住宅ローン審査で落ちる人が知っておくべき基本
住宅ローン審査を控えている方の中には、「自分は審査に通るだろうか」「どんな条件で落ちるのか」と不安を感じる方が少なくありません。審査基準を理解し、事前に対策を講じることで、審査通過率を高めることができます。
この記事では、住宅金融支援機構や全国銀行協会の公式情報に基づき、住宅ローン審査の基準、落ちる人の主な特徴、審査に通るための具体的な対策、再審査のポイントを解説します。
初めて住宅ローンを申し込む方でも、審査の仕組みを理解し、適切な準備ができるようになります。
この記事のポイント
- 住宅ローン審査で重視される項目は、年収・勤続年数・信用情報・返済比率・健康状態の5つ
- 落ちる主な理由は、年収・勤続年数不足、信用情報の傷(延滞・債務整理)、返済比率の高さ、団体信用生命保険への加入不可
- 対策として、信用情報の事前確認・改善、返済比率を年収の25-35%以内に抑える、頭金の増額、複数の金融機関への申し込みが有効
- 審査基準は金融機関により異なるため、複数社への相談を推奨
住宅ローン審査の重要性と影響
住宅ローン審査は、金融機関が「借主が確実に返済できるか」を判断するプロセスです。審査に通らないと、希望する物件を購入できません。
審査は通常、「事前審査(仮審査)」と「本審査」の2段階で行われます。事前審査は数日~1週間程度、本審査は1-2週間程度かかります。
審査に落ちる確率と実態
国土交通省の住宅ローン利用者調査によると、審査に落ちる確率は公表されていませんが、一定数の申込者が審査に通らない実態があります。
審査に落ちる主な理由は、年収・勤続年数不足、信用情報の傷、返済比率の高さ、健康状態等です。
この記事で分かること
この記事では、住宅ローン審査の基準、落ちる人の主な特徴、審査に通るための具体的な対策、審査に落ちた後の再審査のポイントについて解説します。
住宅ローン審査の基準と仕組み
審査で重視される5つの項目
住宅ローン審査では、以下の5つの項目が重視されます。
| 項目 | 重要度 | 確認内容 |
|---|---|---|
| 年収 | 高 | 安定した収入があるか(一般的に年収300万円以上が目安) |
| 勤続年数 | 高 | 勤務先での勤続期間(一般的に1年以上が目安) |
| 信用情報 | 高 | クレジットカード・ローンの利用履歴、延滞記録の有無 |
| 返済比率 | 高 | 年収に対する年間返済額の割合(一般的に25-35%以内が目安) |
| 健康状態 | 高 | 団体信用生命保険に加入できるか |
返済比率の計算方法と目安
返済比率とは、年収に対する年間返済額の割合です。計算式は以下の通りです。
返済比率 = (年間返済額 ÷ 年収) × 100
例:年収500万円、年間返済額150万円の場合
返済比率 = (150万円 ÷ 500万円) × 100 = 30%
一般的に、返済比率は25-35%以内が目安です。年収が高いほど上限が高くなる傾向がありますが、金融機関により基準は異なります。
金融機関による審査基準の違い
審査基準は金融機関により異なります。
- メガバンク: 審査基準が比較的厳しい(年収・勤続年数・信用情報を厳格に審査)
- 地方銀行: メガバンクより柔軟な場合がある(地域密着型で個別事情を考慮)
- ネット銀行: 書類審査中心で、審査基準は銀行により大きく異なる
- フラット35: 住宅金融支援機構が提供する住宅ローンで、勤続年数・雇用形態の制限が比較的緩い
そのため、複数の金融機関に審査を申し込むことで、審査通過率を高めることができます。
住宅ローン審査で落ちる人の主な特徴
年収・勤続年数が基準を満たしていない
年収・勤続年数が基準を満たしていない場合、審査に落ちる可能性が高くなります。
| 項目 | 一般的な基準 | 対策 |
|---|---|---|
| 年収 | 300万円以上 | 共働き・収入合算で年収を増やす |
| 勤続年数 | 1年以上 | 転職直後は避け、1年以上勤務してから申し込む |
勤続年数が短い場合(1年未満)は、審査で不利になります。転職直後は避け、勤続1年以上経過してから申し込むことを推奨します。
信用情報に傷がある(延滞・債務整理)
信用情報とは、クレジットカード・ローンの利用履歴、延滞記録等です。CIC、JICC、KSC等の信用情報機関が管理しています。
以下の記録があると、審査が非常に厳しくなります。
- 延滞記録: クレジットカード・ローンの支払い遅延(61日以上)
- 債務整理: 自己破産、個人再生、任意整理(記録は5-10年残る)
- 代位弁済: 保証会社が代わりに返済した記録
信用情報は、CICの公式サイトから開示請求(手数料1,000円)できます。審査前に確認し、問題がないかチェックしましょう。
返済比率が高い(他社借入が多い)
他社借入が多いと、返済比率が高くなり、審査に落ちやすくなります。
例:年収500万円、既存の自動車ローン年間返済額100万円、住宅ローン希望年間返済額150万円の場合
返済比率 = (100万円 + 150万円) ÷ 500万円 × 100 = 50%
→ 返済比率が高すぎるため、審査に落ちる可能性が高い
対策として、以下の方法があります。
- 既存のローンを完済または繰上返済して返済比率を下げる
- 住宅ローンの借入額を減らす(頭金を増やす)
健康状態により団体信用生命保険に加入できない
団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローン契約者が死亡・高度障害時にローン残債が保険で完済される保険です。多くの金融機関では、団信への加入が融資条件となっています。
以下の健康状態の場合、団信に加入できず、融資が受けられない可能性があります。
- がん、心筋梗塞、脳卒中等の既往歴
- 高血圧、糖尿病等の慢性疾患(治療中)
- 精神疾患(うつ病等)
対策として、以下の方法があります。
- ワイド団信: 持病がある方でも加入できる団信(金利が0.2-0.3%程度上乗せ)
- フラット35: 団信加入が任意(加入しない場合、金利が0.2%程度下がる)
その他の審査落ち要因(年齢・物件評価等)
その他、以下の要因で審査に落ちる場合があります。
- 年齢: 完済時年齢が80歳を超える場合(返済期間が短くなる)
- 物件評価: 築年数が古い、再建築不可等、担保価値が低い物件
- 自営業・個人事業主: 収入が不安定とみなされる(確定申告書3年分の提出が必要な場合が多い)
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審査に通るための具体的な対策
信用情報を事前に確認し改善する
審査前に、CICの公式サイトから信用情報を開示請求し、問題がないか確認しましょう。
延滞記録がある場合、以下の対策を取ります。
- 延滞を完済し、記録が消えるまで待つ(延滞記録は完済から5年で消える)
- 記録が消えた後、審査を申し込む
返済比率を年収の25-35%以内に抑える
返済比率を年収の25-35%以内に抑えることで、審査通過率が高まります。
対策として、以下の方法があります。
- 既存のローンを完済または繰上返済
- 住宅ローンの借入額を減らす(頭金を増やす)
- 収入合算(配偶者等と合算して年収を増やす)
頭金を増額して借入額を減らす
頭金を増額することで、借入額が減り、返済比率が下がります。また、金融機関から「自己資金がある=返済能力が高い」と評価され、審査通過率が高まります。
一般的に、頭金は物件価格の10-20%程度が目安です。
複数の金融機関に審査を申し込む
審査基準は金融機関により異なるため、複数の金融機関に審査を申し込むことで、審査通過率を高めることができます。
申し込みは3-5社程度が目安です。短期間に多数の申し込みをすると、信用情報に記録されるため注意が必要です。
専門家(FP・宅建士)に相談する
以下のような場合は、専門家(FP、宅建士等)への相談を推奨します。
- 信用情報に問題がある
- 返済比率が高い
- 自営業・個人事業主で審査が不安
- 健康状態に不安がある
専門家は、個別の状況に応じた対策をアドバイスしてくれます。
審査に落ちた後の再審査のポイント
審査落ちの理由を確認する
審査に落ちた場合、金融機関に理由を確認しましょう。多くの金融機関は詳細な理由を開示しませんが、「年収」「勤続年数」「信用情報」等のヒントを得られる場合があります。
再審査までに改善すべきこと
審査落ちの理由に応じて、以下の改善を行います。
| 理由 | 改善方法 |
|---|---|
| 年収・勤続年数不足 | 勤続年数を1年以上にする、収入合算を検討 |
| 信用情報の傷 | 延滞を完済し、記録が消えるまで待つ(5年) |
| 返済比率の高さ | 既存ローンを完済、頭金を増やす |
| 健康状態 | ワイド団信、フラット35を検討 |
別の金融機関への申し込みタイミング
審査に落ちた後、すぐに別の金融機関に申し込むことは可能です。ただし、短期間に多数の申し込みをすると、信用情報に「申込履歴」が記録され、「多重申込」とみなされるリスクがあります。
3-5社程度に絞り、並行して申し込むことを推奨します。
フラット35など審査基準の異なるローンの検討
フラット35は、住宅金融支援機構が提供する住宅ローンで、以下の特徴があります。
- 勤続年数・雇用形態の制限が比較的緩い
- 団信加入が任意
- 固定金利(金利上昇リスクなし)
メガバンクの審査に落ちた場合でも、フラット35なら審査に通る可能性があります。
まとめ:審査通過率を高めるために今すぐできること
住宅ローン審査で落ちる主な理由は、年収・勤続年数の不足、信用情報の傷(延滞・債務整理)、返済比率の高さ、団体信用生命保険への加入不可です。審査基準は金融機関により異なるため、複数社への相談を推奨します。
審査に通るための対策として、信用情報の事前確認・改善、返済比率を年収の25-35%以内に抑える、頭金の増額、複数の金融機関への申し込みが有効です。
審査に落ちた場合は、理由を確認し、改善を行った上で、別の金融機関やフラット35への申し込みを検討しましょう。専門家(FP、宅建士等)に相談しながら、適切な準備を進めることが重要です。
