住宅ローン残高証明書の取得方法と再発行手続き

著者: Room Match編集部公開日: 2025/11/20

住宅ローン残高証明書とは?重要性と2024-2025年の制度変更

住宅ローンを利用している方にとって、「残高証明書がいつ届くのか」「紛失した場合はどうするのか」といった疑問は、年末調整や確定申告の時期に必ず出てきます。

この記事では、住宅ローン残高証明書の発行時期、届かない場合の対処法、再発行手続きを、国税庁国土交通省の公式情報を元に解説します。

住宅ローン控除を確実に受けるための手続きを理解できるようになります。

この記事のポイント

  • 住宅ローン残高証明書は住宅ローン控除の申請に必須の書類
  • 毎年10月中旬頃に金融機関から自動送付される(初年度は翌年1月中旬の場合あり)
  • 届かない理由は控除対象外、控除期間終了、住所変更未届等
  • 紛失時は金融機関に再発行を依頼(数日〜1週間程度で郵送)
  • 2024年1月以降の新築住宅は省エネ基準適合が原則必須

住宅ローン残高証明書の定義(年末残高を証明する書類)

三菱UFJ銀行によると、住宅ローン残高証明書は、住宅ローンの年末残高を証明する書類で、住宅ローン控除(減税)の申請に必須です。

正式名称:

  • 「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」

金融機関から毎年10月中旬頃に自動送付されます。

住宅ローン控除の仕組み(年末残高の0.7%を所得税から控除)

国税庁によると、住宅ローン控除は、住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合、年末残高の0.7%を所得税から控除できる制度です。

控除の仕組み:

  • 控除率: 年末残高の0.7%
  • 控除期間: 新築住宅は原則13年、中古住宅は原則10年
  • 借入限度額: 住宅の性能により異なる(認定住宅5,000万円、ZEH水準省エネ住宅4,500万円等)

初年度は確定申告が必須、2年目以降は年末調整で可能

住宅ローン控除の手続きは、初年度と2年目以降で異なります。

年度 手続き 提出書類
初年度 確定申告 確定申告書、計算明細書、売買契約書、登記事項証明書、残高証明書、源泉徴収票等
2年目以降 年末調整(会社員の場合) 残高証明書、控除証明書

初年度は確定申告が必須ですが、2年目以降は会社員なら年末調整で手続きが可能です。

2024年1月以降建築確認の新築住宅は省エネ基準適合が原則必須

国土交通省によると、2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準適合が原則必須となりました。

省エネ基準未達の場合:

  • 住宅ローン控除の対象外となる可能性があります

2025年度の主な変更点(子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額維持)

池田泉州銀行によると、2025年度税制改正では、子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額を令和4・5年水準に維持することが決定されました。

子育て世帯・若者夫婦世帯の定義:

  • 19歳未満の子を有する世帯
  • 夫婦のいずれかが40歳未満の世帯

借入限度額:

  • 認定住宅: 5,000万円
  • ZEH水準省エネ住宅: 4,500万円
  • 省エネ基準適合住宅: 4,000万円

また、床面積40㎡以上への緩和措置の建築確認期限が2025年度末まで延長されました。

発行時期と受け取り方法(金融機関別の違い)

発送時期(毎年10月中旬頃、初年度は翌年1月中旬の場合あり)

ファミリーライフサービスによると、住宅ローンの年末残高証明書は毎年10月中旬頃に金融機関から自動送付されます。

初年度の注意点:

  • 10月以降に借入した場合は、翌年1月中旬に送付されます

金融機関別の発送スケジュール(三菱UFJ・みずほ・三井住友・フラット35等)

主要金融機関の発送時期は以下の通りです。

金融機関 発送時期
三菱UFJ銀行 10月中旬
みずほ銀行 10月中旬
三井住友銀行 10月中旬
りそな銀行 10月中旬
フラット35 10月上旬
住信SBIネット銀行 10月中旬

(出典: 各金融機関公式サイト、2024年情報)

金融機関により発送時期が若干異なるため、最新情報は各金融機関の公式サイトで確認してください。

マイナポータル連携での電子取得(調書方式)

国税庁によると、2022年の税制改正で「調書方式」が導入され、マイナポータル連携で年末残高情報を電子取得できるようになりました。

マイナポータル連携のメリット:

  • 残高証明書の郵送を待たずに年末残高情報を取得可能
  • 電子申告時に便利

注意点:

  • マイナポータル連携を利用すると、残高証明書の郵送が停止される場合があります

残高証明書が届かない場合の原因と対処法

届かない主な理由(住宅ローン控除の対象外、控除期間終了、返済期間10年未満)

ファミリーライフサービスによると、残高証明書が届かない主な理由は以下の通りです。

  1. 住宅ローン控除の対象外: 返済期間10年未満の場合
  2. 控除期間終了: 13年または10年の控除期間が終了した場合
  3. 住所変更未届: 旧住所に送付されている可能性
  4. マイナポータル連携利用中: 郵送が停止されている

住所変更未届の場合の対処法

住所変更を金融機関に届け出ていない場合、残高証明書が旧住所に送付されて届かない可能性があります。

対処法:

  1. 金融機関に住所変更を届け出る
  2. 旧住所に送付された残高証明書の転送を依頼

マイナポータル連携利用中の場合(郵送停止)

マイナポータル連携を利用している場合、残高証明書の郵送が停止されている可能性があります。

対処法:

  • マイナポータルから年末残高情報を取得する
  • 郵送が必要な場合は、金融機関に連絡して郵送再開を依頼

金融機関への確認手順

心当たりがない場合は、金融機関の専用電話番号や窓口に連絡して確認してください。

再発行手続きの方法と注意点

紛失時の再発行依頼(金融機関の専用電話番号・窓口)

三菱UFJ銀行によると、残高証明書を紛失した場合は、金融機関の専用電話番号や窓口に連絡して再発行を依頼します。

再発行依頼の方法:

  • 電話: 金融機関の住宅ローン専用電話番号
  • 窓口: 最寄りの支店窓口
  • ネットバンキング: 一部金融機関では再発行申請が可能

再発行の所要期間(数日〜1週間程度)

再発行には数日〜1週間程度かかります。

所要期間の目安:

  • 電話・窓口申請: 3〜7日程度
  • ネットバンキング申請: 3〜5日程度

一部金融機関では再発行手数料がかかる場合があります。

確定申告期限(3月17日頃)に間に合うよう早めに依頼

確定申告期間は毎年2月17日頃〜3月17日頃の1ヶ月間です。

注意点:

  • 確定申告期限(3月17日頃)に間に合うよう、早めに再発行を依頼してください
  • 再発行が間に合わない場合、控除が受けられない可能性があります

繰上返済後の残高変更に注意

繰上返済後に残高証明書を受け取った場合、残高が変わるため再発行が必要です。

対処法:

  • 繰上返済後は、金融機関に連絡して最新の残高証明書を再発行してもらう

残高証明書の見本と記載内容の確認ポイント

主な記載項目(年末残高、返済期間、利率、物件情報等)

住宅金融支援機構によると、住宅ローン残高証明書には以下の項目が記載されています。

主な記載項目:

  • 年末残高: 12月31日時点の住宅ローン残高
  • 返済期間: 借入期間(10年以上が住宅ローン控除の要件)
  • 利率: 借入金利
  • 物件情報: 物件の所在地、面積
  • 借入日: 住宅ローンの借入日

確定申告・年末調整での提出方法

初年度(確定申告):

  • 確定申告書、計算明細書、売買契約書、登記事項証明書、残高証明書、源泉徴収票等を税務署に提出

2年目以降(年末調整):

  • 残高証明書と控除証明書を勤務先に提出

必要書類(確定申告書、計算明細書、売買契約書、登記事項証明書等)

国税庁によると、初年度の確定申告には以下の書類が必要です。

書類 内容
確定申告書 所得税の申告書
計算明細書 住宅ローン控除の計算明細書
売買契約書 不動産の売買契約書のコピー
登記事項証明書 法務局で取得
残高証明書 金融機関から送付
源泉徴収票 勤務先から発行
耐震基準適合証明書等 中古住宅の場合に必要

まとめ:住宅ローン控除を確実に受けるためのアクション

住宅ローン残高証明書は、住宅ローン控除の申請に必須の書類です。毎年10月中旬頃に金融機関から自動送付されますが、初年度で10月以降に借入した場合は翌年1月中旬に送付されます。

届かない理由は、控除対象外、控除期間終了、住所変更未届、マイナポータル連携利用中等が考えられます。心当たりがない場合は、金融機関に確認してください。

紛失した場合は、金融機関の専用電話番号や窓口に連絡して再発行を依頼します。再発行には数日〜1週間程度かかるため、確定申告期限(3月17日頃)に間に合うよう早めに依頼することが重要です。

2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は省エネ基準適合が原則必須となりました。2025年度は子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額が令和4・5年水準に維持されます。

**この記事の情報は2025年1月時点のものです。**税制は改正される可能性があるため、最新情報は国税庁国土交通省の公式サイトで確認してください。個別の税務相談は、税理士や税務署への相談を推奨します。

よくある質問

Q1住宅ローン残高証明書とは何ですか?

A1住宅ローンの年末残高を証明する書類で、住宅ローン控除(減税)の申請に必須です。金融機関から毎年10月中旬頃に自動送付されます。初年度は確定申告、2年目以降は年末調整で使用します。

Q2残高証明書はいつ届きますか?

A2毎年10月中旬頃に金融機関から自動送付されます。ただし初年度で10月以降に借入した場合は翌年1月中旬に送付されます。金融機関により発送時期が異なるため、公式サイトで確認してください。

Q3残高証明書が届かない理由は?

A3住宅ローン控除の対象外(返済期間10年未満等)、控除期間終了、住所変更未届(旧住所に送付)、マイナポータル連携利用中(郵送停止)が主な理由です。心当たりがない場合は金融機関に確認してください。

Q4残高証明書を紛失した場合はどうすれば良いですか?

A4金融機関の専用電話番号や窓口に連絡して再発行を依頼します。再発行には数日〜1週間程度かかるため、確定申告期限(3月17日頃)に間に合うよう早めに依頼することが重要です。

Q5住宅ローン控除の2024-2025年の主な変更点は?

A52024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は省エネ基準適合が原則必須です。2025年度は子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額を令和4・5年水準(認定住宅5,000万円等)に維持します。床面積40㎡以上への緩和措置の建築確認期限が2025年度末まで延長されました。

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Room Match編集部

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