住宅ローン金利の相場を把握する重要性
住宅購入や借り換えを検討する際、「今の住宅ローン金利はどのくらいなのか?」「変動金利と固定金利、どちらを選ぶべきか?」という疑問は、多くの方が抱える課題です。住宅ローン金利は総返済額に大きな影響を与えるため、正確な相場を把握することが重要です。
この記事では、2025年11月時点の住宅ローン金利相場を、変動金利・固定金利・フラット35の3種類で詳しく解説します。価格.comやスゴい住宅ローン探し等の金利情報サイト、全国銀行協会の公式データを元に、金利タイプ選択の判断基準と金融機関比較のポイントを実践的に解説します。
金利だけでなく、団体信用生命保険(団信)や手数料も含めた総合的な判断材料を踏まえて、後悔しない住宅ローン選びをしましょう。
この記事のポイント
- 2025年11月時点の住宅ローン金利相場:変動金利0.4~0.6%、10年固定金利4.40~5.15%、フラット35は1.900%
- 2024年3月のマイナス金利解除以降、住宅ローン金利は上昇基調にあり、2025年以降も追加利上げの可能性がある
- 変動金利は家計に余裕がある人・貯蓄が多い人向け、固定金利は家計に余裕がない人・返済計画を立てたい人向け
- 金利だけでなく、団体信用生命保険(団信)の保障内容、事務手数料、繰上返済手数料等も比較検討が必要
- 最終判断はファイナンシャルプランナー等の専門家への相談が推奨される
(1) 総返済額に与える影響
住宅ローン金利が0.1%違うだけで、総返済額は数十万円~数百万円変わることがあります。たとえば、借入額3,000万円、返済期間35年の場合、金利が0.5%と1.0%では以下のような差が生じます。
| 金利 | 月々の返済額 | 総返済額 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 0.5% | 約77,876円 | 約32,707,920円 | - |
| 1.0% | 約84,685円 | 約35,567,700円 | 約285万円 |
このように、金利のわずかな差が長期的には大きな差となるため、正確な相場を把握することが重要です。
(2) 2024年3月マイナス金利解除後の金利上昇基調
住まいサーフィンによると、2024年3月に日本銀行が17年ぶりにマイナス金利を解除し、金融政策を転換しました。さらに2024年7月と2025年1月に追加利上げが行われ、政策金利は0.5%に到達しました。
これにより、住宅ローン金利は上昇基調に転じており、2025年以降も追加利上げの可能性があります。金利の動向を定期的に確認し、適切なタイミングで借入・借り換えを検討することが重要です。
(3) この記事で分かること
この記事では、以下の内容を詳しく解説します。
- 2025年11月時点の住宅ローン金利相場(変動・固定・フラット35別)
- 変動金利と固定金利のメリット・デメリット比較
- 家計状況別の金利タイプ選択基準
- 金利以外に比較すべきポイント(団信、手数料等)
- 2025年以降の金利見通しと専門家相談の推奨
住宅ローン金利の種類と基礎知識
(1) 変動金利の仕組み
変動金利とは、半年ごとに金利が見直される住宅ローン金利タイプです。住まいサーフィンによると、2025年11月時点で0.4~0.6%程度と、他の金利タイプと比べて低金利が魅力です。
ただし、市場金利上昇時には返済額が増加するリスクがあります。半年ごとに金利が見直されるため、返済計画が立てにくいというデメリットもあります。
(2) 固定金利(期間選択型)の仕組み
固定金利(期間選択型)とは、一定期間(3年、5年、10年等)金利が固定される住宅ローン金利タイプです。スゴい住宅ローン探しによると、2025年11月時点で10年固定金利が4.40~5.15%程度となっており、大手銀行5行(三菱UFJ、三井住友、みずほ、三井住友信託、りそな)が引き上げを実施しています。
固定期間中は金利が変動しないため、返済計画が立てやすいメリットがあります。ただし、変動金利と比べて初期金利が高い点がデメリットです。
(3) 全期間固定金利(フラット35)の仕組み
全期間固定金利(フラット35)とは、借入期間中ずっと金利が固定される住宅ローン金利タイプです。住宅金融支援機構が提供しており、2025年11月時点で1.900%となっています。
スゴい住宅ローン探しによると、2025年11月のフラット35(買取型)金利は前月から引き上げられました。全期間固定のため、金利上昇リスクを完全に回避できる安心感が最大のメリットです。
2025年11月時点の住宅ローン金利相場
(1) 変動金利の相場(0.4~0.6%程度)
価格.comによると、2025年11月時点の変動金利相場は0.4~0.6%程度です。多くの銀行で据え置きとなっていますが、ソニー銀行・楽天銀行では小幅引き上げが行われました。
住まいサーフィンによると、変動金利選択者は全体の68.1%(2025年時点)で、依然として人気が高いです。低金利がメリットですが、金利上昇リスクを理解した上で選択することが重要です。
(2) 固定金利の相場(10年固定4.40~5.15%程度)
スゴい住宅ローン探しによると、2025年11月に大手銀行5行が10年固定金利の基準金利を引き上げ、年4.40~5.15%となりました。三菱UFJ、三井住友、みずほ、三井住友信託の4行は発足以降で最高水準です。
固定金利は変動金利よりも高金利ですが、金利上昇リスクを回避できる安心感があります。今後も金利上昇が予想される中、固定金利での借入を検討する価値があります。
(3) フラット35の金利(1.900%)
スゴい住宅ローン探しによると、2025年11月のフラット35(買取型)金利は1.900%で、前月から引き上げられました。全期間固定のため、借入時に総返済額が確定する点が魅力です。
フラット35は、民間金融機関よりも審査基準が緩やかな傾向があり、自営業者や転職直後の方でも借入しやすいメリットがあります。
(4) 金利動向の最新トピックス
2025年11月の金利動向としては、以下のトピックスがあります。
- 大手銀行5行が10年固定金利を引き上げ:過去最高水準に到達
- 変動金利は多くの銀行で据え置き:ソニー銀行・楽天銀行で小幅引き上げ
- フラット35は前月から引き上げ:1.900%に到達
住まいサーフィンによると、2025年以降も変動・固定ともに上昇の可能性があるため、最新情報を各金融機関で確認することが重要です。
変動金利と固定金利のメリット・デメリット比較
(1) 変動金利のメリット・デメリット
メリット:
- 低金利:2025年11月時点で0.4~0.6%程度と、他の金利タイプと比べて圧倒的に低い
- 金利下降時に恩恵:市場金利が下がれば、返済額も減少する可能性がある
デメリット:
- 金利上昇リスク:半年ごとに見直されるため、市場金利上昇時に返済額が増加する
- 返済計画が立てにくい:将来の返済額が確定しないため、長期的な計画が難しい
- 家計に余裕がない場合は危険:金利上昇時に返済が困難になる可能性がある
全国銀行協会によると、変動金利は「家計に余裕があり、貯蓄が多く、金利上昇に対応できる人」向けです。
(2) 固定金利のメリット・デメリット
メリット:
- 金利上昇リスクを回避:固定期間中は金利が変動しないため、安心して返済できる
- 返済計画が立てやすい:毎月の返済額が確定するため、長期的な計画が可能
- 金利上昇局面では有利:2025年以降も金利上昇が予想される中、固定金利は検討価値あり
デメリット:
- 初期金利が高い:変動金利と比べて、借入時の金利が高く設定されている
- 金利下降時に不利:市場金利が下がっても、固定期間中は高金利のまま
全国銀行協会によると、固定金利は「家計に余裕がない、貯蓄が少ない、返済計画を立てたい人」向けです。
(3) どちらを選ぶべきか?家計状況別の選択基準
| 家計状況 | おすすめ金利タイプ | 理由 |
|---|---|---|
| 家計に余裕あり、貯蓄が多い | 変動金利 | 金利上昇時にも対応可能 |
| 家計に余裕なし、貯蓄が少ない | 固定金利 | 返済額確定で安心 |
| 金利上昇リスクを避けたい | 固定金利またはフラット35 | 全期間固定で完全にリスク回避 |
| 総返済額を抑えたい | 変動金利 | 低金利で総返済額を削減 |
住まいサーフィンによると、変動金利選択者は全体の68.1%ですが、家計状況やリスク許容度に応じて慎重に選択することが重要です。
金利以外に比較すべきポイント
(1) 団体信用生命保険(団信)の保障内容
団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローン借入者が死亡・高度障害時にローン残高が保険金で完済される保険です。全国銀行協会によると、金利比較時には団信の保障内容も確認することが重要です。
近年は、がん団信(がん診断時に残高の50%または100%免除)や三大疾病団信(がん・脳卒中・心筋梗塞時に免除)など、充実した保障が提供されています。団信の保障内容によって、金利が上乗せされる場合もあるため、総合的に比較してください。
(2) 事務手数料・繰上返済手数料
金利が低くても、事務手数料が高い場合があります。主な手数料には以下があります。
- 事務手数料:借入額の2.2%(税込)が一般的(例:3,000万円借入で66万円)
- 繰上返済手数料:一部繰上返済時に数千円~数万円(ネット銀行は無料が多い)
- 保証料:借入額の2%程度(例:3,000万円借入で60万円)
これらの手数料を含めた総返済額を比較することが重要です。
(3) 総返済額シミュレーション
金利と手数料を含めた総返済額をシミュレーションし、複数の金融機関を比較してください。価格.comや各金融機関のウェブサイトでシミュレーションツールが提供されています。
借入額3,000万円、返済期間35年の場合、金利と手数料の組み合わせにより、総返済額が数十万円~数百万円変わることもあります。
まとめ:金利タイプの選び方と今後の見通し
(1) 家計状況別のおすすめ金利タイプ
住宅ローン金利の選択は、家計状況・貯蓄・リスク許容度によって異なります。以下を参考に、最適な金利タイプを選択してください。
- 家計に余裕あり、貯蓄が多い: 変動金利(0.4~0.6%)
- 家計に余裕なし、貯蓄が少ない: 固定金利(10年固定4.40~5.15%)またはフラット35(1.900%)
- 金利上昇リスクを完全に回避したい: フラット35(1.900%)
(2) 2025年以降の金利見通し
住まいサーフィンやSBI新生銀行によると、2025年以降も金利は上昇基調が続く見通しです。日本銀行の追加利上げの可能性があるため、固定金利での借入を検討する価値があります。
ただし、金利予測は不確実性が高いため、最新情報を各金融機関で確認し、専門家への相談を推奨します。
(3) 専門家への相談を推奨
住宅ローン選定には、個別の家計状況・ライフプラン・リスク許容度等により最適な選択が異なります。住宅金融支援機構や全国銀行協会の公式サイトで基礎知識を学んだ上で、ファイナンシャルプランナーや金融機関の担当者に相談し、最適な住宅ローンを選びましょう。
