土地先行融資とは?仕組みと注意点|つなぎ融資との違いを徹底解説

著者: Room Match編集部公開日: 2026/1/5

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土地先行融資とは?注文住宅を建てる方が知っておくべき基礎知識

注文住宅を建てる際、「土地を先に購入してから建物を建てたいが、資金はどう準備すればいいのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。土地と建物の両方に資金が必要になるため、資金計画が複雑になります。

この記事では、土地先行融資の仕組み、つなぎ融資との違い、メリット・デメリット、利用手順を、みずほ銀行三井住友銀行などの公式情報を元に解説します。

初めて注文住宅を建てる方でも、土地購入から建物完成までの資金の流れを理解し、適切な融資方法を選択できるようになります。

この記事のポイント

  • 土地先行融資は、土地購入時と建物完成時の2回に分けて融資を受けられる住宅ローン
  • 土地を担保にするため、つなぎ融資(金利2.5~3%)と比べて金利が低く抑えられる
  • 土地融資実行時から返済が始まるため、賃貸住宅の家賃との二重負担が発生する可能性がある
  • 住宅ローン控除を受けるには、土地購入から2年以内の建築完了と抵当権設定が必要
  • 審査時には土地と建物の両方の資料が必要なため、ハウスメーカーや工務店を事前に決めておく必要がある

(1) 土地先行融資の定義と利用場面

みずほ銀行によると、土地先行融資とは、住宅を建てるための土地代金を先行して融資を受けられる住宅ローンです。土地購入時と建物完成時の2回に分けて融資を実行します。

土地先行融資が必要な場面:

  • 注文住宅を建てる際、土地を先に購入する必要がある
  • 土地代金を自己資金だけでは賄えない
  • 土地と建物を同じ住宅ローンで一括して借りたい

注文住宅を建てる場合、土地購入と建物建築のタイミングがずれるため、通常の住宅ローン(建物完成時に一括融資)では対応できません。土地先行融資は、この問題を解決する融資方法です。

(2) 取扱金融機関と利用可能な条件

土地先行融資は、すべての金融機関で取り扱っているわけではありません。主な取扱金融機関は以下の通りです。

主な取扱金融機関:

  • みずほ銀行
  • 三井住友銀行
  • 住信SBIネット銀行
  • その他の都市銀行・地方銀行(取扱状況は要確認)

申込前に、複数の金融機関に取扱状況を確認することを推奨します。

土地先行融資の仕組みと融資実行のタイミング

土地先行融資では、土地購入時と建物完成時の2回に分けて融資を受けます。それぞれのタイミングと返済方法を理解しておくことが重要です。

(1) 2回に分けて融資を受ける流れ(土地購入時・建物完成時)

三井住友銀行によると、土地先行融資の融資実行タイミングは以下の通りです。

タイミング 融資内容 抵当権設定
土地購入時 土地代金を融資 土地に抵当権を設定
建物完成時 建物代金を融資 土地と建物の両方に抵当権を設定

融資の流れ:

  1. 土地購入時:土地代金の融資を受け、土地に抵当権を設定
  2. 建物建築中:建築会社に着工金・中間金を支払い(自己資金または別途つなぎ融資)
  3. 建物完成時:建物代金の融資を受け、土地と建物の両方に抵当権を設定

土地購入時に土地を担保にするため、つなぎ融資(無担保)と比べて金利が低く抑えられます。

(2) 返済はいつから始まるのか(利息のみ返済→元金+利息)

土地先行融資の返済は、土地融資実行時から始まります。ただし、建物完成までは利息のみの返済とする金融機関が多いです。

返済スケジュール例:

期間 返済内容 注意点
土地購入〜建物完成 利息のみ返済 賃貸住宅の家賃と二重負担の可能性
建物完成後 元金+利息の通常返済 土地と建物の合計額が返済対象

土地融資実行時から返済が始まるため、賃貸住宅に住んでいる場合は家賃との二重負担が発生します。資金計画を立てる際は、この点を考慮してください。

(3) 建築期限(着工12ヶ月以内・竣工24ヶ月以内)

土地先行融資には、建築期限が設定されています。金融機関により異なりますが、一般的な期限は以下の通りです。

建築期限の目安:

  • 着工:土地ローン実行から12ヶ月以内
  • 竣工(建物完成):土地ローン実行から24ヶ月以内

この期限を超えると、融資条件が変更される可能性があるため、契約前に金融機関に確認してください。

土地先行融資とつなぎ融資の違い|金利・担保・返済方法を比較

土地先行融資とつなぎ融資は、どちらも土地購入資金を調達する方法ですが、仕組みが大きく異なります。

(1) 金利の違い(住宅ローン並み vs 2.5~3%)

みずほ銀行によると、土地先行融資とつなぎ融資の金利は以下のように異なります。

融資方法 金利 理由
土地先行融資 住宅ローン並み(変動金利0.5~1%程度) 土地を担保にするため
つなぎ融資 2.5~3%程度 無担保のため金利が高い

(出典: みずほ銀行

金利が低いという点で、土地先行融資はつなぎ融資よりも有利です。

(2) 担保の有無(土地担保 vs 無担保)

土地先行融資とつなぎ融資の最大の違いは、担保の有無です。

融資方法 担保 抵当権設定
土地先行融資 土地を担保にする 土地に抵当権を設定
つなぎ融資 無担保 抵当権設定なし

土地先行融資は土地に抵当権を設定するため、抵当権設定費用(登録免許税・司法書士報酬等で十数万円程度)が別途必要です。

(3) どちらを選ぶべきか(金融機関の取扱状況による)

土地先行融資とつなぎ融資の選択は、金融機関の取扱状況により決まることが多いです。

選択基準:

  • 金融機関が土地先行融資を取り扱っている → 土地先行融資を選択(金利が低い)
  • 金融機関が土地先行融資を取り扱っていない → つなぎ融資を選択

まずは、希望する金融機関に土地先行融資の取扱状況を確認してください。

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土地先行融資のメリット・デメリット

土地先行融資には、金利が低いというメリットがある一方で、返済が早期に始まるというデメリットもあります。

(1) メリット:金利が低い・住宅ローン控除が受けられる

土地先行融資の主なメリットは以下の通りです。

メリット:

  • 金利が低い: 土地を担保にするため、住宅ローン並みの金利(0.5~1%程度)で借りられる
  • 住宅ローン控除が受けられる: 土地購入から2年以内に建物を建築・完成させれば、住宅ローン控除を受けられる
  • 1つの住宅ローンで完結: 土地と建物を別々のローンで組む必要がない

2024年1月以降、住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受けるには、新築住宅が省エネ基準を満たすことが条件となりました。土地購入から2年以内に建物を建築・完成させ、抵当権を設定すれば適用されます。

(2) デメリット:返済早期開始・家賃との二重負担リスク

土地先行融資のデメリットは以下の通りです。

デメリット:

  • 返済が早期に始まる: 土地融資実行時から返済が始まるため、賃貸住宅の家賃との二重負担が発生する可能性がある
  • 取扱金融機関が限られている: すべての金融機関で取り扱っているわけではない
  • 建築期限がある: 着工12ヶ月以内、竣工24ヶ月以内という期限を守る必要がある

家賃との二重負担を避けるため、建物完成までの期間を短くする、または自己資金を多めに用意して返済額を抑える等の対策が有効です。

(3) 固定資産税と諸費用(抵当権設定費用等)

土地先行融資を利用する場合、以下の費用が別途必要です。

費用 内容 目安額
固定資産税 土地購入後、毎年1月1日時点の所有者に課税 土地の評価額により変動
抵当権設定費用 登録免許税・司法書士報酬 十数万円程度

土地を購入した後、建物が完成する前でも固定資産税が課税されます。年間の固定資産税額を見込んだ資金計画を立ててください。

土地先行融資の利用手順と審査基準

土地先行融資を利用するには、土地と建物の両方の資料を準備する必要があります。

(1) 申込から融資実行までの流れ

土地先行融資の一般的な流れは以下の通りです。

申込から融資実行までの流れ:

  1. 土地の契約・建築プランの検討
  2. 金融機関に事前相談(取扱状況・条件の確認)
  3. 住宅ローンの申込(土地・建物の両方の資料を提出)
  4. 審査・承認
  5. 土地購入時:土地代金の融資実行・抵当権設定
  6. 建物建築中:着工金・中間金の支払い(自己資金または別途つなぎ融資)
  7. 建物完成時:建物代金の融資実行・抵当権設定(土地と建物の両方)

土地購入前に金融機関に相談し、融資条件を確認しておくことを推奨します。

(2) 必要書類(土地・建物両方の資料が必要)

土地先行融資の審査では、土地と建物の両方の資料が必要です。

必要書類の例:

  • 土地関連: 土地の売買契約書、重要事項説明書、登記事項証明書、公図・測量図
  • 建物関連: 建築確認済証、建築プラン(間取り図・見積書)、ハウスメーカー・工務店との請負契約書
  • 本人確認: 運転免許証、健康保険証、住民票、印鑑証明書
  • 収入証明: 源泉徴収票、確定申告書、課税証明書

金融機関により必要書類は異なるため、事前に確認してください。

(3) 審査基準(建築プランの確定・ハウスメーカー選定)

土地先行融資の審査では、以下の点が重視されます。

審査のポイント:

  • 建築プランの確定: 建物の間取り・仕様・見積もりが確定していること
  • ハウスメーカー・工務店の選定: 請負契約書の提出が求められる場合がある
  • 返済能力: 年収、勤続年数、他の借入状況
  • 担保価値: 土地の評価額が十分であること

建築プランが未確定の場合、審査に通らない可能性があります。土地購入前にハウスメーカーや工務店を決めておくことを推奨します。

まとめ:土地先行融資を利用する際の注意点と選び方

土地先行融資は、土地購入時と建物完成時の2回に分けて融資を受けられる住宅ローンです。土地を担保にするため、つなぎ融資(金利2.5~3%)と比べて金利が低く抑えられます。

土地融資実行時から返済が始まるため、賃貸住宅の家賃との二重負担が発生する可能性があります。また、建築期限(着工12ヶ月以内、竣工24ヶ月以内)を守る必要があります。

住宅ローン控除を受けるには、土地購入から2年以内に建物を建築・完成させ、抵当権を設定してください。2024年1月以降は、新築住宅が省エネ基準を満たすことが条件です。

土地先行融資の取扱金融機関は限られているため、複数の金融機関に確認することを推奨します。詳細は、みずほ銀行三井住友銀行などの公式サイトでご確認ください。信頼できるファイナンシャルプランナーや宅地建物取引士に相談しながら、資金計画を立てましょう。

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よくある質問

Q1土地先行融資とつなぎ融資はどちらを選ぶべきですか?

A1土地先行融資は金利が住宅ローン並み(0.5~1%程度)で低いですが、取扱金融機関が限られます。つなぎ融資は多くの金融機関で利用できますが金利は2.5~3%と高めです。まずは希望する金融機関に土地先行融資の取扱状況を確認し、取扱があれば土地先行融資を選択することを推奨します。金融機関の取扱状況により選択が決まることが多いです。

Q2返済はいつから始まりますか?

A2土地融資実行時から返済が始まります。建物完成までは利息のみの返済とする金融機関が多いですが、賃貸住宅に住んでいる場合は家賃との二重負担が発生します。建物完成後は元金+利息の通常返済に切り替わります。二重負担を避けるため、建物完成までの期間を短くする、または自己資金を多めに用意して返済額を抑える等の対策が有効です。

Q3住宅ローン控除は受けられますか?

A3土地購入から2年以内に建物を建築・完成させ、抵当権を設定すれば住宅ローン控除を受けられます。2024年1月以降は、新築住宅が省エネ基準を満たすことが条件となりました。具体的な適用条件は国税庁の公式サイトで確認するか、税理士への相談を推奨します。

Q4建築プランが未確定でも申し込めますか?

A4金融機関により対応が異なりますが、審査時には土地と建物の両方の資料が必要なため、建築プラン(間取り図・見積書)やハウスメーカー・工務店との請負契約書の提出が求められる場合があります。土地購入前にハウスメーカーや工務店を決めておくことを推奨します。詳細は金融機関に事前相談してください。

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