中古戸建て購入完全ガイド!メリット・選び方・注意点

公開日: 2025/10/27

中古戸建てとは?購入のメリットを理解しよう

住宅購入を検討する際、「新築と中古、どちらがいいのか」「中古戸建てのメリット・デメリットは何か」と悩む方は多いでしょう。特に、予算を抑えながら広い住空間を手に入れたいと考える方にとって、中古戸建ては魅力的な選択肢です。

この記事では、中古戸建て購入のメリット・デメリット、選び方のポイント、購入時の注意点、諸費用を、国土交通省等の公式情報を元に解説します。

この記事を読めば、中古戸建てが自分に合っているか、どのような物件を選ぶべきかを判断できるようになります。

この記事のポイント

  • 中古戸建ては新築より価格が安く、物件選択肢が多い、立地の良い物件が見つかりやすい
  • デメリットは築年数による劣化、修繕費用がかかる可能性、住宅ローン減税の条件が厳しいこと
  • 選び方のポイントは築年数(20-30年が目安)、立地・周辺環境、耐震性能の確認
  • 購入時の注意点はホームインスペクション(住宅診断)の実施、修繕履歴の確認、契約不適合責任の有無
  • 諸費用は物件価格の5-10%が目安で、仲介手数料・登記費用・火災保険等が含まれる

中古戸建て購入のメリット

価格が安い(新築より2-4割安い)

中古戸建ての最大のメリットは、新築より価格が安いことです。不動産市場の調査によると、一般的に新築より2-4割安く購入できます。

例:

  • 新築戸建て:5,000万円
  • 中古戸建て(築15年):3,000-4,000万円

同じ予算で、新築より広い住空間や立地の良い物件を選べる可能性があります。

物件選択肢が多い

中古戸建ては、新築と比べて物件数が多く、選択肢が豊富です。エリア・間取り・価格帯等、自分の希望に合った物件を見つけやすいでしょう。

特に、人気エリアでは新築物件が少ないため、中古戸建てが現実的な選択肢になります。

立地の良い物件が見つかりやすい

中古戸建ては、駅近・商業施設近く等、立地の良い物件が見つかりやすいです。新築は郊外に建てられることが多いため、立地を重視する方には中古戸建てがおすすめです。

国土交通省の調査によると、住宅購入者の約8割が立地を重視しています。

実物を見て購入できる

新築の建売住宅や注文住宅では、完成前に契約することが多く、実物を見ずに購入するリスクがあります。中古戸建ては、実物を見て購入できるため、日当たり・風通し・周辺環境を事前に確認できます。

リフォーム・リノベーションで自分好みにできる

中古戸建ては、リフォーム・リノベーションで自分好みにカスタマイズできます。間取り変更・設備更新等、自由度が高いです。

リフォーム費用を含めても、新築より安く抑えられる場合があります。

中古戸建て購入のデメリット・リスク

築年数による劣化(修繕費用がかかる可能性)

中古戸建ては、築年数が経過しているため、劣化が進んでいる可能性があります。外壁・屋根・設備等の修繕費用が必要になる場合があります。

リフォーム業界の一般的な相場として、築20年以上の物件では以下の修繕が必要になることが多いです。

修繕箇所 目安費用
外壁塗装 80-150万円
屋根修繕 50-100万円
給湯器交換 20-40万円
キッチン・浴室リフォーム 100-300万円

耐震性能が低い可能性(1981年以前は旧耐震基準)

1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を受けた建物は、旧耐震基準で建てられています。旧耐震基準(震度5強程度の地震を想定)は、新耐震基準(1981年6月1日以降、震度6強-7程度の地震で倒壊しない水準)より耐震性能が低いため、大地震時の倒壊リスクが高まります。

旧耐震基準の物件を購入する場合は、耐震診断・耐震補強工事を検討してください。

住宅ローン減税の条件が厳しい

2022年の税制改正以降、2025年10月時点では、中古戸建ては住宅ローン減税の条件が新築より厳しいです。以下の条件を満たす必要があります。

建物種別 築年数要件
耐火建築物(マンション等) 築25年以内
非耐火建築物(木造戸建て等) 築20年以内
新耐震基準適合住宅 築年数不問(耐震基準適合証明書が必要)

築年数が古い物件では、住宅ローン減税を受けられない場合があります。

瑕疵担保責任(契約不適合責任)の期間が短い

新築住宅には10年間の瑕疵担保責任(契約不適合責任)がありますが、中古戸建ては売主により異なります。

売主 責任期間
不動産会社(宅建業者) 2年以上
個人 原則3ヶ月(契約により異なる)

個人間売買では、瑕疵担保責任が免責される場合もあるため、注意が必要です。

中古戸建ての選び方のポイント

築年数(20-30年が目安)

中古戸建ての築年数は、20-30年が目安です。この範囲であれば、価格が安く、修繕費用も比較的少なく抑えられます。

築15年以内の物件は、新築に近い状態ですが、価格が高めです。築30年以上の物件は、価格が安いですが、修繕費用が高額になる可能性があります。

立地・周辺環境(駅距離、学校、商業施設)

立地・周辺環境は、住みやすさに直結します。以下のポイントを確認しましょう。

  • 駅距離: 都市部では徒歩10分以内が理想ですが、郊外ではバス便や車の利用も視野に入れて検討しましょう
  • 学校: 子どもがいる場合、小学校・中学校の距離を確認
  • 商業施設: スーパー・コンビニ・病院等の利便性
  • 治安: 警察署・交番の有無、犯罪発生率

耐震性能の確認(1981年以降は新耐震基準)

耐震性能は、安全性に直結します。1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物は、新耐震基準で建てられており、旧耐震基準より耐震性能が高いです。

旧耐震基準の物件を購入する場合は、耐震診断・耐震補強工事を検討してください。費用は100-300万円程度です。

修繕履歴の確認

売主に修繕履歴を確認しましょう。外壁塗装・屋根修繕・設備交換等の履歴があれば、今後の修繕費用を抑えられる可能性があります。

修繕履歴がない場合は、ホームインスペクション(住宅診断)を実施し、現状を把握することをおすすめします。

ホームインスペクション(住宅診断)の実施

ホームインスペクション(住宅診断)は、専門家が建物の劣化状況・欠陥の有無を調査するサービスです。費用は5-10万円程度で、購入前に実施することをおすすめします。

ホームインスペクションにより、以下を確認できます。

  • 基礎・外壁・屋根の劣化状況
  • 雨漏り・シロアリの有無
  • 設備(給湯器・エアコン等)の動作確認

中古戸建て購入時の注意点

契約不適合責任の有無

契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)とは、売買契約の内容に適合しない場合(雨漏り・シロアリ被害等)、売主が責任を負う制度です。

個人間売買では、契約不適合責任が免責される場合があるため、契約前に確認してください。不動産会社(宅建業者)が売主の場合は、2年以上の責任期間が法律で義務付けられています。

既存住宅売買瑕疵保険の加入

既存住宅売買瑕疵保険は、中古住宅購入後に瑕疵(雨漏り・構造的欠陥等)が見つかった場合、修繕費用を補償する保険です。

保険加入には、ホームインスペクションの実施が必要です。保険料は5-10万円程度で、購入前に加入を検討しましょう。

住宅ローン審査(築年数により融資額が減額される場合)

築年数が古い物件では、住宅ローン審査が厳しくなる場合があります。金融機関により異なりますが、築20年以上の木造戸建ては融資額が減額される可能性があります。

事前審査で融資可能額を確認し、自己資金を準備しておくことをおすすめします。

中古戸建て購入の諸費用

中古戸建て購入時の諸費用は、物件価格の5-10%が目安です。主な諸費用は以下の通りです。

項目 内容 目安額
仲介手数料 物件価格の3%+6万円+消費税 100-150万円
登記費用 登録免許税・司法書士報酬 30-50万円
火災保険 10年一括払い 20-30万円
不動産取得税 固定資産税評価額の3% 30-50万円
印紙税 売買契約書・住宅ローン契約書 2-6万円
ホームインスペクション 建物診断 5-10万円

例:

  • 物件価格3,000万円の場合
  • 諸費用合計 = 187-296万円程度

諸費用は基本的に住宅ローンに含められないため、自己資金で用意する必要があります。

まとめ:専門家に相談して安心して購入しよう

中古戸建ては、新築より価格が安く、物件選択肢が多い、立地の良い物件が見つかりやすいというメリットがあります。一方、築年数による劣化、修繕費用がかかる可能性、住宅ローン減税の条件が厳しいというデメリットもあります。

選び方のポイントは、築年数(20-30年が目安)、立地・周辺環境、耐震性能の確認です。購入時の注意点は、ホームインスペクション(住宅診断)の実施、修繕履歴の確認、契約不適合責任の有無です。

諸費用は物件価格の5-10%が目安で、仲介手数料・登記費用・火災保険等が含まれます。信頼できる不動産会社や住宅診断士に相談しながら、安心して購入しましょう。

よくある質問

Q1中古戸建ての築年数は何年くらいがいいですか?

A1築20-30年が目安です。この範囲であれば、価格が安く、修繕費用も比較的少なく抑えられます。築15年以内の物件は新築に近い状態ですが、価格が高めです。築30年以上の物件は価格が安いですが、修繕費用が高額になる可能性があります。また、1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物は新耐震基準で建てられており、耐震性能が高いため、築年数だけでなく建築年月も確認してください。

Q2ホームインスペクション(住宅診断)は必要ですか?

A2購入前に実施することを強くおすすめします。費用は5-10万円程度で、専門家が建物の劣化状況・欠陥の有無を調査します。ホームインスペクションにより、基礎・外壁・屋根の劣化状況、雨漏り・シロアリの有無、設備の動作確認ができます。購入後に高額な修繕費用が発生するリスクを減らせます。既存住宅売買瑕疵保険に加入する場合も、ホームインスペクションが必要です。

Q3中古戸建てでも住宅ローン減税は受けられますか?

A3条件を満たせば受けられます。2022年の税制改正により、築20年以内の木造戸建て(耐火建築物は築25年以内)、または新耐震基準適合住宅(耐震基準適合証明書が必要)が対象です。築年数が古い物件でも、耐震基準適合証明書を取得すれば住宅ローン減税を受けられます。証明書取得費用は5-10万円程度です。詳細は税理士または不動産会社に確認してください。

Q4中古戸建ての諸費用はいくらかかりますか?

A4物件価格の5-10%が目安です。主な諸費用は、仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税)、登記費用(30-50万円)、火災保険(20-30万円)、不動産取得税(固定資産税評価額の3%)等です。例えば、物件価格3,000万円の場合、諸費用合計は187-296万円程度です。諸費用は基本的に住宅ローンに含められないため、自己資金で用意する必要があります。

Q5個人間売買と不動産会社から購入する違いは?

A5最大の違いは契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)の期間です。不動産会社(宅建業者)が売主の場合は2年以上の責任期間が法律で義務付けられていますが、個人間売買では原則3ヶ月(契約により異なる)で、免責される場合もあります。不動産会社から購入する方が、購入後のリスクが少ないですが、仲介手数料が発生します。個人間売買では仲介手数料が不要ですが、契約不適合責任が短いため、ホームインスペクションの実施を強くおすすめします。