住宅ローン頭金の平均額は?相場と頭金なしのリスクを解説

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/12

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住宅ローン頭金の基礎知識

住宅を購入する際、「頭金はいくら用意すべきか」「平均額はいくらか」と悩む方は少なくありません。

この記事では、住宅ローン頭金の平均額、目安、メリット・デメリット、頭金なしで購入する際の注意点を、住宅金融支援機構のフラット35利用者調査などの公的データを元に解説します。

自分に合った頭金額を判断し、無理のない住宅購入計画を立てられるようになります。

この記事のポイント

  • 住宅ローン頭金の平均は641万円(比率17.2%)だが、実際には0〜10%で購入する人が最も多い
  • 一般的な目安は物件価格の10〜20%で、諸費用込みで25%程度を用意すると安心
  • フラット35では頭金10%以上(融資率90%以下)で金利が0.11%優遇される(2024年7月時点)
  • 頭金を多く払うメリットは総返済額減少・金利優遇だが、手元資金不足や住宅ローン控除の恩恵減少のリスクもある
  • 頭金なしでも購入可能だが、審査が厳しくなり金利が高くなる傾向があり、ファイナンシャルプランナーへの相談を推奨

1. 住宅ローン頭金の基礎知識

(1) 頭金とは何か

頭金とは、住宅購入時に自己資金から支払う金額です。物件価格の一部を現金で支払い、残りを住宅ローンで借り入れます。

例えば、3,000万円の物件を購入する場合:

  • 頭金300万円(10%)を自己資金で支払う
  • 残り2,700万円を住宅ローンで借り入れる

頭金を多く払うほど、住宅ローンの借入額が減り、月々の返済額や総返済額が少なくなります。

(2) 頭金と諸費用の違い

頭金と諸費用は異なります。

| 項目 | 内容 | 金額の目安 | |------|------|-----------|| | 頭金 | 物件価格の一部を自己資金で支払う | 物件価格の10〜20% | | 諸費用 | 仲介手数料、登記費用、印紙税、火災保険等 | 物件価格の5〜10% |

3,000万円の物件を購入する場合:

  • 頭金300万円(10%)
  • 諸費用150〜300万円(5〜10%)
  • 合計450〜600万円の自己資金が必要

(参考: 三菱UFJ銀行「住宅ローンの頭金はいくら必要なのか?」

(3) 頭金はいつ支払うのか

頭金は、売買契約時ではなく、決済・引き渡し時に支払います。

住宅購入の流れ:

  1. 売買契約: 手付金(物件価格の5〜10%)を支払う
  2. 決済・引き渡し: 頭金+残代金を支払い、所有権移転登記を行う

手付金は頭金の一部として充当されます。

2. 住宅ローン頭金の平均額と物件種別ごとの傾向

(1) 頭金の平均額は641万円(比率17.2%)

住宅ローン頭金の平均額は641万円(比率17.2%)です。

(出典: SUUMO「住宅購入の頭金はいくら必要?みんなの平均額公開」

ただし、物件種別により平均比率が大きく異なります。

(2) 物件種別ごとの頭金比率(新築・中古・マンション・戸建て)

住宅金融支援機構のフラット35利用者調査(2023年度)によると、物件種別ごとの頭金比率は以下の通りです。

物件種別 頭金比率
新築マンション 8.5%
中古マンション 14.3%
新築戸建て 12.1%
中古戸建て 20.4%

中古戸建ては頭金比率が高く、新築マンションは低い傾向があります。

(3) 実際には0〜10%で購入する人が最も多い

平均額は641万円(17.2%)ですが、実際には0〜10%で購入する人が最も多いです。

頭金比率の分布:

  • 0〜10%: 約40%
  • 10〜20%: 約20%
  • 20%以上: 約40%

60%以上の人が頭金20%未満で購入しており、頭金なしで購入する人も増えています。

(参考: 三菱UFJ銀行「住宅ローンの頭金はいくら必要なのか?」

3. 頭金の目安と適正額の考え方

(1) 一般的な目安は物件価格の10〜20%

一般的な頭金の目安は、物件価格の10〜20%です。

3,000万円の物件を購入する場合:

  • 10%: 300万円
  • 20%: 600万円

(出典: みずほ銀行「住宅ローンの頭金の目安は?」

ただし、これはあくまで目安で、家族構成や収入により適正額は異なります。

(2) 諸費用込みで25%程度を用意すると安心

頭金に加えて、諸費用(物件価格の5〜10%)も必要です。

3,000万円の物件を購入する場合:

  • 頭金600万円(20%)
  • 諸費用150〜300万円(5〜10%)
  • 合計750〜900万円の自己資金

諸費用込みで物件価格の25%程度を用意すると安心です。

(3) 手元資金を残すことの重要性(生活費6ヶ月分)

頭金を多く払いすぎると、手元資金が不足し、緊急時の対応や生活費に困る可能性があります。

6ヶ月分の生活費は手元に残すことを推奨します。

例えば、月の生活費が30万円の場合:

  • 6ヶ月分: 180万円を手元に残す
  • 残りの自己資金を頭金・諸費用に充てる

(参考: SBI新生銀行「住宅ローンの頭金の目安はいくらが適正?」

(4) 頭金額の決め方(返済シミュレーション)

頭金額を決める際は、返済シミュレーションを行い、月々の返済額や総返済額を比較してください。

3,000万円の物件、35年ローン、金利1.5%の場合:

頭金 借入額 月々返済額 総返済額
0円(0%) 3,000万円 約91,855円 約3,857万円
300万円(10%) 2,700万円 約82,670円 約3,472万円
600万円(20%) 2,400万円 約73,484円 約3,086万円

頭金を多く払うほど、月々の返済額と総返済額が減少します。

4. 頭金を入れるメリット・デメリット

(1) メリット:総返済額減少・月々の返済額減少・金利優遇

頭金を入れるメリット:

  • 総返済額減少: 借入額が減るため、支払う利息が少なくなる
  • 月々の返済額減少: 月々の負担が軽くなる
  • 金利優遇: 金融機関により、頭金が多いと金利が優遇される場合がある

(2) フラット35の金利優遇(融資率90%以下で0.11%低い)

フラット35では、融資率により金利が異なります。

融資率 金利(2024年7月時点)
90%以下(頭金10%以上) 1.840%
90%超(頭金10%未満) 1.950%

頭金10%以上で金利が0.11%低くなります。

(出典: フラット35公式サイト

(3) デメリット:手元資金不足・住宅ローン控除の恩恵減少

頭金を入れるデメリット:

  • 手元資金不足: 緊急時の対応や生活費に困る可能性がある
  • 住宅ローン控除の恩恵減少: 借入額が減ると、控除される税金が少なくなる

**住宅ローン控除(住宅ローン減税)**とは、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合、年末ローン残高の一定割合が所得税から控除される制度です。

執筆時点(2025年)の税制を元に、詳細は税理士に確認してください。

(4) 低金利時代の新しい考え方(頭金を少なくして控除を最大化)

低金利時代では、頭金を少なくして住宅ローン控除を最大限活用する方が総返済額を抑えられるケースもあります。

例えば:

  • 住宅ローン控除で年間20〜30万円の税金が還付される
  • 借入金利が1%未満の場合、控除額が利息を上回る可能性がある

ファイナンシャルプランナーに相談し、個別に試算することを推奨します。

5. 頭金なしで住宅ローンを組む場合の注意点

(1) 頭金なしでも購入可能だが審査が厳しくなる

頭金なしでも住宅ローンは組めますが、金融機関の審査が厳しくなります。

審査のポイント:

  • 年収
  • 勤続年数
  • 信用情報(クレジットカードの滞納履歴等)
  • 返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)

(参考: りそな銀行「頭金なしで家を買うことができるか」

(2) 金利が高くなる傾向(融資率90%超でフラット35+0.11%)

頭金なし(融資率100%)の場合、金利が高くなる傾向があります。

フラット35の場合:

  • 融資率90%以下(頭金10%以上): 1.840%
  • 融資率90%超(頭金10%未満): 1.950%(+0.11%)

(出典: フラット35公式サイト

(3) 100%融資・110〜120%融資の実態

近年は100%融資が一般的で、110〜120%融資(諸費用・リフォーム費込み)を提供する金融機関も増加しています。

融資率 内容
100%融資 物件価格全額を借り入れ
110〜120%融資 物件価格+諸費用・リフォーム費を借り入れ

ただし、融資率が高いほど審査が厳しくなり、金利が高くなる傾向があります。

(参考: Cleverly Home「住宅購入時の頭金の平均はいくら?」

(4) 頭金なしを選択する場合の条件

頭金なしを選択する場合の条件:

  • 年収が安定している(勤続年数3年以上)
  • 信用情報に問題がない(クレジットカードの滞納履歴等)
  • 返済負担率が25%以下(年収に対する年間返済額の割合)
  • 手元資金を残しておきたい(投資・緊急時の備え)

ファイナンシャルプランナーに相談し、総合的に判断することを推奨します。

6. まとめ:自分に合った頭金額の決め方

住宅ローン頭金の平均は641万円(比率17.2%)ですが、実際には0〜10%で購入する人が最も多いです。一般的な目安は物件価格の10〜20%で、諸費用込みで25%程度を用意すると安心です。

フラット35では頭金10%以上(融資率90%以下)で金利が0.11%優遇されます。ただし、頭金を多く払いすぎると手元資金が不足するリスクがあるため、生活費6ヶ月分は手元に残すことを推奨します。

低金利時代では、頭金を少なくして住宅ローン控除を最大限活用する方が総返済額を抑えられるケースもあります。ファイナンシャルプランナーに相談し、自分に合った頭金額を決めましょう。

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よくある質問

Q1住宅ローンの頭金はいくら必要ですか?

A1一般的には物件価格の10〜20%が目安です。諸費用込みで25%程度を用意すると安心ですが、実際には0〜10%で購入する人が最も多いです。手元資金(生活費6ヶ月分)を残すことを優先すべきです。3,000万円の物件の場合、頭金300〜600万円+諸費用150〜300万円で合計450〜900万円の自己資金が必要です。

Q2住宅ローン頭金の平均額はいくらですか?

A2平均641万円(比率17.2%)です。ただし物件種別により異なり、新築マンションは8.5%、中古戸建ては20.4%など幅があります(2023年住宅金融支援機構調査)。中古戸建ては頭金比率が高く、新築マンションは低い傾向があります。60%以上の人が頭金20%未満で購入しており、頭金なしで購入する人も増えています。

Q3頭金なしでも住宅ローンは組めますか?

A3可能ですが、審査が厳しくなり金利が高くなる傾向があります。フラット35では融資率90%超で金利+0.11%(2024年7月時点)です。100%融資・110〜120%融資を提供する金融機関も増加しています。審査では年収、勤続年数、信用情報、返済負担率が重視されます。ファイナンシャルプランナーへの相談を推奨します。

Q4頭金を多く払うメリットは何ですか?

A4総返済額減少、月々の返済額減少、金利優遇(フラット35は頭金10%以上で金利-0.11%)のメリットがあります。3,000万円の物件で頭金600万円(20%)の場合、頭金なしと比べて総返済額が約770万円減少します。ただし手元資金が不足するリスクや住宅ローン控除の恩恵が減る可能性も考慮が必要です。

Q5頭金と諸費用の違いは何ですか?

A5頭金は物件価格の一部を自己資金で支払う金額(物件価格の10〜20%が目安)です。諸費用は仲介手数料、登記費用、印紙税、火災保険等の各種費用で物件価格の5〜10%が目安です。両方を合わせた自己資金が必要です。3,000万円の物件の場合、頭金300万円+諸費用150〜300万円で合計450〜600万円が必要です。

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Room Match編集部

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