住宅ローン本審査通過後に何が待っているのか
住宅ローンの本審査を通過したあと、「次に何をすればいいのか」「引き渡しまでどれくらいかかるのか」と不安を感じる方は少なくありません。本審査通過は大きな前進ですが、引き渡しまでにはまだいくつかの重要な手続きが残っています。
この記事では、住宅金融支援機構や国土交通省の公式情報に基づき、本審査通過後の金銭消費貸借契約(金消契約)、売買契約、決済・引き渡しの流れ、必要書類、トラブル対策を解説します。
初めて住宅を購入する方でも、スムーズに引き渡しを迎えられるよう、具体的なステップと注意点を把握できます。
この記事のポイント
- 本審査通過後、引き渡しまで通常1-2ヶ月程度かかる(金消契約→売買契約→決済・引き渡しの順)
- 金銭消費貸借契約(金消契約)は本審査通過後1-2週間以内に締結(印鑑証明書・住民票等が必要)
- 本審査通過後も転職・借入等の状況変化があると融資が中止される可能性がある
- 引き渡し前の最終確認(内覧)で設備不良が見つかった場合は決済前に売主と協議する
本審査通過から引き渡しまでの全体スケジュール
本審査通過から引き渡しまでの全体の流れは以下の通りです。
| ステップ | 所要期間 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 金銭消費貸借契約(金消契約) | 本審査通過後1-2週間 | 銀行と住宅ローンの正式契約 |
| 売買契約 | 金消契約の前後 | 売主と売買契約を締結、手付金支払い |
| 決済・引き渡し | 売買契約から1-2ヶ月 | 残代金支払い、所有権移転登記、鍵の受け渡し |
トータルで1-2ヶ月程度のスケジュールとなります。
各手続きの所要期間と期限管理の重要性
本審査通過後の手続きには、それぞれ期限が設けられている場合があります。
- 金消契約: 本審査承認の有効期限内(通常1-3ヶ月)に締結が必要
- 売買契約: 金消契約の前後に締結(売主との調整が必要)
- 決済: 売買契約で定めた期日までに実施(通常1-2ヶ月以内)
期限を過ぎると融資が中止されるリスクがあるため、不動産業者・銀行と密に連絡を取り、スケジュール管理を徹底することが重要です。
金銭消費貸借契約(金消契約)の基礎知識
金銭消費貸借契約とは何か
金銭消費貸借契約(金消契約)とは、銀行と借主が交わす住宅ローンの正式な契約です。本審査はあくまで「融資可能かどうかの審査」であり、金消契約により正式にローンが確定します。
金消契約で定める主な内容は以下の通りです。
- 借入金額
- 金利(固定金利・変動金利)
- 返済期間
- 返済方法(元利均等返済・元金均等返済)
- 団体信用生命保険の加入
- 抵当権設定
金消契約時に必要な書類
金消契約時には、以下の書類が必要です。金融機関により異なるため、事前に確認しましょう。
| 書類 | 発行元 | 備考 |
|---|---|---|
| 印鑑証明書 | 市区町村役場 | 発行から3ヶ月以内 |
| 住民票 | 市区町村役場 | 発行から3ヶ月以内 |
| 本人確認書類 | - | 運転免許証、パスポート等 |
| 実印 | - | 印鑑証明書と同じもの |
| 収入証明書 | 勤務先・税務署 | 源泉徴収票、確定申告書等 |
契約内容の確認ポイント
金消契約時には、以下の項目を必ず確認しましょう。
- 借入金額: 希望通りの金額か
- 金利: 固定金利・変動金利の選択が正しいか
- 返済期間: 35年、30年等、希望通りか
- 団体信用生命保険: 加入条件・保障内容を理解しているか
- 繰上返済手数料: 手数料の有無・金額
不明点があれば、遠慮なく銀行担当者に質問することが重要です。
契約から実行までの期間
金消契約締結から融資実行(決済)までの期間は、通常1-2ヶ月程度です。この期間中に、以下の準備を進めます。
- 売買契約の締結
- 引き渡し前の内覧・最終確認
- 火災保険の加入
- 引越し準備
売買契約から決済までの流れ
重要事項説明と売買契約の締結
売買契約の前に、宅地建物取引士から「重要事項説明」を受けます。重要事項説明では、以下の内容を詳しく説明されます。
- 物件の詳細(所在地、面積、構造等)
- 法令上の制限(用途地域、建ぺい率、容積率等)
- インフラ整備状況(上下水道、ガス、電気)
- 契約条件(手付金、引き渡し時期、契約解除の条件等)
不明点があれば、この段階で必ず質問しましょう。重要事項説明の後、売買契約書に署名・捺印します。
手付金の支払いと保管
売買契約時には、手付金を支払います。手付金は物件価格の5-10%程度が一般的です。
手付金は、売主の都合で契約が解除された場合は倍返し、買主の都合で解除した場合は放棄となります(解約手付)。
決済日までの準備事項
決済日までに、以下の準備を進めます。
- 火災保険の加入(金融機関から義務付けられる場合が多い)
- 引越し業者の手配
- 住所変更手続き(住民票、郵便物転送等)
- 引き渡し前の内覧・最終確認
必要書類の準備と確認
決済時に必要な書類は以下の通りです。
- 本人確認書類(運転免許証、パスポート等)
- 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
- 住民票(発行から3ヶ月以内)
- 実印
- 残代金(現金または銀行振込)
- 火災保険証券
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決済・引き渡し当日の手順と注意点
決済当日の流れと所要時間
決済は通常、銀行や不動産業者の事務所で行われます。所要時間は1-2時間程度です。
決済当日の流れは以下の通りです。
- 書類の確認: 本人確認書類、印鑑証明書、住民票等を確認
- 残代金の支払い: 住宅ローン融資実行+自己資金で残代金を売主に支払う
- 所有権移転登記: 司法書士が法務局に所有権移転登記を申請
- 抵当権設定登記: 司法書士が法務局に抵当権設定登記を申請
- 鍵の受け渡し: 売主から買主へ鍵を引き渡し
- 引き渡し完了: 物件の所有権が買主に移転
残代金の支払いと所有権移転登記
残代金は、物件価格から手付金と住宅ローン融資額を差し引いた金額です。
例:物件価格5,000万円、手付金300万円、住宅ローン融資額4,000万円の場合
残代金 = 5,000万円 - 300万円 - 4,000万円 = 700万円
残代金は現金または銀行振込で支払います。支払いと同時に、司法書士が所有権移転登記を申請します。
抵当権設定登記の手続き
住宅ローンを利用する場合、金融機関が物件に抵当権を設定します。抵当権設定登記は、司法書士が法務局に申請し、通常1-2週間で完了します。
引き渡し前の最終確認(内覧)
決済の数日前に、引き渡し前の最終確認(内覧)を行います。以下の項目をチェックしましょう。
- 設備の動作確認(給湯器、エアコン、照明等)
- 傷や汚れの有無
- 契約内容との相違がないか
問題があれば、決済前に売主と協議することが重要です。決済後は修理・補償が困難になる場合があります。
鍵の受け渡しと設備確認
決済完了後、売主から鍵を受け取ります。鍵の本数を確認し、全ての鍵が揃っているか確認しましょう。
また、設備の取扱説明書、保証書等も受け取ります。
本審査通過後に避けるべきトラブルと対策
融資が中止されるリスクと予防策
本審査通過後も、以下の状況変化があると融資が中止される可能性があります。
- 転職・退職
- 新たな借入(カードローン、自動車ローン等)
- 信用情報の悪化(支払い遅延等)
- 収入の大幅な減少
本審査通過後は、融資実行まで上記の行動を避けましょう。やむを得ない場合は、事前に金融機関に相談することが重要です。
スケジュール遅延の原因と対処法
スケジュール遅延の主な原因は以下の通りです。
- 必要書類の準備遅れ
- 売主・買主・銀行のスケジュール調整の難航
- 登記手続きの遅延
遅延を防ぐため、不動産業者・銀行と定期的に連絡を取り、進捗を確認しましょう。
引き渡し前に見つかった設備不良への対応
引き渡し前の内覧で設備不良が見つかった場合、以下の対応を取ります。
- 売主に連絡: 設備不良の内容を詳しく伝える
- 修理または補償の協議: 売主負担で修理、または補償金を減額
- 決済日の延期: 修理が必要な場合、決済日を延期する場合がある
決済後は修理・補償が困難になるため、決済前に必ず協議しましょう。
専門家への相談タイミング
以下のような場合は、専門家(FP、宅建士、司法書士等)への相談を推奨します。
- 金消契約・売買契約の内容に不明点がある
- 融資条件の変更を検討している
- 引き渡し前に設備不良が見つかった
- スケジュール遅延が発生している
まとめ:スムーズな引き渡しに向けた準備
住宅ローン本審査通過後、引き渡しまで通常1-2ヶ月程度かかります。金銭消費貸借契約(金消契約)は本審査通過後1-2週間以内に締結し、印鑑証明書・住民票等の書類を準備する必要があります。
本審査通過後も転職・借入等の状況変化があると融資が中止される可能性があるため、融資実行まで避けましょう。引き渡し前の最終確認(内覧)で設備不良が見つかった場合は、決済前に売主と協議することが重要です。
不動産業者・銀行と密に連絡を取り、スケジュール管理を徹底し、不明点があれば専門家(FP、宅建士、司法書士等)に相談しながら、スムーズな引き渡しを迎えましょう。
