住宅ローン固定金利10年型の特徴とメリット|変動金利との比較と選び方

著者: Room Match編集部公開日: 2025/12/6

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

住宅ローン固定金利10年型とは|金利上昇リスクへの備え

住宅ローンの金利タイプを検討する際、「金利上昇リスクに備えたいが、固定金利は高い」「10年固定はどういう仕組みか」といった疑問を持つ方は多いでしょう。

この記事では、住宅ローン固定金利10年型の仕組み、2025年の最新金利水準、メリット・デメリット、変動金利・全期間固定との比較、ライフプラン別の適性を実践的に解説します。情報源は住宅金融支援機構全国銀行協会等の信頼できるデータを使用しています。

住宅ローンの金利タイプ選びに悩んでいる方が、10年固定金利の特徴を理解し、自分に適した金利タイプを選択できるようになります。

この記事のポイント

  • 10年固定金利は借入から10年間金利が固定され、11年目以降に変動金利か固定金利を選択する仕組み
  • 2025年12月時点の10年固定金利の中央値は2.321%前後、2024年3月のマイナス金利解除以降上昇傾向
  • メリットは10年間の返済額確定と家計管理の容易さ、デメリットは11年目以降の金利不明と返済額増加リスク
  • 2024年調査では77.4%が変動金利を選択、固定金利期間選択型は13.5%
  • 10年後に返済が大きく進む見込みがある人、子どもの教育費がかかる期間だけ固定したい人に向いている

(1) 固定金利期間選択型の基本的な仕組み

固定金利期間選択型は、一定期間(3年、5年、10年等)金利を固定し、期間終了後に金利タイプを選択できる住宅ローンです。10年固定金利は、借入から10年間の金利が固定されるタイプです。

全国銀行協会によると、固定金利は長期金利(10年国債利回り)に連動し、変動金利は短期プライムレートに連動します。

(2) 10年固定を選ぶ人の割合|2024年調査では13.5%

全国銀行協会の2024年調査によると、住宅ローン利用者の金利タイプ選択率は以下の通りです。

金利タイプ 選択率
変動金利 77.4%
固定金利期間選択型 13.5%
全期間固定金利 9.1%

77.4%が変動金利を選択しており、固定金利期間選択型(3年、5年、10年等を含む)は13.5%です。10年固定はこの13.5%の一部を占めます。

(3) 2024年3月マイナス金利解除後の金利上昇トレンド

2024年3月、日銀がマイナス金利政策を解除して以降、変動金利は0.15%〜0.35%上昇しました。固定金利は長期金利の影響を受け、さらに上昇傾向が続いています。

住まいサーフィンの調査によると、長期金利は2025年10月末1.67%から11月末1.812%に上昇し、2026年7〜9月期には1.63%まで上昇する予測があります。

10年固定金利の仕組みと金利水準|2025年の最新動向

10年固定金利の仕組みと2025年12月時点の最新金利水準を解説します。

(1) 借入から10年間金利が固定される仕組み

ファミリーライフサービスの解説によると、10年固定金利は借入から10年間金利が固定され、月々の返済額も変わりません。

10年後は固定金利期間選択型か変動金利を選択します。市場金利が上昇していれば、11年目以降の返済額が増加する可能性があります。

(2) 2025年12月時点の金利水準|中央値2.321%前後

住まいサーフィンの調査によると、2025年12月時点で主要銀行の10年固定金利の中央値は2.321%前後です。

参考として、住宅金融支援機構のフラット35(全期間固定金利)の2025年12月最頻金利は1.970%で、前月比0.07%上昇しています。

(3) 優遇幅の種類|当初期間優遇と全期間優遇の違い

優遇幅は、金融機関が店頭金利から引き下げる割引率です。2つのタイプがあります。

優遇タイプ 特徴 10年後の影響
当初期間優遇 借入当初の一定期間のみ大きな優遇幅が適用され、期間終了後は優遇幅が縮小 店頭金利が変わらなくても返済額が増える恐れ
全期間優遇 借入期間中ずっと同じ優遇幅が適用される 優遇幅の変動なし

10年後の返済額増加リスクを把握するため、契約時に優遇タイプを必ず確認しましょう。

(4) 11年目以降の金利タイプ選択|変動金利か固定金利か

10年後は、変動金利か再度固定金利(3年、5年、10年等)を選択します。auじぶん銀行の解説によると、9年目頃から金利動向をチェックし、必要に応じて借り換えを検討することを推奨します。

市場金利が低下している場合は変動金利、上昇が見込まれる場合は固定金利を選択する戦略が考えられます。

10年固定金利のメリット・デメリット|総返済額への影響

10年固定金利のメリットとデメリットを詳しく解説します。

(1) メリット|10年間の返済額が確定し、家計管理が容易

住信SBIネット銀行の解説によると、固定金利の最大のメリットは、金利上昇リスクを避けられ、家計全体の収支把握が容易になることです。

10年固定金利では、借入から10年間の返済額が確定するため、子どもの教育費や老後資金等の長期的な家計計画を立てやすくなります。

(2) メリット|固定期間を10年に限定し低い金利を実現

ファミリーライフサービスの解説によると、固定期間を長く設定するほど金利が高くなりがちですが、10年に限定することで低い金利を実現できます。

全期間固定金利(フラット35等)より金利が低く、変動金利との中間的な選択肢として位置づけられます。

(3) デメリット|11年目以降の金利が不明で返済額増加のリスク

auじぶん銀行の解説によると、11年目以降の金利が不明で、市場金利が上昇していれば返済額が増加する可能性があります。

優遇幅が「当初期間優遇」タイプの場合、店頭金利が変わらなくても優遇幅の減少により返済額が増える恐れがあります。

(4) デメリット|固定期間中は金利タイプの変更ができない

固定期間中は金利タイプの変更ができません。別の金融機関への借り換えには、事務手数料、登記費用、繰上返済手数料等の諸費用がかかるため、事前に確認が必要です。

固定期間終了時に変動金利か再度固定金利を選択することは可能です。

(5) デメリット|125%ルールが適用されない

125%ルールは、変動金利において金利上昇時でも返済額の増加を前回の125%以内に抑えるルールです。ただし固定金利期間選択型(10年固定等)には適用されません。

11年目に市場金利が大幅上昇している場合、返済額が大きく増加する可能性があるため注意が必要です。

変動金利・全期間固定との比較|3つの金利タイプの違い

10年固定金利、変動金利、全期間固定金利の3つの金利タイプを比較します。

(1) 変動金利|短期プライムレートに連動、低金利だが上昇リスク

変動金利は短期プライムレートに連動し、半年ごとに金利が見直されます。全国銀行協会によると、2024年3月のマイナス金利解除後、変動金利は0.15%〜0.35%上昇しました。

メリットは金利が低いこと、デメリットは金利上昇リスクがあることです。125%ルールにより返済額の急激な増加は抑えられますが、長期的には返済額が増える可能性があります。

(2) 全期間固定金利(フラット35等)|全期間金利固定で安心

全期間固定金利は、借入期間中ずっと金利が変わらない住宅ローンです。住宅金融支援機構のフラット35が代表的な商品で、2025年12月の最頻金利は1.970%です。

メリットは全期間の返済額が確定し、金利上昇リスクがないこと、デメリットは変動金利・10年固定金利より金利が高いことです。

(3) 10年固定金利|両者の中間的な選択肢

10年固定金利は、変動金利と全期間固定金利の中間的な選択肢です。

金利タイプ 金利水準(2025年12月) 金利上昇リスク 返済額の確定期間
変動金利 低め あり(125%ルールで緩和) なし(半年ごとに見直し)
10年固定金利 中間 11年目以降あり 10年間
全期間固定金利 高め なし 全期間

10年間の返済額確定と低金利のバランスを取りたい方に適しています。

(4) 総返済額シミュレーション|金利タイプ別の比較

総返済額は、金利タイプにより大きく異なります。以下は借入額3,000万円、返済期間35年の場合のシミュレーション例です(金利は2025年12月時点の目安)。

金利タイプ 金利 月々の返済額(当初10年) 総返済額(概算)
変動金利 0.5% 約7.8万円 約3,280万円
10年固定金利 2.3% 約11.8万円 約4,970万円
全期間固定金利 2.0% 約11.3万円 約4,750万円

※金利が変動しない前提での概算。実際は市場金利の変動により総返済額が変わります。

変動金利は金利が低いため総返済額が少なくなりますが、金利上昇リスクがあります。10年固定金利は変動金利より総返済額が多くなりますが、10年間の返済額が確定します。

10年固定金利が向いている人|ライフプラン別の適性

10年固定金利が向いている人の特徴を紹介します。

(1) 10年後に返済が大きく進む見込みがある人

10年後に退職金や相続等で繰上返済を行う予定がある場合、10年固定金利が向いています。11年目以降の金利上昇リスクを回避できます。

(2) 子どもの教育費がかかる期間だけ固定したい人

子どもが小学生〜大学卒業までの期間(約10年)だけ返済額を固定したい場合、10年固定金利が適しています。教育費の支出が多い期間の家計管理が容易になります。

(3) 金利上昇リスクを避けつつ、低金利も享受したい人

三井住友銀行の解説によると、固定金利は予測可能な返済計画と心理的安定を提供します。金利上昇リスクを避けつつ、全期間固定金利より低金利を享受したい方に10年固定金利が向いています。

(4) 9年目頃から借り換えを検討できる人

9年目頃から金利動向をチェックし、必要に応じて借り換えを検討できる方に10年固定金利が向いています。市場金利が低下している場合は変動金利への借り換え、上昇が見込まれる場合は全期間固定金利への借り換えを検討できます。

まとめ|10年後の選択肢と金利タイプの選び方

10年固定金利は借入から10年間金利が固定され、11年目以降に変動金利か固定金利を選択する仕組みです。2025年12月時点の10年固定金利の中央値は2.321%前後で、2024年3月のマイナス金利解除以降上昇傾向が続いています。

メリットは10年間の返済額確定と家計管理の容易さ、デメリットは11年目以降の金利不明と返済額増加リスクです。優遇幅が「当初期間優遇」タイプの場合、10年後に優遇幅が減少し、返済額が増える恐れがあります。

10年後に返済が大きく進む見込みがある人、子どもの教育費がかかる期間だけ固定したい人、金利上昇リスクを避けつつ低金利も享受したい人に向いています。9年目頃から金利動向をチェックし、必要に応じて借り換えを検討しましょう。

(1) 10年後の選択肢|変動金利・固定金利・借り換え

10年後の選択肢は以下の通りです。

  • 変動金利を選択: 市場金利が低下している場合に有利
  • 再度固定金利を選択: 市場金利が上昇している、または今後の上昇が見込まれる場合に有利
  • 別の金融機関へ借り換え: より有利な金利条件がある場合に検討

9年目頃から金利動向をチェックし、複数の金融機関で見積もりを取ることを推奨します。

(2) 金利タイプ選択のポイント|ライフプランとリスク許容度

三井住友銀行の解説によると、金利タイプはライフスタイルやリスク許容度により選択すべきタイプが異なります。

  • 変動金利が向いている人: 金利上昇リスクを許容できる、繰上返済により早期完済を目指す
  • 10年固定金利が向いている人: 10年間の返済額を確定したい、10年後に返済が大きく進む見込みがある
  • 全期間固定金利が向いている人: 金利上昇リスクを完全に回避したい、長期的に安定した返済計画を立てたい

金利タイプの選択は、個人のライフプランやリスク許容度により異なります。ファイナンシャルプランナーや銀行の住宅ローンアドバイザー等の専門家への相談を推奨します。

(3) 次のアクション|複数の金融機関で見積もり比較

住宅ローンを検討している方は、まず複数の金融機関(メガバンク、地方銀行、ネット銀行等)で見積もりを取り、金利条件を比較しましょう。

住宅金融支援機構のフラット35や主要銀行の最新金利情報を確認し、優遇幅のタイプ(当初期間優遇・全期間優遇)も必ず確認してください。

詳細な返済シミュレーションや金利タイプ選択については、ファイナンシャルプランナーや銀行の住宅ローンアドバイザー等の専門家への相談を推奨します。

広告

無料査定依頼キャンペーン 【ノムコム】

広告

よくある質問

Q110年固定と変動金利、どちらを選ぶべきですか?

A1ライフプランやリスク許容度により異なります。10年固定は10年間の返済額が確定し家計管理が容易ですが、変動金利より金利が高いです(2025年12月時点で10年固定2.3%、変動金利0.5%前後)。変動金利は低金利ですが金利上昇リスクがあります。子どもの教育費がかかる期間だけ固定したい、10年後に返済が大きく進む見込みがある人には10年固定が向いています。

Q210年後はどうなるのですか?

A2固定期間終了後、変動金利か再度固定金利(3年、5年、10年等)を選択します。市場金利が上昇していれば返済額が増加する可能性があります。優遇幅が「当初期間優遇」タイプの場合、店頭金利が変わらなくても優遇幅の減少により返済額が増える恐れがあります。9年目頃から金利動向をチェックし、必要に応じて借り換えを検討することを推奨します。

Q3途中で金利タイプを変更できますか?

A3固定期間中は金利タイプの変更ができません。別の金融機関への借り換えには手数料(事務手数料、登記費用、繰上返済手数料等)がかかるため、事前に諸費用を確認する必要があります。固定期間終了時(10年後)に変動金利か再度固定金利を選択することは可能です。借り換えを検討する場合は、金利差と諸費用を比較しましょう。

Q4優遇幅とは何ですか?

A4金融機関が店頭金利から引き下げる割引率です。「当初期間優遇」タイプは借入当初の一定期間のみ大きな優遇幅が適用され、期間終了後は優遇幅が縮小します。「全期間優遇」タイプは借入期間中ずっと同じ優遇幅が適用されます。10年後の返済額増加リスクを把握するため、契約時に優遇タイプを必ず確認しましょう。

Q5125%ルールとは何ですか?

A5変動金利において、金利上昇時でも返済額の増加を前回の125%以内に抑えるルールです。ただし固定金利期間選択型(10年固定等)には適用されません。11年目に市場金利が大幅上昇している場合、返済額が大きく増加する可能性があります。市場金利の大幅上昇局面では、9年目頃から借り換えを検討することを推奨します。

R

Room Match編集部

Room Matchは、不動産の購入・売却・賃貸に関する実践的な情報を提供するメディアです。住宅ローン、物件選び、不動産会社の選び方など、実務担当者に役立つ情報を分かりやすく解説しています。

関連記事