年収800万円以上の場合(余裕あり)

年収800万円・4000万円借入の場合

  • 月々の返済額:約10.4万円(金利0.5%・35年)
  • 年間返済額:約125万円
  • 返済負担率:約16%(額面年収ベース)
  • 手取り年収ベース:約20%(手取り約640万円)

年収800万円以上なら、返済負担率が低く、余裕を持って返済できます。

(5) 世帯年収別の判断基準(共働き世帯の注意点)

共働き世帯の場合、世帯年収で判断することが多いですが、以下の点に注意してください。

  • 片方が退職した場合:育児・介護等で片方が退職すると、世帯年収が大幅に減少
  • ペアローン・連帯債務:2人で借りる場合、片方の返済が困難になるリスク

世帯年収600万円(夫400万円・妻200万円)の場合、妻が退職すると年収400万円となり、返済が困難になる可能性があります。

住宅ローン4000万円がきついと感じる理由とリスク

(1) 返済負担率が高く生活費を圧迫

返済負担率が30%を超えると、生活費・教育費・貯蓄に回せる金額が少なくなります。急な支出(医療費・家電買い替え等)に対応できない可能性があります。

(2) 変動金利の上昇リスク(2024年の金利引き上げ動向)

変動金利で借りた場合、将来の金利上昇で返済額が増加するリスクがあります。2024年は大手銀行が約17年ぶりに変動金利を引き上げました。

金利が0.5%から1.5%に上昇した場合、月々の返済額は約10.4万円から約12.3万円に増加します(約1.9万円増)。

(3) 収入減少のリスク(病気・失業・離婚・介護)

病気・失業・離婚・介護などで収入が減少すると、返済が困難になります。住宅ローン返済失敗の主な原因は、収入減少です。

(4) 共働き世帯の片方退職リスク

共働き世帯が世帯年収で住宅ローンを組んだ場合、片方が退職すると返済が困難になるリスクがあります。育児・介護等で退職する可能性を考慮してください。

(5) 住宅ローン滞納の実例と競売リスク

住宅ローンを滞納すると、以下の流れで競売・差し押さえに至る可能性があります。

  1. 滞納開始
  2. 金融機関からの督促
  3. 3~6か月滞納で期限の利益喪失(一括返済請求)
  4. 競売手続き開始
  5. 自宅を失う

2024年12月時点で、住宅ローン滞納が増加傾向にあります。早期に金融機関に相談することが重要です。

無理なく返せる条件と対策

(1) 頭金を用意して借入額を減らす

頭金を用意することで、借入額を減らし、月々の返済負担を軽減できます。

  • 物件価格5000万円・頭金1000万円の場合、借入額4000万円
  • 物件価格4500万円・頭金500万円の場合、借入額4000万円

頭金は物件価格の10~20%が目安です。ただし、手元に生活予備費(6か月分)を残すことも重要です。

(2) 返済期間の調整(35年 vs 30年)

返済期間を30年にすると、月々の返済額は増えますが、総返済額と利息負担を抑えられます。

返済期間 月々の返済額(金利0.5%) 総返済額 利息負担
35年 約10.4万円 約4,382万円 約382万円
30年 約11.5万円 約4,139万円 約139万円

月々の返済額に余裕がある場合は、30年返済を検討してください。

(3) 固定金利と変動金利の選び方

変動金利

  • メリット:金利が低い
  • デメリット:将来の金利上昇リスクがある

固定金利

  • メリット:返済額が一定で安定
  • デメリット:変動金利より高い

将来の金利上昇リスクを避けたい場合は固定金利、低金利の恩恵を受けたい場合は変動金利を検討してください。

(4) ペアローン・連帯債務の活用

共働き世帯の場合、ペアローン・連帯債務を活用することで、2人とも住宅ローン控除を受けられます。

ペアローン

  • 夫婦それぞれが住宅ローンを組む
  • 2人とも住宅ローン控除を受けられる
  • 片方が返済困難になった場合のリスクあり

連帯債務

  • 1つの住宅ローンを2人で返済
  • 主債務者と連帯債務者がいる

メリット・デメリットを理解した上で、選択してください。

(5) 返済計画の見直しと専門家への相談

住宅ローンを組む前に、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談することをおすすめします。家族構成、生活費、将来の支出計画を考慮した上で、無理のない返済計画を立てられます。

また、複数の金融機関で条件を比較し、自分に合った住宅ローンを選びましょう。

まとめ:4000万円の住宅ローンで後悔しないために

(1) 年収別の判断基準まとめ

住宅ローン4000万円を組むには、最低年収500万円、理想は666万円以上が必要です。返済負担率を20~25%に抑えることで、無理のない返済が可能です。

年収別の判断基準は以下の通りです。

年収 返済負担率 判断
500万円 約30% 慎重に検討
600万円 約25% やや余裕あり
700万円以上 約20%以下 余裕あり

変動金利の上昇、収入減少、共働き世帯の片方退職がリスク要因です。頭金を用意し、専門家(FP)に相談することで、後悔を防げます。

(2) 次のアクション(FP相談、金融機関比較)

住宅ローンを組む前に、以下のアクションを取りましょう。

  1. ファイナンシャルプランナー(FP)に相談し、家計状況を確認
  2. 複数の金融機関で条件を比較(金利・手数料・審査基準)
  3. 返済シミュレーションを行い、無理のない返済額を確認
  4. 頭金を用意し、借入額を減らす
  5. 固定金利・変動金利のメリット・デメリットを理解

無理のない資金計画を立て、後悔のない住宅購入を実現しましょう。

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

広告

よくある質問

Q1住宅ローン4000万円を組むには年収いくら必要ですか?

A1最低年収500万円、理想は666万円以上です。返済負担率を20~25%に抑えるため、世帯年収600万円以上が目安です。年収500万円でも金融機関の審査は通る可能性がありますが、返済負担率が30%を超え、生活費・教育費・将来の支出を考えると余裕が少ないです。手取り年収(額面の80%)で計算すると、さらに返済負担率が高くなるため、慎重に検討してください。

Q2住宅ローン4000万円の月々の返済額はいくらですか?

A2金利0.5%・35年返済で約10.4万円、金利1.0%で約11.3万円です。変動金利か固定金利か、返済期間により異なります。30年返済の場合、金利0.5%で約11.5万円となります。詳細は金融機関のシミュレーターで試算してください。金利が1%上がると、月々の返済額は約1万円増加するため、変動金利の上昇リスクも考慮が必要です。

Q3住宅ローン4000万円と5000万円の違いは?

A3月々の返済額は約2.6~2.8万円の差です(金利0.5%・35年返済)。5000万円の場合、月々の返済額は約13.0万円となり、必要年収は700万円以上となります。返済負担率が高くなるため、年収に対する適正額を慎重に判断してください。総返済額も約1,000万円以上の差が出るため、本当に5000万円が必要か、物件価格を見直すことも検討してください。

Q4住宅ローン4000万円で後悔しないポイントは?

A4返済負担率を25%以内に抑える、頭金を用意する、変動金利の上昇リスクを考慮する、共働き世帯は片方退職時のリスクを想定する、専門家(ファイナンシャルプランナー)に相談することが重要です。また、生活予備費(6か月分)を手元に残し、急な支出に対応できるようにしてください。複数の金融機関で条件を比較し、自分に合った住宅ローンを選びましょう。

Q5頭金はいくら用意すべきですか?

A5物件価格の10~20%が目安です。頭金を用意することで借入額を減らし、月々の返済負担を軽減できます。例えば、物件価格5000万円の場合、頭金1000万円(20%)を用意すれば、借入額は4000万円となります。ただし、手元に生活予備費(6か月分)を残すことも重要です。頭金を用意しすぎて、生活費が不足しないよう注意してください。

R

Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

関連記事