戸建て給湯器交換費用の相場と安くする方法

公開日: 2025/10/26

戸建て給湯器交換費用の相場を知る前に

給湯器が故障したり、10年以上使っていて買い替え時期を迎えたりすると、交換費用がいくらかかるのか不安に感じる方は多いでしょう。戸建ての給湯器交換費用は、給湯器の種類、号数、機能、設置タイプにより大きく異なります。

この記事では、給湯器の種類別交換費用相場、戸建て特有の設置タイプと追加費用、費用を安くする具体的な方法、業者選びの注意点を、経済産業省や国民生活センター等の公式情報を元に解説します。

費用相場は5.2万円~70万円と幅広いですが、自分の家族構成や予算に合わせて適切な給湯器を選び、費用を抑える方法を知ることで、納得できる価格で交換できるようになります。

この記事のポイント

  • 給湯器交換費用は種類・号数・機能・設置タイプにより5.2万円~70万円と大きく変動
  • ガス給湯器は5.2万円~26万円、エコキュートは40万円~70万円が目安
  • 複数業者見積もり・型落ち品選択・閑散期施工・補助金活用で費用削減が可能
  • 訪問販売トラブルが急増(2023年は前年の3倍)、70歳以上の高齢者被害が7割超
  • ガス・電気工事は有資格者施工が法令で義務化、DIY設置は絶対不可

戸建て給湯器の種類別交換費用相場

給湯器の種類により費用相場は大きく異なります。主な種類と費用を確認しましょう。

ガス給湯器(5.2万円~26万円)

ガス給湯器は最も普及している種類で、機能により費用が変わります。

機能 費用相場(工事費込) 特徴
給湯専用 5.2万円~8万円 お湯を供給するだけのシンプルなタイプ
追い焚き付き 9.7万円~20.7万円 浴槽のお湯を温め直せる
エコジョーズ 11.8万円~26万円 熱効率95%、年間ガス代1-2万円節約

号数により本体価格が2-3万円変動します。号数は1分間に水温+25℃のお湯を何リットル供給できるかを示す能力で、16号(1人暮らし向け)、20号(2-3人家族)、24号(4人以上)が一般的です。

エコジョーズは従来捨てていた排熱を再利用して効率を高めたガス給湯器で、熱効率95%(従来型80%)を実現し、年間ガス代を1-2万円節約できます。ただし、ドレン(凝縮水)排水用の追加配管工事が必要で、プラス1-2万円の費用がかかります。

エコキュート(40万円~70万円)

エコキュートは電気・空気熱を利用してお湯を沸かすヒートポンプ式給湯器です。初期費用は40-70万円と高額ですが、深夜電力で沸かすため電気代が約2/3削減できます。

プロパンガスエリアでは、ガス代が高額なため、10年総費用で比較するとエコキュートが大幅に節約できる場合があります。一方、都市ガスエリアでは、10年総費用でガス給湯器の方が有利な場合が多いです。自分の住む地域のガス料金と電気料金を比較して選びましょう。

石油給湯器・電気温水器

石油給湯器は灯油を燃料とする給湯器で、20-45万円程度が相場です。寒冷地で普及しており、立ち上がりが早く、冬場でも安定した給湯能力があります。

電気温水器は電気ヒーターでお湯を沸かすタイプで、15-40万円程度が相場です。エコキュートと比べて初期費用は安いですが、電気代が高くなる傾向があります。

戸建て特有の設置タイプと追加費用

戸建てでは、設置タイプにより費用が変動します。

壁掛け型(8万円~33万円)

外壁に固定するタイプで、省スペースで設置できます。壁面の強度が必要で、一部の建物では補強工事が必要な場合があります。費用は8-33万円程度です。

据え置き型(11万円~33万円)

地面に設置するタイプで、基礎工事が必要です。基礎工事費用がプラス数万円かかるため、壁掛け型より費用が高くなります。費用は11-33万円程度です。

追加費用の確認ポイント

以下のような追加費用が発生する場合があります。見積もり時に必ず確認しましょう。

  • 配管延長: 既存配管の位置と新しい給湯器の位置が異なる場合、1mあたり数千円の追加費用
  • ドレン配管工事: エコジョーズの場合、ドレン排水用の配管工事が必要(プラス1-2万円)
  • 既存設備の撤去費用: 古い給湯器の撤去・処分費用(1-2万円)
  • 環境対応: 塩害・積雪・凍結地域では耐候仕様が必要(プラス費用)

給湯器交換費用を安くする4つの方法

費用を抑えるための具体的な方法を紹介します。

複数業者から相見積もりを取る(最低3社)

リフォーム比較サイトの実績によると、業者により費用が3-10万円異なる場合があります。最低でも3社から見積もりを取り、工事費の内訳(本体費用・標準工事費・諸経費)を確認しましょう。極端に安い見積もりは、追加工事費用が発生するリスクがあるため、内訳を詳しく確認することが重要です。

型落ち品・在庫処分品を選ぶ

リフォーム業者の実績によると、最新機種より型落ち品を選ぶことで、2-5万円安くなる場合があります。性能差は小さく、十分実用的です。在庫処分品も同様に割安で購入できる場合があるため、業者に確認してみましょう。

閑散期(春・秋)に施工する

給湯器交換の繁忙期は夏・冬(故障が多い時期)です。閑散期の春・秋は、値引き交渉がしやすく、工事日程も柔軟に調整できます。故障前に計画的に交換することで、閑散期施工のメリットを享受できます。

補助金を活用する(給湯省エネ2025事業)

経済産業省の給湯省エネ2025事業では、高効率給湯器の導入に補助金が支給されます。

  • エコキュート: 8万円
  • ハイブリッド給湯機: 10万円
  • エネファーム: 18万円

登録業者経由で申請し、消費者は割引価格で購入できます。ただし、予算枠到達で早期終了する可能性があるため、申請時期に注意が必要です。施工業者に最新状況を確認しましょう。

業者選びの注意点とトラブル回避

安全な業者を選び、トラブルを回避するための重要なポイントを解説します。

有資格者施工の確認(ガス・電気工事士)

ガス給湯器はガス事業法、電気温水器は電気事業法により、有資格者(ガス工事士・電気工事士)による施工が義務付けられています。無資格施工は法令違反であり、ガス漏れや火災のリスクがあります。

DIY設置は絶対に不可です。必ず有資格業者に依頼し、施工業者の資格を確認しましょう。

訪問販売トラブルに注意

国民生活センターの警告によると、給湯器の訪問販売トラブルが急増しています。2023年は前年の3倍に増加し、70歳以上の高齢者被害が7割を超えています。

よくある手口:

  • 「無料点検」を謳って訪問
  • 「地方自治体から委託された」「ガス会社の依頼」等の虚偽説明
  • 不安を煽って高額な給湯器への交換を強引に勧める
  • 即決を迫る

対策:

  • 訪問販売業者の「無料点検」は断る
  • 即決せず、複数業者で比較する
  • 不審な勧誘を受けたら、消費生活センター(188)に相談
  • 契約後でもクーリングオフ(8日以内)が可能

まとめ:適切な給湯器を適正価格で交換する

戸建て給湯器の交換費用は、種類・号数・機能・設置タイプにより5.2万円~70万円と大きく変動します。ガス給湯器は5.2万円~26万円、エコキュートは40万円~70万円が目安です。

費用を抑えるには、複数業者から相見積もりを取り、工事費の内訳を確認することが最も重要です。型落ち品の選択、閑散期施工、補助金活用も有効な方法です。

業者選びでは、有資格者施工を確認し、訪問販売トラブルに注意しましょう。訪問販売の「無料点検」は断り、即決せず、複数業者で比較することが大切です。

給湯器は10-15年使用する設備です。初期費用だけでなく、ランニングコスト(ガス代・電気代)も含めて総合的に判断し、納得できる業者を選びましょう。

よくある質問

給湯器交換の工事にかかる時間はどのくらいですか?

標準的な交換工事は2-4時間程度です。同タイプの交換なら半日で完了しますが、エコキュート新設など大規模工事は1日以上かかる場合があります。配管延長や基礎工事が必要な場合はさらに時間がかかります。工事中はガス・水道が使えないため、業者と事前に確認しましょう。

給湯器の寿命はどのくらいですか?

一般的に10-15年が寿命です。使用頻度・水質・メンテナンス状況により前後します。10年を超えたら交換を検討しましょう。故障前の交換がおすすめです。急な故障で数日お湯が使えない、繁忙期で工事待ちになるリスクを回避できます。

賃貸住宅の給湯器交換費用は誰が負担しますか?

原則として家主(大家)が負担します。経年劣化による故障は家主の修繕義務です。ただし、借主の故意・過失による破損は借主負担となります。まずは管理会社・家主に連絡し、指示を仰ぐことが重要です。勝手に業者を手配すると費用請求できない場合があります。

DIYで給湯器を交換できますか?

絶対に不可です。ガス給湯器はガス事業法、電気温水器は電気事業法により、有資格者(ガス工事士・電気工事士)による施工が義務付けられています。無資格施工は法令違反であり、ガス漏れや火災のリスクがあります。必ず有資格業者に依頼してください。

補助金はいつまで申請できますか?

給湯省エネ2025事業は2025年2月に開始されましたが、予算枠到達で早期終了する可能性があります。申請時期により既に終了している場合があるため、施工業者に最新状況を確認してください。登録業者経由でのみ申請可能です。

よくある質問

Q1給湯器交換の工事にかかる時間はどのくらいですか?

A1標準的な交換工事は2-4時間程度です。同タイプの交換なら半日で完了しますが、エコキュート新設など大規模工事は1日以上かかる場合があります。配管延長や基礎工事が必要な場合はさらに時間がかかります。工事中はガス・水道が使えないため、業者と事前に確認しましょう。

Q2給湯器の寿命はどのくらいですか?

A2一般的に10-15年が寿命です。使用頻度・水質・メンテナンス状況により前後します。10年を超えたら交換を検討しましょう。故障前の交換がおすすめです。急な故障で数日お湯が使えない、繁忙期で工事待ちになるリスクを回避できます。

Q3賃貸住宅の給湯器交換費用は誰が負担しますか?

A3原則として家主(大家)が負担します。経年劣化による故障は家主の修繕義務です。ただし、借主の故意・過失による破損は借主負担となります。まずは管理会社・家主に連絡し、指示を仰ぐことが重要です。勝手に業者を手配すると費用請求できない場合があります。

Q4DIYで給湯器を交換できますか?

A4絶対に不可です。ガス給湯器はガス事業法、電気温水器は電気事業法により、有資格者(ガス工事士・電気工事士)による施工が義務付けられています。無資格施工は法令違反であり、ガス漏れや火災のリスクがあります。必ず有資格業者に依頼してください。

Q5補助金はいつまで申請できますか?

A5給湯省エネ2025事業は2025年2月に開始されましたが、予算枠到達で早期終了する可能性があります。申請時期により既に終了している場合があるため、施工業者に最新状況を確認してください。登録業者経由でのみ申請可能です。